まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
今回は、ハンドメイドバッグの各パーツについて、他のバッグとの差別化とか個性、あるいはブランディングにまでなるのかもしれない、なっていきたいというそのパーツ自体のデザインや作りについてのお話です。
手法を秘蔵するよりも伝えていくことの方が断然素晴らしいとお伝えする方向主流に舵を切っています。
よく、音楽に似ていると思うことがあるのですが、メロディーとか曲調で、この作曲家が作ったのではないかとか、「らしい」と思ったりすることに似る部分があります。
。。というのも、同じ芸術品を作り上げるということが共通しているからです。
円の一部の5cmの半径を利用したフラップ
ゆったりとしたボリュームあるフラップです。
ポケットの袋を優しく覆う屋根のようなセキュリティー性を追求したデザイン。
以前に、ここにマジックテープを付けていたのですが、実際に自分で使ってみて、マジックテープを不要にした方がストレスフリーでした。
この安全性と使い勝手のバランスは悩むところですが、都度の細かな判断により決めていくのです。
入り口がファスナーなどで密閉されていれば、ここは、マジックテープ無しの方が開閉の時に余計なヒネリなどが必要なく、さっと物が取り出せるポケットになるだろうということに行き着いています。
ポケットの袋は、ラッピング布をそのまま袋として大きいパーツで使う方法もありますが、自身は別にしています。
理由としては、もともとファスナーが付いたバージョンからスタートしたので、それと同じ手法だとここで区切るのが同じ作りとなります。
ファスナーの場合、ポケットの中を覗いた時に、ファスナーの縁が見えない綺麗なやり方がこの分けるやり方です。
もう1つの理由は、直接だと、上の枠のラインにポケットの袋に物を入れたときの重さの比重の影響で、スクエアの枠の形が変形することの懸念です。
枠に袋を取り付けたという構造は枠が変形しないと見た考え方です。
この「片玉縁風」は、「ひさし」が中を見えにくくして、セキュリティー性を高めます。
ここ最近はファスナーを取り付けておらず、手を入れてすぐ取り出せる便利性も考えて行き着いたファスナー無しの隠しポケットです。
袋にもちゃんと接着芯を貼ったので丈夫です。
出来上がったバッグではこういった部分は見ることができないので貴重な写真です。
ご要望に応じ本革も取っ手にしたことがありますが、元の方向性としましては、本革は使いません。
アイレットカンに細めの本革を通して結ぶというのも向きが不安定で廃止しています。
あれこれ考えると、現在は、取っ手も布で作るに至っています。
このようにパーツのみで一度縁をぐるり1周にって、8角形のとんがりをしっかり出しておくことが綺麗にできるコツの1つ。
ストレッチフクレジャカードという生地は、薄手で折り目が付けやすくて、角がしっかり出てくれたので出来上がりは期待できます。
厚手すぎるとふんわりとなってしまい線があいまいで、あまり綺麗にできない傾向があります。
このような小さなパーツでも、ハード薄芯まで貼ることで、うんと丈夫なタブになります。
タブは全体を支えるので大変重要な箇所。
ここを薄くあっさり作ってしまってあるのがレザー製品。
ブランドのスタイリッシュなバッグのショルダータブがちぎれることが起きていた過去があります。
スタイリッシュに映ることを重視して薄くしてあること、元々ハンドバッグに附随しただけのショルダーであった過去のバッグの流行の傾向があったと思います。
しかしながら、ここ近年は、ハンドバッグよりもショルダー、リュックと体に負担の少ないデザインに変化しつつあります。
よって、よりタブの存在は重要になってくるというわけです。
やはり、この生地にはゴールドのDカンが合いますね。
取っ手は2cm分中へ隠します。
縫い付けは、一番上の横のラインを返し縫3度、周囲を2度のステッチで固定。
なじんで見にくいですね。アップにしてみます。
更に寄ってみます。
最初は粗裁ちで四角く裁断して、縫った後で余計な縁をカットする方法でこうなります。
このように作るととても安心できます。
以上がここまでの今回の進捗具合でした。
いろいろなパーツの裏側をご紹介致しました。
あとがき
今回の複数パーツについてそれぞれ、意味が込められていることがお分かりいただけたかと思います。
長く愛用されるようなものをどのデザインのバッグにも組み込んでいきたいと思っています。
こういった細かいパーツも、ちゃんと意味が入っていると、「深みのある品物」なれます。
なぜ、この形なのか、それが苦肉の策の末行き着いた形であればあるほど、はっきりとしっかりお伝えできる「哲学」になります。