大きめのバッグ用に裁断した生地パーツの跡が付かないたたみ方、二つ折りよりも三つ折りの方がつぶれにくい【339】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

計画的に附属品も調達しておくのが望ましいのですが、このたび注文の色を間違えたミスがあり、少し日にちが空いてしまうことになりました。

よって、附属品が届くまでの間にする作業として、次の製作分の裁断をして進捗度を進めておきます。

このたびは、ビッグなサイズのヘルメットバッグをセルヴィッチデニムで作るという企画のもと、裁断をします。

セルヴィッチデニムはゆったりサイズのトートバッグ型ヘルメットバッグを3点作ることですべて使い切るような見込みです。

裏地を変えて1点物志向の裁断をしていきます。

そして、裁断後、大きなパーツをしばらく保管するわけですので、そのたたみ方がどんな形が望ましいのかを実際にやってみた経験からお伝えしたいと思います。

跡が付かないのが目的ですので、それを目指した安心な保管方法を追求していきます。

二つ折りよりも三つ折りの方が真ん中部分に折り目ができず、ふんわりたためる

いろいろな生地がある中で保管しておく際に注意しなければならない生地があります。

それは、いったんたたみじわや折り線が付くとなかなか取れない生地があります。

そういった生地というのは、生地屋さんがよく知ってみえるので、棒に巻いてくれたりします。

そのようにしていただいたものは、裁断後も気を付けねばならないということです。

パーツが小さければ広げたまま保管すればよいですが、なかなか大きいパーツであるとそうもいきません。

どうしても三つ折り程度にたたむことになります。

これは長い支柱兼取っ手パーツですが、途中で横に白い筋が入らないようこれも折ってはいけません。

ふんわりとたたむ必要がありますので、基本的に三つ折りのような包み込み方でふんわり保管します。

デニムのセルヴィッチタイプは特に硬いので、跡が付きやすいです。デニムはアイロンでも元には戻りません。
裏地。ポリエステル/100%の跡が全く付かないような生地ですが、そろえるために同じように三つ折りしました。
そして、跡が付かないタイプの生地を下に敷いて、上にデニムの三つ折りを置きます。
そして、こんな風に風呂敷風に包んで保管します。これで跡が付く対策はできました。

こうは対策しましたが、できるだけ早いうちに使用してバッグにするのが望ましいです。

あとがき

特に、綿/100%の生地は、その混率からも跡が付きやすいです。

よって、デニム、帆布、チノ、ブロード、ローンなどカジュアルな素材こそ保管の徹底を気を付けたいものです。

カジュアルであることが粗雑な保管やしわがあるということなどにイコールでは決してないということです。

最初の材料の調達の時点で気を付ける「保管」は、丁寧に生地を扱ってこそ、後にそのテイストのカジュアル度を見てもらうわけで最初はまっさらに綺麗な状態であるべきです。

裏地の他にも別布が付くバッグの生地は全部で3種類、2種類ではない新たな展開の3種類目に選ぶ生地の決め方【338】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、Dカン待ちの期間でありまして、裁断を進めてまいりました。

ここ最近のバッグのデザインでは、材料の生地が表地、裏地だけでなく別布も登場してくるパーツの多いものに発展しています。

多ければ良いというわけでもないのですが、どれも必要なパーツであり、型紙の数も多くなってまいりました。

別布は、登場させなくても裏地で対応できるとも言えるのですが、これには事情があります。

生地は過去のストックであり、長年保管していたもの。

当時の購入の時は、デザインの改良前でパーツの数も多くは無かったのです。

当然購入する分量は過去のものは少なかったので、今になって何年越しに生地を使う時に不足が起きるのです。

そこで、別布として3種類目の生地を登場させているということになります。

それでも、ストック生地の中から相応しいものを使っていくのです。

このたびは、その3種目の生地にご注目いただき、生地同士の相性とかなぜその生地を入れたのかの理由などを知っていただければと思います。

2点のバッグのそれぞれの裁断風景に見る3種の生地の組み合わせがどのようになされているのか

こちらは、「おにぎり」というデザインのボストンバッグがリュックにもなるデザインです。

「おにぎり」の裁断・・・表地の無地のヘリンボンの赤以外は2度目の使用なので残りが少ない3種の生地。

バラのお花の裏地に合わせた丸いお花のジャガードのカーテン地を利用。

ベージュ色の透けるタイプです。

表地と裏地が肉厚で3種目を薄手に変えて変化を付けバランスを取りました。

とはいえ、3種目の薄手の「ミラーレースカーテン」は透明度はあるものの丈夫な生地なのです。

少し心配なのが裏地に使うマルチカラーの薔薇の厚みです。

重なりの部分が上手く縫えるとよいのですが。。

「餅巾着」の表地の裁断・・・シティポップのような音楽が流れてきそうな楽しい街の風景の柄。カーテン地。

裏地や別布には、この楽しい、綺麗なマルチカラーの中の色を抜き出したような裏地の色を使います。

「餅巾着の裏地:ベース部分」・・・濃いめのかわいいピンク色は、表地の柄の中から抽出。
「餅巾着の裏地:巾着袋部分」・・・巾着袋をこの色で作ります。こちらも同様に表地の柄の中の色から抽出。

この2色は、色相環図で言うと、ほぼ反対側同士の色。

この裏地の2色は、色相環図の中では、赤と緑の関係に当たるかと思います。反対側に位置していて、補色の関係。

この2色が一緒に1つの空間の中では、「互いに際立つ」という効果を発揮してくれるのかと思います。

あとがき

3種も生地があるということは、お洋服のコーデに似ています。

とはいえ、意表を突いたような裏地の色の実現もお洋服ではなかなか勇気が必要ですが、バッグならば取り入れやすいです。

自身はそういった意味ではクラシック派、馴染む感じの組み合わせを好みます。

とはいえ上述の補色のように互いの色が際立つことができるのです。

マルチカラーのおかげで、合わせやすくなっているとも言えるのです(^-^)。

バッグ作りに使う裏側に隠れてしまうハード薄芯、8箇所も貼りひそやかに良質さを高める【336】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

よく会社の経理の事を「縁の下の力持ち」などと呼ぶことがありますが、この「縁の下」というのは表からは見えないような影や裏の部分。

ハンドメイドの製作においても、表というのはその出来上がりで誰もが見る場所で、当然見栄えを良くすることはどの製造者も心掛けていることです。

では、裏の部分で縫いこんだら表には見えない部分はどう作らているのか。。

これは、それぞれの製造者によって分かれるところではないかと思います。

ここにこそ、「物を作るための誠実な態度」が本来現れるものだと思います。

ただ、決してそれが表立って分かることはありません。

それゆえ、表面的な良さだけを見せ、裏の部分に手を抜くことが行われていることもあるのです。

特に「大量生産品」にはそれが顕著に見られることがあり、さらには開き直って表に見える部分でもコスト削減の効果が分かることもあります。

当然ながら目に見える部分でさえ手間を省いているのですから隠れた場所はおのずと予想ができます。

このたびは、小さな製造業者である個人レベルがもっとも強味とできる部分、「必要であるべき所に手間をかける」ということの例として、「当て芯」の大切さをお伝えしたいと思います。

手間をかけることはとても大変な事ではあるのですが、それは、巡り巡って、「手間をかけることができる環境と事業形態にある」と考えると小規模な製造では有難いことだとも言えるのです。

大量生産ではそれをしたくても事業形態自体のバランスが崩れるがゆえになかなかできないのですから。。

このたびのバッグは「巻き寿司」、ぽかぽかするような暖色系の世界観がある生地

ベージュ系ということでジャガードとプリント柄を採用。

表地はここ最近めったに製作していなかった無地ライク。

ジャカード生地なので柄は入っていますが色が1色使いです。

そして裏地に色物の柄を使います。

今回使用の生地:全体にあったかい色味です。もっとぐっとズームで近寄ってみます↓。
左:<表地>マトラッセジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
右:<裏地>ブッチャープリント、ポリエステル/100%、日本製。

マトラッセは、某ハイブランド様の象徴的なワードですのでイメージが湧きやすいですね。

市松柄みたいな柄の事です。

裏地のブッチャーは、お肉みたいということではなく、お肉屋さんの作業着(エプロンのこと)がこういった節の入った凹凸感ある生地だったことからのネーミングのよう。

表地のマトラッセも、裏地のブッチャーも凹凸感ある表面の織り方の生地で、とても美しいものです。

マトラッセの縦横に走る柄と小花プリントのブッチャー織の縦横に走る柄の相性はあると見て、一見不似合いな柄同士のコラボを実現させてみました。

ハード薄芯を貼る8箇所のご紹介、決して表からは分からないここでしか分からない隠れた場所の数々

では続いて、ハード厚芯を貼る箇所をご紹介します。

想像としては、大きなメインパーツに貼るのだろうと思われるかもしれません。

それはそれで正解です。

けれどもそれ以上に意外な小さなパーツにも貼っていることに驚かれるかと思います。

1:口布・・・ハリ・コシを出して、頑丈な風合いにしてくれます。
2:ブランドネームの裏側の当て芯・・・ブランドネームが水平に安定感ある縫い付けができます。
こんな風にブランドネーム大きめに裁断して、後で余分をカットするという方法です。
3:隠しポケットの当て芯・・・型紙により5cm巾の横長のパーツに裁断して行うとその後の作業が歪みません。
裏地の裏面の中心に当てます。上からの長さはこの場合8cmが当て芯のトップの線に来るという目安です。
4:本体・・・当然本体は一番しっかりと見えてほしいパーツなので、必須です。
5:リュックのショルダー・・・ゴブラン織りのような分厚い生地以外大抵の生地には入れた方が迫力が出ます。
6:ショルダータブ・・・ショルダータブというのは、いわば、全体の重さを支える箇所ではないかと。
7:フラップポケットの当て芯・・・フラップポケットの付いた裏地の裏面です。後でハサミで余分をカット。
8:取っ手の付け根タブ・・・八角形の形を正確に出すには、作業もしやすいですので貼った方が綺麗にできます。

以上の8箇所をご紹介しました。これほど多くの箇所にハード薄芯を貼るのです。

1つ1つの積み重ねというものは、8箇所にもなれば、効果が大きく表れます。

パッと見るのは一瞬ですが、その時の印象を良くも悪くも決定付けるのも、この細かな隠れた場所の工夫が「パット見」を作ることにもなるかと。

あとがき

こういったことは、実際に作ってきた中で分かってきたことなので、本とか基本的な作り方レシピには書かれていない部分だと思います。

以前より細かいパーツも増えてきましたので、考えてみると意外に、細かいパーツにこそ貼っているというのが驚きでしょう。

お店での販売では決して見ることのないバッグの「裏側」。

ここに手間をかけることができるのかできないのかは、長持ちとかコスパのよい良質なお品になるかどうかに繋がります。

そして何よりも、「信用・信頼」を得るための大切なカギを握っているのではないかと信じてやみません。

「おにぎり」と「巻き寿司」という共にカーブラインを持ったバッグのデザイン、作りやすさも十分に考慮した発案【335】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の1つ前の記事【334】では、「おにぎり」デザインを試作してみて、出来上がりの形があまりに悪かったので、そのデザインを廃止しました。

最後の型紙修正による試作品:結果このデザインを廃止に決めました。魅力的ではありません。

廃止に至った大きな原因は、ファスナーが本体に直接縫い付けられる口布無しのデザインであり、2次元的なミシンでは物理的に難しいので綺麗に作ることができないというのが1つ。

ただ、それが実現できると、いかにも「がま口」と呼ばれる人気のデザインが実現するところでした。

口がぱっかりと開くことで中身が見やすいのです。

しかし何度改良を重ねて型紙を変更しても思うようになりませんでした。

そして【334】の最後の型紙改良の結果をもって、このデザインの廃止を決めたのです。

とは言え、「おにぎり」というデザインを別のデザインで考え直しました。

そして、作り方が全く類似の「巻き寿司」も同時に発案。

このたびは、お腹が空いてきそうな「おにぎり」「巻き寿司」の試作品をご覧くださいませ。

ファスナーの両サイドに口布を取り付けることで組み立て易さが倍増、「作りやすい=綺麗に作れる」の実現へ

ポイントとしては、非常に綺麗に作ることが可能なゆるやかなカーブでできているものになります。

急カーブは、物理的にミシンがずれがち。

その点を配慮して易しく製作できるものにしています。

「おにぎり」の試作品の裁断:上のカーブや下のカーブはゆるやかで縫い合わせがぴたっと重なる見込み。
生地(おにぎりの試作用):カスリネップツイード、綿/100%、日本製。
「巻き寿司」の試作品の裁断:以前の「かまぼこ」を改良したもの。四つ角が均等なカーブ。
生地(巻き寿司の試作用):ジャカードテーブルクロス、綿/57%、ポリエステル/43%、日本製。

それぞれ、必要な部分のみの試作といたしましたので、片面のみ縫い付けをしています。

こんな風に2枚を中表で縫い、ひっくり返して縫い代が隠された1枚の板状のパーツにします。
長い口布と本体を縫い合わせます。
新型「おにぎり」の試作見本完成。
「巻き寿司」も誕生です。縫いにくいことであいまいな角はもう存在しません。

ということで、「おにぎり」と「巻き寿司」のデザインが確定しました。

これらがリュックになる仕様になるということですので、非常に面白いと思います。

あとがき

早速次からは、これらのデザイン製作を始めてまいります。

スクエアなラインも面影が残る巻き寿司には、チェックなどのスクエアな柄を当てはめるとすっきりまとまりそう。

一方、おにぎりは、まあるいラインの柄を入れたりしていくと生き生きしそう。

これで、リュック仕様になる3型の「餅巾着」「おにぎり」「巻き寿司」がそろいました。

餅巾着は、トートバッグ仕様の作りなので作り方が別ですが、おにぎりと巻き寿司は作り方が同じ。

それでも出来上がりの雰囲気がそれぞれ違ったので今のところ2デザインに分けています。

ある1つのあこがれと真似デザインの廃止、発案者しかできない正しい改良があることの学びと今後の決意【334】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近壁となっていますカーブ型のバッグの正しいフォルムがなかなかつかめません。

このたびは、最後の型紙として、改良した試作品を作っていきます。

これまでいくつか変更した型紙ではどれもラインが違い、イメージのものではありませんでした。

というのも、そもそもカーブ型のバッグはハイブランド様にあこがれて作ったからです。

言い換えれば「真似」となります。

真似も全くのピッタリ以外は、その追従を許さないほどのものがブランディングが完全に確立されたハイブランド様のデザインにあることを身に染みて感じました。

この度の試作を最後に、この「あこがれ」だけで始まったデザインを廃止することに決めました。

そして、ちゃんと自身の発案の型紙に1か所ずつ丁寧にその「哲学」が入るような、たとえシンプルであっても「優れた品物」と言い切れるようなバッグを目指していく決意を致しました。

型紙と現物とのギャップが大きい理由、平面で出来上がりをイメージしにくいから

先回の【333】の記事からの続きとなります。

【333】では「おにぎり」デザインのバッグの底とサイドのラインがうまく沿うようにと考えたはずの型紙がてんで間違っており、この度の型紙に改めました。

「変な斜めの突き出した線は、型紙の線が斜めだからであり、まっすぐな直線に改めてはどうか」というこのたびの考え方の見直しです。

考え直した型紙:特徴は、サイドのラインが上からまっすぐ降りてくるストレートライン。

意外と分かりやすい型紙に戻りました。

本来、ここからスタートするべきだったのではないかと、ただの「あこがれ」で型紙に角度を適当に付けてスタートしてしまったことを反省。

ストレートラインは、立体的に出来上がった時にどうなるのかが見やすいです。

初期の型紙で斜めの角度を適当に決めてしまうと、その後どちらの方向へ調整したらよいのかの方向が分かりにくいからです。

実際のフォルム:型紙ではストレートな両サイドラインが内側に反りました。この発見は重要です。
正面から見ると、こんな風に内側にへこんだ出来上がりになってしまいました。

ここから何が言えるのかというと、ストレートラインで内側へへこんだのだから、調整するとすれば、ストレートから角度を「ハの字」へ広げるということです。

そうすると、一番最初の型紙である、角度が付いた型紙もあながち間違いではないということです。

ただ、これを最初にやっておくべきだったことは、自身のステップの悪さであり、階段を何段も飛び越えてゴールに到達しようとしてしまったことがいけなかったのです。

カーブ型のバッグのデザインはここで廃止、一から自身が素直に思い浮かんだアイデアを改良したものとしてスタートする決意

さて、こんな信じられない結果となった製作でしたが、デザインと実物のギャップに大きな学びが得られました。

なんとなくのものでは、不完全さが簡単に見抜かれてしまうものです。

「おにぎり」という名前を付けるのが早かったかもしれません。

けれども、実は、おにぎりの形にふさわしいような1点、新しいデザインが用意してあります。

結果おにぎりみたいな形になっている台形を丸くしたようなものなのですが、こちらの試作を後日作ってみたいと思います。

あとがき

試作となれば、他の関係ない部分を省略したりして短い時間で必要な見たい部分のみを作ることも可能。

今回使用した生地は、綿/100%のマスタード色の迷彩柄のジャガードのような柄です。

結構丈夫くて中肉で使いやすい生地、日本製です。

これが黒だともう少し貴重になりますが、カラシ色はあまり受けないようで、このたび試作に使いました。

出番のない長期的にストックしている生地を研究のための試作品、もしくは試作パーツとして利用することも後に大きな成果につながると考えると無駄な使い方では決してないかと(^-^)。

なかなか解決できなかった型紙と実物の照合、てんで間違った方向に狂った型紙を今一度振り出しに戻す【333】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事で綴る内容は、実直さを重視しておりまして、何も綺麗なストーリーでまとまることばかりではございません。

その激しい展開に対してもどうぞご理解いただき、こういったことを現実に体験しているというそのままの投稿であると見ていただければと思います<m(__)m>。

実は、ここ最近研究中のカーブラインのあるバッグの底の型紙が実際に完成した立体的なバッグではどうしても不格好であり、改良しようとしています。

ところが、なかなか思う通りのゴールに行き着かず、このたび、大変ショッキングな結果となりました。

それをそのままご覧いただいて、そうならば、振り出しに戻って考え直そうと新たなる初期的な型紙にもどってみたところでこの記事が終わります。

そんな風に結果に揺さぶられながら悪戦苦闘、試行錯誤の様子になりますが、そこにも何かヒントは無いのか。。ということで見守っていただければと思います。

本体の底部分のラインを徹底する型紙変更の変遷(初期~次の試作用まで)

まずは、カーブラインのバッグの一番最初の時の型紙からふりかえっていきます。

初期の型紙:ラインを何も意識せずにこのような型紙で作っていました。結果は、サイドが反りました。
一度目の改良:そこで、出来上がった時にまっすぐになるようにサイドを斜めに上げていくラインに改良。

ところが、その結果、このようなことになりました。

尖った部分が目立つことと、サイドがなんとまだまだ反っている出来上がりだったのでした。

ということで、このラインではだめで、余分をそぎ落とします。

ゆるやかだったカーブを急カーブにしてある程度底部分に沿ったラインを引いたつもりでした。
完全に間違ったラインで出来上がってしまいました。

どうしたものかと途方に暮れてしまいましたが、その後再び型紙を考え直します。

複雑な斜めのラインにするのではなく、もっとシンプルで単純な分かりやすい型紙を考え直します。

そうして、考えたのが一番上の方から降りてくるサイドの線が外へ開かずストレートなものということ。

この型紙は、思えば初めて。

これまで考えてみたようなカーブラインは型紙上でははもう出てきません。

ストレートライン同士そろえて、その楕円に底を当てはめるだけという風にしてみます。

やや横に長く感じますが、いったんこれで試作を次回作ってみます。底が水平ですが、初期とはまた違うのです。

まだ未知なので、果たしてこの型紙でうまくいくかどうかは分からないです。

最初からサイドラインがストレートに来ているのだから、出来上がりもストレートになるのは当然。。ということでよいのかな?。

ということで、次回は、この部分のみの試作を別生地で作ってみるという記事をアップしたいと思います。

あとがき

デザインを決めてからも直していくところが続出です。

ハイブランド様でさえも改良を重ねる血のにじむような努力の日々だと考えると、まだまだ数回の改良で何を言っているのだということになります。

迷いがあるものや不完全な点は、ユーザーに不安を与えてしまいます。

ちゃんと腑に落ちるところまで研究し尽くす必要があると思うのです。

次の試作が何かヒントをくれる製作になればと期待を込めているところです。

通常はたやすく披露しない型紙を撮影、綺麗な自然なラインを出すために改良した未完成の型紙の試行錯誤の様子【332】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回、とても重要な型紙変更を致しました。

「おにぎり」デザインのハンドメイドバッグの底周辺のサイドのラインが反ってしまって綺麗にできていないのです。

これをまっすぐにするためには型紙を見直す必要があると、型紙のラインを変える検討をします。

結論からは、この度の型紙ではバッグを完成することさえできませんでした。

とはいえ、何もしなかったことはなく、以前のラインは未熟なものであったことは間違いないということです。

このたびは、試行錯誤の途中ながら、貴重な型紙の写真を撮り、この記録を苦い記録として残したいと思います(汗)。

以前の沿ってしまったサイドのラインを型紙で検証

以前に製作した、サイドが反ってしまった様子。それほどひどくはないですが、生地が余分です。
反り返って出来上がる理由を、底から上がっていくラインがゆるやかすぎると説きます。

なかなか、ここからカーブを急にすることが解決方法だとは思いつきにくいので、しっかり現実的に底の丸いカーブに型紙を当ててラインを描きます。

このように底パーツを当ててカーブの角度をそのまま写し取りました。
そして、直線部分は延長するというようなことをして完成します。

これで仮型紙として一度サンプルを作るということをやってみます。

このような急カーブの型紙になりましたが、急すぎるかもしれません。すごく個性的なラインです。

今回は、なんとなく底パーツにカーブのラインを当てただけですので未知です。

一応、この型紙で裁断して可能な限り作っていくのです。

使用の生地はニットを表地に、マルチカラーボーダーが美しいブルー系の生地をちりめんの裏地と合わせた

<表地>ジャカードニット。ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。
<裏地>ちりめん。ポリエステル/100%、日本製。

ブルーx黄色中心のマルチカラーが爽やかです。

以前に裏地にも利用したことがありましたが、今回はこのマルチカラーボーダーが主役となります。

あとがき

結果的には、この型紙修正も作り上げることさえできませんでしたが、ラインがおかしい時には、3次元に当ててみて、その出来上がりの形になるには平面ではどんな形で描けばよいのか。。ということを正確に素直にやって行けばヒントが見つかると思います。

お洋服で立体裁断というものを映像で見させていただいたことがありますが、ボディーに当てながらそのまま紙に作図しておられました。

それに類似のことをやっているつもりではあるものの現実答えは見つかっておりません。

ただ、デザインの不格好さは型紙を変更していくという視点と、物理的な学び(この作図でこの立体が出来上がるという経験)が重要で、ここが難易度が高いと思います。

少し苦手な分野です(汗)。

デザイン違いも盛り込んだ5点のバッグ同時製作を終えてバッグ作り自体を俯瞰、改良に終わりはない、果てしなく続く物語である【331】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

昨年の12月の途中から5点同時に製作してきたハンドメイドバッグ、ついにこのたび最後の1点が完成しました。

デザインは「かまぼこ」というボストン型の小さめサイズです。

最も生地が多くあった抽象柄のピンクxグリーンのジャガード生地(イタリア製)での製作です。

ここまで作ってきてもまだデザイン変更の必要性を感じた果てしなく続くバッグ作りのストーリー

ところで、前回の【330】の記事でアップ致しました内容の中で、底のカーブをきちんと重ねることの対策として、仕付け糸を細かくするというものがありました。

バッグの底の重なり部分:角が急カーブなので、仕付け糸を徹底してもこうしてわずかにずれることが起きます。

先回の時点では、もっと徹底してきちんと本体と口布を重ねていくということでいったんまとめたのですが、その後考えが変わりました。

この部分は、この時点だけでなくそれ以前のひっくり返しの時もこの細かい角を正確に出さねば、最終的にぴったり合わないのです。

よって、難易度が高い場所になっています。

要するに成功する確率は低めなのです。

そもそも成功しにくいデザインを見直すべきではないのかということ。

そこで、こういった結論に達しています。

カーブが急であることが原因、デザインを緩やかなカーブに変えよう、と。

カーブが上手く重なったケースのゆるやかな角度の時と同じデザインにするのです。

そうしてデザインの大幅な変更を決め、全体の印象を大きく変えていくのです。

ただ、サイドのラインがストレートなままであると別の定番商品の「テリーヌ」と全く同じ形になってしまいます。

サイズは違えど、スクエアな四隅が均等のイメージになるので、テリーヌに近づくのです。

ということで、サイドのラインがまっすぐ降りていたのを斜めに変更していくことで差別化をはかります。

「かまぼこ:抽象柄VER」:<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ10cm。

この写真を見ていただくと上の両端の緩やかなカーブから下まではストレートのラインで降りています。

元の型紙もまっすぐストレートに作ってあります。

これを外に開くようなカーブにして、上と同じ角度の円の一部分の時点になったところでつながるという型紙に変えてみます。

早速修正してまた、製作してアップしてまいります。

同時製作の結果分かった複数同時製作の効果が大きく出る条件

5点同時製作の完成品:1生地に関しては3デザイン共通。効率に関する実験や学びになりました。

複数同時製作の効率のことを見てみたくて、同じ素材、同じデザインをミックスした5点にしてみました。

この結果からの感想をお伝えしたいと思います。

そもそも、取っ手と取っ手の付け根タブ、ショルダーに関しては、「おにぎり」、「かまばこ」、「餅巾着」の3デザインすべてに共通にしてあります。

このことがかなり良い方向に影響しました。

最初の方の裁断の段階であまり進捗度は良くなかったですが、その後地道に共通のパーツをどっさり次々に作っていって取り付けていきました。

縫製の段階では、デザインが違っても同時進行できたことが作業がスムーズにできることに少なからず好影響を与え、そもそものデザインの共通部分ということにメリットがあると感じました。

では、かまぼこの3点は素材が全く違う3点で、糸の色をその都度変える必要がありましたことに関してはどう感じたのかです。

この糸の色を変えることは、同時製作にすごく不利ということは特に感じませんでした。

糸を交換するのはものの数十秒、デザインが違うということに比べると糸交換の手間は軽かったです。

まとめると、とにかく同じデザインを同時に製作するという条件は、生地の種類や色が違って糸交換が出てきたとしても、効率アップの効果があったと感じたというのが正直な感想でした。

あとがき

デザインを確定し、「これだ」とその時は思っても、その後少しずつの改善が出てくるものです。

むしろ、デザインを決めたからこそ見えてきたことなのかもしれません。

変化しなければ、発展はないという言葉が浮かびました。

もどかしいことですが、「これでずっと行くのだ」というデザインなど無いのかもしれません。

改善に改善を重ねて、もっともっと良い物に変わっていくことのその途中の試行錯誤こそが長い目で見た未来の品物に「詰め込まれる」ということなのかもしれません。

前面と後ろ面の合体であるボストンバッグの底のカーブラインの徹底的な整え方【330】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「かまぼこ」という名前のミニボストンバッグが完成。

リュックにもなるところが個性的であり実用的です。

こちらをオレンジ系のデイジー柄のマルチカラーで製作。

プレート状の板を表地と裏地であらかじめ作っておき、ファスナー周りの口布と共に最後に組み立てるという作り方をしています。

最後の組み立ての場面でネックになるのは、底のマチ部分を介した前後の面の同じ位置への配置です。

これを徹底的に実現するにはどうしたらよいのかの工夫をこの度考えました。

ポイント1:とにかく最初の作業のひっくり返しを正確にすること

この角の部分を美しく前後に並ぶようにするための工夫として、プレート状のパーツ作りの正確さがあります。

そもそも、重ねる以前に本体の面の角のカーブが綺麗に正確なラインでひっくり返しをされている状態であるべきです。

縫い代に食い込んだり浅かったりしてカーブラインが崩れていると、口布との重なりからはみ出したりする部分が出てきてしまいます。

この写真はもうひっくり返した後ですが、その前の段階にもこうしてコツがあるということをまずお伝えしました。

急カーブの部分だけ切り込みを細かく入れ、ひっくり返した時のカーブのラインが出やすいようにするということもやってあるべきだということになります。

ポイント2:仕付け糸で細かく位置の固定をサポート

この仕付け糸をしっかりすると、綺麗に出来上がる効果が期待できます。

全体に仕付け糸を1重(ひとえ)で細かく縫い付けていきます。底のカーブの箇所は細かく固定。

この後やっとミシンで縫って組み立てていくのです。

ミシンでしつけ糸の上を縫ってしまうので、後で仕付け糸を外す作業があります。

あとは、仕付け糸を信じて元の口布の端のステッチの上をなぞるように縫っていく作業です。

ポイントを実行した効果はどうだったのか

さて、結果ですが厳しいことではありますが出来栄えとしましては、半分くらいでした。

そもそもひっくり返しが完璧でない部分もありました。

次回は、ポイントの1と2をもっと徹底して、より綺麗さを高めていきたいです。

底の左側:こうしてじっくり見ると口布と本体面のカーブの重なりがわずかにずれて裏地が見えています。
底の右側:こちらも人差し指で押さえているところがやはりわずかに重なっていないようです。

確かに難易度は高いのです。

ただ、ここをクリアしていくとぐんと良質さが増し立派になっていくと思います。

あとがき

2021年は、しぼったデザインをいろいろな素材でたくさん作ってまいります。

その中で自身の技術力を高めようとしております。

具体的に「上手くなる」ということは、どういうことなのか。。

「課題→研究→成果→次回への課題」という風にサイクルを繰り返していった結果が「技術を高めていく」のだと思っております。

次回は、抽象柄で同じ「かまぼこ」を完成させていきます。

近いうちにアップできますので、お楽しみにどうぞ(^-^)。

ボストンバッグには内蔵しにくい底板、後付けでスタイリッシュな八角形は角の沿いが良い【329】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「かまぼこ」という小さなボストンバッグが完成しました。

このデザインは、当ハンドメイドバッグのデザインの中では、かなり初期のころから作ってきたデザイン。

縦や横の長さやバランスを改良し、本体の前後面と長い口布を合体して成り立つ分かりやすい形です。

比較的このデザインはスムーズに出来上がっていきます。

というのも、作りやすいからであり、作りやすいということは、結果綺麗に出来上がることに繋がります。

作りやすい工夫も技術の1つになります。

とは言え、長いこと作ってきたこのデザインでも初の学びがありました。

今まで四角で設置していたくるみ底板を8角形にするという変更です。

これによって、縁の四つ角に皺が入って結局は邪魔な部分であったところをそぎ落とし、うまく底に沿うように出来上がることができました。

八角形の縫い代を折る順番が綺麗にラインを出すカギである

8角形のパーツを2枚ひっくり返さずに貼り合わせて縫い付けるようなイメージの作り方です。

中に入れ込むベルポーレンの底板は角を緩やかに型紙に当ててカットしてあります。

底板は包み込み袋である裏地の生地よりも2まわりほど小さいので、底板専用の型紙をあらかじめ別で作っておいて、それに当てて裁断します。

8角形パーツのまず、一番短い辺である4箇所を縫い代の印1.5cmに忠実にアイロンで折ります。

この一番短い辺から順に折っていくというところが今回のポイントとなります。

2番目に短い辺2箇所を同じように縫い代に忠実に1.5cm分アイロンで折ります。
最後に一番長い辺を2箇所折ります。

この順番の理由は、短い辺の箇所を最後の方に残してしまうと、縫い代が見えなくなってしまい、ずれる原因になるからです。

「見やすい縫い代=正確に折る=良質に仕上がる」ということになるのです。

この後、もう1枚も同じことをして2枚を外表に重ねて外側からステッチしますので、ひっくり返して作ることをしないのです。

ぴたりと8角形の角がすべて合う必要があります。

その代わり、角のとがりが完璧に出せるのでそこがメリットです。

とても美しく仕上がります。

よって、折る順番のコツで角の位置をしっかり合わせるような下準備というのがあるわけです。

そして、完成したのがこちらです↓。

底板の完成(8角底板):ステッチをする前の前後重ね合わせた待ち針がとても留めやすいです。

その後ショルダーを作って、「かまぼこ」が完成。

結構整った形にどっしりと完成できました。

最後の場面の本体と口布を縫い合わせる時の下側の角の位置が、前後の面同士で並行になっているかがネックです。

「かまぼこ」:<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ10cm:イタリア製のジャカード生地に裏地が金茶キルトの組み合わせ。裏地は日本製のスラブ生地。

あとがき

紺色は、なかなか紺色1色ではカラーの強さがあってコーデが難しいものです。

どのようなお洋服に合わせたらよいかなど結構難易度が高いものになります。

しかし、このたびのようにブロンズゴールドのデイジーの柄、花の中心の黒色も合わせた3色のマルチカラー、そしてブロンズの裏地がお洋服を決めやすくしてくれます。

この中に登場している色の1つを意識するとベージュのセーターなども合うかと。。

「かまぼこ」は、あと2種の生地で2点が残っています。

生地違いではどんな風に違って見えるのかということにも是非後日の完成でご注目下さればと思います(^-^)。