最初から完璧には仕上がらない、イメージは形にできたこととキャラメルの入り口風の包み込み機能が成功のウエストバッグ【1224】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ダイヤキルトを丁寧にかけたウエストバッグがついに出来上がりました。

失敗分部と成功部分がはっきりと分かれたとりあえずの完成品ではありますが、販売というお品には至りませんでした。

大変厳しいジャッジをしていますので、どうしても1つの部分が引っ掛かるとボツになってしまうのです。

そんなウエストバッグの苦いエピソードを交えた、学び多きこの度の製作は全体としては大変良い期間となりました。

今回は、その完成を見ながら、どこが失敗、どこが成功なのかを解説したいと思います。

私は、ハンドメイドバッグの作り方やデザインを提供していく内容にシフトしていますので、まずは自身が作った試作品の改良こそが重要な段階になります。

自身で販売していくこととの違いは、「これを製作する人の気持ちになるという立場」です。

よくイメージされるバッグを作って販売するということもやらせてはいただいていますが、むしろ、こういった製作者様用のコンテンツ作りにシフトしています。

入り口フラップの長さの不足の失敗

では、まずここで失敗した箇所をご紹介したいと思います。

ウエストバッグ:<サイズ>縦17cmx横17cmxマチ10cm。

一見問題ないような。。。

いやいや、これが大変だったんです(汗)。

サイドのマチの上の方の変形から見られるように、蓋の長さが足りません。
ヒネリ錠の凸の正しい位置は、もっと上。そうすると入口周辺になってしまい、
結局はこの位置で十分良くて、原因がフラップの長さの不足にあるということになります。

これも仕方がなかったと言えますが、生地がそもそもぎりぎりで、蓋がもっと縦に長くないといけないと後から分かりました。

ヒネリ錠を上の方に付けることは、これ以上はバランスがおかしいので、ヒネリ錠の位置が悪いわけではないのです。

こうなると思っていなかったというような結末です。

もし、四角くピンタックをしないタイプならマチの分が10cmもとられないのでヒネリ錠はOK。

だとしても、サイドのマチの部分の包み込みタブが硬く、ピンタックとの相性が良いとなります。

そうしますと、入り口のマチが閉じないのです。

よって、こういった細かいパーツの組み合わせは全体のバランスも大事で、それを完全に予測した設計であることが成功です。

生地不足による入口フラップの短さが失敗を招いたのです。

キャラメルの箱風のタブの成功

次は、そんな苦い失敗とは反対に、成功した箇所です。

それは、セキュリティー性を高めるために設けたキャラメルタブ。

キャラメルタブ:これを設置により、外側から中身が分かりにくく包み込んでくれます。
取り付けは、必ず覆うように外面に取り付けるところがポイントです。

外面に取り付けるということは生地が縦に長めに必要だということですね。

入口フラップと同じ理論です。

ヒネリ錠の今後の使用についての考え

ヒネリ錠(表):ワンポイントでかっこよさはあります。
ヒネリ錠(裏):このように+ドライバーでねじ止め式です。

ねじ止め式なので、ヒネリ錠内の見えない範囲内で穴を開けることになります。

今回、穴の位置も間違っていたものですから、生地を強引に内側に寄せてしわも出ていますね。

穴は、ぜんまいや目打ちを使って差して開けるのですが、本来こういう金具パーツはレザー用です。

よって、生地には向かないとパーツメーカー様は実際におっしゃっているのです。

メーカー様や職人様のおっしゃることは確かです。

それなのにこの世の中たくさんの生地に対してこのパーツが使われている様子が見られます。

私も、その見かけのかっこよさに惹かれ使ってきたことがあったのですが、もう一切他のカシメるタイプはその強引さや途中で外れてしまう危うさで廃止を決めました。

このヒネリ錠も同時に廃止したのですが、今回苦肉の策で使ってみてしまいました。

その時の感想です↓。

ぐいぐいと穴を目打ちなどで強引に空けていくその時の生地の様子がとても可哀そうでした。

何もしなければ静かにゆったりとたたずむ生地がこんな感じでパーツ取り付けのために穴を強引に開けられるのです。

せっかくの良質な素敵な生地に対してひどいことをしていると実感しました。

かなり今回は気持ちがこたえました。

やはりヒネリ錠も廃止のパーツの1つで間違いなかったと再確認の回となったのです。

あとがき

最後の金属パーツについては、まだまだお話し足りないことがいっぱいです。

ほとんどバッグに使用するようなパーツは今までトライしてきました。

どれも完全なものではないことと、生地に穴を開けることが抵抗がありました。

生地を本革レザーと同じに安易に考えがちですが、革と生地は別物だと思います。

生地はひとえにつながっていてこその美しさであり安定であると思います。

一方本革レザーは生地に比べてはるかにその内部構造が「緻密」ですので、硬いのです。

家庭用ミシンが本革にはなかなか対応できないのはそういうことです。

穴1つ空けるにしても、ポンチというくり抜き型で金づちでポンッとたたけばくり抜ける点にその性質の違いが見られます。

こうした金属パーツも本来は本革レザー用のものであるということを生地で難航した末に知るのです。

今回、ヒネリ錠なら穴が小さいしネジ式だからカシメるよりもネジの力に頼れるから丈夫なのではないかと採用したきっかけがありました。

そして、なんと言ってもワンポイントアクセントになるような見かけのかっこよさから使用してしまいましたが、結果は変な心地悪さが残ったのです。

ここ最近新聞で拝見した、生地にこだわった良質なハンドメイドバッグが生み出されたご紹介がありました。

その素材が活きるようなきちんとした美しいステッチなどの仕立てながらも、こういった金属パーツは一切使ってありませんでした。

SDGsを意識した事業であることもありますでしょう。

この私が感じた、不安が残る「心地悪さ」は、SDGsに間違いなくつながるところがあると思っています。

とても貴重な経験でした<m(__)m>。

パッチワークでボーダーボディーバッグを作った時の柄の美しい現れ方の研究【101】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ニット素材のスポーツ衣類向けの生地でバッグを作っていきました。

多めに余ったはぎれを使いますので、はぎれで作った割には本格的に出来上がるところがお楽しみいただける点になるかと思います。

ハンドメイドを始めた当初からパッチワークボーダーをよく作ってまいりました。

その理由として、まず生地の面積が多くは必要でないことがあります。

よって、生地が調達しやすいと言えます。

メイン生地でなくとも、今回のようにはぎれをかき集める方法でも、作ってしまえば立派なものです。

元の材料がどんな風に余っていたのかなどは美しく出来上がってしまえばあまり重視されるところではありません。

だからこそ、はぎれ1つであっても、メイン生地と同等に丁寧な製作をするということをお勧めしたいのです。

よく、はぎれだから適当で良いなどと思いがちなのですが、「製作」という作業は何ら変わりがないわけで、その材料の余り方に惑わされたり、固定概念に翻弄されたりということがいかに多いかということです。

重要なのは、元の材料ではなく、作り手の一番の見せどころである「縫製の技」なのです。

ボーダー柄は3段十分に見せられると美しいようだ

2色ボーダーで長財布が縦も横も入るサイズのボディーバッグを作りました。

マッチする色同士であれば、少しずつでもパッチワークボーダーになるのです。

想像以上にゆったりとしたサイズの入れ物ができました(^-^)。

かなり縦もたっぷりの分量をとりましたが、パッチワークボーダーの巾の兼ね合いで何とかオフが3段現れたかなという感じです。

小さいサイズのバッグの場合には、ボーダーの巾も狭めがたっぷりと柄が出てくれるということを学びました。

黒白パッチワークボーダーボディーバッグ:<サイズ>縦21cmx横21/26cmxマチ7cm。
 <使用生地>表地(黒・オフ):スポーツメッシュ、ナイロン/94%、ポリウレタン/6%、日本製。
裏地(黒):ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。

まずは、この素材の素敵さが感じられます。

ニットのソフトなタッチがつるりとしたイメージのボーダー柄に意外性をもたらします。

このスポーツメッシュの素材は、色が豊富に展開されていますが、何しろ定番生地ではなくある一定期間だけの貴重な企画のようでした。

そして、1つお伝えしたいこのたびの製作のポイントは、ファスナーの付け位置です。

ファスナーの付け位置がてっぺんではないところがボディーバッグらしいかもしれません。

あまり上の方にマチを付けると体に沿わないので、てっぺんにマチを持ってこない/入口にしないというやり方です。

そうしますと、上寄りの部分にファスナーを水平に取り付けて、上部先端部分は中に物を入れたときにお部屋のゆとりの一部としてその容積を使用させていただくのです。

表からは、ボーダーが綺麗に出るように映るために、ファスナー設置が裏面であることもポイントです。

ショルダーベルトには、車用の「シートベルト」を使っています。

たまたま黒なのでこの度のモノトーンカラーには真っ黒シートベルトは相性が良いです。

こうして、黒白だけで作られたバッグは意外とレア。

黒無地のお洋服には良い意味でボーダー柄が映え、効果的です。

あとがき

ボディーバッグやウエストバッグは小さいながら付加価値を入れていく点が難しいところです。

コンパクトでありながら実はそこそこ生地も必要です。

そんなボディーバッグをパッチワークで生地の余りを集めながら作ることは今回のはぎれならではの機会でした。

このたびのファスナーの取り付け方には課題もありますので、いろいろファスナーの取り付け方の違いをもっと研究していく必要があると思っています。

このスポーツメッシュ、素敵です。

カラー展開は、地味目の色のブルー、抹茶、グレー、紺、グリーンといったラインナップ。

今の時点では、まだ生地屋さんで色違いが調達できるので、後の製作で取り入れていきたいと思います。

やはりせっかくの色の展開があるので切り替えてマルチボーダーにも挑戦してみたいと思っています。←マルチボーダーで後に制作した投稿の該当番号は【274】。

マチ無しボディーバッグからのフィードバックで得た、「はぎれ=適当なお品」では通用しない、ユーザー側に立った考え方【74】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、はぎれシリーズとなります。

ちょっと訳ありなのが、一度作ったバッグを解体したという点です。

生地が素敵でもう一度のチャンスで何か実りがないかと再利用させていただきました。

日本製のフクレジャガードの特徴が分かる生地

今回使用の生地は、私がとても好きなフクレ加工がしてあります。

しかも日本製。

日本製でフクレ加工はそれほど多くないと思います。

イタリア製はよく私がチョイスしている生地の中に「風通ジャガード」として入ってきますが、日本製ならではのフクレといった感じで、きめ細やかさが特徴です。

使用生地(黒xピンク):フクレジャガード、ポリエステル/100%、日本製。

この色違いの2つは、同じ生地の表面と裏面。

ジャガード自体の良さとして、表も裏も両方使用可能であることがあります。

もともとの表は、生地屋さんのお話では、黒地の方(上)です。

ただ、フクレがより大きく出ている方がピンク地の方です。

控え目なしわの出方を表とするのが日本製らしいともとれます。

黒地の方もピンク地の方もそれぞれの魅力があり、どちらも使用したい面です。

よって今回は、ツートンカラー使いを特徴にしたデザインにしてみました。

元は1色の黒ベースだったので、随分違ったものになると思います。

ピンクの方が余ったはぎれのパーツが大きくて、大小のあるパーツでのハギ合わせにしました。

パッチワークのように1つの面を作るところから作業が始まります。

丸いラインにファスナーを取り付ける作業の難易度の意外

今回は楕円型になりますので、ファスナーを取り付けることがいかにも困難のように感じるかもしれませんが、実際作業してみると、それほど困難なものではないです。

きちんと伸び止めテープを本体に貼って取り付けましたし、カーブだらけのラインを区切って1つ1つの直線の集まりと考えて少しずつの直線ととらえてミシンを走らせれば良いです。

構えすぎて、さあ今からカーブを縫っていく、などはかえって良くない気がします。

一場面だけを見つめて、その区間だけを正確に縫うようなとらえ方をすると、気が付いたらまあるいカーブを縫ってきているという結果になったみたいな感覚でした。

完成品のご披露

マチ無しの楕円型ボディーバッグ:プラスチックパーツはニフコ社製、ベルトは車のシートベルト。

ツートンが真半分でなくて、5:4ほどであることもはぎれならではの味わいかもしれません。

このようにしか余っていなかったというエピソードを示物語るデザインなのです。

あとがき

はぎ製作の中にもいろんなヒントや学びが得られます。

今後もはぎれシリーズ続行してまいりますね。

ところで、今回のボディーバッグをマチ無しでお作りしました点のフィードバックをご紹介したいと思います。

後のレンタルボックス様でお店に置かせていただいた際にお客様の反応が得られました。

やはり、「使い勝手が狭い」というような結果でした。

マチ無しでは物が入れられないという価値観をご提示いただいたのです。

「はぎれで作ったから生地が限られている」ということというのは私側の事情でしかありません。

これを購入する方、ユーザー様にとっては無関係の事なのです。

そうすると、別のはぎれを追加してでも、使い勝手を考えて、もっとマチを付けたものに発展させたりなど工夫が必要だったと思います。

こうしたことから、1つのお品をつくるということの「責任」も同時に感じます。

「はぎれ=適当なお品」という考え方では、最終的には受け入れられないであろうと読み解きました。

はぎれであっても、とことん真剣に作るべきであることを学んだこのたびの製作でした。