セルヴィッチデニムを縫製して何を作ることが一番望ましいのかの研究、赤耳をフリルの先端にデザイン性を出した敷物【272】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

セルヴィッチデニムはごわつきのある丈夫な味わい深い生地です。

使わないとのっぺりしてつまらないもので、使って白っぽく経年することこそが素敵になると言われています。

このたび、セルヴィッチデニムのインテリア内での使い方はないであろうかと、【271】の記事で試作しました蓋付きのボックスに引き続き、ペット用のサイズのラグマットを作りました。

セルヴィッチデニムにはイメージが程遠いフリルを楕円の周りに装飾したところにもご注目を。。

このフリルがただの飾りではなく、ラインの出方の難しさをフリルで隠すという機能を入れ込んだものです。

綺麗に作ればそれで事足りるのですが、おそらくデニムの楕円というのも簡単ではないと思うのです。

そして、セルヴィッチで作ったのだという「証:あかし」として赤耳も表に登場してもらいました。

デニムマニア様にはぜひ興味深く出来上がりをご覧いただきたいものです。

形を楕円系に選んだ理由は、ひっくり返しで角が上手く出ないことからのもともとのアイデアだった

セルヴィッチデニム14oz:真ん中に楕円型紙、縁の余り部分の両サイドの赤耳を7.5cm巾で縦にフリルに利用。

まず、長方形は、デニムの場合角のひっくり返しが困難であろうということがまず1つ。

そして、長方形が溢れるほどの量すでに存在しているようだということで、レア感ある楕円にしたいと思いました。

楕円の周囲にセルヴィッチ(赤耳)でフリルを装飾します。

このフリルは7.5cm巾の型紙を使用して、出来上がりが6cm程のものになります。

そうすると、スペースも両サイド分で10cm強広がるというものです。

楕円のカーブを描く自作コンパスの作り方

今回のような横の長さが60cm以上もあるパーツのカーブの部分は通常の文房具のコンパスでは不足です。

大きなコンパスというのもあるかと思うのですが、自作方法が簡単でスムーズです。

まず、型紙用紙を5cm幅に縦長にカット。そして、目盛りのきりの良い所に目打ちで穴を開けます。
半径の先端に目打ちで穴を開け、手前を目打ちで固定しながら、ペンや鉛筆を刺して動かして描きます。

このやり方結構正確で、コンパスと同じことを手作業で行うだけです。

いろいろな長さに応用できるので、ほんの一部分のカーブも大きな半径の円の一部を使うと大変美しいラインになります。

このやり方で、バッグのフラップのカーブを美しく作図できます↓。

以前作ったこのようなクラッチの蓋の先端のカーブも、大きな円の一部を利用していたのです。

カーブが入るバッグは、是非円の一部を利用するということをやってみて下さいませ。

カーブラインの美しさは円がダントツだと思っております。

フリルの仮縫いの回数は2回、フリル作りの1回目とフリル取り付けの仮縫いの2回目

さて、長い長いフリル、本当は1つなぎが望ましいですが、そのようにも行きません。

今回ハギ目を最初と最後以外に、2箇所作りました。全部で3mの長いものです。

ぐるり1周はざっと1.7mだったので約2倍弱といった長さ必要です。

ギャザーだと2倍強必要だった過去がありましたが、タックは少し少な目で良いようです。

ギャザーというよりタックですが、目分量でだいたい同じ幅に。。

3段階踏みますが、まずはギャザー単独で縫い固め形をキープします。

そして、次に楕円の本体へ縫い付けます。

まだこれも実は仮止めです。縫い代1.5cmの内側に収まるよう1cm程度の縫い代で1周フリルを固定。
本体2枚の縫い合わせ(中表):ひっくり返しやすいように平らな部分を多めに開けて返し口とします。
返し口を縫い閉じるのも兼ねて、ぐるり1周ステッチで楕円の周囲を固定。

これが3度目の縫いとなります。

ここまで念入りに段階を得た縫いをしているので、作りは丈夫なものです。

デニムとフリルのミスマッチと希少性

表面:サイズ(フリル含まず)縦41cmx横56cm、(フリル含んで)縦54cmx横68cm。
裏面:次回からは、継ぎ目の部分をもっと工夫します。縫い代を完全に隠すのがマストです。

ここへペットの小動物さんにくつろいでもらうのですが、果たしてこのようなごわごわした感触を気に入ってくれるのかどうかです。

ふんわりした方が多少良いのかなと考えましたが、今回のぺたんこでもかなりマットとしては有効です。

ペットの動画を拝聴させていただきますと、今のペット用マットはとても質もやわらかでふんわりしています。

とても製作のものが及ぶものではありませんでしたが、デニムマニア様には少し反応していただける赤耳使いがあります。

フリルの先端には、赤耳が表れます。こんな赤耳の使い方が新しいかもしれません。

最初に裁断の場面の写真があったのですが、セルヴィッチの生地の幅が70cm-80cmの間分くらいの幅しかない狭いのが特徴です。そこへ、ど真ん中へ楕円のパーツを置き、両サイドの余りを赤耳とともに余すところなく使用して、このマットが出来上がっています。

悩みとしては、楕円を2個並べた長さとサイドのセルビッチの長さが両方を足しても周囲のフリルの長さに届かないところです。

そんなに甘くはないもので、大まかには1m分程の赤耳が不足します。

ここを何か工夫をして別のアイテムとの組み合わせの裁断をすると完全に生地を有効に使えることになります。

なかなか入手の困難なセルビッチデニムの日本製。

まずはこの生地を扱うことができることを有難く思っていますのでめいいっぱい隅々まで使いたいのです。

あとがき

セルヴィッチデニムが一番価値が出るアイテムは、「日常に頻繁に使われるもの」だと思います。

なにせ、擦れたりしながら白っぽい味わいが出てくるわけですので、そのままの静止状態だと生地の風合いに変化がなくて価値が落ちるからです。

また何かアイデアがひらめき次第製作してみたいと思います。

これだけ品物が溢れすぎている世の中ですので、「意外なアイテム」というのがキーワードだと思いますが、紺色というところがひっかかりますね。

黒のセルヴィッチデニムが見つかるともっといろんな用途が見込めますが、ネイビーが大半ですので、余計に利用機会がこの色のせいで見逃されているのも事実です。

ネイビーカラーだからこその利用の難しさは黒好きな者としては特に意識するところだったのでした(^_^;)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

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