マルチカラーの糸の色を当時の焦げ茶からベージュへ変更、約6年ぶりに解体して丁寧な仕立て直しをした姿が見違えた【1381】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび3回連続でお送りしてまいりました「仕立て直し」のシリーズ。

今回が最終です。

①スツール用の低反発クッションカバー

②3点のトートバッグのピンタック仕立てへの変更

そして今回の③は、ビッグトートバッグの一重仕立てのゆるゆるを丁寧に仕立て直しして締めくくります。

②の3点目もビッグトートバッグでしたのでサイズが非常に似ていますが、今回が一番大きいサイズとなります。

この数年間の自身のノウハウが高まったことで、いろんな箇所において作り方が変わっていました。

それを自身で実感し、今後の見通しとか、当時のままの生地の姿でリフレッシュした製作品になったことの「価値」を共有できればと思います。

「共有型のハンドメイドバッグ」という事業名で、これまでは「製造+販売スタイル」であったのですが、「ノウハウのご提供と伝授スタイル」へその内容を変えていこうとしています。

その1つとしてこのシリーズもお送りしております。

是非、ミシンを1台お持ちになることをお勧めしたいですし、自由に思うような製作を実現していくお手伝い、もしくはアイデアが浮かぶヒントを得ていただけると大変嬉しいです。

実は横向き裁断であったことを今思い出す当時の生地調達の際のコスパ

解体した後、裁断し直しの本体:「わ」です。真ん中が底になります。縦20cmx横10cmをくり抜きました。

実はパッと見て分からないと思うのですが、この向きは地の目に対して横向きなのです。

本体と取っ手でおそらく購入は1mだったと思います。生地を余らせず、フルに利用した記憶です。

当時の記憶がもうありませんが、おそらく、広幅の生地を有効に使うために横取り裁断をしたと思います。

縦に裁断するとこのように「わ」ではもったいない、ハギに2枚にしても横には並ばなかったと思われます。

よって、横向きに裁断するという考え方で当時はコスパ良い生地の調達を工夫した個人使いの製作品です。

このビッグバッグには、当時布団も収納しましたし、ボリュームたっぷりの資材も収納して使ってきました。

ビッグバッグの柄がお洒落だと、その場に置いてあっても雰囲気がありインテリア性が高まります。

よって、この当時の生地は是非活かしたい好みの薔薇柄でした。

ただ、これも当時の考え方であり、今こうして解体後見てみると、横裁断したせいで、バッグとして持ち上げた時に縦向きに伸びる横向きが引っ張られて生地が伸びてしまっている部分がありました。

もし、今この生地を調達するならば、おそらく、2枚仕立てにして、めいっぱいの生地幅の横並びに裁断ができるサイズへ小さくしてでも地の目に忠実に作っていたでしょう。

薔薇の柄が融通の利く向き関係なしのありがたい柄だったことで横裁断してもぱっと見分かりにくかったのでしょう。

糸の色を当時の焦げ茶からサンドベージュへ変更したことでステッチが美しく映るようになった

このバッグ製作当時はそもそもミシン糸を50-60番で縫っていた時代。

現在はバッグに関しては30番を徹底していますので、自身のハンドメイドバッグ製作の歴史の中では古い時代となります。

過去は60番程度の細番手。現在の30番は右のベージュ。30番がやはり解体しながら丈夫なのだと実感。

そして、糸の色を変えたところも重要なポイントです。

焦げ茶は一見合いそうだと思われるでしょうが、マルチカラーにおいてはそういった判断は表面的です。

登場するカラーの濃い、薄いの中間の色を選択が正解なのです。

これはさんざんマルチカラーを縫ってきて導き出した独自の解答です。

大部分は確かに焦げ茶。しかし柄の部分もそれなりの面積です。この薄い綺麗な色へ焦げ茶の糸はタブーです。
サンドベージュの糸の色は平均的にどの色の部分にもなじみました。これが正解。

今回の生地はメッシュで穴が開いています。

裏に接着芯を貼ったその接着芯の色さえ白か黒かの選択が重要でした。

柄の部分に黒が透けることがないよう、白のニット芯を選択しました。

そうしたことで、穴から白色の接着芯が当然ながら透けます。

これは物理的に受け入れねばならないことなのですが、ステッチの糸の色はこれにも大いに関係します。

焦げ茶の生地の部分にサンドベージュの糸の色がそれほど浮かない理由に、この穴かから除く白い接着芯の存在が関係しているのです。

裏地付きのピンタックは表地、裏地それぞれで行い、凹凸が反対になるところがポイント

表地は表へ突き出すように、裏地は凸面が内側へ隠れるようにピンタックをつまみます。

こうすることで、凹凸のコンビとして、表地と裏地がうまくぴったりと重なるという構造なのです。

ピンタックをする前に入り口の縫い代を折ってからやるというのも綺麗に出来上がるポイントです。

完成品を見ながらの「仕立て直し」の総まとめ

③仕立て直したビッグトートバッグ:<サイズ>縦50cmx横60cmxマチ20cm。

②の時は、縦横50cm四方だったので、こちらの方が横が10cm広いです。

10cmの違いはさすがに大きいので、大容量バッグと呼ぶにはふさわしいこの度のバッグです。

裏地も②と同じヘリンボンの厚手生地(在庫の生地を利用)を設置。

裏地には接着芯は不要と判断し、表地だけの接着芯ですが、物を入れるとこんなにスタイリッシュです。

横顔です。きちんとしたフォルムは眺めていて大変気持ちが良いです(^-^)。

このたびの「ピンタックを入れる」という共通の作業事項を通して、「ピンタック必須だな!」とまで思い始めております。

そして、こんな考え方に行き着いています↓。

「クラシックでスタイリッシュなフォルムを作るには、角のラインのはっきりした表示が必須である」と自身は説いています。

このたびのシリーズを通し、更に新たなイメージも生まれています↓。

このようなナップサックのデザインもピンタックで随分はっきりとしたラインになるのではないか。

このモデルを一度ピンタックを使ってやってみたいと思っています。

仕立て直した後も当時の生地のままで続行したその選択の中に、当時の生地を選ぶ視点が確かなものであったことが裏付けられます。

手間をかけて解体してまでも作り直すことをこの生地でしたかったその意味は、その生地が二度と入手できない当時だけの生地だったからです。

これが1点だけを作っていくことの価値の1つだと思いました。

そして、今後まだまだ続行して気持ちよく、丈夫に使っていけるものへリフレッシュしたこの分岐点をとても貴重に感じます。

あとがき

「苦労を買ってでもする」という言葉がとても好きです。

今その一瞬は長い長い歴史では、ほんの一筋の光の矢でしかありません。

「長い目で見る」というもう1つの好きな言葉と共に常に引き出しの中に入れている言葉です。

今の苦労を惜しむことがその後を考えたらたいしたことではないと当たり前に手間をかけていく、そして終わったら涼しい顔をする、そんなスタイルが大きな意味があるように思えてなりません。

チャチャッとその場しのぎの品物を作った未来はどうなのか。

丁寧に手間をかけたその時の苦労はあったものの長いその後の未来はどうなのか。

本当にその品物を作る価値があるのかさえもちゃんと真剣にジャッジしていきたいでものです。

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