まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ダイヤキルトを丁寧にかけたウエストバッグがついに出来上がりました。
失敗分部と成功部分がはっきりと分かれたとりあえずの完成品ではありますが、販売というお品には至りませんでした。
大変厳しいジャッジをしていますので、どうしても1つの部分が引っ掛かるとボツになってしまうのです。
そんなウエストバッグの苦いエピソードを交えた、学び多きこの度の製作は全体としては大変良い期間となりました。
今回は、その完成を見ながら、どこが失敗、どこが成功なのかを解説したいと思います。
私は、ハンドメイドバッグの作り方やデザインを提供していく内容にシフトしていますので、まずは自身が作った試作品の改良こそが重要な段階になります。
自身で販売していくこととの違いは、「これを製作する人の気持ちになるという立場」です。
よくイメージされるバッグを作って販売するということもやらせてはいただいていますが、むしろ、こういった製作者様用のコンテンツ作りにシフトしています。
入り口フラップの長さの不足の失敗
では、まずここで失敗した箇所をご紹介したいと思います。
一見問題ないような。。。
いやいや、これが大変だったんです(汗)。
これも仕方がなかったと言えますが、生地がそもそもぎりぎりで、蓋がもっと縦に長くないといけないと後から分かりました。
ヒネリ錠を上の方に付けることは、これ以上はバランスがおかしいので、ヒネリ錠の位置が悪いわけではないのです。
こうなると思っていなかったというような結末です。
もし、四角くピンタックをしないタイプならマチの分が10cmもとられないのでヒネリ錠はOK。
だとしても、サイドのマチの部分の包み込みタブが硬く、ピンタックとの相性が良いとなります。
そうしますと、入り口のマチが閉じないのです。
よって、こういった細かいパーツの組み合わせは全体のバランスも大事で、それを完全に予測した設計であることが成功です。
生地不足による入口フラップの短さが失敗を招いたのです。
キャラメルの箱風のタブの成功
次は、そんな苦い失敗とは反対に、成功した箇所です。
それは、セキュリティー性を高めるために設けたキャラメルタブ。
外面に取り付けるということは生地が縦に長めに必要だということですね。
入口フラップと同じ理論です。
ヒネリ錠の今後の使用についての考え
ねじ止め式なので、ヒネリ錠内の見えない範囲内で穴を開けることになります。
今回、穴の位置も間違っていたものですから、生地を強引に内側に寄せてしわも出ていますね。
穴は、ぜんまいや目打ちを使って差して開けるのですが、本来こういう金具パーツはレザー用です。
よって、生地には向かないとパーツメーカー様は実際におっしゃっているのです。
メーカー様や職人様のおっしゃることは確かです。
それなのにこの世の中たくさんの生地に対してこのパーツが使われている様子が見られます。
私も、その見かけのかっこよさに惹かれ使ってきたことがあったのですが、もう一切他のカシメるタイプはその強引さや途中で外れてしまう危うさで廃止を決めました。
このヒネリ錠も同時に廃止したのですが、今回苦肉の策で使ってみてしまいました。
その時の感想です↓。
ぐいぐいと穴を目打ちなどで強引に空けていくその時の生地の様子がとても可哀そうでした。
何もしなければ静かにゆったりとたたずむ生地がこんな感じでパーツ取り付けのために穴を強引に開けられるのです。
せっかくの良質な素敵な生地に対してひどいことをしていると実感しました。
かなり今回は気持ちがこたえました。
やはりヒネリ錠も廃止のパーツの1つで間違いなかったと再確認の回となったのです。
あとがき
最後の金属パーツについては、まだまだお話し足りないことがいっぱいです。
ほとんどバッグに使用するようなパーツは今までトライしてきました。
どれも完全なものではないことと、生地に穴を開けることが抵抗がありました。
生地を本革レザーと同じに安易に考えがちですが、革と生地は別物だと思います。
生地はひとえにつながっていてこその美しさであり安定であると思います。
一方本革レザーは生地に比べてはるかにその内部構造が「緻密」ですので、硬いのです。
家庭用ミシンが本革にはなかなか対応できないのはそういうことです。
穴1つ空けるにしても、ポンチというくり抜き型で金づちでポンッとたたけばくり抜ける点にその性質の違いが見られます。
こうした金属パーツも本来は本革レザー用のものであるということを生地で難航した末に知るのです。
今回、ヒネリ錠なら穴が小さいしネジ式だからカシメるよりもネジの力に頼れるから丈夫なのではないかと採用したきっかけがありました。
そして、なんと言ってもワンポイントアクセントになるような見かけのかっこよさから使用してしまいましたが、結果は変な心地悪さが残ったのです。
ここ最近新聞で拝見した、生地にこだわった良質なハンドメイドバッグが生み出されたご紹介がありました。
その素材が活きるようなきちんとした美しいステッチなどの仕立てながらも、こういった金属パーツは一切使ってありませんでした。
SDGsを意識した事業であることもありますでしょう。
この私が感じた、不安が残る「心地悪さ」は、SDGsに間違いなくつながるところがあると思っています。
とても貴重な経験でした<m(__)m>。