布製ハンドメイバッグ製作に合う芯地の定番チョイス3種【30】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

私が、記事でよく、「接着芯を貼ります」、「ソフト厚芯を入れます」、「ハード薄芯をボンドで貼ります」などを製作過程の一部として書いています。

これらは、すべて芯地ですが、どれもそれぞれその性質が大きく違うのです。

今回の記事は、私がお作りしているハンドメイドバッグの芯地の種類3種とその使い分けをどんな風にどんな場所に使い分けているのかを書きたいと思います。

私がバッグ製作に使用している主な芯地3種:左上から、ハード薄芯、接着芯、ソフト厚芯

接着芯(せっちゃくしん)

接着芯(せっちゃくしん):とにかく全パーツに貼っています。薄いのにしっかりした作りの布帛:ふはくを選びます。対する不織布というタイプはこの接着芯では使用しません。理由は悪いお品が含まれ、アイロンに弱いというあり得ないことが過去の経験としてありました。こういった織芯とかニット芯はきちんとしたもので、どれを使っても間違いがありませんでした。こちらは織ってあり、生地状なので織芯(おりじん)と呼んでいます。接着糊(せっちゃくのり)がついているので、接着芯(せっちゃくしん)なのです。これがニットの場合は、ニット芯と呼んでいますが、織芯とニット芯の使い分けの記事も別で書いていますので今回はここまでです。

この接着芯は、基本の芯地としています。

バッグの材料の生地を裁断すると、すべてのパーツに貼るものです。

糊が付いていて、アイロンでくっつきます。

効果としては、生地の風合いが非常に良くなり、シャキッとするというか、生地にハリとコシが出ます。

ハード薄芯(うすじん)/ハード厚芯(あつじん)

先ほどの接着芯は、全部のパーツに貼るものでした。

ハード薄芯は、名前の通り、ハード(硬め)です。

つまり、しっかりとさせたい部分に貼ります。

ハード薄芯は、織芯ではなく不織布です。

先程の接着芯では使わない不織布とは厚みが変わりますので、この辺りの不織布はちゃんとしたものになります。

アイロンにも大丈夫です。

不織布のハードはツンツンとした硬さがあり、これを内蔵することで、良い効果を出します。

左:ハード薄芯・・・本体やファスナーの口布、側面などに貼っています。
ハード厚芯という類似もあるので、比較の呼び名にしていますが、
薄い方の左側(ハード薄芯)でも十分バッグの風合いに貢献してくれます。
右:ハード厚芯・・・以前はトートバッグでこれを使っていましたが、
なにせ重くて、本体に貼ることには向かないと思いました。
現在は、取っ手などの当て芯などにだけ、このハード厚芯を細かく使用しています。

ハード薄芯は、本体には決まって貼ってきました。

もちろんベースに薄芯が貼ってある状態に加えてということです。

本体の前面後面の両方と、ファスナーの口布とか、側面パーツなどの大きなパーツに貼ります。

隠しポケットの当て芯にもこれをカットして使用しています。

ハード薄芯は、ハード厚芯に比べて、大幅に軽くて、バランスがとれています。

軽くて効果も出るとても良い性質を持っています。

一方ハード厚芯は、効果は絶大に出るけれど重くなりがちな点がせっかく布ならではの軽く持てるというメリットを阻害してしまいます。

ハード薄芯は前述のように、不織布の部類なので、接着糊がついていません。

よって、貼る時は、縫い代の部分にボンドを使います。

ここで、1つ私のエピソードなのですが、こんなにいろいろ使い分けずに、ハード接着芯が1つだけあれば最強じゃないかと思われるかもしれません。

以前に結構高級なハードな織物の生地みたいな接着芯を使っていたことがありましたが、お品が良いわりに重くてごわつきます。

そして、融通があまり効かなくて縫いにくく、綺麗に作れませんでした。

接着も相当な温度が必要で、大作業のわりに効果が出にくいのでもう使っていません。

これに比較すると、不織布のハードというのは、柔軟性があり布製のハンドメイドバッグ作りには向いているとの結論に至っています。

糊が付いていることが必ずしもすべてにおいて便利なわけではないということですね。

糊が付くとそれだけ高級品になりますので、そこまでの高価な材料を使った良き出来上りにはならなかったという結果が過去の経験です。

ハード薄芯を貼った効果:ビシッとした感じというのがこの様相のことです。気持ちが良いですね。

ソフト厚芯(あつじん)

これは、グレー色のふんわりしたものです。フェルト布に似ていますが、フェルト布に比べてやはりソフトとは言え、ツンとしています。

このソフトなのだけれどツンとしている感こそが重要な気がします。

ソフト厚芯(あつじん):バッグの取っ手にのみ使用しています。1mm弱の厚みですが、重くはなくて、
ふんわりとクッションが効いていいます。
折って取っ手に入れてミシンで縫い付けるとぷっくりと膨らんだ様相になり
持ち心地も心地よいふんわり感です。

このソフト厚芯は、バッグの取っ手にのみ使います。

アイロンで折って、薄芯をすでに貼ってあるパーツに挟み込むだけです。糊は必要ありません。

ソフト厚芯を入れ込むと、取っ手が素敵になります。

ふんわりとしていながらもスッと立ちます。

貫禄のあるお品が出来上がるための良き材料の1つであると言えます。

取っ手にソフト厚芯を入れた効果:しっかりと山のように取っ手が立ちますし、ぷっくり感が出ています。

あとがき

今回は、私が現在バッグ製作に使ってきた3種の芯地の使い分けや効果をご紹介致しました。

それぞれの役割がどれも重要であり、複数の使い分けは一見複雑なようですが自然とこういった複数使いに至っただけです。

金銭をかけたものが高級にできあがるかというとそうではないことが、途中でご紹介しましたハードなタイプの接着芯の取り扱いをやめたエピソードで分かります。

このことから、「材料」ということで考える、表地の高級さのことも同じことが言えるのではないかと考えます。

よほど特徴ある素敵な生地がたまたま高価であったことは結果に過ぎません。

しかし、実際に値段の高い高生地でハンドメイドバッグを作ることで完成品が必ず高級感が出るとは限らないのです。

「生地が高級であること」と「高級感があること」ということを天秤にかけています。

これは今後も研究していく大切なことです。

とにかく、どのような生地であってもその作りは平等であるこれまでのスタイルで製作していきます。

そんな中で、上述の2つの天秤の答えが見つかるかもしれません(^-^)。

「ファッションには興味ない」も立派な「スタイル」、その考え方こそが「スタイル」の正体なのである【227】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、「スタイル」という言葉がテーマです。

スタイルと聞くとちょっとあいまいな言葉に感じます。

あの人は、スタイルがよい、形式、音楽の系統、独自のスタイルなど。

すべてのスタイルを一言で言いかえれば、「型」とか「タイプ」とも言えましょうか。

今回は、この「スタイル」というものが、誰にも実は自明にあるものであり、正直に自然と表れてしまうものだというお話になります。

考えてみれば、やや恐ろしいことであり、「ファッションに全く無頓着で興味が無い」という方もそのような考え方が自然と装いに現れてしまうという点に逃避すらできないものだということなのです。

派手とか目立つことは表面的、「スタイル」の正体は「考え方」とも言える

AさんBさんの洋服の嗜好を例に挙げて、「スタイル」の意味をお伝えしてます。

まずは、モノトーン嗜好のAさん、無彩色のワードローブです。

無彩色嗜好のワードローブを持つAさん(仮定)・・・無彩色なスタイル。

カラーレスなのでおしゃれじゃないと言い切れないところがポイントです。

ここまではっきりとモノトーンで行くのだという意志は、「スタイル」の表れです。

ある意味、意思表示をうまくしているのだと見ることができます。

華やかな色使いの洋服を好むBさんのワードローブ(仮定)・・・華やかな色遣いのスタイル。

さて、こちらは、先ほどとは真逆の色を好むマルチカラー好きな人のバージョン。

こちらもその明るい色の好みがはっきりと主張されている点で、「スタイル」がうまく示されているのです。

そう考えると、ただ派手なパーツやアイテムの見せびらかしの中に、実は拘りが感じられないことも多いのです。

趣味嗜好が整った形で分かりやすく表れるようなラインナップであれば、ぱっと見の派手さや地味さや色の種類など無関係なのではないでしょうか。

大切なのは、その奥にある「考え方や主張」なのだと思います。

あとがき

「スタイル」は、個性も含み他の人とも同じ当たり前な平凡な部分も含んだ総合のものだと考えます。

だから、目立つものだけをアップするとか、突出したものだけを披露するだけでは、逆に「スタイル」が伝わっていないのかもしれません。

どんなに平凡であろうと、それこそが「スタイル」であり、自身のありのままとかそのままをちゃんと表現できていることが一番重要な点だと思います。

「衣服」というのは、決して表面的に着飾るものではなく、「自己主張」の1つだと考えると、元来の「衣・食・住」の「衣」の存在感を今一度見直したいものです。

広くゆったりと見渡せるA4横型、メインにもなるサブバッグに出来上がるためのノウハウ【29】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

サブバッグと呼ばれるバッグが本当に2番手バッグで終わるのか。。。

価値観によってはメインバッグにもなるかもしれません。

私は、結構あのサブバッグのラフな形がとても好きです。

いつの時代も流行を気にせずに自然なスタイルで使えるただのシンプルな入れ物のような様相がかえって、自然で使いやすいのです。

トート型の自由で開放的な作りは、セキュリティー性には欠ける部分もあります。

しかし、どこに自分が一番重きを置くかというところでは、私は、ストレスのない開閉であったり使い心地であったりという、「使い勝手」を重視しています。

そんな自分自身の価値観も組み込みながら、せっかくの広い面積に美しくお花が咲く風景のように映るデザインでサブバッグをお作りしたいと思いました。

サーモンピンクxベージュの優しさにあふれた柄の

今回の花柄、こちらです。

<表地/裏地共通:サーモンピンク花柄>:PAPER PRINTEDという名前の生地、ポリエステル/100%、日本製。

まず、この色、大変落ち着いていて上品ですね。エレガントな雰囲気です。

サーモンピンク地にグレージュ系のコントラストが素敵素敵です。

薄手の生地ではあるのですが、目が詰まっていますので、表地使いもありと判断。

裏地の色は別生地だとあまりにコーデが難しく、ギブアップ。同じ生地で作りました。

おそらく、この素材はもとは、ワンピースなどに向く服地だと思います。

それをバッグに作るという点が面白いのです。

初の両玉縁風ポケットにトライ

今回のデザインは大変シンプルで、ポケットも1個のみです。

ただ、このポケット、今回私としては初めて作ったデザインのポケットです。

作業順を1-8までの写真で追っていってみて下さいませ。

バッグ用の玉縁ポケットの手順(あくまで、今回初めてで、見よう見まねで取り組んでみたもので、引き続き良い作り方は研究中です)

まず、ハード薄芯を裏地の裏面に当て、そこに長方形のポケット口の出来上がりの枠をシャープペンなどで書きます。

ラッピング布パーツを裏地の表面に裏返し(つまりは中表)に置いて、描いた枠線を後で包みこめるように均等な配分の位置、つまり枠がど真ん中に来るように置いて待ち針を打ちます。

そして、先ほど書いた線の上をなぞるようにボックス型にミシンをかけます。

この時返し縫いは最小限が綺麗です。私は、返し縫い無しで、玉止めをしっかりするということにしています。

そして、1のように真ん中にハサミを入れ、縁約7mm程度はYの字に角に向かってハサミを入れます。

そして、玉縁(たまぶち)を意味する、ラッピングという作業で、ラッピング布のある表面側から、裏面側に返して、アイロンをかけ、ボックスの縁から1mmほどをステッチで固定。

それが、2、3の写真の出来上がり写真にあたります。

4のように左側の延長布(短い方)と、右側のポケットの袋布(長い方)をそれぞれ三つ折りステッチして固定した後、5のように、裏地の裏面にポケットパーツ2つの裏面を向けて(中裏)、ボックスの穴の半分ずつ均等に、待ち針で取り付けます。

6がその状態を表側から改めて待ち針を打ち直した場面です。ここで、真ん中から見え方が均等かどうかをチェックしながら整える待ち針です。

そして、先ほどボックスの外1mmのところにステッチをかけたその上をなぞるように再び裏面にミシンを走らせます。

そうするとポケットの延長布と袋が本体に取り付けられたということで、最後に延長布と袋を縫いつなぎ、脇も縫いつなげます。

7,8は完成の状態です。

なぜに、このような変なこと(玉縁)をやるのか。。

これは、先人の知恵だと思うんです。

真ん中を切ってハサミを入れたその切り口を、布でくるみこんで、切り口がほつれるリスクを食い止める、この役割と、見た目の美しいデザインを兼ね備えた、昔の人の知恵が受け継がれている手法だと思います。

最初にこのラッピング方法を考えた人は、すごいとつくづく思います。ほぼ発明のレベルでしょう。

私は、スーツによくあるポケットの手法を玉縁の部分だけ学ばせていただきました。

そのほかに関しては全く作り方も分からず、独自の作り方で今回のように出来上がりました。

スーツ専門の職人様からはもしかして突っ込みが入るかもしれませんが。。。

独学だけで来た者が洋服道には行けませんでした。仕方がないのです。

完成レビュー

サブバッグが完成した状態を10枚の写真でご用意いたしました。

<サイズは>:縦27cmx横34cmxマチ14cm。

デザインとしては、シンプルでとても単純です。

A4横のサイズというのは、超定番サイズだと考えます。

このサイズ感が大きすぎないさっぱりした持ちやすいアイテムになればと思います。

このA4などという呼び名ですが、ペーパレス化が進む将来では、消滅していく可能性もあります。

もう書類を入れるという観念がなくなると、このサイズ感である必要もないのかな。

しかし、この書類入れの機能というものがいずれ遥か昔の紙使用時代のなごりだなんて言われるようになった未来が来たとしても、その意味は歴史とともに必要があってのサイズだったということが刻まれることでしょう。

あとがき

サブバッグなんだけど、メインバッグにもなってしまうような活躍のバッグになればと思います。

私自身がそうであるように、多くの方達も、こうした単純なバッグの良さを感じ、使い勝手に魅力を感じていただくことがあるかもしれません。

余計な飾りが無い所が、垢抜け(あかぬけ)していてい魅力的だという価値観もあるのです(^-^)。

ヴィンテージ物の落とし穴、ユニフォーム素材のつやのあるメッシュTシャツのプリントの剥がれは30年後に「洗濯」で起きた【406】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ15年間、古着の洋服しか購入しなくなりました。

店舗で実際に手に取って購入することはほぼ「ゼロ」。

2010年代における「ファストファッション」の大盛況の中で、その流れに乗れず全く反対のお洋服を見つけることに価値を見出し、より一層ヴィンテージ物への愛着が深まったのが自身です。

そんな中で、1980年代辺りの品数が少ないヴィンテージ物に素敵なマルチカラーが見つかったことがありました。

現在でも世界的に多くの人が日常着として来ている「アディダス」製です。

現在では随分世界的な「ファスト」的な製造形態が確立されているという印象ですが、1980年代の品物は良質だったと感じており、ジャージなども現在とはかけ離れた厚手の良質さがあったのです。

このたびは、素敵なマルチカラーの部屋着として考えていた「アディダス」製ビッグTシャツがお洗濯後ロゴが全部はがれてしまった事件からヴィンテージTシャツの選択の仕方の極意のようなものを考えたいと思います。

事件は洗濯後に起こった!この事件から導く2つの大切な事、①古着業者の責任感②消費者の品物の性質を見極める目

ある時期に、素敵なマルチカラーのヴィンテージTシャツをネットの古着屋様で見つけます。

ボトムに黒を合わせたいので、黒を含むマルチカラーを探していました。

そんな時に素敵なこちらを発見↓。

洗濯前の状態:何も問題が無いように見えます。ボーダーは生地の切り替え、胸と背のプリントは塗装タイプ。

なぜこちらを選んだかの理由は、丈が70cm以上あったからです。

ボトムにはレギンスのようなフィットしたパンツを用意しており、それも同じ「アディダス」でした。

ヒップがすっぽりと覆われるようなロング丈をしぼって探すと、ほとんど無いことに気づきました。

Tシャツは、メンズであっても65cm辺りの着丈が平均であり、70cm以上ものロング丈はなかなか見つからなかったのです。

そうした時にこちらはサイズがメンズのL以上のもので、丈も75cmくらいあったのでした。

古着購入の到着後必ずやることがあります。

それは「洗濯」。時にはクリーニングも。。

そうして、自身のスタートを切る節目としています。

古着は洗濯がされていないものもありますし、洗濯の仕方1つにもその仕上がりの香りが自身の思う香りと違ったります。

「柔軟剤」が広がったような香りは違和感を感じます、無臭が一番だと思っております。

そして、洗濯をした後、事件は起こりました↓。

洗濯後の状態:わずかにロゴの塗装が前側も背中側も残っていますが、ほぼ全滅です。しかもベタベタします。

これでは、古びた感じの印象にもなってしまいますので、着用する気持ちにはどうしてもなりません。

まず、この原因を考えてみます。

おそらく「PVC」のような劣化する印刷塗料が、長年の時を経て劣化したのだと思います。

おそらく、30年前の1980年代後半あたりのお品だということです。

30年ともなれば通常は立派なヴィンテージ物。

30年も前のTシャツというアイテムが残っていることがミラクルで素敵なことなのですが、こんな状態では、ヴィンテージとはもはや呼べません。

販売業者様へは苦情を申し出まして(直電)、「無責任さ」を追求しました。

刺繍のロゴの場合は、素材が糸なので永久的ですので劣化の心配はないです。

また、アップリケも布であれば永久的です。

アップリケが合皮の場合は将来劣化が予想されます。

今回の科学的な塗料も詳しい素材までは分からないですが、おそらく、空気にふれた瞬間から劣化が始まるPVC、合皮などと同じ性質を持っているのだと思います。

ここで勘違いしてはならないのは、大切に引き出しにしまっておけばよいではないかというと、保管の引き出しの中で空気に触れているので、同じことが起こります。

ということで、ヴィンテージ物で気を付けたいことは、「塗装」タイプのプリントの劣化です。

決して「塗装」タイプを選ばないというのが正解だと。

同じ「ロゴ」なら、刺繍や布製のアップリケに注目していくことがお勧めとなります。

この「塗装」と「プリント」の違いを次の類似のメッシュ素材のTシャツでお話致します↓。

質の良い、マルチカラーのメッシュTシャツは永久的な作り

「カステルバジャック」のキャラクターメッシュTシャツ、ポリエステル/100%:イタリア製。

このたび塗装部分が劣化したTシャツと似たメッシュ素材です。

おそらく、ゴルフなどのスポーツシーンに向けられたTシャツかと。

マルチカラーが楽しく、当ブランド様らしい遊び心があります。

明らかにこちらの方が、何も問題なく今後も安心してそのままの状態で着用して行けるのです。

幅広い視点は大切で、「このブランドで」と決め過ぎて、間違った選び方をしてしまった購入者にも責任はあるのです。

ただ、こうした将来の状態を想定した気配りは、「古着屋」様がやるべきことだと思います。

「商品を仕入れ、横に流すだけが仕事なのですか」という自身の追求に対して、古着屋様は「今後気を付けていく」とのことでした。

あとがき

いくつかの購入の失敗をしながら、その学びを新しい知識として他の人に伝えていく役割は実際に購入してこうした事件が起こった自分にあると思っています。

実は、1つその後のアイデアが生まれています。

「リメイク」に当たると思いますので、その後の「転売」は一切不可になる行為ですが、自分使いだけなら正当な処置となります。

それは、更にお洗濯でブラシなどを使ってロゴを完全に消滅させてしまうのです。

そして、ロゴが付いていた正面だけに左胸かVネックの先端の下あたりに、「アディダス」の別のどうしようもない捨てるような古着の「ワッペン」を移植するのです。

移植方法は、ボンドで軽く貼って、ミシンで色がなじむ糸でステッチで固定するというやり方です。

これなら、がっかりした後の立ち上がりとして、せっかく金銭をはたいて購入したヴィンテージの品物が活きるのではないでしょうか。

1つの箇所がだめになったとしても、別の切り口で活かす方法はないかと考える「アイデアの考案」もこうして起こってしまったどうしようもない事件の対処方法としてあるのではないでしょうか。

波打ち、うねりを解消するファスナーの取り付け方【28】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグのファスナーというのは、玄関のようなもの。

整ってスッキリしている状態がやはりグッドです。

今回は、ファスナーがものすごく波打って出来上がってしまったバッグについて、リフォームのような作業をしながら、その波打ちを解消していきたいと思います。

そもそもファスナーが波打つ場合とそうでない場合の違いは?

どんな場合でも大きく波打つというわけではないです。

大きな1つの原因として、ファスナーに縫い付けられる生地があります。

ファスナー自体は大きくはそれほど伸び縮みするものでは本来ないと思います。

ただ、ファスナーに縫い付ける生地があまりにも伸びる生地だったり、洗濯によって生地が縮み、そのパワーでファスナーも一緒に動くという物理現象があったりします。

今回の私の例では、前者の、生地がよく伸びる生地であることが原因となります。

ニットだから伸び、織物はそれほど伸びないというのが一般的な考え方ではあります。

今回は、しかしながら、ニットではなく織物なんですね。じゃあなぜ。。。

フクレジャガード素材で作ったミニボックス型ショルダーバッグ:ポリエステル/100%
・・・メインファスナーが特に大きく波打ってしまっています。
驚くほどファスナーがうねっている口布:これは気持ちの良い物ではありませんね。
ファスナーも開閉しにくそうです(*_*)。

織物ではあるのですが、フクレジャガードという名前が付いていて、ぷっくりと膨らんだ立体的に見せる加工がしてあります。

当然ながら、ぺったんこの平らな生地からつまんで、膨らませる分の余分な生地が膨らみになりますから、その余分なスペースが結局ゆとりであり、伸びるといった現象になって現れることになります。

なので、ある意味、目のしっかり詰まった固く編んであるニットよりも伸び率が大きいかもしれません。

このブログ記事のちょうど1つ前の【27】の記事では、同じミニボックス型ショルダーバッグが完成した記録を掲載しました。

その時の紺系のマルチカラーの変わりボーダー柄はニット生地だったのですが、この問題が起こっていません。

ということで、フクレなどの加工物は織物であってもニット以上に伸びる生地のゆとりが多く、注意が必要だということです。

一筋縄ではいかなかった波打ち解消の作業

まず、とりあえず、ファスナーを取り外さねばなりません。

今回の場合お直しが可能な物理的状態にありました。

よって、ファスナーに縫い付けてある口布部分のみを糸を切って取り外します。

口布の部分の、ファスナーが縫い付けてある箇所のみ、リッパーで慎重にほつきます。

このデザインだからできることであり、また、このデザインだからこそ、波打ちが目立つとも言えます。

そして、ファスナーが綺麗に取り外せたら、伸び止めテープを貼るという対策をしました。

伸び止めテープは本当は黒の方が良かったですね。いや、たとえ黒であっても飛び出さないようにわずかな隙間に隠さねばなりません。

よって、9mm巾の伸び止めテープを縦に、半分にカットして、4.5mmにして使います。

伸び止めテープ9mm巾を半分に縦にカットして、4.5mm巾で使用します。
もともと細い幅のテープを使用した方が当然綺麗です。

これで、表から見えることがなく、中に隠せるかと思います。

そして、アイロンで、生地側に飛び出さないように気を付けて接着します。

伸び止めテープを口布の裏側に接着します。

そして、ミシンでファスナーに縫い付けます。

その出来上がりが、こちら。

伸び止めテープを1枚仕立てで貼った状態:残念なことに、それほど貼っていない状態と変わっていませんでした。

あれれ?。

あまり変わり映えがしませんね。とんだオチでした。

結果的に、伸び止めテープを1枚仕立てで通常のようなやり方では、通用しなかったのです。

分かりやすく、ビフォーアフターで比べてみますね。

左:伸び止めテープを全く貼っていない状態 右:伸び止めテープを1枚仕立てで貼った状態
・・・それほど変化がなく、波打ちが解消されているとはとても言いがたい状態ですね。

ということで、いったんエラーということになります。

そこで、次の対策として、伸び止めテープを重ねて貼ることにしました。ただ、2枚だとあまり変化がなく、またやり直しになるかもしれない手間もあり、思い切って3枚重ねです。

その結果がこちらです。

伸び止めテープを3枚仕立てで貼った状態・・・・かなりすっきりしましたね。波打ちがかなり解消されています。

分かりやすく1枚仕立ての状態と並べますね。

左:伸び止めテープを1枚仕立てで貼った状態 右:伸び止めテープを3枚仕立てで貼った状態

だいぶ、良い状態に進んだようです。最初と比べれば、劇的ですね。

上:伸び止めテープを全く貼っていない状態 下:伸び止めテープを3枚仕立てで貼った状態

次は、段階ごとの移り変わりも見てみましょう。

とりあえず、解消はできたということです。

ただ、完璧に波打ちがなくなったとは決して言えません。あくまで解消の領域内であり、完全に成功ということではないのです。

これが厳しい現実です。

完璧に波打ち/うねりは無くせるのかどうか

ところで、完璧に波打やうねりは皆無にできるのでしょうか。

これは、おそらく、不可能だと私は結論付けました。

ただ、劇的に解消はできるという検証結果がこのたびのリフォームで出ました。

ニットの生地とか、伸びるような生地を使う宿命として、この現象はどうしても起きてしまう仕方がないことです。

が、今回これほど劇的に解消できたのは、良かったことです。

あとがき

今一度最後の方の検証結果の所を振り返りますが、今回のうねりの解消で、完全には「うねり」現象は、完全にはぬぐい切れないものだということを結論付けました。

それなのに、このバッグを作って行くの?ということになります。

ということで、最終的な結論は、「こういった完全が実現できないようなデザインは作るべきではない」というものです。

私は大切なことを忘れていました。

一度考えたので作り続けていかなければいけないのだという固定観念。

これは間違いで、自分が腑に落ちない状態にしか出来上がらないものを製作するのかというそもそもの最初の時点の判断を、「製作しない」というジャッジにするということもできるのです。

まあ、そこまでということであれば、少なくとも、今回のフクレジャガードはファスナーと組み合わせるべきではなかった、ファスナー仕様の無いバッグのデザインに製作するべきであったと言えます。

これこそがこのたびの最も重要なポイントです。

どんなお品でも綺麗に出来上がることができないものはそもそも作らない、ということで、「切り捨て」の大切さがあります。

切り捨てるなんて冷たいようですが、悪いお品を商業利用することこそが一番冷たいことなのです。

ニット生地をそのまま織物生地と同様にバッグに製作して何か問題があったかどうか【27】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ニット素材でピンと来た生地に出会い、バッグに製作していきました。

特にニットになったからと言って、糸を変えるわけでもなく、いつもの布帛(織物)と同じように製作していきました。

今回は、そんなニット生地でバッグが製作可能なのかどうか、何か特別なことをする必要があったのかなどをポイントとしてご紹介したいと思います。

マルチカラーが美しいニットジャガード生地

イメージとは裏腹に、ニットは、意外と作りやすい生地もあるようです。

見た目の雰囲気がぐんと柔らかい印象になります。

織物だけに留まらないことで、また1つ展開が広がります。

表地(ブルー系マルチカラー):ニットジャガード、ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。

ニットは、両端の耳の部分がくるりんとロールすることがよくあり、その部分は扱いが難しいです。

このロールした隅っこの部分は最初から裁断を避けました。

どうしても使いたい時は、アイロンで伸ばしてから芯地を貼って固定することをすれば使えるようです。

裏地も同じようなテイストを保った方が統一感が美しいであろうかと、同じくニット生地で。

裏地(薄グレー):スポーツメッシュ、ナイロン/96%、ポリウレタン/4%、日本製。

とても面白い生地です。

ニットの良さは、作業の途中で布の端がぼろぼろほつれてこないことです。

ゴミが出にくいといいますか、素材がきちんと固まって安定しているといった感じです。

バッグにピンタックつまみステッチを入れることの効果

このたびの製作過程におけるポイントの1つとして、ピンタックつまみをしてボックス型をシャープにはっきりと表現したという点があります。

これは、元の素材にかかわらず、良しあしが自身の作業にかかわってきます。

が、決して難しいものではありません。

ピンタックつまみのやり方:底のマチ厚くってある状態の最終で行います(左)。
ものさしで幅を均一に測りながらアイロンでマチと同幅に折り目を付けます(右)。

折り目を付けたら、その折り目の端から2mm程度をミシンでステッチします。

この作業をサイド4か所と底部分前後で、合計6か所行います。

そうすると、かっちりとしたスクエアなラインができました。まるで紙袋のようです(^-^)。

ピンタックつまみにより出来上がったスクエアなボックスライン:かなり美しいものになります。

整っていて素敵なボックスラインができあがりました。

一方裏地も同様ですが、裏地で視界には入りにくくとも、同じようにピンタックつまみをしてサイズを合わせます。

ピンタックをしないとサイズが4箇所分の口の1周の長さが2mmx4=8mmずれるので、しわが寄ったりして綺麗にできないです。

ピンタックが飛び出る向きが裏地の場合見えない部分に飛び出し、バッグを覗いた時はへこんだ部分が視界に入ってくるということになります。

裏地にもピンタックつまみステッチをほどこします。
この向きで行うので、ピンタックのステッチは裏側にミシンをかけることになります。

こうして、凹凸がうまくピンタックの箇所で表地と裏地とで合体してバッグを安定へと導きます。

完成品を見て厳しく自分で評価した記録

では、完成したということで、10枚の写真をご覧くださいませ。

<サイズ>:縦19cmx横30cmxマチ60cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ63/123cm。

糸はテトロン糸を使用しましたが、スパン糸でも問題ないと思いますし、ニットであることの違和感は感じない生地でした。

生地によっては影響ある場合もありますし、接着芯をニットでなじませて、表地も裏地もニット素材で合わせたこともスムーズに縫える工夫かもしれません。

それで、全体を通して思った私自身の辛口な感想です。

バッグが小さくて柄が生き生きと出ないので、大きなバッグを作ってみることで最初に見た生地の迫力とか感動をもっと削がれずに感じてもらえるかもしれないと。

あとは、口布ファスナーがカジュアル過ぎます。

ここ辺りで、この口布のファスナーの仕様を卒業だと感じた瞬間がありました。

結構見た目がエレガントな生地に対して、ファスナーの仕様がやや粗い感じが否めませんでした。

ピンタックに関してはその効果が出ていて今後も別のバッグにも取り入れていく程腑に落ちました。

あとがき

やはり、このデザインは平凡です。そして、粗い入り口の作りです。

きちんと縫っても、そもそもデザインがまずいと感じています。

しっかりと縫っても、ファスナーの両端付近の空きが気になり、カジュアル過ぎて、機能としてもめいっぱい口が開かないという欠点が見られます。

そろそろ、この入り口の仕様に限界を感じています。

自分使いを越えた商業利用には到底ありふれたものの領域を超えることが無いと厳しく判断。

まだまだ長い道のりです(^_^;)。

ジャガード生地特有の表裏両面使いは効果的なのか何かデメリットはあったのか【26】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

薔薇の花柄がもともと私自身が好みであることの延長で薔薇柄ジャガード生地を多く採用してまいりました。

最近は、デイジーの花柄にも目を向け始めました。

薔薇の花柄のエレガントさ比べ、デイジーはかわいらしさや親しみやすさがあるみたい。

今回は、この新しく目を向けたデイジー柄でバニティーショルダーバッグを製作しました。

ジャガード生地の表面と裏面を1つのバッグで使い分ける材料のフル使い

ジャガードと呼ばれる生地は、基本表面と裏面が同じ柄となります。

ただ、面白いのが、全く同じではない点です。色違いで表面と裏面の2種が使えるという2倍の喜びを得ることがあります。

今回が、まさにこれ。表面と裏面が結構違う色で出ている点がユニークです。

じっくり見ても不思議なもので、表側の色のそのまま反対側がこの色?という意外性があります。

例えば、表面では一番濃いモカみたいな色の裏は、薄グレー色です。

この場合薄い、と濃いが表裏で真逆になっているようです。面白いですね。

<表地/裏地共通>:ジャガード、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、イタリア製。

ぎっしりと咲き誇ったデイジーの花。

表面の赤xブロンズx薄グレーが本来の表面、下のサーモンピンク中心にモカなどの色が混じった色目の方が本来の裏面になります。

裏面は何となくセピア色の風景と言った感じですね。

極端な話、どちらが表として使っても様(さま)になるというのがジャガードのメリットです。

生地の厚みは中肉でやわらかめです。

生地の選定においての注意点

私自身が気を付けていることとして、バニティー型は、素材を中肉以下にしなければならないという必須事項です。

なぜなら、重なる部分が分厚くなる部分がミシンが通らなければならないからです。

バニティー型で生地が一番重なる箇所:この指の右側の縦のラインが一上から下まで、かなり分厚くなります

ここは、さらにファスナーの縫い代隠しを兼ねて正方形のネックというパーツをここに縫い付けることになります。

ネックパーツを縫い付けている場面:このネックもいろいろなパーツが重なり厚みがさらに増します。
ずっと右に移動した裾の先端は、さらに各々のパーツの縫い代分も重なりますので、余計に分厚いです。

そうしますと、最初からの生地の選定をこのような場面になった時に、ミシンの針が通ることが可能かどうかということを想定できていなければならないのです。

ましてや、同じ生地を表地にも裏地にも使用していく今回はさらに特別で、中肉ながらぎりぎりの厚みです。

バニティ型は薄すぎると、へにゃっとして弱々しくなるとあまり高級な感じになりませんから、生地のある程度の厚みはポイントですので、薄すぎてもいけないのです。

ジャガード生地の裏面を裏地で使用という案のメリットとデメリット

さて、裏地に表生地を使ってしまうというジャガードの場合に有効な案だと思った今回の製作ですが、実はデメリットがあったことを知りました。

ポケットの付け場所は、バニティーは少ないです。

とにかく後側は重なる部分なので、ポケットを最初に付けておくことは物理的に不可能です。

そうするとおのずと、正面の外か中に取り付けることになるのですが、正面の外というのは、柄が一番素敵に見える場所なので、そのままさら地にしておきたいものです。

そうすると外にポケットは付けられない、ということになって、必然的に、中側の前だけになります。

サイドの部分はバッグの形が楕円型となるから、面積が狭い部分にあたります。ですから、物がたっぷり入るような機能的なポケットにはなりません。

ということで、二重ポケットを前面に取り付け、とりあえずポケットの充実ということに至った案だったのですが、この結果このように少し表にひびいています。

ファスナーの下の辺りに裏に付いているポケットの姿がぽっこりと浮いているのが分かります。

この原因は、重なった部分が厚みがありすぎるということです。

表生地と同生地の厚みで裏地も使用する場合、こういうことになる部分があるかもしれないので注意せねばなりません。

ポケットを複数付けたいということに注視し過ぎた結果でもありますね。

ポケットの袋も表生地で行いましたので、せめて袋だけでもを薄めの違う素材を使用するべきだったかもしれません。

一般的には、裏地は表地よりもかなり薄手になっている理由の1つがこういったことになって実感した次第です。

ということで、ジャガードの両面を使用することのデメリットとして、裏地ならではの薄さが効果的である部分が分厚くなってしまうというものでした。

完成品の閲覧会

では、10枚の写真をどうぞ。

<サイズ>:縦17cmx横27cmxマチ12cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ67/120cm。・・・一番短くて67cmなので、
ハンドバッグのようにご利用いただくこともできるかと思います。

あとがき

もう一度この写真をご覧いただきたいと思います。

このお品、そこそこ綺麗にはできたのですが、最終的にはボツになりました。

上述のポケットのアタリもそうですが、取っ手の部分を見ていただきたいのです。

取っ手の取り付けがしっかりしたものではないと感じますね。

ふんわりとてっぺんが浮いてしまいました。

ここを後に工夫していきます。いまのままでは、てっぺんが使っていくうちに変形しやすいものになってしまいます。

1色なのにカラーバリエーションが豊富なトレンチコートのベージュ、木製チェストのブラウンにネーミングした間違いが起きないその色独自の言葉の表現【162】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ファッション分野やインテリア分野のお買い物などで誤解が生じやすかったりすることが実際に頻発の苦々しい経験から、色/カラーの呼び名の大切さについて書きたいと思います。

この「呼び名」が意外と重要でして、適当過ぎる場合にとんだ誤解を生じることになりかねないのです。

【256】ではグレーにも色の展開があるというご紹介をさせていただいております。

後ほどそちらの記事にも是非お立ち寄りどうぞ(^-^)。

今回は、トレンチコートのベージュと木製ミニチェストのブラウンに多い色の微妙な色の展開をお伝えしながら、その違いがはっきりと耳で聞いた言葉でもイメージしやすい独自の呼び名を付けてみました。

この呼び名が色のイメージが相手に伝わりにくく間違った売買や誤解、そして混乱を招くことが無いよなスムーズで正確な色の伝え方ということに役立てば良いなあと思っております。

紺とパープルの呼び名の違いが引き起こした誤購入の苦いエピソード

まずは、私の色に関する苦い経験のお話から始めたいと思います。

かなり昔の話になります。

ヤフオクでプラダのナイロンのハンドバッグ(パーティーバッグのような小さめハンドバッグ)のUSED品を購入したことがありました。

出品者は古物業者様でした。

商品説明欄には、色は「パープル」であるということが記載されていて、写真も私がイメージするパープルに映っていました。

画像をよくご参照の事というようなニュアンスのご説明でした。

ところが、届いた時の色目が、この色だったのです。

購入したプラダのナイロンバッグの色が紺だったというエピソード。

見た瞬間、「紺だ!パープルじゃない!」そう思いました。

画像ではもっと赤みに映っていましたので、実物とは随分隔たりがあったのです。

出品者様に、紺と記載する必要があったことを伝達しましたが、確かに紫だとのこと。

ということで、私の思う色の感覚でいうところの紫として購入してしまったのです。

なぜこのようなことが起こったのでしょうか。。

私の解釈での画像でのパープルのイメージ、そして実際に目で見た紺だと感じたバッグの色と、一般的な紺と呼ばれる色を比べて並べてみます。

左:一般的な紺色 
真ん中:今回パープルとして購入したバッグの色
右:ブドウのような紫色

どうでしょう。

このようにして比べると、私が購入したバッグは、左隣に紺が配置されることで、パープルとも言えそうだとやっと納得できます。

が、単独でこの真ん中の色を見た場合には、紺だと答える人の方が多いと思うのです。

これは、色の呼び名と実物の色の不一致とか、紛らわしさが存在しているということです。

パープルであると謳うだけでは少々不足があるのかもしれません。

パープル寄りな紺、もしくは、紺寄りな紫などの補足的な言葉が必要だと思われます。

よく、幼少の頃にお絵かきのクレヨンとか水彩画の絵の具で、「あおむらさき」「あかむらさき」が存在していましたよね。

まさに、今回の購入のバッグは、紫で言うなら青紫でしょう。そして、一番右の色は、赤紫。

私が求めていた紫は「赤紫」でした。

紫の前に1文字付けるだけでも随分具体的になりましたね。

紫というのは、元の3原色:赤、青、黄の中で赤+青によって2次的に生み出される色です。

青紫という色は、その比率が、青の方が赤よりも多いと出来上がります。

反対に赤紫は、赤の量が多い場合に出来上がります。

誰もがご存知かと思われるこんな色の仕組みがありますし、一言パープルといえどもいろいろなパープルが存在すると思っておくというのも良き構えだと思います。

ということで、こういう行き違いやミスが起こらないためには、言葉の親切な補足が重要であるという教訓を得たのです。

トレンチコート好きな経験からベージュという色の5種類をまとめました(5種のベージュのそれぞれの独自の呼び名)

ところで、お洋服に使われる色の中で多種の展開をしている色は?。

ベージュがまず挙げられるかと思います。ベージュは本当に多様だと思います。

ベージュといえば。。というお洋服の中では代表格のアイテム、「トレンチコート」でイメージしてみます。

【決めた呼び名】
1:オフベージュ 2:ピンクベージュ 3:イエローベージュ 4:グリーンベージュ 5:モカベージュ

あくまでも私がチョイスしたしぼった色なのでそこはよろしくお願いします<m(__)m>。

「グレージュ」というここ数年急上昇の色は、あまりにも紛らわしいと感じていまして、呼び名には付けていませんが該当する色目はあります。

では、1色ずつクリップの一番左から右に向かって順にご説明を致します。

1:オフベージュ

よく言われているグレージュという呼び名に重なる部分があると見ます。

コーデの相手をそれほど選ばず、どんな色ともマッチできます。

無地でも柄でもうまく相手を立てるといった感じの融通の利く色。

控えめな色だからこそ使いやすい色です。

2:ピンクベージュ 

この色はかわいらしさがありますね。冬のあったかいアンゴラやカシミヤのコートとか、ファンデーションの色の展開にこのピンクベージュも入っています。

お洋服の中では難しめの茶系などは、このベージュと相性が優しくマッチすると思います。

3:イエローベージュ

「バーバリー」様のトレンチコートのこの色目はトレディショナル♪。

色合わせコーデの相手に黄色みがかった色やグリーンなど暖色系に大変マッチするような色だと思います。

無地より柄との組み合わせの方がお洋服が互いに活きるように思えます。

4:グリーンベージュ

遡ること90年代後半に、女性のパンツとかスラックスでこのような色が流行した記憶があります。

トレンチコートなどでは、この色はハイレベル。

しかし、おしゃれの達人は、大変クールでお洒落にこの色を着こなされることもあるよう。

5:モカベージュ

以前、この色の「バーバリー」様のシングル仕立てのコートを持っていました。

この色もコーデは簡単ではないと思いますが、うまくいけばクールに決まると思います。

古着での購入であったため、色も選べずこの色を受け入れるしか選択肢が無かったのですが、新しい体験となりました。

コーデ例としまして、この色のコートの中に黒x白の柄のものを着たのがちらりとコートの隙間から見えるシーンはドラマチックなものです。

強い色とのコンビでコントラストを付けた着方の例ですね。

ということで、ベージュの色の展開ごとにネーミングを考えまして、それぞれのイメージやテイストをお話してみました<m(__)m>。

ヴィンテージ木製家具を集めてきた経験から4種の茶色をまとめました(4種のブラウンのそれぞれの独自の呼び名)

茶色と言えば木が浮かびます。

この木も実はいろんな茶色の展開であることがインテリア小物や家具からうかがえます。

同じ木製で統一のミニチェストという同一条件で、その色の違いを分かりやすく比較してみました。

<色の呼び名の考案>1:カーキ茶 2:オレンジ茶 3:キャラメル茶 4:チョコ茶

茶色といってもいろいろな茶色があることを改めて知ります。

よく耳にする、レンガ茶、ダークブラウン、などという言い回しがありますね。

頻繁に使われている呼び名であるのですが、範囲が広すぎて、結局は区別が曖昧であることも多いです。

その呼び名に頼ると、かえって紛らわしいこともあり、もっとはっきりとした違いが区別できる呼び名が必要だと危機感を感じた上でのこのたびの考案。

その色を聞いて、正確に実際の色がイメージできるものであるべきです。

また、販売と購入のシーンにおいては、商品記載に紛らわしい色の言い回しであると、誤購入などの不幸な事件が起きそうですので、その解消に一役買えればこの区別の呼び名が大変意味のあるものになります。

1:カーキ茶

とてもクールでお洒落な色だと思います。

グリーンが少し入ったような茶色というところが特徴で、頭にカーキという言葉をのっけたカーキ茶としました。

2:オレンジ茶

このオレンジ茶も茶としては明るいのでライトブラウンなどとも呼ばれる色です。

ただ、その「ライト」も実は幅が広すぎて、この色をピンポイントで差す言葉ではなくなってしまっている現状であると思っています。

よって、どんな色が強く出ているのかを考えたときにオレンジを頭に付けるということにしました。

実際にも、靴などでは「オレンジ」と呼ばれることもあるこの色です。

3:キャラメル茶

2:オレンジ茶に類似ですが、やはり微妙に枝分かれしていると思います。

キャラメルはチョコレートの方向性が少し強いのでみかん(オレンジ)よりも暗めです。

おおざっぱにライトブラウンと呼ばれる時にこの色もその中に混ざって呼ばれることも多いですね。

しかし、それがピンポイントでこの色が浮かばない以上、完全な区別にはなっていないのです。

キャラメルとまで言い切れば、この色しかないでしょう。

4:チョコ茶

ダークブラウンと呼ばれることもありますが、ダークブラウンも、このチョコ茶なのか、1のカーキ茶の濃い色なのかで全くトーンが違うのです。

そうしますと、濃淡はさておき、このチョコ茶という分野があると分かりやすいと考えました。

チョコレートの中では、マイルドとかミルクチョコレートに当たるような少し明るいトーンのチョコレートのイメージです。

せっかく名付けた独自のネーミングの活かし方

お手持ちのワードローブのお洋服の色が、〇〇なベージュといった感じで、その〇〇の部分をちゃんと言葉として記録し把握しておくなどをお勧めします。

そうしますと、後のお洋服のアイテムの組み合わせの時にベストマッチな組み合わせができると思います。

結果おしゃれな着こなしというところに向かうのではと。

想像だけでは、グレーと黒が合いそうだと思っても、実際には、色の微妙なミスマッチがあり、あまり良い組み合わせでなかったりするかもしれません。

今後は、お洋服もたくさんの量が製造されていくよりも、多種にわたって少しだけ見つかるということになるかもしれません。

そうしますと、多種の広い中から渾身の1点だけを選ぶという、「自身の技術や見極め」を持っていた方が短い時間でストレスのない確実なお買い物ができると思うのです。

そうして選んだお洋服はコスパ良く末永く着用していけるものへとつながるのではないでしょうか。

あとがき

1つ最後に茶色について、たくさんの古着を見た私が是非お伝えしたいことを書いて終わりたいと思います。

古着や中古物の中には、まっさらな状態のあまり使用された形跡がないお品が見つかることも時々あります。

「未使用品」というようなものに該当するケース。

やはり消耗はしていない方がありがたいものです。

そのようなお品を見つけることができるととてもラッキー♪。

そのお品の色というのが茶色であることがとても多いということを実体験で見てきています。

靴やベルトやバッグの革ものなどによく茶色が良い状態で残っていることがあります。

このことは、茶色がいかに王道である「黒」から外れた難しいコーデであるということを物語っています。

そのアイテム自体は素敵でも、他のアイテムと合わせるとなるとなかなか出番がなかった結果を伝えてくれています。

ということは、そんな傾向を逆手に、茶色い差し色を探している時には古着市場の中で新しめの綺麗なお品が見つかりやすいということが導けます。

中古市場の中で黒を見つけることはその真逆でとても困難です。

やはり使いやすい色として黒は何度も着用され、使いこまれてしまうので、状態も古着らしい使用感の入ったお品になっていることが多いです。

お得なコスパの良いもの、古き良きお品を探す時に是非お役立て下さいませ(^-^)。

カーブは円の一部を使うのが一番美しいと気づき始めたバッグ製作【25】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1980年代から流行を問わず、ずっと好きなデザインのバッグがあります。

ず思わずじっくり見てしまう緩やかなカーブがとてもエレガント↓。

ウンガロ様のミニ型押し本革バッグ・・・オレンジ茶が素敵です。

口が大きく開くために、とても中が見やすい点もこのデザインならでは。

こうして長い間このデザインのファンであった自分が今度は実際に布を材料として、こんなタイプのバッグ作ってみようと挑んだこのたびです。

結構難易度は高いようです。ファスナーがカーブを描きながら縫い付けるという点が難関でしょう。

伸び止めテープ(平)を隠しポケットのファスナーに貼る

ここ最近、ファスナーのうねりの解消目的で伸び止めテープを貼っています。

この時のファスナーというのは、隠しポケットのファスナーのことです。

メインファスナーのことではありません。

伸び止めテープ:ストレートタイプ(隠しポケットのファスナー用)・・・うねりのないようにまっすぐなラインに固定する目的で使います。
隠しポケットの袋の部分をファスナーにミシンで縫い付ける直前:ややこしいのですが、生地の裏面を表として特別に使いました。理由は、ポケットの袋布パーツを裏地ではなく表地でふんわりと作ろうということで、手を入れた時に指に引っ掛かりやすそうな表面をあえて避け、つるりとした裏面が手に触れるようにしたというのが理由。
上側:伸び止めテープをアイロンで貼った状態 下側:この後同じようにここにはみ出ないように気を付けて貼ります
伸び止めテープを使った場合の隠しポケットの見栄え:貼らないよりもはるかにスッキリとまっすぐな線です。
左:伸び止めテープを貼っていない状態 右:伸び止めテープを貼った状態
カーブの形が綺麗ではありませんし、カーブしたのラインがうねっています。
ここは一番の難関。
伸び止めテープは見えてしまうので貼れていませんが、ハイブランドバッグを以前に見る機会があり、
ここに当て芯のような厚紙が縫い付けてありました。
美しい大花柄ですね。
ファスナーのつまみは本革。
ファスナーを2本使用しましたが、ダブルファスナー1本のみが断然綺麗だと気づきました。
<裏地:グレー>:ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
そこが狭いです。もっとマチを広くとるべきでした。

あとがき

今一度最初のウンガロ様のバッグのカーブのラインを見てみます。

入り口のカーブが円に近いです。この緩やかさが、作りやすさ、美しさにつながるようです。
私の今回のデザインだとカーブが細かくて、きつすぎて綺麗に縫えないのです。
縫いやすいデザインということも、一見製造者の都合のように感じますが、
立派な美しく仕上げる対策であるということで良いと思いました。

もうこのデザインはとりあえず、一度ここでこれっきりということになりました。

せっかくの可愛い生地にデザインが追い付かないレベル。

ここで勉強をして、いつかこのタイプのデザインをうまく作りたいと思っています。

とにかく2次元的なミシンでは難しいですが、不可能ではないです。

picturesque

ボタンがぽろぽろと外れてしまうニットのストレスを解消、伸びたボタンホールを狭く塞ぐミシンステッチのやり方【306】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

好きなブランド1つにこだわった古着ライフを送っております。

そのブランドは、「アルマーニ」様。

ラインが美しく、素材のこだわりと無彩色なカラーが古着同士でも組み合わせ易いです。

このたび、金茶色の素敵なカットソーを購入。

その後左右に少し引っ張っただけなのに、くるみボタンがぽろぽろと外れていきました。

一般的な古着レベルのじ「状態」というものでした。

カットソーやカーディガンで起こりがちな、ボタンホールの伸びによる穴の開きを塞ぐリフォーム

カーディガン(巾着):「エンポリオアルマーニ」製。ボトムの黒に合わせたお部屋着として活用します。

基本的にルームウェアのようにお部屋の中での着用となるので、伸びる融通も利いてほしいのでニットということで選択したものです。

実際のこちらの素材は、トリアセテート/64%、ポリエステル/28%、ポリウレタン/8%です。

トリアセテートという素材が思ったより暖かいというかそこそこ保温性があるようなところが意外です。

十分真冬もお部屋着で着用できます。

と、素材感の方は良かったのですが、デザインがちょっと気にかかっていました。

前開きであるという点です。

基本古着は1点物であるがゆえ仕方がないことです。

よほどの量産品でなければ、全く同じものは簡単には見つけられないのです。

その上このカットソーは、「アルマーニ」ブランドの中では初めて見るアイテムでした。

金茶の色もお洒落であるし、このうねりのような高級感ある折り目の表面もかなり惹かれましたので購入したのです。

ところが、届いた矢先のこと、少し触っただけで前ボタンがポロポロっと外れたわけです。

ボタン自体はきちんと付けてありますが、ボタンホールから外れるという意味です。

ものすごくボタンホールが開いてしまい、ボタンが留め具の役割をもはや果たしていないのです。

このことがきっかけで、考えた末ボタンホールを小さく狭めることを考案。

そして、自分だけでなく、もしかして同じような状況の方にもお伝えできるかとこのように記事に投稿したわけです。

古着購入時のボタンホールはとても緩いものでした。

上からも下からもボタンホールが緩く、軽く前立てを引っ張るだけでボタンが外れる様子。

そこで、原因のボタンホールの横幅をを狭くすれば効果が出るのではないかという仮説のもと、思い切ったホールの両端の詰めをミシンで行いました。

ボタンホールの両端を数ミリずつミシン3mm巾で行ったり来たりの返し縫いをして、ボタンホールを塞ぎます。
ボタンホールを狭める作業の図解:写真1枚ではイメージがわきにくいので図に書いてみました。

こんな風に縦に開いてしまったのはニットの伸びのせいなのでどうしようもないので、サイドの隙間を埋める形でミシンで縦に行ったり来たりしながら横にずれていく動きをとるステッチを入れます。

そうして、ホールの横幅を「適切な幅に」狭くしていきます。

結構思い切って幅を狭めても、このニットの伸びは相当なものでボタンは余裕で閉められました。

むしろ、控え目にやり過ぎると、せっかくミシンをかけた意味がないくらい当初の状態と変化が出ないものです。

実は、この時も全8か所の内2か所ほどもう追加ステッチをしたということがありました。

そして、ミシンをかけた後の糸始末は、きちんと結んで玉止め始末するのが良いかと思います。

左:穴が大き目の針に糸を2本まとめて通し裏側へ針を通します。右:裏で片手で2本ずつで糸を持ち2回結びます。

2回目は糸が切れない程度の力を込めてギュギュっと結び、ほつれてしまわぬようにしっかり固定します。

このような地味な作業を1つ1つのホールについて行い、すべて完了したら出来上がりです。

リフォーム完成:圧力がかかってもボタンが外れず、「また外れてしまうかも」というストレスが解消。

あとがき

リフォーム自体は、いたって単純なものです。

しかし明らかにリフォーム前と後ではこういった洋服にも価値がプラスされると実感。

機能などの面というのは、使っていく中でじわじわと良し悪しを感じるものです。

もし、このままリフォームしなければ、ボタンがすぐ外れてしまうというたった1つの原因でもはや着用しない価値のない洋服になっていたことでしょう。

その後、季節がめぐる頃、この金茶色のカットソーとベロアのゴムパンツを実際に着用する季節に着用し始めました(^-^)。

picturesque