出来上がりバッグでは決して目に映ることのない隠れたポケット裏の丁寧な作業が良質さにつながることの証明【298】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、どちらかというとコンパクトなサイズのハンドメイドバッグを作っております。

かつては、トート型の1泊できるようなもの、旅行用など大きなバッグも作ってきました。

そういう大きなバッグと比べ、コンパクトながら、ポケットつについては、めいいっぱいの容量を確保する所が特徴。

キーとか小さなものを入れるもよし、メモや手帳などのやや面積のある物も入ることもあるような器(うつわ)の広いポケットを設置していきます。

内側のフラップポケット:フラップが深く、セキュリティー性を高めています。スマホが横向きに入ります。

隠しポケットは、最初の当て芯が肝心、スーツの片玉縁の作り方を引用

今更ながら、隠しポケットに関して見直したことがあります。

それは一番最初の当て芯。

そもそもこの当て芯を適当なサイズに粗裁ちのまま行っていたのが今まででした。

これを、型紙にちゃんとあてはめた定形サイズに変更。

つまり、周りの余分も寸法通りのきちんとした余白にするということです。

その後作業がとてもしやすく傾きをチェックしたり、左右均等のサイズ感の確認も分かりやすくなりました。

作図自体もまっすぐ、待ち針の位置も正確に打ちやすいような定形サイズの型紙で裁断した当て芯。
そうすると、反対側に当てるラッピング布の位置も把握しやすくなりました。

当て芯1つで、その後の作業が劇的に行いやすくなりました。

このことは、とても重要で正確さが高まり、綺麗に仕上がるということにたどり着きます。

隠しポケット完成:まっすぐに真ん中に良い位置に取り付けることができました。当て芯の効果がここに。。

今更ながら、このことが分かり本当に良かったです。

今後もずっと「定番」として「フラップポケット」と共に作っていきたいもう1つのポケット、「隠しポケット」です。

あとがき

最後に組み立てがされていく時のもとの土台である左右が対称になっているということこそが、バッグに出来上がった時の整いを作り上げるのです。

それには、型紙を裁断する時点から左右対称にしやすいようなやり方があるということを学んでいます。

一番最初の場面は、サクサクッと通り過ぎてしまいそうですが、実は一番重要なのだと考えるようになりました。

こうした学びは、何度も自らの製作に落とし込み、その後は語り伝えることができるノウハウとして多くのハンドメイドバッグを作る方達へお届けしていきたいと思っています(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

美しいカーブを綺麗に出すための接着芯貼りは、カーブ裁断の前に粗裁ちをして貼っておくことが望ましい【297】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

新規の生地でのハンドメイドバッグ製作に入りました。

ゆがみやすい生地などは、普通に何も考えずに裁断するとパーツが左右対称にならずに不格好に出来上がってしまいます。

バッグは、左右対称というバランスがとても大切。

そこで、最初の裁断や芯貼りの段階こそが重要であり、芯貼りを裁断の前にやっておく「粗裁ち」という方法の効果をお伝えする回にさせていただきます。

カットしていない大きい面積の状態の生地に接着芯を貼り、その後型紙を当てて裁断の順番の徹底

「粗裁ち」というのは、何もカーブラインの通りカーブを大まかにカットしなくても、長方形の真っすぐのままで良いです。

接着芯を貼った後型紙に当て裁断すれば、それ以上触ることがないので、正確に裁断できると判明。

もともと縦の長さが35cmしかない横長の生地の状態。一気に接着芯を貼ってしまうやり方が可能。

写真では、両手の間の線が地の目の縦に当たります。

高級生地なので少しだけしか購入していません。

芯地をだいたいぴったりのサイズでカットして接着します。横などがはみ出しても問題なし。
接着後の裁断:カーブのラインがこのやり方だと非常に綺麗で、地の目がしっかり整ったものになっています。

一方、裏地は1mくらい縦があったため面積が大きすぎて、小さくカットしながらこのやり方を取り入れました。

裏地は、細かに1パーツずつ粗裁ちして、接着芯を貼ってから裁断しました。
接着芯貼り後の裁断:カーブラインも正確に裁断できました。裏地のみでの裁断はハサミがすべりいびつに。。

これで、接着芯を貼ってからの裁断は、劇的に上手く行くと確信しました。

あとがき

今回の接着芯貼り前の粗裁ちのやり方は、扱いにくいへなへなした生地があまりにも美しいからどうしても使いたい場合など、難しいと分かっていながら取り扱う場合にとても効果を発揮すると思いました。

ということで、まとめると、

1)アイロンで地の目を整える、2)接着芯を全体に貼る、3)パーツごとに裁断する。

このやり方でそもそもの土台を左右対称なきちんとしたものにしてから縫っていくということを徹底すると、出来上がりのフォルムもより美しくなるかと。

ラインは意外と出来上がりのぱっと見に影響するもの。

「わあっ綺麗♪」と感嘆があるようなゴールを目指したいものです(^-^)。

作ってはみたけれど改めて考えた、そもそもこの繊細な素材でボストンデバッグを作るべきではなかったのではないかという回顧【296】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回1点のミニボストンバッグが完成。

リュック仕様の付いたハンドバッグで名前は「かまぼこ」。

かまぼこと呼ぶ以上、カーブの美しさと対比した底のまっすぐさを綺麗に出したいです。

初期の「かまぼこ」縦13cmx横24cmxマチ7cm:2019年製作。

初期型は、ミニサイズでしたが、あまりに容量が足りずに改良。

そして、このたび、マルチカラーで作ったサイズへと大きくアップしたものになります。

それでも大きなボストンバッグに比べたらハンドバッグの領域を超えることはありませんので、ミニということに致しました。

さらに、リュック仕様にもなるという頼もしい機能を入れてみたのです。

作って完成品を見た上で思うこと、「巾着型の方が断然美しかったであろう」という思い

「かまぼこ」2020年版:<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ9cm。

サイズのみ見てみると、2019年版が、縦13cmx横24cmxマチ7cm、2020年版が、縦19cmx横29cmxマチ9cmです。

縦も横もおよそ、5cmは広げているので、5cmという数字は、目に見えてサイズの変化が分かるくらいのものです。

サイズ感の点では大いに良き効果が感じられました。

しかしながら、2019年版の時にはあった良い雰囲気の整ったかまぼこ感が今回のものにはあまり感じられなかったのが残念。

選定の生地がはるかにこのたびがやわらかかったからです。

2019年のものは、強固な縦の織り方がとくにしっかりしたジャガードなのでびしっと仕上がっていました。

マルチカラーのこのたびの生地は、凹凸感があって美しいものの、緩い雰囲気になってしまったのです。

よって、そもそもこのデザインにはまる素材の選定を間違えたと思っております。

確かに、この素材は最初柔らかいからクシュッとなるような巾着タイプのデザインに当てはめようとしていたのですが、実は急にボストンバッグに変更していたのです。

率直な最初の考え方で行くべきでした。

リュックのショルダーの部分。
ファスナーの口布の部分。
スズランモチーフのファスナー飾り。
少しわかりにくいですが、底板は、どうしても内蔵できない作りなので、リムーバブル式で取り付け。

高級な生地でしたので、巾着型で成功していればそれはそれはエレガントに出来上がっていたと思います。

ボストンバッグ型だとややカジュアルテイストがありますね。

とにかく、繊細で柔らかい生地というのは、その柔軟性を活かして、しぼる動きがある「巾着型」に当てはめた方が特性が活きるようです。

あとがき

このたびも、ストレッチフクレジャガードはオレンジで色違いがあったと思います。

ただどちらかに良し悪しの比重が寄らないよう、色違いはよほどでなければ作らないです。

この記事も背景がカーキグリーンだからこそマルチカラーが美しく映えたという良いバランスが感じられる方のカラーでしたので、こちらが一番やはり今思い返しても一番です。

ただ、もう一度この生地があるならば巾着型でトライしてみたいと思う気持ちが残ります。

そもそも生地選定の時に、デザインをしっかりイメージして変な変更をしない、正直なイメージに従ったものが正解のようです。

製作に「らしさ」を込める、例えば「この人が製作のポケットだ」と分かるように【294】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ハンドメイドバッグの各パーツについて、他のバッグとの差別化とか個性、あるいはブランディングにまでなるのかもしれない、なっていきたいというそのパーツ自体のデザインや作りについてのお話です。

手法を秘蔵するよりも伝えていくことの方が断然素晴らしいとお伝えする方向主流に舵を切っています。

よく、音楽に似ていると思うことがあるのですが、メロディーとか曲調で、この作曲家が作ったのではないかとか、「らしい」と思ったりすることに似る部分があります。

。。というのも、同じ芸術品を作り上げるということが共通しているからです。

円の一部の5cmの半径を利用したフラップ

内側のフラップポケットのフラップ:半径5cmの円の一部をコンパスで利用し型紙を作っています。

ゆったりとしたボリュームあるフラップです。

ポケットの袋を優しく覆う屋根のようなセキュリティー性を追求したデザイン。

以前に、ここにマジックテープを付けていたのですが、実際に自分で使ってみて、マジックテープを不要にした方がストレスフリーでした。

この安全性と使い勝手のバランスは悩むところですが、都度の細かな判断により決めていくのです。

入り口がファスナーなどで密閉されていれば、ここは、マジックテープ無しの方が開閉の時に余計なヒネリなどが必要なく、さっと物が取り出せるポケットになるだろうということに行き着いています。

フラップポケットの完成。
隠しポケット作りのラッピング布を固定した場面。

ポケットの袋は、ラッピング布をそのまま袋として大きいパーツで使う方法もありますが、別にしています。

理由としては、もともとファスナーが付いたバージョンからスタートしたので、それと同じ手法だとここで区切るのが同じ作りとなります。

ファスナーの場合、ポケットの中を覗いた時に、ファスナーの縁が見えない綺麗なやり方がこの分けるやり方です。

もう1つの理由は、直接だと、上の枠のラインにポケットの袋に物を入れたときの重さの比重の影響で、スクエアの枠の形が変形することの懸念です。

枠に袋を取り付けたという構造は枠が変形しないと見た考え方です。

隠しポケットの出来上がり。

この「片玉縁風」は、「ひさし」が中を見えにくくして、セキュリティー性を高めます。

ここ最近はファスナーを取り付けておらず、手を入れてすぐ取り出せる便利性も考えて行き着いたファスナー無しの隠しポケットです。

隠しポケットの裏側の構造。

袋にもちゃんと接着芯を貼ったので丈夫です。

出来上がったバッグではこういった部分は見ることができないので貴重な写真です。

取っ手の完成:取っ手は共布で作ることが多いです。既製品の本革レザーなどは利用しません。

ご要望に応じ本革も取っ手にしたことがありますが、元の方向性としましては、本革は使いません。

アイレットカンに細めの本革を通して結ぶというのも向きが不安定で廃止しています。

あれこれ考えると、現在は、取っ手も布で作るに至っています。

取っ手の付け根タブx4個完成。

このようにパーツのみで一度縁をぐるり1周にって、8角形のとんがりをしっかり出しておくことが綺麗にできるコツの1つ。

ストレッチフクレジャカードという生地は、薄手で折り目が付けやすくて、角がしっかり出てくれたので出来上がりは期待できます。

厚手すぎるとふんわりとなってしまい線があいまいで、あまり綺麗にできない傾向があります。

ショルダータブの5cm四方のパーツ。
接着芯である薄芯に加えて、ハード薄芯をボンドで貼ります。

このような小さなパーツでも、ハード薄芯まで貼ることで、うんと丈夫なタブになります。

タブは全体を支えるので大変重要な箇所。

ここを薄くあっさり作ってしまってあるのがレザー製品。

ブランドのスタイリッシュなバッグのショルダータブがちぎれることが起きていた過去があります。

スタイリッシュに映ることを重視して薄くしてあること、元々ハンドバッグに附随しただけのショルダーであった過去のバッグの流行の傾向があったと思います。

しかしながら、ここ近年は、ハンドバッグよりもショルダー、リュックと体に負担の少ないデザインに変化しつつあります。

よって、よりタブの存在は重要になってくるというわけです。

リュックなので3個のショルダータブが完成。

やはり、この生地にはゴールドのDカンが合いますね。

取っ手を真ん中線から、左右へ6.5cm、下へ6.5cmの位置が正8角形のタブの位置。

取っ手は2cm分中へ隠します。

縫い付けは、一番上の横のラインを返し縫3度、周囲を2度のステッチで固定。

なじんで見にくいですね。アップにしてみます。

更に寄ってみます。

この8角形のタブの目的は、取っ手の付け根を隠すこととデザイン性の2つを兼ねています。
ここも力がかかるところなので、このように8角形のタブの部分にハード厚芯で力布として補強します。

最初は粗裁ちで四角く裁断して、縫った後で余計な縁をカットする方法でこうなります。

このように作るととても安心できます。

以上がここまでの今回の進捗具合でした。

いろいろなパーツの裏側をご紹介致しました。

あとがき

今回の複数パーツについてそれぞれ、意味が込められていることがお分かりいただけたかと思います。

長く愛用されるようなものをどのデザインのバッグにも組み込んでいきたいと思っています。

こういった細かいパーツも、ちゃんと意味が入っていると、「深みのある品物」なれます。

なぜ、この形なのか、それが苦肉の策の末行き着いた形であればあるほど、はっきりとしっかりお伝えできる「哲学」になります。

レシピを見ずに作ってみたメニューのパンチの無さの反省、思い切った調味料使いが味のレベルを高める【293】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

突然浮かんだミートボールのイメージ。

パプリカをたくさんもらったので、パプリカの使い道としてミートボールのような食べやすいお肉との組み合わせを考えていたからです。

このたびは、ペンネのパスタにからませるミートボールとパプリカのメニューを作ってみました。

なんとレシピは自らの考案です。

初めて作ってみる場合、たいていパンチが無いことが多く、やはりこのたびもそんな感じではありましたが、世の中のレシピも試行錯誤の末改良された姿なのではないかと。

何度も作って味を高めていくもののようなのです。

パプリカの赤が食欲を高める、黄色と組み合わせ、にぎやかなパスタを作った

パプリカ3個分。正式には4個ですが、黄色が縦が短いので3個分です。パプリカはボリュームが出ます。

ここへ、グリーンも本当はあったのですが多すぎたのでやめました。

後で考えれば、赤を減らしてやめてグリーンにしたらカラフルでしたね(^_^;)。

ミートボールの材料もいろいろあるのでしょうが、ハンバーグのシンプルなものと全く同じように作ってみました。

<材料>豚挽き肉200g弱、玉ねぎみじん切り1/4分orすりおろし、パン粉少々、牛乳、塩、コショウ、ナツメグ。
すじがでるまでよくこねたら、こんな風にボール状に丸めます。
少し多めの油で焼きます。ハンバーグと全く同じで、最初中火程度で焦げ目がついたらひっくり返します。
蓋をして蒸し焼き状に5分程度、弱火でゆっくりお肉に火を通します。
はい。これでお肉のボールは出来上がりです。

いよいよミートボールが完成します

早水溶き片栗粉を用意。20分くらい浸すとよい。小1でお水これくらい。半分くらいしか使いませんでした。
ミートボール、パプリカに加え、もう1つの食感ということでペンネを用意。
まずパプリカを先ほどのお肉を焼いた残りの油でニンニクのみじん切り、パスタ、ゆで汁少し、ミートボール。ここで味付けは、コンソメを小1/2ほど、バター1かけ、ソース大2弱、ケチャップ大2弱、塩、コショウ。
先程作っておいた水溶き片栗粉を最後に投入。
また、ケチャップを減らして、トマト缶や、湯むきトマトを1個分程入れるのも良さそう。

味に関しては、軸のパンチみたいなものがもう少し欲しいです。

コンソメをもっと利かせると良かったのかな。

このミートボールと+αという案は別のメニューにも引用できるかもしれません。

その後知ったレシピでは、ミートボールと白菜のコンビで人参も加えたシチューというメニューを見たことがあります。

そのミートボールの中身は、鶏ミンチでしたね。

あとがき

最終的な感想は、もっと味をはっきりと1本に集中するということですかね。

ケチャップの酸っぱさやにんにくのコクがあまり効果的ではなかったような。。

はっきとした主張のある味を追求するとパンチが出てくると思いました。

2020年のクリスマスは、おうちごはんが多かったのではないでしょうか(コロナ禍のため)。

パプリカのこのような使い方もあるという1つの例です。

カラフルさが何か気分を盛り立ててくれるところがあります。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

複雑な織り、マルチカラーが天然石のように美しいジャガード生地で作るバッグの裏地に選ぶラメ素材のカラー選び【292】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「本来、バッグなどに作るような生地ではない生地をあえて使った製作」をテーマに進めております。

このたびは、次なる生地ということで、マルチカラーが素敵なフクレジャガード生地をボストン型で作ってまいります。

この記事では、マルチカラーが美しい表地のご紹介と、その色とりどりの表地にどんな裏地を選んだのかという選択のご紹介を綴りたいと思います。

ずっと眺めていたいほどうっとりする美しい生地は、本来バッグ用ではない

<表地>ストレッチフクレジャカード、ポリエステル/85%、絹/12%、ナイロン/2%、ポリウレタン/1%、日本製。

アップにするとこんなにいろいろなカラフルな糸が織り込まれているのが分かります。

波打つような様相は、フクレという加工のせい。

ランダムなプリーツのようなしわを左右に寄せているような見栄えが特徴です。

角度を変えて違う写真も見てみましょう。

アップで見た感じ。

「フクレ」というわりには、やや控えめな凹凸感であるところに日本製の特徴を見ます。

特にフクレや風通の凹凸感ある生地が豊富なイタリア製においては、もっと極端に膨らみがありますので、こういった比較的しとやかなタイプは日本製ならではの魅力です。

遠目で見ると随分と渋い感じです。地がカーキグリーンというところもより美しいのです。

出会った瞬間即決でした。

非常に柔らかいし、バッグに果たして出来上がるだろうかというのも本当はいろいろ思うところはあるものの、第一の惹かれ具合を大切にしてみました。

そして、ボストン型のバッグを作ることに決意したのです。

表地のテイストが「エレガント」、裏地も歩調を合わせ、エレガントかつマルチカラーの中の1色を選ぶ

さて、この生地にどんな裏地を選んだのか、ということなのですが、候補がたくさんあって悩むことになりました。

ミックスカラーが複数の色が入っていてどんな色でも合ってくるとも言えるのです。

その候補の中からのベストチョイスは大変難しいものでした。

結果、決めたのがこちら。

<裏地:オレンジ>ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。

茶色にも見えますが、実際は暗めのオレンジです。

生地の構造が、黒糸が織り込まれているので、暗くなるのですね。

この生地の色の展開はそこそこ当初ありました。

10種もの多色展開なのでした。

黄色もゴールド系で素敵だと思いましたが、在庫がなかったのでこの色に。

ちなみに黄色だと、過去に利用したことがありしてこんな感じの色でした。

また、今回チョイスのオレンジとは違った感じです。

色違いの黄色バージョン。オレンジよりもクセはこちらの方がないです。残念なことにお品切れ

もしかして、黄色が残っていたらこちらをチョイスしていたかもしれません。

地がカーキグリーンなので、相性というのは、黄色味のある方が良いかと思うので、赤とかピンク、ブルーなどは、違うかなと思いました。

単純な色相環で見てみますと、補色でなく類似色的なチョイスをしたということ。

グリーンには、オレンジや黄色は他の色よりはなじむような相性があると考えられます。

簡単な色相環図。

ピンクだと、グリーンと接触がない位置になるので、遠いので赤や紫の位置です。

そうすると互いに馴染まず、際立つ感じになります。

エレガントなイメージで行くならなじむようなとなり合わせの類似色だと判断したことになります。

表地と裏地の相性。

今回は、芯地の粗裁ちまでです。接着以降は次回になります。

赤色は接着芯。織芯タイプを使用しました。
こちらの裏地にはニット芯がマスト。理由はナイロンが40%も入っていて、織芯では気泡ができるから。

以前気泡が起こるミスを犯した経験から、ナイロンというものの糸の性質を知ったのです。

ナイロンは、熱を加えて、いったん伸びて、また、熱が冷めるときゅんと縮むみたいな弾力性なるものがあるかと思います。

よって、その動きに対応できるというのが、ニット芯の伸び縮み機能です。

織芯では、融通が利かず、ナイロン糸の微妙な動きに対応できないということだと思っています。

その苦い気泡の経験から、ナイロンが混率に多めに含まれているものには、必ずニット芯を使うようにしています。

実は、表地にも今回2%ほど入っていますが、この程度なら影響はないです。

あとがき

このマルチカラーフクレの生地でボストン型のリュックが出来上がる予定です。

こんな生地のリュック仕様のバッグなどあまり見かけないかもしれません。

本来は、ジャケットとかカットソーに洋服に使われる目的の素材なので、意外な物が出来上がりそうです。

どうぞお楽しみに(^-^)。

キラキラした生地の収納方法の注意、跡が付きやすいのでたたむことを避け棒に巻いての収納が良い【291】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

生地をカットしてもらって購入の場合必ずたたむという作業が起こります。

特にネット通販であれば、当然であり避けられないことなのですが、今回はこのたたんだ時のたたみじわ、折り目がなかなか簡単に消えるものではなく、収納の仕方、保管の仕方に工夫を要するデリケートな物であることのお話です。

たたんでほんの1時間程度で出来上がる折り目の怖さ

ここに購入後1時間程度の生地を広げています。

特に一番上のオレンジ色がラメが入った折り目の付きやすい生地であり、もうすでに十文字に折り目が入っています。

特にこういったラメのようなものが入った素材、デニム、ナイロン/100%などは折り目が付きやすく、一度付くと残ってしまいがちなのです。

アイロンでまっさらによみがえる生地もありますが、これを何年も置いておくと「焼け」による跡が付いてくる可能性もあるのです。

そこで、次のように棒に巻いて保管の方法をとりました。

こんな風に紙製の棒筒に巻いていきます。
そして、2か所ほどひもで結びます。
こういった棒は、店舗用品のお店とかネットなどにも売っていますし、生地屋さんでも頼めばいただけます。

どれだけ細かく折っても折り目が付かない生地、逆にすぐ跡が付いてしまう生地の比較

ニットによくあるのですが、どれだけ折っても跡が付かない生地も結構多くあります。

その他ふんわりした生地とかフクレ加工がしてある生地も大丈夫。

ここでは、その逆の「跡が付きやすい生地」を3点ピックアップしてご紹介します。

ナイロン/100%の生地:特に撥水加工などの加工がしてあると薄くても硬めであることが多く跡が付きやすい。
デニム生地:綿/100%もデニム以外でも線が付きやすいです。
デニムは「焼け」にも注意し、中表に巻きます。屋内においても入り込む日差しを避けることが大切です。
ラメの入った生地:見た感じキラキラしたものは、ラメ糸が使われているからです。メタル、レーヨンが該当。

あとがき

全部対応しきれず、たたんでしまってきたものもあります。

すべてを棒に巻いて保管という方法も根本からの収納の改善としては良いかもしれません。

そうすると、立てることで、重力に従いそこに生地がたまって皺が起きる可能性が生まれますので、某に巻いて寝かせる収納が一番優しいのですが、随分スペースを必要とします。

横に寝かせるまではできていませんが、底周辺をビニールひもで固定して下がらないようにするなどの工夫もできます。

どうぞ、せっかく見つけた大切な材料ですので、大切にしてあげてくださいませ(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

こんな美しいファンシーツイードはレア、これこそバッグにしたい夢かなう時【290】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよ完成間近の段階のファンシーツイードバッグ。

今回は側面を無事に取り付けて完成した場面です。

急カーブを含む側面の取り付けのちょっとしたコツ、半分ずつをミシンを区切って二度にわたる縫いをするとやりやすい

側面をやり直しながらなんとか完成できた仕付け糸のやり方をここでご紹介したいと思います。

写真が見にくいですが、側面のパーツを取り付ける際のサイドの仕付け糸をしている場面です。

まず仕付け糸を3cm感覚ほどにこうして3重くらいに玉結び玉止めをせずに取り外しがスムーズなように留めます。
そして、仕付け糸でところどころ固定された完成イメージのまま、端から3mm程度の場所を縫っていきます。
底のカーブがずれやすい所。このようにいったんカーブで区切らざるを得ませんでした。

この後、最初の縫い位置の右上と反対側の左上の裏面からスタートして先ほどの途切れたところまで縫います。

その後、今一度続けて2度目の縫いをします。

二度目は完全に固定されたのでなぞるだけなのでそれほど難しいものではありません。

このように途中半分で区切り縫いを2度に分けるという方法を考えたのでした。

出来上がりを見た自主的な感想はかなり厳しいもの、まだまだ課題が残る中途作品でしかない

では、完成をいろんな角度から見てみますね。

<サイズ>縦19cmx横27cmxマチ7cm。

まず、タブの形がよろしくありません、フラップが偏っています。

側面の取り付け部分が写っています。
底部分、しっかり立つかというとやや不安定なのが今後の課題です。

ここからは内側の様子です。

ゴージャスに光るピンク色です。ここは隠しポケットの面。

あとがき

実は、以前に、もっと作りやすい素材の「ブロード」のプリントで作ったことがあった類似品があります↓。

この時は、本体に「ネジ式ヒネリ錠」を取り付けています。

ここからの型紙の変化は、もっと形に抑揚が出るようにと意識したつもりでしたが、それほどこちらとこの度のツイードのバッグの形が変わらないのが悔やまれます。

物理的なモデルをイメージすることがいかに難しいかが分かりますが、おそらくハイブランド様も血のにじむような努力ともいうべき、試行錯誤の末、試作品が発展していき、やっと正式なモデルになっていくのでしょう。

まだまだ今回のような二度目の型紙では到底完成品とは言えません。

それでもファンシーツイードのこのたびのバッグありがたくご購入いただいたのです。

本当に感謝申し上げます。

ありがとうございました(^-^)。

ファンシーツイード生地で作る組み立て式によるハンドバッグの側面パーツの縫い付けが二次元のミシンで可能なのか【289】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ドイツ製の高級ファンシーツイード生地で現在フラップ仕様のハンドバッグの製作を進行中。

マルチカラーのにぎやかさは、心躍るような楽しさがあります。

白ベースに原色含む綺麗な色が入っている生地なので、その多色がお洋服の無地にマッチし易かったりします。

このたびは、やや難関の場面になるだろうと身構える場所、「側面」パーツの縫い付け場面です。

この度の作り方というのは、表地と裏地をあらかじめ中表にして縫い合わせ、ひっくり返すことでプレート状のパーツを複数作り、それを合体してバッグに組み立てていくという作り方です。

側面にはカーブもありますし、なにしろミシンは二次元ですので、果たしてうまくできるのだろうかというところにやや不安がありました。

シミュレーションにより、側面パーツの形を今一度確認しながら型紙を作り直す

側面を取り付ける前の状態:ある意味貴重な場面です。ここへ、側面パーツをはめ込むイメージ。
マチは上側が狭い形なので、ストレートの場合上側が内側に折られるイメージ。

側面パーツをはめ込む時点で縫い代の始末が完全にされている状態にしますので、側面パーツ自体を1枚のプレートに完成しておきます。

表地と裏地を中表にして周囲1cmの縫い代で返し口を上辺として縫います。
ひっくり返します。
ひっくり返したらアイロンをかけて、返し口の上辺を1.5cmの縫い代で内側に折り込み縫い代を綺麗に隠します。
返し口である上辺を縫い閉じます。
本体への側面パーツの縫い付け:立体的なのでなかなか平面ミシンでは難しいです。
しっかり縫い合わさらずに裏地のピンクがはみ出したりしている部分がありまして、縫い直しを経ています。
例えばここ。カーブが急なので洗濯ばさみを外したとたんに位置が狂います。しつけ糸が必要でした。

ここからの学びは、①そもそも急カーブのデザインを避けること、そして、②急カーブ続行の場合は、仕付け糸で固定する必要ありというこの2つのポイントが挙げられます。

あとがき

側面を取り付けたら完成です。

もうほぼ完成に近いです。

今回はここまでです。

今回のようなデザインは、レザーではよくある形ですが、これを布で同じように作ろうとすると勝手が違います。

それに加えて扱いにくいファンシーツイード生地でやったことが最初にして非常にチャレンジあふれた製作になってしまったのでした(^_^;)。

一発で良い結果を出すということなど到底できることではないと実感。

もしかして、思い切って大きなサイズの方が、カーブも急にならずにゆるやかで行けるのかもしれません。

まだまだ課題は有りますが、とりあえず、側面取り付けは完了しました。

次回の記事【290】で完成のハンドバッグがご覧になれます。

是非【290】記事にもお立ち寄りどうぞ(^-^)。

「衣・食・住」の「衣」をあなどるなかれ、流行の波にただ乗るだけで本当の自分は映し出せない、着る者の人生をも映し出す大切なお洋服の未来【288】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ファッション産業論:富沢修身 著」という本を拝読致しました。

これまでのファッションの業界のざっくりとした軌跡のようなことを知るという意味で読んでみました。

グラフや図が緻密、そして硬めの文章が特徴です。

おそらく、学生の参考書とか教科書のような使われ方をされているような本だと思いました。

きっかけというのが「過剰消費」にあるとのこと。

日本と世界と両方から幅広くファッション産業の変遷とか現在、今後の見通しを述べられています。

ファッション業界の全盛期というのはとうに過ぎたという寂しげな言葉も聞きながら、これまで、勤務先は20年以上アパレル業界でした。

その後、私は退社とともに個人事業主に、その後の数年間で業界がかなりの変容をとげ、コロナ禍でさらに劇的な変化が起こっています。

こういった変化の時には、過去の歴史も知る必要があり、どんな歩みをしてきての今なのかという見方が1つあります。

「サイクル型」と呼ばれるファッションの時代、一人一人が身近にできることはたくさんある

長年の古着好きですが、本格的に古着だけを着ていくというお洋服スタイルになって15年くらいの暦になりました。

「3R」の中で最も身近に感じる「リユース」品を購入するということです。

かつては、「古着好きな人」ということで珍しい存在であったかつてからは、大半の人が古着に対して抵抗がなくなったことでニッチな存在でもなくなりました。

特に珍しい存在でもなくなったことで、寂しくもあり、一方ホッとしたというか、これぞ本来の望ましい姿なのではないかと思っています。

日本人の古着というのは、結構綺麗であるという特徴を外国人が評価しているようで、「古着」という言葉に違和感を感じるほど綺麗でもったいないような良き品物が多く見つかります。

とことん着られたような古着を購入しないという選択が十分可能なほど、大半が「美品」と呼ばれるものなのです。

難しいことは考えず、とりあえず、一人一人ができることというのは、そういうもったいなさにもっと目を向けることが1つあります。

そして、変な情報にあおられ、コスパの悪い新品のお買い物をしてしまわないことも1つだと思います。

自分の目でしっかりとその良さを見極めるということがお洋服選びでそもそも個人レベルでできることです。

そうして、厳しいお話ではありますが、「安かろう、悪かろう」のお洋服の存在価値がなくなっていくべきだと思うのです。

あとがき

さて、ミシン技術が少しあるハンドメイドバッグを製作してきた私ができることは何なのであろうかと真剣に考えてきたこの数年。

1つおぼろげながら答えが出ようとしています。

それは「古着の取り入れ方の伝授」です。

古着をそのまま受け入れるには不満も一定あること、昔臭さが敬遠されることも。。

そういったもののどこを変化させれば受け入れられるに足りるところに行き着くのかを考え、その例をお伝えしていく役割を担えそうだと思い始めました。

著作権に阻まれ、なかなか紹介しづらい「リメイク」などを図解を取り入れて、著作権を侵害しないように気を付けながら発信しています。

今後もこういった活動を発展させていきたいと思っております。

ただ、元のお洋服の会社様へのいくつかのお問合せで「リメイク商業利用は不可」だとお答えいただいており、リメイク品の気軽な販売は、タブーです。

お洋服の製造元のブランド様の価値を落とすことは決してしてはいけないのです。

この「著作権」こそが、リメイクを実際に広めることの難しさだと思っています。

とはいえ、素敵な「文化」になるよう広める活動が不可能だとも思いません。

今後、これぞという手ごたえを感じたことに関しては、きちんと著作権を順守しながらお伝えの仕方を工夫し、正当な道でリメイクを考えていきたいと思っております(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク