まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
長い間作ろう作ろうと思いながら、裁断と接着芯貼りまでの進捗度で止まっていたウールワンピース。
そのリメイク材料の風呂敷包み(大判スカーフ)をオープン。
時折チェックはしていたものの、他の作業などを優先していて、早くも1年が経過。
今こそ、もう完成する時なのではないかといよいよ作業再開に踏み切りました。
もう記憶も薄いのですが、ショルダーをすでに作っておいた状態であるところが、この続きの作業をしやすくしてくれています。
リメイクも最初に一歩でも二歩でも踏み出しておくと、「結局は古着のまま持っていただけだった」ということにならず、最初に思い浮かべたせっかくの案が実行しやすいのです。
作業を進めておいて、リメイクの世界へ突入しておくことは、実際に完成に至るためのポイントなのではないかと実感しています。
この度のリメイクは、もともと好みのマルチカラーのワンピースの利用なのですが、毛/100%のふかふかしたニットである所が特徴です。
この横伸びしがちな素材を伸びにくくする工夫も盛り込みました。
作ったアイテムは、リュックです。
ネイティブ柄のリュックはとっても活動的で素敵な完成のイメージが浮かんでいました。
毛玉が多いのでエレガント寄りなワンピースではどうしても古着感が出過ぎるということで、別のアイテムにリメイクしようと考えたのがきっかけです。
ネイティブ柄の特徴であるボーダー配列を活かした3cmボーダーキルトステッチ
リメイクと言えども、何ら製作の手法ややり方を変えることはありません。
むしろ、限られた条件であったり、あまりバッグでは使用していないニットが登場したりすることこそ学びになります。
今回のニットもよく伸びるタイプで、接着芯に加えてハード薄芯をボンドで貼ることで横伸びを抑えようとしました。
ハード薄芯はボンドで縁だけを貼りますので、真ん中付近はゆるゆるです。
ここをなんとか安定させていいこうと考えました。
ハード薄芯を貼った後に、3cm間隔でボーダー状にステッチを入れていったのです。
そのステッチも、柄を引き立てたいということで、ものさしで計った3cmの位置に来る色に着目。
その3cmの位置にあるカラーと同じ糸でなじませるようにステッチするのです。
そうするとニットなので、中にぐっと埋め込まれ、ステッチが目立ちません。
その色が赤である場合、青である場合、グリーンである場合、イエローである場合と幾種類か登場したわけですが、手持ちのカラー糸が豊富であることがここで活きます。
実際は、赤糸の出番が多かったのが、赤ベースである元のワンピースの糸使いだったからです。
ボーダーステッチは、印は3cmの箇所に最初のスタートだけ見れば、後はニット特有の編み目が配列良く出ていますのでその編み目をたどればものさし要らずでした。
そうして、表地の前面と後ろ面の両方を同じようにボーダーキルトして、その続きを製作していきました。
裏地は、更なる別のはぎれをマルチカラーの色に合うようにと、片方の面が、ワイン、もう片方の面がチャコールという2色使いで作りました。
ポケットもよくお作りしているフラップポケットの大きいのを生地をたっぷり使いながら設置。
入り口のファスナーの取り付け方例:全ステッチが不可能な場合の部分ステッチの方法でOK
比翼布は、これも別のはぎれのワインカラー。ファスナーの裏側にもタブと同じ素材で比翼布の裏地があり、大変しっかりしたファスナーパーツとなっています。
ショルダーのタブを挟み込んだ箇所の真ん中はステッチできないので、左右2つずつの合計4箇所。
反対側は、真ん中に1つ、端寄りに2つという風に全体のセキュリティー性のバランスをとってみました。
出来上がりの隙間は、物がこぼれる様子は無く結構覆われています。両端は折りたたみ傘などが突き出すような入れ方も出来そうです。
部分的な縫い付けと言っても、手を入れることができませんので、セキュリティー性は確保されるのです。
古着からできたリュックにしてはそこそこな容量です。
というのも、元のワンピースがゆったりとしたゆとりのある面積があったことで実現できたことです。
元のお品の良質さや有難い特徴などもリメイク後が良くなるためのポイントになっているのです。
あとがき
こうして書くことがどこまで伝わるのか分かりませんが、このリュックなかなか素敵でして、完成してから10回以上眺めている現実があります(^_^;)。
それは、困難を乗り越えながら、結構成功している証だと思います。
失敗するともう見たくもなくなりますから、今回は上出来です。
途中やり直し箇所もいくつもありました。
たった1日で到底できるようなものではありません。
だからこそ手間がかかり、自作ならではの価値が生まれます。
ちょうどこのタイミングで、昨日の新聞に著作権の今後の見通しの記事が掲載されていました。
著作権は自明のものであるから必ずどのコンテンツにも存在するにもかかわらず著作権者が不明なコンテンツや作品をどう利用させてもらうのかなどの動きが検討され始めたようです。
大きくは簡単には動きませんし、基本的に著作権者本人が「NO」と言えば、そのお品はリメイクの商業利用はできません。
そこが大きく変わるということはないようで、著作権の権利者が曖昧な場合というところにこのたびの動きがあった記事です。
しかし、そういった著作権の分野での動きが少しあったことに関してはとても注目しています。
ネット社会になってコンテンツが増大したことで、著作権に関するルールや融通性も必要になってきたということです。
今回のお品も、その品質表示から、今は無きメーカー様のお名前であることが分かりました。
ネットの慎重な検索により、すでに倒産した親会社と分社化して過去に独自で持っていたブランド名をそのまま社名として継承することで存続の会社様だっとことが判明。
そこまで調べてやっと真実が分かることもあり、特に古着の著作権に関しての自主調査ということ1つとっても、いかに複雑であるかということです。
そして、お問合せしましたアンサーは、当然「商業利用不可」ということでした。
ヴィンテージ古着であってもです。これが現実なのです。
リメイクというとても素敵な夢ある作業ですが、自分使いで自分で作業するということが「正当なリメイク品の利用の仕方」になるのです。
ですから、私も下手ながらも、図解でしかリメイク体験をご紹介することができないのですが、可能な範囲内で発信はしていきたいと思っています。