ミシン針が通らなければ縫いとじが実現できない、厚手生地で入口完全密封のファスナーリュックをどのような工夫で作ったか【203】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近ずっと手を付けれずにいた手持ち生地の厚地タイプが結構あることに目を向けてみました。

なぜ、手をなかなか付けれずにいるのか。。

それは厚地が重なる部分が多くて縫えない可能性があって尻込みしているのです。

そこを克服していこうというのが今回の企画です。

厚物に向いたバッグのデザインをセキュリティー性も伴ったものとして考えてみた

厚地というのは、壁にぶち当たる場面が決まって重なってミシンが縫えない時です。

これが起こらないような作りにすれば、ゴブラン、インテリア地などの厚い生地もバッグにしていけると思います。

結構残っている生地の中には素敵な厚地がたくさんあるので何とかここをクリアしていきたいと思っています。

そこで、1点考えたデザインが、半月型のリュックにもなるハンドバッグ。

小さい物ですが、マチを10cmとそこそこのボリュームにして、容積をできるだけ増やします。

そして、このように出来上がりました。ライムイエローの爽やかなバッグです↓。

ミニ半月型リュック:縦16cmx横27cmxマチ10cm。

ミニとは言え、横はそこそこありマチもボリューミーです。

長財布、スマホだけでなく、他の小物も入れていただけるかと思います。

スペイン製のインテリア地で厚手のごわっとした生地、綿/100%です。

イメージとしてはソファーに貼る生地としての使われ方を見込んだ素材。

背の部分:取り外し式のリュックのショルダー付き。長めでたらりと下がるリュックの背負い方も可能。
入口の口布の作り:どこにもすき間がありません。安心して、背負って出歩くことができます。

やはりリュック仕様となると入口が視界から遠ざかるので、不安も付きもの。

そこで、フルに密閉することを考えまして、口布を設置しました。。

内側の様子:ちりめん生地を使い、にぎやかなマルチボーダーが広がった内側になりました。

表地のライム色がこのボーダーの中の色に入っていることでマルチカラーのにぎやかさを落ち着かせてくれます。

入り口の口布の設置部分が重なりが多くなり、困難を極めました。

口布もハード薄芯を入れて立派な物に作り直したら、貫禄があってその方がよかったのです。

悩みどころですね。薄くは作りたいけれど、貫禄も出した方が良い物になるのです。

ここが非常にもどかしい。

もっと厚手になるともう入り口の口布縫い付けが対応できないのです。

ということで、今回はたまたま何とか縫えたけど、次回は違うデザインを考えていかねばなりません。

厚手生地にオールマイティーに対応できる万能デザインは本当にあるのか

なかなかいろいろ欲を出すと、難しいものです。

それにリュック仕様に必ずするということもデザインがなかなか見つからない1つの要因。

けれどここはゆずれません。リュック仕様は必ず入れたいのです。

例えば、入り口の密閉を裏地の柔らかい布で巾着のように絞るというデザインは1つの手かもしれません。

あとは、一重仕立て使いをして袋のようなバッグにするとか、けれどリュックにもなるよというもので。。などです。

あとがき

厚手の生地といっても、このたびのインテリア生地は比較的目が粗かったものになります。

それで何とか針が通って完成まで至りました。

生地の厚みだけを見ずにその織密度をじっくり見て、スカスカなのかぎゅうぎゅうなのかで縫っていけるものとそうでないものに分かれていく岐路もあるかと思います。

とにかくこのたびは良い研究になりましたし、オシャレに仕上げる一定の成果も出ました。

ファスナー使いの隙間の解消は製造業者としても悩みどころ。

ただ、完全密封には他の対策が及ぶことはありません。

製作者の創造をはるかに超える荒々しい使いっぷりの現実、実際にバッグが使われるシーンを事細かに想定した強化箇所【202】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、製作にゆがみによる失敗があった1点のミニリュックを頻繁に自分で実際に使っていく中で気づいた驚くべき実態をお知らせして、製作のヒントになればとお話させていただきます。

結論からは、ハンドメイドバッグの作り手が、自分自身で使ってみることというのは新しい発見があるということです。

製作はあくまで使う手前までの事でしかありません。

その後の事は使っていかないと浮かび上がってこない事象なのです。

必ずしも上品に取っ手を持ちながら入り口を開閉するわけではないバッグ使用場面の現実あれこれ

ずっと同じものを使っていくと慣れて、ついつい荒々しく乱暴になります。

新しい頃は気を使っていますのでそれほどでもないですが、だんだん馴染んで慣れてきた頃というのは、何かしらの重要なヒントがある時期であると思いました。

実際に使わせていただいているのは、このニット素材のミニリュックです。

横向きに長財布がぎりぎり入るような小さなもの。中側にポケット2個。トップには取っ手の調節機能付き。
このように角の位置が対角線上に並ばず、歪みが起きてボツとなりましたことで自分で使うことにしたもの。

しかも、白黒というのは、まさに普段着としてコーデしている黒コーデにマッチしまして、大変使いやすいです。

何も考えず、このリュックを持って外へ出れば、自然に黒白コーデが成り立つので気楽です。

黒のバッグに少し柄が入っているといった感じを求める女性の何人かに過去のバッグの販売でご縁がありました。

黒白系はネット写真ではなかなか映えにくいものの、実際には多くのお洋服に使える色味だと見ています。

さて、このリュックを使っていく中で、意外と乱暴で荒々しい使い方をしてしまっているというのが、具体的にどういった場面なのかをショット写真で数点ご紹介。

なかなか興味深いものですねぇ。

もしかしたら、同じようなことを皆が気づかず無意識にやっているのかもしれません。

では、無意識な荒々しい使い方「あるある」まいります。

①ファスナーで持ち上げてしまう・・・ファスナーを開閉すると同時に思わずファスナーを持ち上げてしまう。

無意識というのは怖いものです。

気が付いたらこのようなすごいことをしておりました。

ファスナー開閉時にリュックを宙に浮かせながらファスナーを持ち上げることも。。

この時に、ファスナーで全体の重さを支えていることになります。

そうすると、対策として浮かぶのは、ファスナー取り付け時の縫いを強固にすることです。

二重縫いはその対策としてはなかなか良かったかと思いますので、今後このまま実行していきます。

②フラップポケットのフラップを宙に浮かせた状態で持ち上げる・・・これは①のファスナーに似た使い方。

なんと乱暴な。。しかしながら、実際私も使う中でこれを普通にやっていました。

そう考えると、こういう場面も大変荒々しいですが、実際には考慮せねばなりません。

ということで、これまで行ってきたフラップポケットの蓋の縫い付けを、裏側に「当て芯」をして、更に二重縫いして取り付けていますことを今後も続行です。

③ショルダータブの強固な取り付けが求められる・・・ショルダータブは縫い付け時に3度縫い。

ここは、支えとなる部分なので、やはり、多重縫いにより強固な縫い付けが必須です。

④片方のショルダーだけで肩に背負うことがある・・・不安定な状態の時、物を取り出そうとする時です。

そうするとこの対策としては、タブを強固に取り付ける具合というのも、目標をこの片方の1つのタブだけで全体を支える場面があることの想定のもとでなければなりません。

あまり深くそこまでは考えが及んではいませんでしたが、あの小さいタブ自体、そしてその縫い付けの両方にパワーがないといけないということですね。

接着芯は必須。強固にするための接着芯であるという目的に貼ります。

そして、縫い付けも今まで通り3重縫いです。

タブの幅もあまり狭いものではなく、ある程度広めの方が丈夫です。糸で縫う部分が広い程強固です。

ブランド物の高級バッグでポンとスタイリッシュなタブが外れてしまった過去を思い出します。

小さい物だと侮るなかれ、小さなショルダータブこそ主役のような取り付け方をする必要があるのです。

⑤カンが傾く・・・そもそもこの角カンがまずいということで、Dカンに徹底し直し。

角カンは向きが変わりやすいので不向き。Dカンの方が安定して使えます。

⑥糸の始末がほつれてくる・・・これでも玉結び玉止めを一度はしっかりやっての結果です。更なる対策は↓。。

その後、現在では、この結び目を隠れたところに出して、強固にコマ結びしています。

この写真の時は、見える位置で結び目を出してしまっていたのもこんな風にぼそぼそと見える原因になってしまいました。

テトロン糸はつるりとしてほぐれやすいので特にこうなりがちです。

よって玉止めを隠す場所の見つけ方も重要になります。

ポイントとしては、溝となっている箇所を近隣で探し、そこへ針を使って糸を移動して玉止めを行うということをこれ以降の製作に徹底しています。

⑦ファスナーのつまみで持ち上げることがある・・・最初の①に類似ですが、つまみ部分を持ち上げるケース。

対策としては、つまみをただの飾りではなく、丈夫な素材で強固に取り付けることです。

以上7点ですが、使っていく中で見つかった荒々しい使い方の場面とその対策でした。

では、使っていく中でとても良いと感じたところはあったのでしょうか?

次にそれを1点お伝えしたいと思います↓。

使っていく中での角の擦れの有無で分かる生地の良し悪し

バッグの角っこは傷み具合を測るには必ず見る箇所だと思います。

今回の素材というのは、「スポーツメッシュ」というニット生地です。

混率は、ポリエステル/94%、ポリウレタン/6%、日本製。

この素材で作ったミニリュックの角を見てみると。。全く傷みが見られませんでした。

傷みが出ていないスポーツメッシュという生地。・・・過度の擦れは直すのが難しいので素材は重要です。

今回のこの生地は、こういった結果からは、擦れにくい生地であると言ってよいかと思います。

良質の定義も様々かもしれませんが、長く持てるということになると、擦れが全く起こっていないということが「良質な素材」の1つの目安になるのではないでしょうか。

摩擦に対して柔軟性がある丈夫な生地だと言えます。

スポーツ着目的に製造されたこの素材の一番の「売り」でしょう。

あとがき

このスポーツメッシュという生地は、ユニークで面白みがありますが、決して高価な生地ではありません。

コストが高い生地こそが良い生地だと表面的な判断はするべきではないことを、今回の検証からも実感しています。

もし、高額生地=良いということにしてしまうと、製造のお品が「生地頼み」の作りとなってしまい、その製造者であるハンドメイド作家の役割がありません。

生地というのはあくまで「材料」であり、「製品」として仕上がるその間の「製作」には多くの「自分の考え方」を込めて表現していくのであり、その「表現」こそが実は一番伝えたいものが詰まっている重要な部分なのです。

これを多くが忘れられ、かわいい生地や素敵な生地さえあれば、その作りや考え方を深く見ることに目を背けられている現実を感じます。

「心を込めて」とか「精魂こめて」などという言葉がありますが、あの言葉は確かな文言であると考えます。

黙って物1つ作って売れることだけでも1つのコミュニケーションであり、人同士の対話だということになります(^-^)。

ちょっとブレイクタイムにもハンドメイド、直線縫いしかできない職業用ミシンで「即興刺繍」トライしたうさぎさんがのんびりたたずむ風景画【200】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少しリラックスした気分で、特に何かその先に目標があるわけでもないことを今回ミシンを使ってやってみました。

あまりそんな風に作業することがないので、時にはこんなことも良いのではと思いました、

それは、短い時間でやってみました刺繍です。

刺繍も奥が深いと思います。

ミシンなら、層を分厚くして、カチコチになるまでたくさんの糸を使って膨らんだ感じになるものが本来の刺繍とよばれるもの。

また、手縫いなら枠を張って、そこへ多重の糸でカラフルな色の組み合わせで針を刺していきます。

けれども今回は、いたってシンプルで「我流」です。

職業用ミシンで直線だけでシンプルに行う刺繍をしてみました。

刺繍のテクニックは持っていませんので、普段のミシン使いのみの技術そのままで行います。

刺繍のデザインは、うさぎさんのいる風景画を可愛らしく考えた

この際好きな場面を風景画にしていこう、そのように思いました。

特に下書きとか線を付けたりせず、突然浮かんだ風景そのままをミシン縫いで描いていきます。

ただし、やるからには綺麗な始末にします。

糸は、玉結び/玉止めの端っこ部分をすべてすっきりと裏側に隠します。

ではまずは、木からスタート。

木の幹。外側は茶色の糸、幹の部分はベージュ色。
木の葉の部分。アフロヘアーみたいにまあるく。
うさぎの顔。ぷっくりかわいいうさぎをイメージします。
うさぎがくつろいでいる様子を表現。
お花を刺繍します。
完成です。うさぎさんの目は黒糸なので目立ちませんが多重に1針目ずつの返し縫いで頑張りました(^_^;)。

まるで即興演奏のような「即興刺繍」を終えての感想

刺繍は、一流ブランドが行っても、どこかおぼこさが出るものです。

私の場合も思いっきり子供っぽくなりました。

風景画だからこうなりがちなのもありますけれど(^_^;)。

今までやってもみなかっとことをやり終えた不思議な気持ちがありました。

思ったより出来上がってしまうものだと。

ルールや縛りがないので自由だったからこそできたことだと思います。

ブレイクタイムに肩ひじ張らずにやった作業の中から何かを得たのかもしれません。

良い体験でした(^-^)。

一度やってみてください、完成すると何か特別な気持ちが味わえます。

あとがき

直線ミシンだと、線が細いので刺繍の立体感は出にくいですね、当然です。

けれど、普段の、カーブ縫い、角のステッチなどの訓練が活かされる場面でもありました。

いつもやっている作業や行動をふとした時に違った形で新しい何かを取り入れてみることでその後の元の作業の発展になるヒントが得られるかもしれません。

私の極端な例ではございましたが、ご自身のフィルターでこされた新しいアイデアにお役に立てればと思います。

これっきり、私は直線縫いのミシンで刺繍をすることはないかもしれませんが。。

装飾面よりも大切な事、ひらひらと人魚のように何段にも飾るフリルと、そこにどうしても必要だから設置されたシンプルなフリルとの機能面の違い【190】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

エレガントさを表現できるモチーフの1つに「フリル」があります。

今回、ある必要に迫られて、どうしてもフリルを付ける必要がある状況が出てきました。

このことをきっかけに、フリルにおける「装飾」と「機能」について考えてみました。

フリルは装飾性のあるモチーフなイメージが強いのですが、この度の発見は、「機能としてのフリル」だったところがポイントになります。

フリル使い引用の時のヒントになればと思います。

ハンドメイドバッグの製作手法の限界を感じた縁っこライン

ハンドメイドバッグをいろいろなデザインで展開していきたい場合、どうしてもある壁にぶち当たるような気がします。

それは物理的な無理です。

バッグは基本的には、表地と裏地の「袋同士の合体」です。

そのような典型的な作りがトートバッグとか巾着バッグに展開されることが多いです。

袋と袋をつなげて重ねて1つにする作りということですね。

ところが、もっといろいろなデザインを試みていきたい場合、ひっくり返しに無理が生じたり、綺麗に作れないことがあります。

特に立体的な形が少々複雑になったバッグは、大変おしゃれで魅力的なのだけれど、作るのが困難であったりするものです。

そうした中で、工業製品にとどまらず、布でも作れるためのある工夫をしました。

それが、組み立て式の作りをしたバッグです。

簡単にご説明しますと、トートバッグなどが、表地と裏地を別々で容器に作って最後に合体していた作業を根本的に変え、最初から表地と裏地をくっつけて板状のプレートパーツに作り最後に組み立てるのです。

この時点でひっくり返してあるので、縫い代がすべて隠されています。

よって、最後はそのまま端っこを頑丈に組み立てて縫いつなげるというやり方です。

この方法でこれまでいろんな過去に経験したことがないデザインが一応完成まで行くことができました。

バニティーとかケリーも作ってみたことがあります。

今後もこの組み立て式の作り方は取り入れていきたいとは思いました。

難しいデザインもこれが可能にしてくれるこのやり方は何か新たな道が開けたと思っていました。

ただしかし。。ここにもやはり壁がありました。

組み立て式の作りの壁

この組み立て式にも壁があります。

特に裏地を表地とかけ離れた色にする場合に目立つことですが、ひっくり返した隙間から裏地が見えてしまうのです。

これが、面白いととらえるか、裏地が見えてしまって縫い閉じられていないととらえるかなのです。

そして、カーブの部分などが、綺麗に組み立てるにはぴったりと重なることに限界を感じる時があるのです。

綺麗に重なるようには縫い付けますが、この重なりがいかにも手作り感が突出しているような気もします。

この写真の製作は、かなりうまくいった出来上がりの方なのですが、それでも後々もやもやしたものが残るものです。

よって、この製作手法にもある一種の壁と限界があるのだということを思い始めました。

そこで、考えました。この縁のラインを隠すことをしてみようではないかと。。

それがフリル使いです。

表地と裏地の真ん中にフリルを挟み込むと、ガラリと縁のラインの視線が変わるのではないかと考えました。

縁のハギ目カバーの役割をしながら、かわいく装飾してくれるフリルを付けた箇所

ということで、フリルを施したのですが、結局今回作った「おにぎり」というデザインの場合、その他のデザインの場合もほぼ全体の総フリルということになりました。

飾るフリルとは意味が違います。

必要な箇所すべてにフリルをするということをやった結果たくさんのフリルの付いた豪華に見えるデザインになっただけなのです。

こんな風に1mほどの長いフリルを2つつなげるくらいの量を1周分に用意。
そして、フリルを本体にミシンであらかじめ縫い付けしておきます。

ちなみに、おおよそフリルの生地の分量は、クシュクシュになるには3倍くらい使うので、1周x3倍分の長さの細長い生地が必要です。

今回の5mm巾がちょうどすっきりと品の良い幅のフリルに出来上がるかと思いました。

フリルの作業が増えたことで手間と時間はかかりますが、出来栄えに迫力が出ました。

以前と変わった縁のラインにご注目を。

フリルに視線が行くことと、そもそも問題の溝の部分がフリルで隠されました。

これこそが、「隠すという役割=機能」ということになりました。

「フリルリュック」:<サイズ>縦23cmx横31cmxマチ12cm。

完成した正面のハンドバッグとリュックの2WAYです。

このデザインががリュックになっているとは意外かもしれません。

けれども、リュックにもなることで、ぐんと使う場面が増えると見込めます。

リュックのショルダーはリムーバブル。ハンドバッグに使いたい時は外せます。

背の所にポケットも付けていますので、パスとか切符とかタオルなど、すぐに取り出したいものを入れておくには外側に1つポケットがあるとよいと、ここにお付けしました。

底面にもフリルが付いている徹底ぶり。ここにただの装飾ではないことも読み取れます。

あとがき

フリルが多い=エレガントなのかもしれませんが、そのつもりでフリルを付けていません。

あくまでもバッグのラインのどうしても美しさが実現しにくい部分を隠す役割として取り付けたところ、結果フリルにボリュームが出てエレガントになったということになります。

今回はたった1つの例。

これをいろんなアイテム、いろんなデザインに「アイデア」の1つとして引用していただけそうです。

今までのフリルに対する固定観念を見直す機会になるかもしれません。

「なぜ」の理由をそのデザインに落とし込んだ一例です(^-^)。

種類が豊富でないタオル地をいかにして1点物としてリュックを作り続けていけるのかのご提案【182】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在<タオルシリーズ>という製作を企画して種類の違うタオル地を集め同じデザインの簡易リュックを作っています。

そうして、素材の違いによる雰囲気の違いなどをお伝えしております。

タオル地はすべて同じの織り方一辺倒ではないことにまずは驚いています。

ループになった本来の日用品のタオルにそっくりなイメージのもの。

スタイリッシュに高級感ある毛並みのパイルカットがしてあるもの。

その違いで同じタオル地といっても展開があるところに注目しています。

そして、混率も綿/100%だけではなくポリエステル/100%もあり、このたび製作の生地も後者の部類になります。

タオルシリーズは今回がラスト、今までと違ったフリル付きフラップへのアレンジでご紹介していきます。

タオル地のイメージは「癒し」とか「心地よさ」であるところが特徴

タオル地は、以前にインスタグラムで反響のよい素材であることが分かっています。

「かわいい」といったお言葉をいただき、タオル地が「ふんわりとして心地よい癒しのイメージ」を抱かせてくれるみたいなのです。

1点だけあるデザインをタオル地で作ったことも以前にはあったのですが、それよりも、3点を連続で製作していくこのシリーズの面白さがあります。

一気に連続してタオル地を深堀りすることができたことは貴重でした。

タオル地というのは、普段見ている日用品の親しみある素材です。

この日用品のイメージが大きいタオル地をバッグにすること自体「切り口」が新しいのです。

リュックになった完成品から見たタオル地の雰囲気とおしゃれ感

<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ10cm。
<表地:濃ピンク>パイルニット無地、綿/75%、ポリエステル/25%、日本製。
<裏地/リボンひも/フリル:黒>生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。

タオル地の出来栄えは上々です。縫い目が中に沈み、ふんわり感がより出ています。

今回だけ、フラップを大きくしてみました。

そして、コントラストを黒で付け、ジャージ素材のニットのフリルを縁にあしらうということを初めてしてみました。

前の2点は6角形型の小さめサイズのフラップでしたのでこれでかなり印象が変わってきます。

フリルをただの飾りと考えてしまうと「流行」という軽いその場限りの装飾であり、価値が薄れます。

なぜフリルが必要なのかをお伝えできるほどの意味のあるフリルの引用の仕方の方が「永久的なデザイン」になると思っています。

今回の場合だとピンクの中に良い位置にコントラストを付け、黒コーデと合わせやすくしたという「働き」が出来ました。

そのほかには、フリルでフラップの縁のぼやけたラインをカバーするなど、「欠点を隠す」とか「縁を美しく強調する」などの働きがあると考えています。

タオル地のバッグはまだまだレア

「タオル地ありだな」、と思ったことの1つににバッグとしての素材のレア感があります。

親しみやすい日用品としてごろごろしているタオルですけれど、バッグとなるとレアなもの。

生地としてはあまり豊富にはないのが現状です。

夏用のサーファー用のヤシの木がプリントされたようなものなどを過去に見かけたことがあります。

この「ヤシの木」というキーワードは、季節が夏に限定された季節感を表現したもの。

実際私も、このタオルシリーズは、夏をきっかけに知ってもらいたかったので、夏とは縁のある素材です。

しかし、使っていく中での使い心地の良さに、いずれは季節感を無くして、いつでも使いたいようなバッグだと思ってもらうということが目標です。

あとがき

今後もタオル地には注目していきたいと思っています。

もっとさらにいろんな工夫をしながらとことんタオル地を引用してみたいのです。

キルトをかけてパイル特有の糸のほつれを軽減したり、素敵な裏地の組み合わせで同じ色でも多種の展開ができたりすることを見込んでいます。

素材が限られた中での工夫は良い成果を生むこともあり、タオル地という豊富でない素材ならではの縛りから何か新しいことを考えていけそうです。

新しいことは、「枯渇した」中から思いつくものみたいです(^-^)。

あのいつもの親しみある日用品がリュックになったら。。を実現したふんわりかわいいタオルリュック【178】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ数日<タオルシリーズ>としてタオルの素材に特化したリュックの製作をしています。

同じタオル素材とは言え、ちょっとした織り方、混率、色の違いから同じデザインながら少しテイストの違いを出していくというもの。

デザインは、「簡易リュック」。

【176】の記事でも触れたのですが、タオル地にこだわったバッグというのを製作し続けるというのもエッジが効いています。

無地のタオルのシンプルさを裏地に柄を配して華やかさのバランスを取るのも工夫の1つ。

このデザインには一番向いた素材だけを当てはめるというような拘りによって、製造者側のモットーとしている「軸」をお伝えすることができるのです。

そう思えたのも、バッグをご購入していただいた経験からのヒントであったり、インスタグラムでのアップ時のコメントであったりという、とてつもない人数の中からのごく一部のありがたく貴重なご意見やお客様があってのこと。

なので、これまでいろいろなデザインをいろいろな素材で製作してきた中で、そこから得た独自の製作らしいテイストに絞っていくタイミングの時なのかもしれません。

タオルがそのままリュックになる喜び、パイル地の気持ちよさと雰囲気

今回のパイル地のタオルはクリームベージュがメインです。

配色使いも同じパイル地で迷彩柄のような色のカーキグリーンミックスです。

左上から、反時計回りに、表地(タオル地)、配色(パイル地ニット)、裏地(楊柳)です。
<表地:ベージュ>ベビータオル、綿/100%、日本製。
<配色:カーキ>パイルニット、綿/100%、日本製。
<裏地:ベージュ>楊柳無地、綿/100%、日本製。

今回は、配色生地を入口フラップとショルダーに使うという配色使いをしました。

ショルダーは幾重にも折り込みをしますので、今回のパイルニットのカーキグリーンは、厚みが結構あるモフモフしたものになりました。

「簡易リュック」:表側。サイズ27cmx27cmxマチ10cm。
ショルダーの調節機能のないミドルレングスの簡易リュックです。
カーキが差し色になっていますね。

このカーキのように厚みがあって、扱いにくい生地をうまく中側にソフト厚芯も入れ込んで綺麗に仕上げるコツは自分なりに見出しております。

後で貼りますYouTubeを是非(^-^)。

あとがき

【176】の記事でもお話致しましたが、このデザインはもっと工夫する必要がありまして、

物をたくさん入れた時に重みでマジックテープ仕様の入り口タブが外れてしまう点です。

それでも大丈夫なようにと内側に巾着紐を設置してはいますが、まだまだ考慮が足りないということになりました。

別の生地で恐縮ですがこのたびの【178】の制作は、これと同じ仕様になっています。

しかし、もっと入口をしぼり切る工夫として、数年後の2023年には、ここからぐんと仕様を変えました↓。

こちらの方が口の閉まりは確かな頼れるものになります。

当記事も最初のアップが2020.08.10なのですが、そのまるっと3年後の2023.08.11現在リュックをナップサックに変えて巾着として絞る仕様に行き着いています。

よって、この記事の「簡易リュック」は発展前の初期型だと思って見てもらえると良いです。

簡易リュック型のまま行くなら、マジックテープではなく「ヒネリ錠」や「差し込み錠」もありますが、穴を開けたり布にカットを入れることに戸惑いを感じてきまして廃止しました。

現在は、特にそういった生地を傷つけるような金具を使わなくても、生地だけで工夫できることがあるというところで考案しています。

それは、「生地を大切に優しく使ってあげる」というサスティナブルの活動の一環となっているのです(^-^)。

タオル地を「夏」だけにとどまらず「オールシーズン」素材として解釈したふんわりリュック【176】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよお盆が迫ってまいりました。

お盆も過ぎると秋の入り口に。。夏はあっという間なのですね。

タオル地のリュックを夏をきっかけに持ち始めるというタイミングが1つ考えられます。

タオル地は、まずは夏のイメージ。

リュックのショルダーが皮膚に触れたときの心地よさを想像すると夏に快適な触り心地であることが想像できて、やはり最初に持ち始めるきっかけの季節というのは、夏なのかもしれません。

しかし、タオルもループタイプやパイルカットタイプなど種類が分かれていて面白みがありますし、あえて季節感を出さないことで意外なバッグになるかもしれません。

高級感あるタオル地のチョイス、「シャーリングタオル」という生地の利用

今回の生地はブルー色がかわいい「シャーリングタオル」という生地。

そして、裏地にはそのブルーと調和する小花柄プリントのガーゼ。

ふんわりした表地には、ふんわりした裏地を合わせます。

<左:表地>シャーリングタオル、綿/100%、日本製。<右:裏地>ガーゼプリント、綿/100%、日本製。

シャーリングタオルには斜めに筋が入っていまして、厚みがあって高級感もあります。

タオルという名前が付きながらタオルっぽくないところがスタイリッシュです。

合わせる裏地は柄物の方が奥行きが出て、楽しくなるようです。

表地の色が裏地のマルチカラーの柄の中に入っている合わせ方がポイント、柄全体の青味な感じにマッチして相性が良かった組み合わせでした。

出来上がりの角のふんわり感が魅力、すべてのバッグをタオル地で作っても良いというほどの素敵な素材だと気づかされる

思いのほか出来上がりが良かったです。

このシャーリングタオルという生地がとても素敵。

色違いの展開もあるので、すべての色試しても良いと思いました。

例えば赤色などは、このふんわりした色のおかげできつく感じないという印象です。

どの色でもやさしいふんわりしたバッグに出来上がるよう。

「簡易リュック」:<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ10cm。
調整不可の固定ショルダーは丁寧なジグザグステッチ。
夏にノースリーブなどを着用の際には、きっとこのタオル地の一部が皮膚に触れることでしょう。
そして、中を覗けば素敵な小花柄の世界が広がります。中を開けた瞬間の「心地」が得られます。

このタオル地とリュックとの相性が、今回とてもマッチしていると感じました。

シンプルなデザインにめいっぱい広がるモフモフ感あるタオル地の良さが味わえるリュックです。

もしかしたら、タオル地ばかりにこだわったバッグの製作なんてのも思い切った拘りで面白いなどと考えた次第です。

表地のタオル地のカラー展開には限界がありますが、裏地は無限にあるという「半1点物」が実現できそうです。

あとがき

タール地は親しみやすいけれどもレア素材です。

あまり豊富ではなく、ほとんど無地しか見つかりません。

よってそういった生地は裏地の組み合わせとかデザインで面白みを付けていくということが良いと考えています。

ただ、このリュックの留め具のマジックテープは、後に廃止しています。

重い物を入れるとすぐに外れてしまうマジックテープの力は頼りにならないと分かってきました。

この入り口の留め具の工夫が今後の大きな課題です。

プレート組み立て式の作り方のバッグにおける角の歪みを起こさないようにする対策【172】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回製作したバッグは、かつて自身が経理の仕事の外回りで使ってきた経験から考えた使い勝手を追求した、表地も裏地も撥水の効いたブリーフケース型。

内側に小花柄が広がるエレガントな「テリーヌ」と名付けたバッグです。

一度ベージュで製作しましたが、出来はグッド、ご購入もしていただきました<m(__)m>。

ということで、今回は2度目のグレーで製作しました。

その中で、改めて徹底したい重要な部分があり、この記事でお伝えしたいと思います。

外はビジネスライク、内側はお花が広がる別世界のギャップの面白さ

素材の組み合わせにギャップがあり面白味を加えています。

表地がよくあるナイロンのビジネスシーンになじむ生地、裏地にはピンクベースの優しい小花柄がぎっしりのエレガントな生地を組み合わせました。

左-表地:ナイロンオックスはっ水コーティング、ナイロン/100%、日本製。 
右-裏地:コーティングプリント目止め加工、ナイロン/100%、日本製。

とても残念なのが、この裏地の小花柄の生地の展開が2色までしか見つけられていないこと。

もしかしてもっと存在するのかもしれませんが、まだ発見できておりません。

ネットを見ても同じものを見たことがないので貴重です。

そして、この生地の使い方の効果がこちら↓。

ファスナーをオープンすると中にはピンクの小花柄がぎっしりと映えています。
ビジネスシーンに思わず微笑みがこぼれます。

洗濯ばさみでクリップして縫い合わせた結果の失敗と仕付け糸での改善

今回、1度目上手く出来上がったやり方と違うやり方で行ってしまった場面が。。

一番最後の合体です。

このタイプはボストンバッグと同じ。

長いファスナー付きの口布兼マチのロングプレート1枚と前後の本体プレート2枚を縫い合わせて出来上がるのです。

1枚というのは、表地と裏地が中表に合体した板状のパーツ。

その縫い合わせに仕付け糸を使って四つ角部分の位置を合わせなければいけないことを忘れ、洗濯ばさみで何も意識せずに留めるだけでやってしまいました。

その結果、見事にゆがむことに。。

仕付け糸をせずに、洗濯ばさみで留めるだけで縫った結果のゆがみ。
カーブの先端の位置が5mm程度ずれています。

こうして一度は、出来上がらせてしまいましたが、やはり納得できる出来ではありませんでした。

そして、縫い直しをしていきました。

このカーブの真ん中の位置が「並行にそろう」ということが綺麗な安定感あるバッグのフォルムを作ります。

こうして、腑に落ちたところで完成したこのビジネスバッグ「テリーヌ」のグレー。

その後ご購入いただきました、ありがとうございました<m(__)m>。

あとがき

このデザインは、ハンドメイドバッグを作り始めた最初の頃から挑戦してきたデザインです。

決して簡単ではないですが、当時はもっと作りにくい失敗確率の高い製作手法だったので、作るたびに困難を伴いました。

それを作りやすいように改善したのが現在の作り方です。

あらかじめ表地と裏地を中表にひっくり返して縫い代を隠したプレートを縁を縫い合わせながら組み立てていくだけです。

ざっくりと見るとそういった作りなのです。

このデザインに関しては、ナイロン/100%が一番綺麗にできるようです。

ナイロン/100%特有の薄手ながらハリコシが十分にあるという性質がこのきちんとしたシーンで持ちたいデザインにマッチするのだと思っています。

そして、ここからが私の価値観。

数少ないナイロン/100%の無地はビジネスシーンに合った追いついたカラーがそれほど豊富ではありません。

何度か同じカラーをリピートせねばたくさんは作っていけないであろうからと、その点はやむを得ないのですが、裏地をその都度変えて結果1点物ばかりの製作にしていきたいのです。

それなのに、この度のように、撥水の効いた美しい裏地がまだまだ豊富ではないのが現状です。

ナイロン/100%はっ水加工の花柄生地、今後に期待したいです(^-^)、

コロナ禍のマスク製作で出てきた、上糸と下糸の色が極端に違う場合の悩みの解決策【167】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク))です。

今回、マスク製作のご依頼を受けまして、9点の同時製作を行いました。

その内、6点が表地も裏地も白、残る3点が表地が紺で裏地が白です。

今回は、後者の3点の表地と裏地の色が極端に違う場合の悩みについてお話したいと思います。

果たして、この悩みが解決可能なのか。。そんなことも考えてみました。

糸の色を生地に忠実に合わせる方針

ハンドメイドバッグでもそうですが、やはり、生地の色になじむ糸の色を基本的には選びます。

そうすると、今回の場合表地の紺色の麻素材には紺色の糸、裏地のガーゼの白には白色の糸という合わせ方をします。

やはり、この「なじむ糸の色」というのが、プロが作るような品物になれると、そして綺麗にすっきり見えるということでこの方針で行っています。

表地の裏地の色が極端に違う場合の悩み

生地の色に糸の色を合わせると、こんな風になることが↓。。

糸調子を幾度か調整してもこのように紺のステッチの中に白い糸が入り込みます。

最初下糸のが飛び出したと思っていたのですが、どうやら、裏地のガーゼの織り糸が飛び出しているようです。

以前にもこのような麻の紺やブルーで同じことがありました。

裏地はその時はガーゼではなくテレコニットの白でしたが、その時も表地と裏地の色が極端に違っていました。

出来上がりの見栄えがあまりよくないので、可能なものはその白い飛び出た糸を取り除く作業をして消えたものも一部あります。

普段のハンドメイドバッグ用の番手のままの#30糸、針は#16で行っていることにも原因があるかもしれません。

もっと#14くらいの針で糸番手を#50-60あたりに対応するのが小物であるマスクでは良いのかもしれません。

表地と裏地の色がほぼ同じ場合が糸目のカラーの出方が一番美しい

表地のボイル水玉も白、裏地のガーゼも白の場合は今回のような問題は目には映りません。

表地と裏地の色を変えるからこそ面白みや立体感があるのですが、全く同じ色というのは糸目の出方だけで見ると一番美しいです。

麻などの織り糸の飛び出しが起こりやすい節のある素材の注意点

9点完成です。内訳は、白x6点、紺x3点。

極端に色の違う生地の組み合わせは、上糸と下糸の色をそれぞれの生地にせっかく合わせても糸が飛び出すことがあるということがよく分かりました。

今回のように、糸調子が原因でもなく、生地の織り糸が飛び出してきたというのは、「麻」などの節のある素材では起こりやすく、避けにくい現象です。

しかし、上述のように、麻の中の節が飛び出しにくくするには、糸の番手を細身に、そして、針の番号も細身にすることで、ガツンと強く針を刺さないと節も飛び出しにくいということになるかもしれません。

このことはまだ実験しておりませんので予想ですが、マスクのような華奢で柔らかいお品物に対して、バッグ作りのような太い糸や太い針を使用していてはこういったことも起きやすいのではないかと予想しました。

では、対策をまとめます。

①針を#12-14で、意図は#50-60で。

②糸調子を徹底することで下糸が上糸側に出てくることがないようにする。

③そもそも生地の色の選択において、表地と裏地に極端に差をつけすぎないこと。

あとがき

コロナ禍の2019年の春4月-5月はマスク製作をたくさんしてきました。

ほんの2か月位で、2019年の5月末くらいから量産で大手企業が製造を開始することでもう私達の出番は皆無に。。

とはいえ、この経験での学びは貴重な「宝」となり、こうしてお伝えすることができます。

マスクも、コロナ過の最初の頃はとにかくマスクというアイテムであれば受け入れられたのが、だんだんデザインとか機能の追加などにニーズが求められるようになりました。

今回の自身の学びは、節のある「麻」のような素材の性質とかカラーが出来上がりに及ぼす影響などです。

マスクを製造したことは貴重な体験でしたし、ミシンで物を作ることをしていたからすぐに着手できたことでした。

そして、「マスク製造をしよう」と友人が声をかけてくれたことも大きく、自分だけだったら思いもよらなかったことでした。

コロナという「不幸」の中から「幸い」も間違いなく見つけられたと言えます。(^-^)。

断言させてほしい、リントンツイードはカジュアルテイスト、これをエレガントに仕上げられる製造者はもはや怪物と言えよう【150】

まえがき

こんにちは。pictuuresque(ピクチャレスク)です。

お洋服やバッグにまで作られる「リントンツイード」。

リントンツイードはもとはイギリス生まれです。

生地メーカー「リントン社」様の創業者「リントン」様の名前をファンシーツイードに名付けたブランド名です。

このリントンという名前のツイード生地を女性のスーツに取り入れたのは、「ココ・シャネル」が最初です。

もともとツイードというのはその昔はメンズのお洋服に対して専用に使われていた素材。

「メンズテイストを女性のアイテムへ引用」という発想は私も習いたい考え方です。

もとは、「ファンシーツイード」という糸がカラフルに織り込まれた生地に興味があり、イタリア製、日本製、ドイツ製などを手にし、ハンドメイドバッグに時々取り入れてきました。

少し不思議なのが、ラメのようなツヤのある糸が織り込まれても出来上がった生地はカジュアルテイストに寄るということ。

どうしてなのでしょうね。

カラフルな糸がランダムでポップな感じに見えるからでしょうか。

それでも裏地につるりとした生地などを使用することでエレガントに寄ったハンドメイドバッグ製作に使わせていただいたのが私の解釈でした。

リントンツイードを実際に初めて手にしてみた印象や特徴

このたびリントン生地を初めて手にしてみて思った感想です。

このような高級な生地は手にしたことが無かったのでとても新鮮。

とりあえずはぎれのような面積をわずかに格安で入手。

柄は特に選びません。とにかくエコノミーな生地を探して納得した色合いであればと思ったのがこの度のチャコールグレーベースです。

高級なのに、カジュアル感が高めというこのバランスがすごいと思います。

ガサッとしているというか、今まで見たことのあるイタリア製などのファンシーツイードとは違ったものでした。

そして、リントンツイードは、ほとんど四角い柄のような織模様が入っていて、角々したイメージだから、四角い形のデザインのバッグが合いそうだと思いました。

なぜ、カジュアルな雰囲気なのかということの答えは2つ。

このガサガサ感と四角く浮き出る柄にあると思いました。

リントンツイード、混率不明、イギリス製。濃グレー色。

リントン生地について混率のみに焦点を当てて調査してみると、主に綿を多く使ったもの、毛を多く使ったものに大別の傾向を見ます。

使う金具は断然シルバーを選びたいと私としては思います。

キューブ型のデザインのバッグを製作

今回のキューブ型は、仕事仲間からの提案のデザイン。

へえこんな形のバッグもあるのだと新鮮ですが、キューブ型はあまり見かけません。

だからこそ際立って個性的になるのだというところです。

構造の類似品としてはバニティーバッグが一番近いものがあります。

まずは、手で持つハンドバッグの使い方が1つあり、ショルダーにもなって、リュック仕様も実現しました。

3wayのキューブ型バッグの試作品となりました。

3wayのキューブ型バッグ:サイズ・・・縦17cmx横17xmxマチ17cm。

ところで、中側の構造が問題です。

こういった口が広いままのバッグは、セキュリティー性に甘い点があり、物がこぼれ落ちる確率が高まります。

持ち歩く中でいろいろな動きをする場面があるかと思いますので、安心な作りにしてあげねばなりません。

そこで、私が考えたのが、いったん立方体のバッグを作っておいて、内袋をはめ込む形はどうかということ。

そして、このような内袋が生まれました。

ひと回り小さく容積が作ってあるピンクとブルーのバイカラーの内袋(マチ付き)を設置。
おのずとスクエアに収まりますし、このまま使用しても良いでしょう。
リュックで背負う場合などは目が行き届かない背中に移動します。
よってセキュリティー性を高める必要があり、ドットボタンで真ん中をとじます。
次に左右の共布ひもをリボン結びをして口を更に閉じます。
極めつけは、底に取り付けた2個の上下のドットボタン。
これを本体の裏地の底に同じ位置に取り付けたドットボタンとの組み合わせます。
そうすると、内袋が本体にしっかり設置されます。
これで安定とセキュリティー性が実現できました。

そうすると、このようなオープンなイメージの容器が中でしっかりと守ってくれる役割を果てしてくれます。

製作したその後考えたことは、サイドの隙間を埋めるべく、キャラメル箱みたいなタブを両サイドに縫い付ける設置。

これと同じデザインでなくても、直方体などの立体的なバッグの場合にはキャラメルタブの存在はセキュリティー性を高める上では大きいものになると思います。

あとがき

「ファンシーツイード」の「ファンシー」の部分の意味は、「装飾的」というような意味で、ファンシーヤーンというモール糸やラメ糸のような個性的な糸を織り交ぜてあります。

それによって柄のような生地に仕上がり、ファンシーヤーンが織り交ぜられたツイードということでファンシーツイードという名前になっています。

ファンシーツイードのジャケットには、ボトムがすっきりとしたデニムやつるりとした扁平な様相の素材が合うのもこの素材が柄的な織り方だからなのです。

今回のリントンツイードを手にした私の驚きは、その素朴さ。

今まで見てきたイタリア製やドイツ製、日本製のファンシーツイードにはないンメンズテイストが大部分を占めているなあと思いました。

やはりもとはイギリスで紳士用のジャケットやスーツなどに使われる目的であったことがうなづけます。

その名残をこの生地に強く感じています。

今一度シャネル様のお話に戻りますが、かの有名なチェーンバッグをこのファンシーツイードでコンビにしてあるバッグにゴールドの金具が使われているお品などは、絶品です。

このようなカジュアルテイストをエレガントに提示できるシャネル様のバランスに脱帽です(^-^)。