内側に隠すことがベストとは限らない、裏無しバッグ作りの玉止めをすっきと綺麗に隠す場所探し【242】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

エコバッグ連続製作をしてまいりましたが、この度が最終です。

最終に選んだ生地は、一番最初とそっくりな見かけの黒地のストライプ生地。

といっても一番最初はざらざらしたタイプでありましたけれど今回はツルツル。

そして肉厚です。

見かけは中くらいの厚さに感じますが、ぎっしりと織り目が詰まった硬めです。

同じカーテン地でいくつも素材を変えながらの製作でしたが、カーテン地といっても様々なところが良い経験になりました。

そこで、カーテン地を採用したこのたびのエコバッグ製作の総まとめとしまして、まずは、カーテン地の「遮光」について深堀りしてみます。

2級カーテン地とはその生地の良質さではない、太陽の光を通す度合のことである

このたびの連続製作のカーテン地はどれも2級遮光でした。

2級という言葉は、カーテン界では専門用語。

これは2流とは違いまして、2級というのは太陽の光を通す具合です。

少し朝日を感じる通し方をするのが2級。

要するに一般的なおうちのカーテンに該当します。

1級だとカーテンを閉めていると夜と変わらないような遮り、3級だともっとより光を通すということの3段階とのことを「級」という呼び名で通してあるのです。

1級と2級の差というのは、遮光を9割方してくれた上での残りの割合の中での差であるようですので単純ではありません。

どの級にも遮光の機能は十分にあるわけで、機能もレベルも関係ない番号なのです。

今回使用の生地(黒):2級遮光ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

玉止めを隠す箇所は視界に入らない「溝」などが良い

では、玉止めを隠す作業のある場面の様々な箇所をお伝えしていきます。

支柱の取っ付近の下面:ちょうどここで縫いがいったん途切れます。裏面だと隠す場所が無く表面で解決。
支柱の取っ手付近の上面:ここにも縫い終わりが存在。
取っ手が動く上部なので比較的ここには隠しやすいと言えます。
地縫いのてっぺん:必ずこのように最初は上へ突き出しています。
上に突き出した上糸と下糸をそれぞれ別々に針目2つ分程下側へ糸を通して位置を移動します。
そうして、位置を移動した場所で2度結んで糸を切り完了です。この後はサイドの三つ折りで隠れます。
三つ折りのてっぺん:三つ折りの先端付近にある溝へ隠します。
このような位置に隠れました。
底のマチの地縫い:地縫いした直後に突き出している状態を針目2つ分ほど内側へ位置移動。
こんな位置に玉止めが移動したところへラッピングでかぶせられますので、完全に隠れます。
マチのラッピングの地縫い:先ほどのマチだけの地縫いと同じです。内側へ糸を移動して玉止めします。
ラッピングの縫い閉じ場面:このような内側に入りつつ、わずかなすき間へ隠します。
ピンタック:内側ピンタックのへこみへ糸を貫通させて移動。そして中側で結ぶという方法。
内側から見た様子です。このように、ピンタックの溝の中に玉止めを隠しこみました。比較的やりやすいです。
バッグ底のピンタック:ここのわずかな溝に隠しきることは難しいですが、極力隠します。

完全に隠れないのは仕方がないです。

内側へ通して行おうとすると望ましい位置に貫通せず、上手くいかない経験があります。

外側でこれも解決する方法をとりました。

もともと糸目が出ている場所よりも移動した底面付近の溝は、はるかに隠れる効果はあるようです。

以上、とてもたくさんの箇所でしたが、こんな風に玉止めを隠しました。

エコバッグを複数作ってきたまとめ

スーツに合うエコバッグ完成(黒練りストライプ柄VER):<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ16cm。

今回の一連で製作したエコバッグは、全体としては立派な作りです。

よって小さく折りたたむというのがなかなかできないのです。

メインバッグの一歩手前の状態で、ただ裏地が付いていないという感じです。

折りたためることをメインにするとどうしても破れるリスクを伴う弱々しいものになってしまうことを懸念。

もしものハプニング的な必要性に常にバッグの中に持っておくものなら、薄手で小さく折りたためるものが向いているかもしれません。

一方、買い物専用と決めた丈夫なエコバッグなら今回製作のようなたぐいのものの出番があるのではないかと思います。

「丈夫な作りを持ち味としていきたいので、弱いと分かっているものをなかなか作る決心がつかなかった」、そんなストーリーがこの「完全にたたむことが難しい」という結果に込められていると考えて下さいませ。

あとがき

この記事を初投稿の2020年10月14日から3年後の現在は、2020年12月5日です。

「ブログ記事の手直し」の作業の一環で、この番号【242】に当たっているところです。

3年という年月の間で、ここからも随分仕様を変えていきました現在です。

例えば、支柱に関しても、とても長いパーツだったのですが、3本ステッチから4本ステッチへよりきめ細やかに改良。

そして、そもそも支柱の長さも1本繋ぎでは生地幅に限界があり、どのような生地にも対応できるようにと、3パーツに分かれたハギ目2箇所が生まれました。

ハギ目は本来望ましいものではないのですが、「生地を問わない」ことに価値を置き、そのハギ目にタブを取り付けて覆いながら強度を高め、デザイン性も高めるというところに到達。

そういった新たなる改善をしたのも、このお品を購入してもらうだけでなく、この作り方を広めていくという新しい事業形態を考えたからです。

エコバッグは購入する時にはどうしてもお値段の安さを求めてしまいます。

それは「たかが」エコバッグだからです。

そうすると高級なエコバッグなど見向きもされず、良い物が作りづらくなってしまいます。

むしろこういったものは自分で製作する方がコスパが良いのではないかと。

そうしますと、何も販売することだけがすべてではないと思えて来ます。

よって、その手法やノウハウをご提供する事業を考えています。

そういう見方から、デザインの改良が生まれたこともすごく貴重です(^-^)。

すっきりと美しいラインで裏無しのバッグが出来上がるための、サイドの三つ折りを平たくするハサミカットの方法【235】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「スーツに合うエコバッグ」というのをお作りしています。

いくつか素材違いでその雰囲気を楽しく味わえるようにと生地違いの連続製作。

どれも1点物です。

このたびの生地もカーテン地であるのですが、やや厚手なので、両サイドの三つ折り始末にご注意です。

今回は、このボコボコに膨らみなりがちな三つ折り始末に平らになるような工夫を入れていくところをお伝えしたいと思います。

厚い生地でも、かなりぺたんこになるという大きく効果の出る縫い代カット+三つ折り

なぜボコボコに厚くなってしまうのかというのは、生地が多く重なる部分だからです。

三つ折りで3枚重なるのに加え、縫い合わせの2枚分なので合計6枚重ねです。

薄手の生地なら気にせずクリアしていけますが、カーテン地は肉厚も多くそうはいかないことが多いのです。

まずこちらを見比べてみてくださいませ。左側は分厚く右側は平たくすっきりしています。改良後が右。

スリムになった右側の方が見た目が良くスタイリッシュです。

そして、三つ折りに無理が無いような安心できるような心地良ささえ感じます。

このたびは、柄の入ったカーテン地を使用します。

まず、縫い代2.5cmの印にステッチをかけます。

後日の仕様の見直しで、この2.5cmのステッチは、端から7.5mmへ変更と致しました。

理由は、三つ折り縫いとじ後のステッチの見え方がすっきりと1本だけになるために、この時のステッチを三つ折りの内側へ隠し込むことにしたからです。

何分、画像が変更前なのでごめんなさいね<m(__)m>。

通常なら、このまままとめてごっそりと三つ折りするのですが、いかにも厚そうです。
そこで、いったんこのように開けます。

そして、下側になる方(中にくるみ込まれて見えなくなる方)を斜めにカット。

こんな風に少しは縫い代を残してあげた状態で無理なくカット。そうすることで、厚みがぐっと減ります。
三つ折りしてみると。。とてもスムーズでペタンコです。思ったより効果が大きい所が嬉しいです。
三つ折りステッチをします。ミシンも乗り上げることなくスムーズにできました。

三つ折りステッチ縫い閉じの作業のしやすさにも影響したハサミカットの効果です。

出来上がった三つ折りの一番厚いところが、このようにすっきり平たく改良されました。
違う角度からも見てみます。先ほど削った分が除外されスリムになったのです。

モノトーンバイカラーが素敵な出来上がりの引用

完成したエコバッグはこんな感じ。

「スーツに合うエコバッグ:白xモカ花VER」<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ16cm。

とても爽やかな感じがしまして、お花がかわいいですね。

ぼーっとしがちな無彩色ながら、支柱の無地のモカグレー無地が良いアクセントになっています。

たまたま花柄でしたが、例えばモノトーンのような黒白でもこのアイデアが落とし込めます。

柄の濃い方の1色(黒)に支柱ベルトを選ぶということです。

他の新たな3色目を登場させるよりも、もとある2色を有効的に利用した方がすっきりまとまってお洒落です。

複数のカラーの登場は時としておしゃれ度を下げることが。。

おしゃれさの中に「野暮」とか「混沌」といった言葉はなじまないからです。

あとがき

今回のの花柄は、草原に草花が映えている様子を写したような「天地がある柄」です。

花柄の中でも茎や葉っぱが豊富なボタニカルタイプはこうした「天地がある柄」であることも多く、裁断の際にはお気を付け下さいませ。

また、ジャガードの場合表面と裏面が反転していることがほとんどで、裏面が美しいこともあります。

このたび使用の生地の裏面:反転なのでお好みでこちらも利用できます。

もし、生地が豊富にあった兼ね合いで2点が有効の場合など、もう1点を全く同じで作ってしまわずに、ジャガードの裏面を使った2点目にするという案もございます。

とにかく1点の場合は、ベストな方を渾身のチョイスとして表に選んだ方が良いと思いますが、時々裏の方が断然良いこともあるもので、そこがジャガードのユニークさだと言えます。

次回がラスト1点でこのシリーズが終了です。

是非最後の1点もお見逃しなく(^-^)。

見えない内側も見られる前提で美しく仕上げたい、ラッピングの縫いとじステッチを両面同じ位置に均等配分される仕上げ方【233】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在製作週間にしております「スーツに合うエコバッグ」。

こちらも後半に入ってきました。

今回使用の生地と残り2生地を終えたら、集めた生地が終了します。

スーツに合うということでいうと、このたびの生地はなかなかコーデの範囲が広い無地となります。

やっとここで登場の初の「完全無地」

よく考えましたら、これまで、ジャガードやストライプなど柄入り生地を使ってばかりでした。

このたびは、バイカラーの切り替えもしない、完全無地1色で作ります。

色は、「グレージュ」などと呼ばれるような色です、「モカグレー」とも呼べますかね。

この色はなかなか便利な色です。

黒にも合う、茶色にも合うといった中間色で、とてもクール。

そして上品さもあります。

そこへ、カーテン地のボコボコした織り目が「エモい♪」です。

<使用生地>生地名不明(カーテン地)、ポリエステル/100%、日本製。
このモカグレー色の中間色にボコボコした凹凸感のある織り目が特徴。結構厚手です。

マチにほどこすラッピングのテクニックを修行中

ラッピングは、ここ最近多く機会を得ていて大変勉強になります。

はっきり言って難易度は高めです。

技術が必要ですが、技術と言ってもたくさんのコツの集まりなので、それを見つけて1つ1つ忠実にそのコツを全うしていけば上手くできるものでもあります。

確かに単純なものではないかもしれませんが、この機会にたくさん経験して得意分野とまでになればと思います。

まずはマチ16cm巾分の地縫い。本体の端から1.5cmの縫い代を縫います。

ただ、後の「再考案」では、そもそも地縫い自体を縫い代1.5cmではなく縫い代側に寄った7.5mm程度に行い、完全に地縫いを隠せる位置にした方が確実と判断。

ここからも仕様が今後発展して改良されていきます。

巾6.5cmx長さ20cmのラッピング布を用意。両端1.5cmに縫い代の印を付けます。

ラッピングの幅が変わらないことで、地縫いを7.5mm程度に改良したことの効果が出そう。

完全に地縫いがラッピングによって隠されるのです。

縫い代の印通りにアイロンで折り線:最初に真ん中で折ったところを最後にもう一度ダメ押しアイロンが重要。
縁はくるみ込むのでこんな形に。アイロンのきちんとしたかけ方が活きます。
最初のスタートラインを1ミリ外(右)に突き出してスタート。

この突き出しの意味は、地縫いの線が見えないようかぶせる役割。

縫い終わったらアイロンをして、反対側へくるみ込みます。
そして、くるみ込んで閉じる方側に待ち針。
この縁の部分を見ることは表側と裏側に均等にラピング巾が配分で来ているかを確認の目安。
そして、縫い閉じた後の裏側ですが。。あれ?ミシン目が端の方数センチ落ちてしまいました。
ここにミシン目が乗っていない。。この原因は、表と裏でラッピング布が均等でない証拠です。
と、このように分かりやすい側面から見てみますと、確かに幅が違う。随分ずれていますね。
この生地は、伸びたりすべったりするし、厚みがあることも原因です。

ということで、できあがりが今一つなマチのラッピングでしたが、それだけ完璧に行うことに注意が必要な部分なのです。

しかし、今回の学びは大変有難いこと。

本などには決して書いていないこと。理論通りにやっても、生地によっては通用しない場合があったわけです。

確かに私も最後の方引っ張ったりもしていたし、目視もしていなかったので、この辺りをきちんとどの素材であっても行っていきます。

例えば、幅が表裏でずれがちなら、最初から反対方向へずらしておくとちょうどになるなど、

「職人技」の粋でコツを得ていきたいと思っております。

見えない部分と言えばそうですが、見ようと思えば、見ることが可能な部分ではあるわけですので、美しく仕上げたいです。

出来上がり:「スーツに合うエコバッグ:モカグレー無地VER」縦39cmx横35cmxマチ16cm。

あとがき

すでに上述しましたが、ラッピングのある場所の地縫いは、ラッピング幅よりも半分くらいに完全に隠れるように設定しておくと、その後のラッピングに集中できます。

これまでのように地縫いを1.5cm、ラッピングを1.5cmとしてしまうとラッピングの際に地縫いが見えないように気を付けることも加わり注意点が多すぎて苦労し過ぎます。

苦労するところは、どうしても必要なこと以外は解消し工夫してその悩みを消していくことも結果美しく仕上げるコツだと思いました。

このお品は、後に見本としてコンテンツにまとめ、作り方販売をしていきたいので、自身がこの時点で徹底的にメソッドを確立したいのです。

是非出来上がった暁には、コンテンツでじっくりご覧いただけると嬉しいです。

販売しますので有料なのですが、それ以上に腕をあげていく、他のバッグにも応用できるなどのたくさんの結果が出るようなお力添えを精一杯してまいります(^-^)。

エコバッグをスタイリッシュに仕上げたい、左右等分に厚みを均等にならすための両サイドの三つ折りを倒す方向の徹底【228】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

連続でエコバッグ製作をしています、エコバッグ製作週間をもうけております。

たためるけれども丈夫さも追求したデザインでして、多種の生地で1点ずつ作っています。

レジ袋型はたっぷり容量に限界を感じておりまして、「トート型」を採用。

レジ袋というよりも「紙袋」の代わりのようなデザインです。

今回は、サイドの縫い代を利用して三つ折りする形の縫い代始末のパイピング部分と、底を共生地でラッピングするという2つの厚めの部分が重なり合った部分を追求します。

この部分をいかにすっきりとまとめるかという工夫において、ラッピング同士が重なる部分を平らにならす工夫を致します。

両サイドの三つ折りに関しては同じ面に向かって行う

まずは、両サイドを地縫い、三つ折りラッピングという手順で縫い代を隠します。

いきなり三つ折りラッピングはしておらず、地縫いを先に行っています。

三つ折りは同じ側で行う:2.5cmの縫い代を地縫いし、右端のように三つ折りにして縫いとじステッチ。

↑おおわくこのようなイメージですが、もっと近寄って詳しく見ていきます↓。

2.5cmのサイドの縫い代の地縫い:この2.5cmの箇所にステッチを入れてしまうことを後に見直しました。

2.5cmの縫い代のそのままではなく、半分以下の7mm程度にまずステッチを入れると、その見えたくないステッチが三つ折りの中に隠し込まれ、2本目の縫い閉じのステッチの後ステッチの跡が1本だけ見えてすっきり。

このやり方だと2本のステッチが不ぞろいで目に映るところに困難があり、そうであるならばと現在の「当ブログの手直し」の際にこうしてお伝えし直しております。

画像は改善前の画像なのでご了承下さいませ<m(__)m>。

サイドの地縫い後の三つ折りのスタート地点(上の方が底周辺)。
サイドの三つ折りステッチをかけています。
サイド三つ折り同士は同じ方向へ倒す:反対側もこちら側と同じ向きへ倒しています。
底部分のラッピングを倒す向き:先ほどのサイド部分と反対側に倒します。
すべての縫い代を縫い閉じた状態:Tの字の横がマチ、縦の細い方がサイドの三つ折り。

全く写せていませんが、画面には映っていない底のラッピング部分はこのサイドとは反対側の左側に倒れています。

出来るだけ平にすることで、マチのラッピングをしやすい状況を作って重ねたわけです。

縫製の順番は、サイドの三つ折り→底のラッピング→マチのラッピングということがマストです。

支柱の位置を外側寄り過ぎの間違いをしました・・・無くはないかな(^_^;)

ダイヤ型ピンドットジャカードのエコバッグ・・・赤い色が目を引きます。
底ベルトは裏面の赤ではなく、表面のピンドット生地を利用してなじませています。

実は、大きく間違えている点がありまして、支柱の位置が外側過ぎました。

もう5cm内側が正解。

しかし、一見気にならないという見方もありますが、仕様とはちがってしまいました(^_^;)。

今後の課題として思うことは、底ベルトがまっすぐに付いていないこと。

しっかり直線を引いてそれに忠実に縫い付ける必要があります。

もう1つ、以前のバイカラー仕様の際に底部分が混沌としていた理由として底ベルトまで無地の生地で仕立ててしたところをこのたに共布にしたことで、より支柱のアクセントがくっきりと美しくなりました。

これで腑に落ちています。

あとがき

今回は、赤色が登場しました。

スーツに合うということがテーマなので、ピンドットは、ネクタイを思わせるような雰囲気があります。

少々クセのある柄かもしれませんが、そんな柄も気軽に持てるところに、エコバッグの良さがあります。

常に持っているバッグではなく、時々出して使うだけのバッグならではです。

「繰り返しの柄」はメンズ小物のネクタイの「小紋柄:こもんがら」を彷彿とさせます。

ジャガードの当配列はきちんとした印象にもなりますので、スーツにもよくマッチしそうです。

まだまだエコバッグの製作続きます。

次回もまた新たなる生地が登場。お楽しみにどうぞ(^-^)。

レジ袋のイメージそのままの真っ白のエコバッグ、骨のような役割もありそうな底周辺のラッピング縫い代効果【225】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近エコバッグ製作週間で連続製作中です。

題して「スーツに合うエコバッグ」。

会社帰りの立ち寄りでのお買い物を想定、スーツに合うような素材をチョイスしたエコバッグです。

メンズライクな雰囲気のスーツに合うというのが、最初に完成したものでした。

このたびは、エレガントな女性っぽいスーツに合うようなエコバッグも作ろうということで、薔薇柄ジャカードの入ったカーテン地で作ります。

透かしのような雰囲気で爽やかです。

使用生地:ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

この生地で作る一重仕立てのエコバッグでは、縫い代を隠すことを工夫せねばなりません。

その1つの案として共布ラッピングがあります。

別で裁断した共布をうまく縫い代へ美しくくるむことが出来れば成功となります。

ただ、ラッピングは難易度はありますので、自身も日々練習なのですが、成功するための融通が利きやすいようゆったりとした幅で行います。

底部分のラッピングを美しく仕上げるコツ

ラッピング部分は、中側のことですので視界には入りにくいものです。

しかし、そういったところでも能動的には見ることが可能な場所なので、視界に入る部分として意識して作っていきます。

底とマチは三つ折りが生地によっては厳しいので、ラッピングの方法を採用しました。

まず、底部分1.5cmの縫い代を印付けします。
表面と後ろ面を中表に合わせて待ち針。
縫い代1.5cmの印を付けた線の上を、行って帰ってくるというふうに地縫いを二度縫いします。
底のラッピング布:巾6.5cmをど真ん中でアイロンで折り、両端1.5cmに印を付けてアイロン。
更に、仕上げでもう一度ど真ん中にアイロン。意外にこの二度目のど真ん中アイロンはこの後の作業に効果。
そして、本体の端とラッピング布の端をぴっちりと合わせた状態でラッピングの地縫いからスタート。

縫う場所というのを、縫い代の印から少しずらすのがポイント。

印の1mm程上側(実際のミシンをかける向きでは右端)を縫うのです。

そうすると、次のくるみ込む場面が地縫いが見えることなく綺麗になります。

ここを線の真上とか、ずれて下を縫ってしまうと次のくるみ込みの時に縫い糸が丸見えとなるわけです。

この物理的な構造は大変重要です。

ラッピング場面:先ほどの縫い位置のを1mmずらした効果が上手く出ました。地縫い糸が飛び出していません。
アイロンで微調整などをして、待ち針を適正な均等な位置に留めます。
反対側にも待ち針をしてみました(邪道かな)。どちらの面も布の幅が均等である必要があります。
縫いとじのステッチ:際を縫うのではなくて、中に少し入った3mm程度の位置を縫うのが良いです。

反対側に貫通しないという事態が起こりやすいのは、際を縫いがちだからです。

縫い始め最初の方裏へのステッチの出方を確認しながらゆっくり始めると良いです。

そして、縫い閉じが完成しました。
反対側もキチンと良い位置にステッチがのっています。

ラッピングはかなり繊細な作業です。

1-2mmほどのわずかな分量が影響していきます。

一方で、成功すると大変美しくなるという素晴らしいゴールがあります。

かつてのポリビニール袋の延長のカラーで完成した「スーツに合うエコバッグ」の完成

スーツに合うエコバッグ:レースカーテン地VER:<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ16cm。

白色がさわやか。この典型的な薔薇柄は元の使い方であるレースカーテン地としても人気のようです。

底部分底ベルトと支柱のおかげで丈夫そう。はるかにポリのレジ袋をしのぐ強靭さです。

このミラーレースの強度ですけれど、見かけのイメージよりははるかに頑丈のようです。

ただ、もともとカーテンは、何か込み入った場所にいろいろな物体からの衝撃を受けるものではなく、ひっそりと片隅に静かにゆれているものです。

そう考えると、バッグになった以上、かけてあるだけとは違い様々な衝撃を受けることになります。

そうした時に、どこまでの強度なのかというところは未知な部分はあります。

今後自身が使いながら様子を見てお伝えしていくことになります。

あとがき

エコバッグの長持ち度もどこまでのものかを自身で使いながら常にチェックしています。

自転車のカゴにたくさんの食料品を入れての持ち運びが大半ですが、この底ベルトや支柱の安心感は確実なものです。

実際にただいたフィードバックの中に、「大きなボトルの洗濯洗剤を3点入れても安心全然大丈夫であった」とのこと。

随分活躍してもらっているようです。

たかがエコバッグながらいざという時には力持ちであってほしい。。

そのような思いの意思表示としての複数のベルト機能です。

このたびのラッピングも縫い代をきちんと隠すことで擦れから生地を守る働き、そして実は「骨」のような役割もあるのではないかと思っております。

コツが必要なラッピングですが、たくさんのお品をラッピングする中で感覚的なコツを多く見つけ、高い手仕事技術を養いたいですね(^-^)。

グレーの良さをジャガードで知る、ヘリンボン柄がスーツにぴったりな160cm幅の生地を利用したエコバッグ【222】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ内では、グレーの色について書いた記事が複数ございます。

グレーというのは、シャープで強い黒よりもマイルドでやわらかい印象である点が魅力です。

その良さを堪能していただけるような、トーンが甘くなったグレーのジャカード、柄はヘリンボンでエコバッグを製作致しました。

前回の黒xシルバーグレーのバイカラー仕立ての時からの学びと改善を今回で改善しています。

大枠今回の出来上がりが完成形になったかな。。という印象です。

どうぞ、改善された底の部分の作りにもご注目くださいましてご覧くださいませ。

底ベルトを支柱よりも先に設置した出来上がりの様子で分かったこと

まずは、要(かなめ)である底部分の縫い付け場面です。

先に底ベルトを縫い付けて、その後支柱を縫い付けるという順番に決定。

その結果、とてもすっきりした印象になりました。

底ベルトを先に設置:縦向きの支柱は後で重ねます。出来上がりのすっきりさ、持ちあげる機能との相性です。
出来上がりの底面の様子:支柱が前後でぴたりと位置が重なり気持ちが良いです。
両サイドの三つ折り始末:本体の縫い代を使います。2.5cm(1.25cmずつ三つ折り)に変更しています。

この縫い代は、パイピングの幅が1cm強。前の1.5cmの縫い代ではパイピングを0.75cmに補足仕上げることになり、厚い生地やほつれやすい生地が大変難しいものでした。

よって、この改善も綺麗にできるコツにもなるかと思います。

ただ、これもミリ単位の正確さを追及することになりそう。。

というのも、こちらをご覧くださるとご理解いただけるかと思います↓。

2本のステッチのばらつきの課題:地縫いの線三つ折り線の2種。この巾を均一化するのか地縫いをやめるのか。。

もう少し詳しく解説しますと、2本の線の内左側は三つ折りのステッチ、右側は地縫いのステッチの線です。

そうしますと、地縫い→三つ折りで行く順番からは、地縫いした右側のステッチの意味が結局ありません。

そうすると、この部分は、同じカ所を地縫い/三つ折りステッチ兼用で良いのではないか。

つまり、左側のステッチ1つで良いのではないかということになります。

その分、これまで離れてはいたものの、二度縫われていた強度が半分にならぬよう、同じ個所を二重縫いに重ねるということをしてはどうなのか。。

もしくは、2枚の生地を重ねて縁から2-3mmを地縫いしてから三つ折りステッチ。

これであれば1度目の地縫いステッチが完全に三つ折りの中に隠されすっきりと見えます。

後者のアイデアがこれまでのやり方も活かせるやり方かもしれません。

グレーのジャガードのエコバッグはスーツ姿にマッチする

スーツに合うエコバッグ:グレーヘリンボンVER・・・<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ16cm。

完成です。なかなかシックです。ヘリンボンジャカードがかっこいい♪。

グレーはおしゃれです。やはり黒よりマイルドになりますね。

生地巾が160cmもあったのでそのまま160cmを支柱にしました。

そうすると、理想の取っ手65cmが実現しました。取っ手65cmは通常長めですが、物をたくさん入れて口がぱっかり開いたところに持つその取っ手は、これぐらいある方が実は背負いやすいのです。

このたびのヘリンボンジャガードのエコバッグは、「スーツに合うエコバッグ」としては、かなり相応しい出来上りだったと思います。

シンプルなデザインは、素材の影響も大きいです。

あとがき

グレーをたまたまインテリア地で見つかりましが、ほとんどはパンツ生地などのストレッチがかかったポリウレタン込みのポリエステル生地を120-130cm幅程度で見かける程度です。

グレーカラーは生地の中ではレアな方だと思います。

ヘリンボンとかグレンチェックは不動の人気がありますね。

とても良い素材に出会えたこの度でした。

有難くこのヘリンボンジャガードエコバッグはご購入いただきました(^-^)。

設置の順番は底ベルトが先、本体の容器の丈夫な底を補強する意味を主張するエコバッグの底ベルト【220】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

7種の生地で連続製作をしております「スーツに合うエコバッグ」。

今回は、一番最初の出来上がり品を部分的に改良をしたものになります。

改良部分は、スタイリッシュに支柱の幅を細めたことと底面に底ベルトを付けることです。

この底ベルトを付けることの深堀りがこの度ご紹介する場面になります。

一重仕立てで裏無しで軽量かつたためるアイテムでありながら、使用する際には強靭でありたい。。そのような強いメッセージをお伝えするにあたり、この底ベルトの存在が重要になっていきます。

底ベルトの役割と効果

自身命名の「底ベルト」。

「支柱」ともども何と呼べば良いか分からず、呼び名を考えてみた次第です(^_^;)。

支柱がある程度底面を覆うとはいえ、支柱をスタイリッシュに細めたこともあり、底部分にもう1つ安心感を入れ込みたいと思いました。

そこで考えた底部分を丈夫に支える機能が底ベルト。

縦に支柱を縫い付けた後に、十文字に底ベルトを縫い付ける方法で今回は行います。
片面の底ベルトが取り付け終わりました。もう1方の面も同じ位置に縫い付けます。
スーツに合うエコバッグ:ツートンVER完成・・・サイズ:縦38cmx横35cmxマチ13cm。

出来上がりはまずまずな様子ですが。。

実は、底面に関して2つ今後の課題が見つかりました。

今後の課題:①底部分の支柱同士の重なりのずれ(右側)②底ベルトを先に縫い付ける順番へ今後変更。

まず①に関してですが、やはり支柱同士がぴったり重なることがマストになりますね。

右側のずれは高級感を損ねます(反省)。

そして、カラーの交わりの観点からは、底の面がややうるさい感じになってしまいました。

底ベルトに関しては色を切り替えず、本体と同色で目立たなくなじませる方がすっきりと仕上がるかもしれません。

そして、②の順番も非常に重要であると気づきました。

エコバッグは食料品などをたっぷり入れて、「よいしょっ」と取っ手を持ち上げます。

その持ち上げる時の力のかかり具合を考えたときに、先に底面を底ベルトで丈夫くしておいての、最後の持ち上げだと思うのです。

そうすると、取り付けの順番が変わってきます。

まずは、底ベルトを最初に縫い付けて、取っ手無しの入れ物だけに対する底の補強的な意味でベルトの役割ができます。

そこへ、さらに全体を持ち上げるために支柱/取っ手の長いベルトが付くのだという見方が最も腑に落ちました。

今後、取り付けの順番は、底ベルト→支柱/取っ手がこの時に徹底されたのです。

あとがき

結構エコバッグはサイズが大きいので作業に時間がかかります。

一重仕立てながらも、縫い代の始末をすっきりとするところも悩みながら解決していくところです。

裏地付きでは隠れるから「甘えていた」縫い代問題が一重仕立てでは現実的な厳しい環境になるのです。

そうした意味でもこの一重仕立てを美しく完成させることは、生地を半分しか使わないから楽なのだとかいう考え方などとうに越えて、難易度は高めだと考えています。

ユーザーの行動のイメージをうんと膨らませた考案、会社帰りのスーツ姿にぴったりなエコバッグのモデルや素材を考える【216】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

自身の1週間分の食料品の買い物を金曜日と決めています。

このmy買い物デーによく見かける風景というのが、多くの会社帰りの人々。

なぜ会社帰りか分かるのかというのが、きちんとしたスーツ姿の格好からそううかがえます。

さてこのたびは、よく見る場面の週末の買い物シーンにおいて、会社通勤の服装そのままにぴったりなエコバッグを考案してみようというアイデア。

とりあえずは、基本的な黒ベースのエコバッグをデザインしました。

たためるエコバッグにするには頑丈過ぎてはいけない学び

ここ最近、たためるエコバッグがいいという生のお声をお聞きしました。

ただ買い物目的にダイレクトにお店に向かう人は少ないのかもしれません。

多くの方が、どこかの帰り道に立ち寄ったり会社帰りだったりと、連続した場所移動のシーンを想像します。

スーパーで食料品を買う前の会社勤務のシーンというのがきちんとした服装であることから、エコバッグをそこに合わせた雰囲気のあるデザインや素材にすることで、洋服にもマッチするのだという想像。

ということで選択したのが、こちらの生地↓、基本的な黒ベースです。

使用生地:ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。
うっすら入ったランダムなニードルストライプ。

もともとは、ボーダー柄なのですが、カーテン地が特殊なことも多く、生地を引っ張ると通常の横が伸びず縦が伸びるのです。

よって、重い物を入れる時の比重がかかる縦向きに伸びない硬い方でに製作することが望ましいう判断で、横向きに生地を使います。

接着芯を貼る必要性の有無について:生地がしっかりしていれば「貼らない」が正解の時もあります。

一応支柱だけには接着芯を貼って見たのですが、結果はひつようありませんでした。

むしろ本体とのバランスが悪く、支柱だけカチコチしているのが違和感があります。

スーツに合うエコバッグ:<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ15cm。

完成です♪。

ただ、ごわついた支柱がたたみ切れず、結果中途半端に丈夫なものになってしまいました。

次回このことを改善していきたいと思います。

接着芯を貼らないで作ることがかえって、コンパクトですっきりしていて、それでも十分に丈夫な仕立てのエコバッグにできると判断しました。

エコバッグとメインバッグの境界線

普段メインバッグばかり作っているので、その感覚が捨てきれず、ついつい丈夫な存在感あるものを意識してしまったのです(^_^;)。

エコバッグと名の付く以上、丈夫さや存在感はこの場合は一番重要な点ではないのです。

むしろ、たためる柔軟性、コンパクトであること、野暮ったくないことなどが求められる点も重要です。

使う時と使わない時とでは、使わない時間の方が長いのがエコバッグ。

メインバッグはずっと中に物を入れて使われているので、使う時間がとても長いのです。

その違いをもっと考えるべきでした。

今回私が中途半端に作ったそこそこ丈夫なエコバッグは、メインバッグとエコバッグのはざまのような微妙な存在。

もっとエコバッグ寄りに寄せた方がこの場合は目的がはっきりして良いと思います。

取っ手や支柱は、確かに接着芯を貼ると、長い意味では傷みにくいこともあるのかもしれません。

しかし、接着芯を貼らずとも、幾重にも折り重なる仕様、そこへさらに4本のステッチが縦に入りますので、ここまでの仕立てがしてあるならば十分なのです。

エコバッグを何年も使うことが求められているのか、むしろ、煩わしさのない邪魔にならないものという点こそが一番に重要なのかもしれません。

あとがき

今回も学ぶことのあった製作でした。なかなか初めてでは完璧にはいかないものです。

裏無しバッグというのは、ある意味裏付きよりも難しいところがあります。

それは、縫い代の始末。

縫い代ゲジゲジのままでは、本当に気持ちが悪い私。。

よってその縫い代をきちんと隠したいと思うものです。

今回は、サイドは三つ折りで、マチと底は、ラッピングしました。

先程、エコバッグは、ふにゃんとしているもので良いのだというような内容を書きましたが、あくまでもそれは、見かけの雰囲気の事です。

仕立てとしては、エコバッグであってもきちんとした縫いや始末はメインバッグと同じように行います。

そこは、決して「いい加減」とは違う点ですね。

その中で、今回は生地が薄手だから支柱には接着芯を貼ろうと判断することがあるかもしれません。

非売品で無料なことも多いエコバッグですが、お値段いくらという以前に作りの良い良質なものを作りたいです。

これがビジネスとして成り立つのかどうかなどは先に考えることではありません。

とにかく良い物を製造していく心構えをまずはアウトプットしてまいります(^-^)。

6mm仕上げの丸底ラッピング成功のための材料はナイロン100%のバイヤス25mm幅にあり【204】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

楕円の形をしたデニムバッグの底のロック始末を更にラッピングで覆うというアイデアをこのたびアウトプット致します。

随分自身が試行錯誤してきた結果お伝えできるメソッドとなっております。

カジュアルなバッグ1つでも実はその作りはエレガントであるという、「エレガンス」がミックスされたお品物作りを目指しています。

このたびは、デニムというカジュアルな素材をドレスライクに寄せていくというゴールを目指すために美しいラッピングの出来上がりを目指していきます。

いくつかの幅の違いでラッピングのあれこれを過去10年にもわたり試行錯誤してまいりました自身が行き着いた1つの完成型のゴールである最も美しい「6mm仕上げ」のバージョンをここでお伝えしたいと思います。

厚みのある生地へのラッピングが難しいと感じるその理由

一重仕立てのデニムバッグ:パーツ全部にロックをかけてあります。ロック糸の色も馴染む色でさっぱりと。。

ラッピングもストレート部分なら比較的やりやすいです。

しかし、このようにカーブのあるデザインに加え、生地に厚みがある部分にラッピングをするとなると少々レベルが上がると感じます。

しかし、心配ご無用。

作業自体がやりやすいような幅、前準備があれば成功できる作業だと思います。

今回は厚手の14オンス相当のデニム生地が2枚重なった場合のラッピングです。

14ozは、一般的にはかれているジーンズ程度、この度のラッピング布の幅の25mmはこの厚みを1mm見込んだものです。

完成のイメージは、4mm巾程度でかけられたロック部分を更に隠してワンポイント的な装飾を込めたデニムとは異素材のナイロンラッピングにするというものです。

ラッピングは基本的には、出来上がり幅の4倍程度の幅のテープを用意する必要があります。

しかし、それはぺたんこの生地の場合の最も単純な考え方です。

ラッピングをしたい場合というのは、そもそも厚みがある状態になっていることが現実多いものです。

よって、見込んだ25mmというのは、出来上がりの6mmx4=24mmに厚みの1mmを加えた25mmだということになります。

よって、水平に見たときの1-2mmの生地の厚みを考慮せねば、最後のとじの部分で生地の分量が不足することになります。

生地によって厚みは様々。

ラッピングというものは、1mm違っただけでも裏面にずれが生じ、下の写真のようにテープの上にステッチが載らず、脱線しまくりの的外れな状態になってきます。

私はクセとして、このようになりがち、このようになりがちな人は結構多いかもしれません↓。

出来上がりの裏面の縫い目がまるでテープにのっていません。

すべて、テープ外の的外れな位置にステッチが出ていて、ラッピングの意味があるのかというほどの出来具合です。

ここから改善を試みていきました。

では、作業しながらラッピングが美しく仕上がるコツを研究した成果として次のようにポイントをまとめたいと思います。

6mm強仕上げのカーブのあるラッピングを上手く仕上げる「7つ」のポイント

では、ポイント箇所を中心にして出来上がりまでの流れをお伝えしたいと思います。

ポイント1)生地は45度のバイヤスで裁断

ポイント1)とにかくバイアス裁ちで行うことが基本。ナイロン/100%は伸びと縮みの両方融通性あり。

そもそも、テープの幅は25mm巾のバイアス裁ちです。

これがストレートでは柔軟性がなく、しわが寄ってしまうので、カーブ箇所を含む部分であれば、バイアスが必須。

ポイント2)縫い線の印の線をフルに直線で描く

これは、確実に1針1針を的確な寸法の位置に落としていくために、フルの直線である必要があります。

ポイント2)縫い線の印の線をフルに直線で描く。

ポイント3)アイロンで折り線を付けておく

折り線は必須、正しい位置を折り線が案内役として教えてくれます。

この折り線をアイロンであらかじめしっかり付けておくと、とても後半がやさしいものになります。

ポイント3)アイロンで折り線をしっかり付けておく。

最後の縫いとじの折り込みも5mmです。そして、ど真ん中に折り線をアイロンで入れます。

縫い始めの先端の横ラインをを1cm程内側へ折り曲げて、縫い代を隠しておきます。

この作業を下準備としてあらかじめやっておくわけです。

ポイント4)本体生地の縫い代とテープの右端をピタリと合わせる

写真では、右端がうまく映しておりませんで申し訳ございませんが、あそこがぴたりと合っている必要があります。

テープがはみ出したりまたその逆で中側に控えたりしていると、これが原因でラッピングが崩れますのでご注意下さいませ。

ポイント4)本体生地の縫い代とテープの右端をピタリと合わせる。

ポイント5)アイロンをかける時に伸ばし過ぎない

ぐるり1周地縫い後、アイロンをかけてくるりとテープを反対側に向けます。

この時に最初の折り線が目安になることも多いです。

アイロンをかける際には、目安を地縫いの線がぎりぎり隠れている状態で折るのがのぞましいというのが自身の実体験からの結論です。

ポイント5)アイロンをかける時に伸ばし過ぎない。
地縫いステッチが隠れているぎりぎりでアイロンをかけ、ターンします。

ポイント6)縫いとじのステッチは、先端ぎりぎりでなく少し内側を縫う

ポイント6)縫いとじのステッチは、先端ぎりぎりでなく少し内側を縫う。

ラッピング布の際ではなく、1mm程右部分を縫うと下糸側のステッチがラッピング布から脱線しない結果になるようです。

ものすごくこの場面は繊細で「加減」とか「感覚」の世界。

裏面のテープにステッチが載ることを意識しながら行うのが良いです。

これでもうまくステッチが生地に乗らないようであれば、最初の5mmの箇所へのステッチ時にあえて、その線の1mm縫い代側(右)を縫うということをすると生地の配分が調整されるということがあります。

このことは、よくご紹介されていることと同じ内容になりますので、1つのヒントとしては有りだと思います。

ポイント7)最後の綴じの位置にもきちんとステッチをのせる

一度やり直しをした後の場面ですので、そのやり直しの原因が実はカーブのところでした。

カーブ部分は、自然にバイアステープが内側に引っ張られる傾向があります。

そうすると、裏側(最初に地縫いをした側)が地縫いの糸が見えるぐらい引っ張られて圧力がかかり、テープ幅が偏ります。

つまり細くなってしまってうことがあるのです。

そうすると結果、最後の縫いとじのステッチ糸が、テープ上に乗らないのです。

なので、テープの幅を均等にするよう、地縫いステッチが見えないぎりぎりの位置に待ち針を裏側から打ち、表側にも打つというダブルで行いました。

そして、目打ちを使ってゆっくりとステッチしていきます。

ポイント7)最後の綴じの位置にもきちんとステッチをのせる。

以上、7点が私が研究した成果から出てきたポイント箇所でした。

結構ポイントの数が多いです。

これらをすべて満たした時に完成すると言えますので、ラッピングは高度な技術の1つだと思います。

ただ、すべてを満たすことを考えると難しいようですが、美しく仕上げるための必須の当たり前の事項だと考えることもできます。

成功したラッピングの完成の表と裏の見栄え

底面側のラッピングの仕上がり:巾着袋の中を覗いた時に、この面が一番多く視界に入る部分です。

この面からラッピングの縫いとじをしました。

この面は、最後に縫い閉じた時の表側にあたり、どちらかというとより綺麗に見える方側です。

ということは、ターンする前の最初に地縫いする面というのは、底面でない反対側の側面パーツの部分を上糸側にして縫うという向きが良いということを導けます。

側面側のラッピングの出来上がり:視界には入らない部分ですが、見る人は見る隠れた部分。

ここも、今回のコツでテープにステッチがちゃんと乗っかりました。

表からは一見綺麗でも裏を返せば残念なことになっているのはどうなのでしょう。

お恥ずかしながらそんなやり方が自身の今までのやり方だったのです。

しかし、今回は生まれ変わりたいと思いました。

視界に入りにくい箇所も、丁寧に美しく仕上げていくことの意味を感じています。

おさらい:図解でこのたびのラッピングの数値的なものを見てみる

少し画像が不足していますので、図解をしてみました↓。

出来上がり6mmのラッピング用型紙の解説:バイヤス裁ち、ナイロン/100%地使用の14ozデニム用の場合。

最初の型紙では25mm巾で裁断。四つ折り観音開きをまともにせずに、左右を5mmずつだけ縫い代でとります。

例えば、薄手の生地をラッピングするのであれば、ただの均等の四つ折りでアイロンだけで良いですが、デニムは明らかに厚みがあることが目に見えています。

よって、その分の生地が奪われるとあらかじめ考えなければラッピングは成功しません。

最初の左右の5mmずつは、本来25÷4=6.25mmという仕上げの6mmに近い数字を均等配分するイメージから片寄せたものです。

多くが真ん中の内陸部分で生地が奪われるわけですね。

こうした微妙なミリ単位が効果を出すということならば、当然使う素材も融通の利く、伸び縮みの弾力性あるナイロン/100%を使うことが成功しやすいことに導けます。

あとがき

「長年の勘や職人的感覚」を養うにあたっても、まずは理論として得たことは、ラッピングの仕上げの幅は6mm程度がすべてにおいて、すっきりと美しいと思えるということです。

幅がたくさんあれば丈夫そうに見えますが、野暮った過ぎてスタイリッシュではありません。

今回は、デニムのブルーに相性の良いサンドベージュの色のラッピング布であったことも実はバッグの中をのぞいた時のコントラスト効果を考えた工夫です。

苦労するラッピングのその作業だけに心を奪われるのではなく、さらにそこを乗り越え、その苦労などまるで無かったかのうように何食わぬ顔をしておしゃれ度も見せていくこと。

その作り手の強靭な姿勢こそ本物の「粋:いき」を作っていくのではないかと思うのです(^-^)。

ミシン針が通らなければ縫いとじが実現できない、厚手生地で入口完全密封のファスナーリュックをどのような工夫で作ったか【203】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近ずっと手を付けれずにいた手持ち生地の厚地タイプが結構あることに目を向けてみました。

なぜ、手をなかなか付けれずにいるのか。。

それは厚地が重なる部分が多くて縫えない可能性があって尻込みしているのです。

そこを克服していこうというのが今回の企画です。

厚物に向いたバッグのデザインをセキュリティー性も伴ったものとして考えてみた

厚地というのは、壁にぶち当たる場面が決まって重なってミシンが縫えない時です。

これが起こらないような作りにすれば、ゴブラン、インテリア地などの厚い生地もバッグにしていけると思います。

結構残っている生地の中には素敵な厚地がたくさんあるので何とかここをクリアしていきたいと思っています。

そこで、1点考えたデザインが、半月型のリュックにもなるハンドバッグ。

小さい物ですが、マチを10cmとそこそこのボリュームにして、容積をできるだけ増やします。

そして、このように出来上がりました。ライムイエローの爽やかなバッグです↓。

ミニ半月型リュック:縦16cmx横27cmxマチ10cm。

ミニとは言え、横はそこそこありマチもボリューミーです。

長財布、スマホだけでなく、他の小物も入れていただけるかと思います。

スペイン製のインテリア地で厚手のごわっとした生地、綿/100%です。

イメージとしてはソファーに貼る生地としての使われ方を見込んだ素材。

背の部分:取り外し式のリュックのショルダー付き。長めでたらりと下がるリュックの背負い方も可能。
入口の口布の作り:どこにもすき間がありません。安心して、背負って出歩くことができます。

やはりリュック仕様となると入口が視界から遠ざかるので、不安も付きもの。

そこで、フルに密閉することを考えまして、口布を設置しました。。

内側の様子:ちりめん生地を使い、にぎやかなマルチボーダーが広がった内側になりました。

表地のライム色がこのボーダーの中の色に入っていることでマルチカラーのにぎやかさを落ち着かせてくれます。

入り口の口布の設置部分が重なりが多くなり、困難を極めました。

口布もハード薄芯を入れて立派な物に作り直したら、貫禄があってその方がよかったのです。

悩みどころですね。薄くは作りたいけれど、貫禄も出した方が良い物になるのです。

ここが非常にもどかしい。

もっと厚手になるともう入り口の口布縫い付けが対応できないのです。

ということで、今回はたまたま何とか縫えたけど、次回は違うデザインを考えていかねばなりません。

厚手生地にオールマイティーに対応できる万能デザインは本当にあるのか

なかなかいろいろ欲を出すと、難しいものです。

それにリュック仕様に必ずするということもデザインがなかなか見つからない1つの要因。

けれどここはゆずれません。リュック仕様は必ず入れたいのです。

例えば、入り口の密閉を裏地の柔らかい布で巾着のように絞るというデザインは1つの手かもしれません。

あとは、一重仕立て使いをして袋のようなバッグにするとか、けれどリュックにもなるよというもので。。などです。

あとがき

厚手の生地といっても、このたびのインテリア生地は比較的目が粗かったものになります。

それで何とか針が通って完成まで至りました。

生地の厚みだけを見ずにその織密度をじっくり見て、スカスカなのかぎゅうぎゅうなのかで縫っていけるものとそうでないものに分かれていく岐路もあるかと思います。

とにかくこのたびは良い研究になりましたし、オシャレに仕上げる一定の成果も出ました。

ファスナー使いの隙間の解消は製造業者としても悩みどころ。

ただ、完全密封には他の対策が及ぶことはありません。