経糸が綿100%と緯糸が麻100%の味わい深いデニムライクの生地にダイヤキルトの大きめナップサック、カジュアル素材を瀟洒に製作【1417】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ2年くらい研究しながら製作してまいりましたナップサック型。

この半年くらいでは当初のトート型から、楕円底型へ変更しています。

そして、更にアンケートによるニーズの調査結果から、縦が40cm程度の容量の大きなタイプへと寸法を大きく改良。

寸法を大きくした新しい型紙での製作がこのたびの第一号。

この度のナップサックの完成をもって、今後ずっと作り続けていけるかもしれないという感触を得ました。

このデザインが完成型になった時には、「共有型のハンドメイドバッグ」の活動らしく、ノウハウをコンテンツにまとめていきたいと思います。

こうした「伝える」活動は、様々なケースにも対応できるようなすべてをカバーするオールマイティーなものでなければならない、そこがコンテンツ制作のお仕事の神髄なのではないかと考えております。

では、この度完成しました「ナップサック:大きめ」どうぞご覧くださいませ(^-^)。

大きめの縦40cmのナップサックの完成、デニムではごわつき過ぎる難しさを解決してくれた「デニムライク」生地の絶大なる可能性

「ナップサック(大)」:<サイズ>縦42cmx横32/42cmxマチ18cm。巾着を広げると正方形フォルム。
<表地>綿麻ネップ、経:綿/100%、緯:麻/100%、日本製。<裏地>先染リネン、麻/100%、日本製。

表地と裏地の生地同士の雰囲気や風合いのバランスを重視、同じ麻を共通に節がたくさん入り混じるコンビの素敵さをお伝えできればと思いました。

元はカジュアルな素材ながら、これを上品に作っていくには。。ということをよく考えながらお仕立て致しました。

その願いは実現できたと思います。

このデニムライクの生地、本当のセルヴィッチデニムに比べてごわつきが半分くらいであり、ブロードなどよりははるかにデニムっぽさが感じられる中間的厚みなのです。

出来上がったタブやショルダーベルトも、接着芯とステッチが重なることで、しっかりとしたものになりました。

ただ、あくまでも「ナップサックというサブバッグ的存在でありたい」というスタンスを貫きたいので、金具は最低限のDカン30mmのみ。

これ以上の「ナスカン」や調整用の「線コキ」無しで完成できたミニマムさこそ、サブバッグらしい出来上がりになったと思います。

あとがき

しばらく、この型紙で生地をどんどん替えながら製作を続けてまいります。

そして、高級生地を表地に使用のバージョンにも手を付けるつもりです。

一度裏地キルトを作ってしまうと、そのすっきり感にやめられない・止まらないの感覚が走ります。

裏地のみではどこかに皺が起こりますので、今後少なくとも裏地には共通してキルトをかけると思います。

表地はキルトをかける必要のある場合と、素材そのものを活かす厚手の場合とで分けて判断してまいりたいと思います。

トート型はハギ目が多いことから取りやめ、角が出来擦れが起こりやすいデメリットを解消した楕円底に変化、そしてサイズもニーズに応じたたっぷり感で、このたびはまずまずの出来上がりでした(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

側面+底面合体の「丸底型」のナップサックの新モデル、キルト柄・プリント柄などすべてをカバーする悩みの少ないデザインです【1403】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2007年から足を踏み入れた「ハンドメイドバッグ道」。

最初の一重仕立てからの技術アップの階段を上り、何度も失敗しながらようやく15年経過の今、胸を張って「技術が高まりました」と言えるように。。

とはいえ、今後も引き続きこの活動を続け、同時にノウハウを多くの方へ伝えていく活動も足を止めることなく続けていきます。

このたび完成しました新しいモデルの「ダブルナップサック」は、これまでの製作のいろいろな変遷が1つの形になったものになると思います。

作りやすさ・美しさ・機能・おしゃれ度を詰め込みまして、このモデルを引用してどのような素材を持ってきてもカバーできるものへと生まれ変わりました。

これまでのトートバッグ型はたしかにナップサックらしさもありゆったりとしていたのですが、2枚ハギなので、ハギ目の柄が繋がらなかったことで、無地は良いが柄物は注意する必要があったり、キルトの柄がそもそもハギ目まで合わせることに行き届かないなどの条件付きだったのでした。

新しい丸底デザインの場合、構造が異なり、側面+底面の2枚ハギですが、底面が完全に隠れるので、側面は一続きの1枚で行けるのです。

このことで、すべての柄物・キルトにも対応できることになりました。

サイズ感に関しては、アンケートも実施致しました。

今後サイズは変わるかもしれませんが、どうぞ完成の丸底型をご覧くださいませ。

3種の生地を使うバッグはもはや「コーデ」の1つ、またとない組み合わせをしながらおしゃれ度を高める

「ダブルナップサック:新型」:<サイズ>縦34cmx横23cmxマチ15cm。

縦長気味なコンパクトさがさっぱりしたモデルです。

<表地:オリーブグリーン>リップクロスバック地、綿/100%、日本製。
<ショルダー・ホール:タータンチェック>ネップ混チェック、ポリエステル/65%、綿35%、麻/5%、日本製。
<裏地:オフ地マルチチェック>生地名不明、混率不明、原産国不明です。

すべての事業活動での強味のようなもの、「コーデが得意なこと」を活かし、複数の生地を組み合わせたまたとないバッグになる可能性です。

しかし、このことも、ご共感いただければ一緒に楽しんで同じようなスタンスでバッグ作りの仲間が増えると非常に嬉しいです。

底の強度を高めるためにひそかに内部で行ったこと、「ブランケットステッチ」と「二重縫い」

内部の底の部分は、こうした楕円底では丈夫にする必要があります↓。

「ほつれ防止」「強度を高める」の両方で「ブランケットステッチ」をハンドステッチしています。幅1cm。

そもそも底の1周の縫いは、二重縫いですので2周しておりまして強度を徹底、1周のみでは心配で夜も眠れません。

縫い代1cmの内部の範囲内で「ブランケットステッチ」をした効果は絶大。

この度の裏地は特にほつれやすい生地でしたので、崩れ防止の効果がより一層あり、崩れを防止するということはそこから縫い目に到達しないための防波堤のような役割になってくれるのです。

決して、ハサミでカーブの周辺を細かくカットすることはしない意向、強度の方を大きく重視するためです。

そして、下の図なのですが、赤の同じマーク同士を部分的に縫い代1cmの内部の範囲で返し縫い2cmくらいずつをして固定。

全部で8箇所を固定し、ぴったりと底面を互いにくっつけ、ずれにくいように馴染ませるのです。

同じマーク同士が重ねる部分だという見方をしてくださいませ。すべてを1周するのではなくあくまで部分的です。

巷のナップサックはここまでやっていない、地道な4本ステッチの美しさをたっぷり活かすショルダー

出来上がりが1.2cm程の巾着ひもですが、全面に接着芯を貼り、四つ折り観音開きで4本ステッチが均等。

こうした密なステッチのおかげでひもにハリコシが生まれます。

一方、「巾着ホールタブ」の方は絞った時の融通性が必要なので、四つ折り観音開きではなく、もっと平たい真ん中に向かって左右三つ折りの均等タイプ。

最初から選ぶ際にそこそこハリコシを持った中間的な生地を選ぶと良いのですが、薄手でも更に「ハード薄芯」を入れることで可能ですので、厚みがあり過ぎなければ条件はそれほどありません、無限の可能性なのが非常に喜ばしいことです。

「巾着ホールタブ」x10個の設置、サイドの中心は避けて左右対称の配置が望ましいのではないか

両サイドは「巾着ホールタブ」は除外するべきところを間違えてしまい設置。ここだけひもを1本で対応。

本来サイドの真ん中位置は避けなければいけなかったのに、間違えてここに設置してしまいました。

そこで、その場所には、片方のひもだけを通すということで対処。

ただ、次からは、サイドの中心を避けることで絞った時にすべてのタブが均等に絞られるようにしたいと思います。

遠目で見ると、オリーブグリーンとタータンチェックのコントラストが素敵です。

あとがき

冒頭で書きましたアンケートについてなのですが、このたびのサイズ、縦34cmx横23cmxマチ15cmの横の23cmは少し小さい気がして引っ掛かっていました。

そこで、①縦34cmx横23cmxマチ15cm/②縦34cmx横30cmxマチ15cm/③縦40cmx横30cmxマチ15cmのどれがお好みかをYouTubeのアンケートに掲載とスレッズのアンケート機能でご意見を募集。

「少し小さいのかな」と感じた予想がどのくらいのものなのかということです↓。

半分正解であり、アンケートにより、1サイズに決め込むことはないと思いました。

大きなサイズの③もちゃんと選ばれていましたので、2パターン「大」「小」のそれぞれのサイズ感の役割りがあるのだと。

できるだけ、思い込みや固定観念に縛られないために、現実的なご意見を取り入れることは時には大変有難いです。

そして、更に、「大」に対してのショルダーの幅のバランスをそろえ、太くすることも決意。

次回は、「大」の型紙製作というタスクが生まれたのでした。

そちらも後日の記事でご紹介してまいります。

このたびの完成品に関しましては、大変手ごたえを感じております。

流行の無い、ミニマムな、それでいておしゃれなナップサックになればと引き続き別の裏地を集めながら、同じオリーブ生地の表地でどんどん製作してみたいと思います(^-^)。

このモデルはこれで限界、トート型の底が四角いタイプをそろそろ終え丸底への意向を考えたハギ目のキルトのダイヤ柄の不一致【1402】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1年もの間、製作途中のキルトシートを寝かせてしまいました。

そして、このたび、1年ぶりにその続きを完成まで無事に終了することができました。

このたびの製作は、今後のデザインをしっかりと決めるための重要な製作です。

というのも、これまでの底の四角いトート型から、丸底へ移行しようとしているからです。

理由は、ダイヤキルトを頻繁にかけていく際に、キルト自体の柄がハギ目の多いトート型では合わない箇所が多数だからです。

せっかく丁寧にお仕立てしても、キルトの不ぞろいが足を引っ張るならばと、柄合わせとは比較的無関係な丸底へ移行することを決意しました。

裁断途中のものがまだあるので引き続きトート型が出来てくるかもしれませんが、このモデルではラストに近いということで見て下さればと思います。

夏きっかけで出会っていただければと、8月に完成のレースカーテン地素材のダブルナップサック

ショルダーはDカンと連結、入り口は、巾着ホールタブなので口がきゅっと閉まります。
内部にポケットをキルトの中に埋め込みます。やり方はこうしました↓。
ポケットのくり抜きとぶつかるところのステッチを避けるように、ボックスを作図。ステッチは手前でストップ。
キルトは内陸部にも待ち針をすることで、しわやタックができることをを解消します。
そうしますと、表から見るとこんな風に横に細長くステッチの無い空間ができます。
そこに、隠しポケットを当てはめます。糸がちぎれにくいハンドメイドキルトがポケットを邪魔せずできます。
隠しポケットには、フラップが付きます。現在のポケットはこのデザイン性と安全性ある仕様に特化しています。

あとがき

モデルチェンジをしたいという思いは、ある程度技術が高まった証だと思っております。

本来謙遜するべきことなのですが、ここへ来てやっと、「良い物を作っています」と言えそうなところまで来ています。

ちょっとした自信の無さや、胸を張れない姿は、どこかに追求し切れていない部分があるからではないかと過去を振り返ります。

思えば、思い切った選択をしてきたものでした。

「良質に作れない物は作らない」ということで、デザインを精製してここまで来ています。

丸底はそれなりな悩みも出てくるのかもしれませんが、ここまで作ってきてもダイヤキルトのピッタリさが無いことが気になるハギ目の多いデザインのトート型を見直す選択は間違っていないと思います。

「黒」「ジャガード」の2つの共通点を表地・裏地それぞれに配したナップサック、黒のプレーンな馴染みある同アイテムとの差別化【1334】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび1点ナップサックが完成しました。

一度やってみたかった究極の黒のみのカラー配置。

表地と裏地がそれぞれジャガードで柄の形がリンク、黒のみの平凡さを大きくおしゃれな方向へ可能性を広げてみたかったのです。

黒のみでここまで表現可能、幾何柄ジャガードに相性が良いダイヤキルトの表地と、ユニークなカットジャガードの幾何柄を裏地に足並み揃えたナップサック

「ナップサック」:<サイズ>縦29cmx横31/46cmxマチ15cm。

表面に「ハード薄芯」を当て、5cmのダイヤキルトをかけています。

結果的なことですが、表地も裏地も薄手なので非常に軽いです。

次にひっくり返して内側を見てみましょう↓。

<表地>ポリエステルジャガード:プリズム、ポリエステル/100%、日本製。<裏地>カットジャガード、綿/100%、日本製。

裏地がカットジャガードの部分以外のベース地が薄手で黒の接着芯の糊の点々が透けてしまいました。

致し方がないのですが、薄手の方を裏地にしたことは確かに正解でした。

表地は、薄手ながら目の詰まった織りがされた全体に柄が散りばめられたジャガードですので丈夫です。

そこへさらにダイヤキルトステッチで丈夫に固定しています。

このたびのようなジャガード同士の組み合わせは、のっぺりとした黒無地と比べて立体感があります。

表地のみならず裏地も同等の、柄同士の組み合わせは、大小の柄の大きさに強弱が付き、類似の幾何柄であることで相性良いコンビになりました。

黒同士のコンビも良いものです。

ジャガードの良さを面白く使わせていただき、真っ黒なのにまるでコーデしているような気持ちになったことも、製造しながら作り手としての楽しさを味わえました。

【お詫びと訂正】動画内で、「カットジャガード」を「カットして貼り付ける」とお伝えしましたが間違いです。

正しくは、映画などの「カット」のように途中で「ストップ」の意味。

「カット(休止)を入れて糸を替えながら変化を出して柄にしていく手間をかけたジャガード」というのが正解。

大変申し訳なかったです、勉強不足でした<m(__)m>。

あとがき

以前にYouTubeにご質問いただきましたが、この表地の「プリズム」という名前の生地は、別の生地屋様では同じ生地を「プリズマン」とネーミングされていました。

いずれにしてもうまく付けられた名前だと思います。

イメージが湧きやすく購入威力をそそるエレガントな生地です。

この生地ともう1つ類似の生地は少しのデザインの違いがありますがほぼ同類。

どちらも定番生地で「大塚屋」様では、「衣装コーナー」でお世話になりました。

ハンドメイドバッグを製作する際にエレガントな雰囲気のバッグにしたい場合、裏地にもご利用いただけそうですので、是非ご注目下さいませ。

左:ジャガード(黒)/右:ジャガード:プリズム(黒):類似ですが少し違いましてどちらも素敵です。

これまで裏地にしか使用してこなかった生地をこのたび初めて表地に使用してまいりました。

キルトのおかげで裏地っぽい薄手でも表地になれるという可能性を感じていただければと思います(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

貴重なセルヴィッチデニムの茶を使い切る瞬間が分かるバッグ、事情がある限られた生地ストックの申し訳なさをおしゃれ度で巻き返す【1330】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、ナップサックが1点完成。

両面が使い分けられるようなバイカラーになっています。

更に両面共パッチワーク仕立て。

バイカラーしかり、パッチワークしかり、生地のストックがラストだからこその事情から生まれたデザインです。

「はぎれ」をどんな価値観で受け止めてもらえるのか、「ラストであることの希少価値」なのか、それとも。。

とにかく何ら事情に関係なくいつもの丁寧なお仕立てでお作りしたことに変わりはありません。

4種もの生地を使いながらすっきりとまとまった優しいカラーの世界観、内部も奥行きがあって楽しいナップサックになるといい

「ダブルナップサック」:<サイズ>縦29cmx横31/46cmxマチ15cm。ナップサックの横顔。

なんとなくイメージだと背負う部分が薄い色の方、背中部分の人の目に映る方が濃い方のイメージを持ちました。

実際に、セルヴィッチデニムの11オンスの濃い方がもともと生地のストックが最終で片面しかなかったところへ考えた案。

同じ分野の生地で歩調を合わせたのです。

全く同じ生地はもう今は見つかりません。

類似とは言え、セルヴィッチデニムはほとんどが濃紺カラーですので、カラー展開はそれほど豊富ではないのです。

何とか見つけたのが、イエローベージュのこの生地、おそらくライトオンスの部類の9オンスあたりかと。

1オンス違うだけでも結構変わってきますので、そういった感覚です。

<表地:カーキ茶>セルヴィッチデニム11oz、綿/100%、日本製。

<表地:イエローベージュ>セルヴィッチデニムライトオンス、綿/100%、日本製。

次は、内側の様子です。ひっくり返して分かりやすく見てみます↓。

内側にも2種類の生地を使用。フラップを開けると「片玉縁風ポケット」が設置されています。

<裏地:パステルカラービッグタータンチェック、混率不明(ポリエステルやアクリルの可能性)、原産国不明。

<別布:サンドベージュ>ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。

各ポイントに違う種類の生地を配置していますが、裏地と巾着ひもホールタブはチェック、ポケットパーツ全部と巾着ひもパーツとDカンタブはナイロンオックス生地です。

それぞれ配分よくストックの生地を効果的に消化しながらのジャッジでした。

ビッグチェックの柄が自然につながりゆったり広く展開され、可能な限り美しく映るようにと。

生地の向きよりも柄合せを優先することをお勧めします。

裏地のサイドの柄合わせ:左右が対象であり、段差がないのは、何よりも整然とした内部の風景には重要です。
底面の柄合わせ:ちょっとずれてしまいましたが、可能な限りを尽くした上下のみを合わせた結果です。
表地のサイド:パッチワークもブロック柄であるという考え方。左右のハギ目に段差が無いように合わせました。
表地の底面:ハギ目の縦柄を上下で重なるように裁断してありましたので、このように上下のハギ目が合致。

あとがき

その後なのですが、有難くこちらのお品はご購入いただきました、本当にありがとうございました<m(__)m>。

どんな事情や背景があって作られた1点のお品なのかは、製造者のみが知るところ。

知らせるも秘蔵するのも製造者にかかっています。

ピクチャレスクとしましては、おしみなく情報をアウトプットするというスタンスをとっています。

なぜなら、「実直にお伝えすること」この精神こそ一番重視しているからです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

肌着みたいなテレコニット素材がナップサックになったことで感じた服地のバッグへの可能性、バッグも部分的には肌に触れる小物である【1328】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび「ナップサック」が完成。

オフカラーと優し気なブラウンカラーのコントラストがエコロジー、親しみやすく思わず触ってみたくなるような風合いです。

これらがストック生地の中でも最終のグループの残布であるということに対して、「まさかのコンビの実現」と思っていただければ大変光栄です。

オフカラーには差し色をもってまとめ上げるパンチも必要、2種の生地で作られる意味を感じ、服地さえもバッグになる可能性を広めたい

「ダブルナップサック」:縦29cmx横34/46cmxマチ15cm。

<表地/裏地:オフ>麻テレコニット、麻/100%、日本製。

<部分パーツ:茶色>麻混無地、麻/55%、ポリエステル/45%、日本製。

オフ生地がそこそこストックがあったので、裏地も同じ麻テレコニットを使用しています。

そこで、コントラスト効果も兼ねて、第2のカラーとしてブラウンを同じ麻系で歩調も合わせながら所々に配置。

では、どのパーツにコントラストカラーの茶を配分したかをお伝えしていきます↓。

巾着ひも兼ショルダーと巾着ひもホールタブ:一定の場所に濃い方の色が集まる入口を絞った瞬間が美しいです。
Dカンタブ:細かい部分ですが、「パーツは差し色で」という足並みみたいなもので、タブも茶色で設置。
ポケットのフラップ:ここへ強度を高めることも兼ね、3cmのダイヤキルトをかけました。裏地はキルトは無し。

後で思うのは、フラップもここまでのものにしたなら、裏地にもダイヤキルトをかけるべきであったと。

オフカラーに対して茶色というコンビは、元はお洋服のコーデからの着想、ベルト・靴・バッグなどの小物をオフカラーのワンピースなどに差し色的に所々にちりばめることに似ています。

本体とその他の細かいパーツというバイカラーの分け方で色を変えていくとこんな風に、目立たないオフカラーもかえって際立ちますし、主役らしくなります。

本体パーツに使っているのですからオフカラーが主役なのです。

その他、色が交じり合ったマルチカラーをその中の1色でまとめる役割を兼ねた使い方で柄生地にも有効です。

あとがき

「シンプル」と「粋」は実はイコールではないと考えます。

「シンプル」にはもう1つ「カッコイイ」などという感嘆の気持ちを表すようなテイストが入ってこそ。

どうぞ、素敵な組み合わせで独自のスタイルを閃いて下さいませ、一緒にハンドメイド活動を楽しんでいこうではありませんか(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

和柄のバッグの可能性を示してくれた遠州生地の花柄の味わい、あえて浮き立つ色のダイヤキルトで製作した黒ベースのナップサック【1310】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

大きなハンドメイドバッグの製作の流れの中で見ますと、2023年は、ナップサックデザインを集中的に研究致しました。

ナップサックでは初めてのテイストになるのですが、和風なテイストに挑戦、影のようなモノトーンの和花にダイヤキルトをかけ完成しました。

この先多種の素材での製作の引き出しにと体験、これまでそれほど引用していない「和柄」と「浮く色のダイヤキルト」のコンビのナップサック

【1308】で製作のダイヤキルトをナップサックに仕立てていきました。キルトの向こう側に花柄がある立体感。
完成:ナップサックです。<サイズ>縦29cmx横34/48cmxマチ15cm。墨黒が遠州生地らしさ。

<表地:チャコール花柄>リネン花柄ジャガードストレッチ、ポリエステル/74%、麻/24%、ポリウレタン/2%、日本製。

カジュアルな印象も感じます。

スパン糸であること・ダイヤキルトの浮き立つ糸カラーの選択・縦に筋が入ったかのような織りのがさっとした風合いがコンビニなってこのテイストを作ってくれたのです。

では、裏地の方を見ていきます↓。

<裏地:黒x赤花柄>ポリエステル合繊、ポリエステル/100%、日本製。

こちらはひっくり返した裏地側、表地がモノトーンそのものであることで、赤いお花やグリーンの原色カラーが退屈させません。

ポケットのフラップを表地から利用した意味は、そもそも裏地が足りなかった・周りの柄と切替えコントラストを付けてポケットを見つけやすくする・柄が途切れてもおかしくないという複数の事情からです。

フラップは縦の長さをゆったりめにと、これまでよりも2.5cm広げています。

内側には「片玉縁風ポケット」をスタイリッシュに設置。

「片玉縁風ポケット」の比翼は表地で設置し、袋布の見える部分と合わせています。
ポケットの袋布の手前部分は、手前上の方が裏地と同じ、それ以外は表地で、生地分量を調整した使い方です。
ここ最近採用の「巾着ひもホールタブ」は大正解です。表地が不足した場合も別生地でも良いという融通あり。

本体そのものを折り曲げて巾着ホールの製作は、もう廃止しています。

理由は、どんな生地でも対応できるわけではなく、キルトをかける場合などは極薄生地に絞られてしまうからです。

タブは全部で10個。前後5個ずつを設置していきます。

巾着紐の先端である左右の周辺の前後で計4箇所を互いに近い位置に設置し、それ以外は、その真ん中、更に真ん中と均等に設置します。

巾着が絞られる時には、これらのタブが真ん中に集まってくるのです。

サイドの中心は避け、必ず前後に対称に付けることは注意点、絞る時のスムーズさに影響します。

巾着紐が飛び出した位置の前後は互いに距離が近いように設定。縫い代含めた3cm端から入った位置です。

あとがき

和柄は大変素敵です。

たった1点のデザインしか持っていなかったとしても、様々な素材や柄を落とし込んで製作していけば、無限です。

その中に「和柄」という分野も取り込んでいきたいと思いました。

日本らしい味わい深い生地に、少し「着物時代」の面影が感じられると外国人様から見ていただいた時に「日本らしいナップサック」になるのではないかと想像。

しかし、柄に頼み込む製作は決してしない、仕立ての技術も並行してレベルアップしていくのです。

昔からある、いつかどこかで誰かが閃いてくれた「巾着」という絞って口を狭める物理的構造の変化。

このことに対して敬意を持って、有難く今後もナップサック作りに引用させていただきたいと思います、本当にありがとう(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ナップサックの口の閉まり方の要はここではないだろうか、巾着ひもホールタブを本体生地とは違う柔らかい融通の利く別生地で設置の成功【1279】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

裁断の生地の残布を集め、パッチワークに仕立て広い面積のシートを作ることで、容量あるバッグを作ることができます。

このたびは、縦12.5cmx横17.5cmの1パーツを片面7枚、両面で14枚を使用したパッチワークシートで作ったセルヴィッチデニム製のナップサック(中くらいのサイズ)をご紹介したいと思います。

ポイントは、本体がデニムという究極の硬さでも、ちゃんと絞れる「巾着ひもホールタブ」の生地の正しい選択です。

デニムは本体のみに使用、別布で巾着紐ホールタブを作ることでデニム/ブロードコンビの口がちゃんと閉まるナップサックへ

裏地:カーキベージュベースの薔薇柄のブロード生地。表地のカーキ茶のセルヴィッチデニムと相性が良いです。

薔薇柄は、綿/100%、日本製になります。

薔薇柄は、アメリカ製が多いと今まで感じてきましたので、日本製でこのクラシックなバラ柄がレア。

こういったデフォルメ感の少ない実写的なバラ柄がクラシックで大人っぽい雰囲気になります。

巾着の口の閉まり具合:デニム生地をそのまま巾着ホールに作るよりも入り口がしっかり閉じられています。

一見うまく閉まっていますが、実のところ、タブの位置が悪く8個しか付けておりません。

その後の徹底的な見直しにより、タブは10個、巾着紐の両サイドには前後共ハギ目に近い位置で設置すると徹底することにしていきました。

リュックの巾着紐は、また別の茶色の生地です:麻混無地、麻/55%、ポリエステル/45%、日本製。

パッチワークの横段のハギ目の位置もぴったりと合ってすっきりとしています。

余計な飾りは決して付けません。

巾着ホールタブ:7.5cmx7.5cmの正方形の型紙から、接着芯を貼り、真ん中に向かい三つ折り観音開きで製作。

タブの型紙は、その後の見直しで、縦10cmx横7.5cmへ修正、もっと融通が利くようになります。

口の閉まり具合:もし、本体で折り曲げてホールを作っていたらここまでキュッとは閉まりません。

当然ながら、動きの多い箇所になるのがこのタブですので、ブロード生地という程好い丈夫さと柔らかさのバランスもポイントでした。

ブロードは薄手の中では多少丈夫でごわつきも感じます。

さらに、接着芯も貼り、外枠と内枠両方をステッチした入念な作りのタブですので、デニム以外の素材であればこのタブには表地より薄手にバランスをとると良いでしょう。

あとがき

セルヴィッチデニムの迫力は絶大です。

どれも平等に製作していても、ニーズとしては、バッグのイメージからはまだまだデニム・帆布のフィードバックが多いです。

ただ、このこともお伝えしたいのですが、「長持ち」を様々な切り口から見ますと、デニムや帆布は「擦れ」による傷みが起きてくるものです。

そうすると、最終的にナイロンやポリエステルであっても使用感の比較では良きレベル。

服地に使われているような生地もバッグに引用し、受け入れてもらえることがこの先の願望としてあります(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

<パッチワーク企画⑩>整然と配列された面を持つベージュ系パッチワーク、軸を失いがちな多種の柄とカラーに特徴を強めた【1208】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、<パッチワーク企画>の最後の4点目の製作が終わりました。

<はぎれ>という分野としては、ここまでの道のりは随分長いものでした。

パッチワークシートを作ると言っても、1点のバッグなので4シートを作るところからのスタートだったから無理もありません。

1枚のシートは縦4列横4列で16パーツで成り立ち、4面必要ですので、全64面のパッチワークで1点のナップサックができているのです。

この次の記事番号【1209】では、4点が勢揃いしそれぞれの違いを見比べながらのの総まとめをアップ致します。

このたびは、最後の4点目の仕上がりをその特徴と共にご覧いただければと思います。

黒が入らない中間色の集まり、パッチワーク64面で出来上がったまるでレンガのおうちのようなベージュ系ナップサック

最初の方の1-2点目で黒ベースを多く使い、残りの3-4点目ではカラーが際立つ出来上がりになりました。

このたびのラストを締めくくりますのは、全体から感じるカラーが「ベージュ系」。

外面はベージュ系で、内側はオレンジやブロンズベース、マルチフラワーも柄がかわいく賑やかです。

一番整った配列の面:<サイズ>縦29cmx横34/47cmxマチ15cmです。この面が1つあることが特徴。

ナップサックは両面自由に背負えますのでこうした整った面も入れていくと、かえってバラエティーに富む使い方ができるのではないかという解釈です。

ややぼやける面ですが、この感じが例えば無地1色のワンピースなどには効果的な装いになることがあるのでは。
片方の側面:4種のパッチワークが混在しています。お花の種類が違うことをカラーの類似でカバーしています。
もう片方の側面:それぞれの角度で表情が違って面白いです。ショルダーの立ち上がりは強靭さの表れです。
底面:可愛らしい小花柄がすっぽりと底面へ隠れてしまいましたが階段やエスカレーターでは人から見られます。
内側:賑やかです。4点目となると残りの生地で組み合わせる難しさがあり、ここに反動が来ているのかも。。
ポケット:こんな風に無地ライクの面の中にポケットを付けることでやや物足りなさをカバーしました。

4点目は製作者も慣れまして、スムーズに進んでいきました。

シートにステッチをするところからのスタートで3日間の完成、1日の作業時間は、だいたい平均3-4時間ずつでした。

とにかく、パッチワークシートを作る前の段階の方が日数を要します。

考えてみれば、あのはぎれの山がこのように、4点目の最後の終了をもってすっきりしたことが感無量なのでした。

あとがき

生地の厚手、薄手が混在するパッチワークの寄せ集めの場合に、注意したいこと、あまりにも薄手の生地には、もう1枚接着芯を余分に貼り他のパーツと厚みを調整することです。

そのタイミングは、シートになって、表側からステッチで固定していく際に行うのが望ましいと思います。

そうすることで、ハギ目の両割れが綺麗に寝ますのでステッチ自体も綺麗に乗るのだと実感しています。

そういった対策をしないと、皺が薄手の生地に寄り集まり、ラインがゆがむことがあり綺麗ではありませんでした。

パッチワークにありがちな厚みの差はこうして埋めていくと良いのではないかという1つのメソッドです。

では、次回【1209】が<パッチワークシリーズ⑪:最終>で、4点同時に登場し見比べますので、是非ご訪問下されば光栄でございます(^-^)。

<パッチワーク企画⑧>黒系にカラーコントラストが入った楽しみ方ができる、前後2面の表情の違いで背負い方を使い分けられるナップサック【1187】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在<パッチワーク企画>と称しまして、パッチワーク生地で作ったナップサックを連続製作中。

全部で4点のナップサックが完成しますが、このたびは2点目の完成品をご覧いただけます。

表地も裏地も共にパッチワーク、どんな並べ方をするのかという前段階の部分こそ非常に大変でした。

【1178】では1点目の完成品がご覧になれますので、もしよろしければお立ち寄りどうぞ。

このたびの2点目の特徴は1点目と同じ黒系ながら、モノトーン色のみでまとまった1点目に対しては、カラーが差し色に入ってくる点が違います。

そして、もう1つの特徴は、初の試みである「後付けポケット」を取り付けたことであり、これはとんだ「ミス」から生まれた考案でした。

ナップサックに吊り下げ式ポケットを設置、邪魔にならないスタイリッシュな仕上がりは巾着ホールの位置

バッグの内側のポケット:取り付けは巾着紐ホールのステッチに重ね、返し縫いで留めました。更に縦にも固定。
できるだけ余計な縫い目は見えない方が良いと巾着ホールのステッチに沿ったのですが。。
しっかりハギ目を合わせてステッチしなかったために、縦が左にずれてしまいました。待ち針するべきでした。

細かい部分ですが、ピッタリ表地と裏地を合わせてステッチをかけるべきでした。

そこは反省と学びです。

2点目のナップサック完成:縦30cmx横35/49cmxマチ15cm。
こちらを背中に見せる使い方もOK。
横顔。この両面使いタイプこそ横顔が素敵に映ることも特徴。そこに置いているだけでも見応えが生まれます。

せっかく両面使いが違う雰囲気で楽しめるナップサックですので、使用していない時にポンと何気なく置いているだけの様子が素敵であるというシーンもあるということを意識すると良いです。

ナップサックは昔からあるアイテムで学生時代のサブバッグにもみんなが共通に使っていた記憶があります。

キューットひもをしぼることで、入り口を開閉する役割と同時に、そのままひもがショルダーになるという、なんという無駄のない機能であることかと先人のアイデアに感嘆。

このシンプルで無駄のない必要最低限さこそがクラシックであり瀟洒なモデルなのではないかと。

あとがき

この<パッチワーク企画>でナップサックを作って行くことの意義の1つとしては、材料の調達が新品の生地ではなく、はぎれであるところに非常に意味があるということです。

確かに新品の生地だと、スムーズに短い時間で仕上がっていく簡単なアイテムです。

このはぎれの場合、パッチワークであることで日数をかけていき、過去の使用済の生地の余りの部分を見ることで、一度取り扱った経験があるその思い出のようなものがふんわり浮かんでくるのです。

しかもその生地がバラバラでたくさんのストーリーが詰まって1点になっているという構造こそが深いのです。

ここまでして時間をかけてでも作るのかどうかの手間のかかる選択は他にもあるでしょう、そんな時に思い浮かべたいのは、他ならぬ「製作の背景」です(^-^)。