現金中心に考えられている現在のバッグからキャッシュレスな次世代型のバッグへのサイズの改良【67】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の記事は、<はぎれシリーズ>のカテに属します。

はぎれシリーズも今後投稿をたくさん増やしていきたいと思っております。

私の場合、YOUTUB及びとこのブログでご紹介してまいります出来上がりの作品は、商品として販売させていただく商業利用製作がほとんどです。

楽をしながらゆったりと簡単に製作するということもありだと思いますが、どちらかというと、事業として通用するようなお品を目指すにあたり、妥協部分を無くし、本気のお品をご紹介するというスタンスです。

そこに実際に販売するのだからこうするのであるという、答えみたいなものがはっきりとしていて作りやすかったりするのです。

例えば「作り方」ということでも、商品にするものを作っていく過程であると、白地の上の赤い糸でお見せするというような場面はあまり出てきません。

実際の布地になじんだ糸の色だったりする点をご紹介したりすることが現実的なので、見た目はやや見にくこともあるかもしれませんが、それが「実際の場面」であるということで、リアルにお届けするというものです。

さて、今回は、ストラップ付のバッグのうように持ち歩けるポーチです。

いつもの組み立て式で作るポーチです。

今まで、ファスナー付きは、ひっくり返しの方法がうまくいった試しがありません。

ファスナーを逆さにするということが、無理な圧力なので、美しい形にないにくいものだということです。

そして、無理な圧力でファスナーが開いてくることもあることは何より避けたいことです。

なので、ファスナーを基準にしたひっくり返しをしていくというやり方を現在しておりません。

パープル系マルチカラーのコントラストで組み合わせた生地チョイス

右(パープル系小花柄):表地-ナイロンオックスプリント(はっ水加工)、ナイロン/100%、日本製。
左(パープル):裏地-ジャガード、ポリエステル/100%、日本製。

パープル系の組み合わせです。

ナイロンオックスの生地は非常に整った織りがなされた作りなので、作業しやすく何度もリピートしています。

綺麗にびっしりと出来上がるところがとても有難い生地です。

そして、コンビの、まだら柄のジャガードが美しい生地も、リピートです。

色の展開が豊富で、元は衣装コーナーの生地。

色違いで何度も使用する中で、この程好い厚みや良質さ、そして華やかさに太鼓判を押しています(^-^)。

中表でひっくり返さずして、どうやってポーチに組み立てているのかの様子

まずご紹介したい場面は、芯地を一度にまとめて貼った場面。

いつも小さめパーツも1枚1枚貼っていますが、かなり細かいパーツサイズの集まりであることで、まとめて貼ってみました。

その結果、作業はとてもスムーズでした。

反からの接着芯の裁断が一度っきりでで良い点がすっきりとした製作になります。

粗裁ちという裁断方法です。

左:芯地の裁断はまとめて粗裁ちします。
右:パーツをうつ伏せに置いて上から芯地を載せてアイロンを当てます。

はがすときは、ゆっくり生地を傷めないように行います。

今回は、一番下にはアイロン台のカバーが来ていますが、クッキングシートをアイロン台にフルに長くカットして、その上に置いて行うとはがす時に生地が引っ張られず神経を使うことがありません。

後にこのやり方を取り入れています。

左:貼った芯地の隙間をカットします。
 右:余分なはみ出た芯地をカットして綺麗に整えます。

まとめて、貼った後でハサミでカットの作業が入りますので、カットとしては2度になります。

細かい今回のようなパーツの場合には、こんな感じの接着芯の粗裁ちが向いているのかと思います。

パーツのサイズの違いで裁断方法は使い分けると良いということになります。

そして、もう1点のポイントの箇所は、最後の段階の地縫い場面です。

この作り方は一般にはされません。

左:表地と裏地を中表にしてひっくり返して作った板状の半月パーツ2個をファスナーのサイドに縫い付けました。
右:さらにその板状パーツの縫い線に沿って(端から3mmほど)地縫いをして、組み立て作業をします。
この時に、写真のように、一番上8mm程度を空けてのスタートです。
最後も同じように8mm程度空けて終了しました。
ファスナータブの形を崩さぬように、縫わない部分を作るというやり方をしたのです。

持ち歩けるミニポーチが完成して思うこと

では完成したストラップ付ポーチをご覧くださいませ。

完成したストラップポーチ:<サイズ>縦9cmx横15/17cmxマチ無し。
バッグのようにこのストラップを手で持って持ち歩けます。
ただサイズは10cm足らずの横の長さしかありません。

今回、ストラップの取り付け方が、あまり納得いっていませんのでこの後、もっと良い感じにリフォームする予定です。

一応千円札が入りましたが、折りたたまずに入れるにはやや小さいといった具合のサイズです。

キャッシュレスな世の中に今後なっていくとは言え、まだまだ現在の2019年では現金を持ち歩く文化が継続のようです。

現金の持ち歩きが中心になった文化がまだまだ根付いていることがバッグのサイズ感に見て取れます。

また、バッグの中の物が多い方がいらっしゃいますが、現金の影響ではなく、その他の小物やポーチがいろいろ入っているのだと思いますので、こんな風に小さなポーチ1つに必要なものがまとまる人というのはかなりミニマムな人です。

ただ、何も製造しないよりも、こうして作ってみるとカードだけを持ち歩くミニミニバッグとしては何か1つのご提案になるかもしれません。

あとがき

ひっくり返しをしない組み立て式の構造であるこのたびのような作り方は、私がひっくり返しに限界を感じたことから考案した作り方です。

ひっくり返すやり方のその後を想像しにくく、頭の中に出来上がり構造の展開図が浮かびにくいことと、そういった想像が苦手であった私ならではの悩みでした。

少し革を使った製作に作りが似るかもしれませんが、縫い代を気にせずに組み立てるという単純明快な構造。

しかも縫い代が隠れているようにするには、先に縫い代を隠した表地と裏地の合体のプレートを作っておくことだと考えたのです。

その結果、ファスナー仕様において心配されるファスナーへの負担などは解消されたかと思いますが、プレート自体が、裏地の色によっては、表地の隙間からカラーがのぞくという事態になっています。

果たしてこの構造が、邪道なのか、カラーが見えることで、線が1つ出来上がりデザインになっていくのか、みっともないから隠した方が良いのかなどは、まだ反応が得られていません。

このことについてのどうこうのお話はまだ聞けておりませんが、ただ、「新しい」ということだけは感じていただけるのかもしれません。

高級生地はむしろ共布ひもで♪既製品の江戸打ち紐よりも原価が下がるミニ巾着袋【66】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

はぎれシリーズという企画を現在しています。

高級生地のはぎれを有効活用しようと、小さなサイズの袋物やポーチを連続製作中です。

このたび、フランス製の形状記憶のぼかしプリント素材が結構多めに余っていましたので、これを材料にミニ巾着袋を作って行きます。

はぎれの余り具合としては、なかなかの分量でしたこともあり、エコノミーに共布巾着ひもで行きたいと思います。

一重仕立てで、1面パーツは、サイズが縦30cmx横25cm程です。

決して大きいわけではないですが、はぎれにしては余った方です。それを使い切りたいと思います。

最初に地縫い後2枚をまとめて三つ折りする始末の仕方

詳しくは後で貼りますYOUTUBE動画でご視聴いただこうかと思いますが、今回の作り方の特徴は、最初に地縫いをしてからその後で三つ折りして縫い代を隠す作業をする点です。

まず、上から10cmの地点からのスタートで、両サイドを縫い代2.25cmで一番下までストレートに縫います。
この2.25cmというのは、この後の、三つ折り7.5mmx2回分です。
次に、アイロンで7.5mmずつおり一番上から一番下までまとめて三つ折りし、
今度は上から10cm分のみを端から1-2mmあたりを縫います。
そして10cm地点に来たらミシンをLの字にサイド側へ向きを変え返し縫いで終わります。
右はL字、左は逆L字です。これを前後とも全部で合計4箇所同じことをします。
そして、次に、先程一番最初に地縫いを2.25cmのところにした両サイドの三つ折りを前後とも
1-2mmあたりをずっと一番下の底の先端までストレートにミシンをかけます。
その後、底部分をまとめて三つ折り7.5mmずつして縫い代を隠します。
そうすると先程の、上から10cmの分がサイドよりも余分に飛び出しますので、
再び内側へ7.5mm分折り込み、折ってひも通しのホールを作ります。
そうすることでサイド部分がこの写真のように、縫い目が1つも出ないという出来上がりになります。

少し、説明不足かもしれません。

内側からその作りが見れますのでどうぞ↓。

巾着紐ホールの作り:三つ折りを生地だけで全体にやって置いてから、
巾着ひもホールを上から10cmの分量をとって作りました。

今回は、一重仕立てなので、巾着紐ホールx2倍くらいの10cmをとりましたが、裏地付きの二重仕立ての場合は、ひっくり返し関係で、1cm縫い代をとっても、上から5cmだけ見れば良い点が変わってきます。

そういった意味で、意外なのですが、裏地付きの方が縦の長さを要しないということですね。

これは一見気づきにくいことです。

なので、残布が結構ある場合は、他の生地とのコンビで裏地付きを作った方が価値が出ると思います。

一重仕立てより裏つ付きの二重仕立ての方が綺麗で高級感があることは間違いないです。

完成:ころんとした巾着袋の完成です。
<サイズ>縦14cmx横14/25cmxマチ10cm。

あとがき

コロンとした様相の巾着袋が出来上がりました。マチが10cmもありますが、こんな巾着袋もあっても良いかと思います。

立体的なものや、小さいものにはなりますが箱そのものが入りそうです。

形状記憶生地であることも相まって巾着ひもが丈夫く出来上がりました。

共布紐もいろんな仕立て方があると思いますが、四つ折り観音開きにして、ボックス状に端っこすべてにステッチを入れました。

発展バージョンとしましては、更に真ん中に、もう1本ステッチを入れたりすることでもっと強固な紐になっていきます。

はぎれで作るミニサイズなので接着芯をこの度は貼っておらず、生地も一重仕立てですが、裏地付きで作る場合は、接着芯を貼って作業すると、さらに価値が高まるお品になると思います。

巾着袋は今後も作って行きたいですし、バッグの内側に機能パーツとして設置することもできます。

このたびの製作は、付加価値がどんな点で付いていくのかなどを確かめるなど、学びある製作でした(^-^)。

捨てずに使い方を変えてみる、過去の製作品のビッグバッグを解体した新たな花柄ランチバッグ製作【63】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回ははぎれシリーズの一環としてお作りしましたお弁当バッグです。

お弁当もスリムな感じのマチ7.5cm程度のものにはなりますが、花柄がエレガントでお昼時に心躍る気分になれば♪と作ってみました。

ビッグな洋服収納バッグとしての役割を終えた花柄バッグの別の活かし方

今回の生地はUSEDとなります。

一度大きな買い物バッグにして使ってきましたので、私自身が過去に作ったものをリメイクして作り直すようなスタイルです。

USEDといってもどこかが傷んでいる様子もなく、綺麗なものです。

5年以上前の作品を解体したので、当時に生地情報をひかえておらず予想となります<m(__)m>。

情報がなくて、予想になってしまうのですが、オックスフォード織かと思います。
キャンパス地ほどは分厚くないです。おそらく綿/100%、日本製だと思われます。
型紙は、レジ袋風な大きなパーツとタブのみです。2枚ずつ一重仕立てで仕上げます。
タブは2枚重ねして、ひっくり返して作ります。
カーブの部分のみにバイヤスの伸び止めテープを貼ります。
取っ手の一番上以外の縫い代すべてを7.5mm巾で三つ折りします。
印付けは、1.5cmの箇所に付けると、最初の折り目が分かりやすいです。
その次に折るのは1回目に折った分量と同じ分折るという目安ができるので、
7.5mmx3=2.25cmの箇所に印するよりも1.5cmの箇所に印した方が
折る分量が分かりやすいかと考えました。
タブの1枚のみにマジックテープのオスを縫い付けておきます。
一番難関と思われる箇所のあるUの字がある内側部分の三つ折りステッチからスタートしました。
カーブの三つ折りは難関といえますが、コツもあると思います。
このように右手でカーブを作った体勢でミシンをかけていくと割とスムーズです。
右手で布をひねるということです。
カーブはほんの少しの部分だけですので、あとはプレーンなまっすぐ縫いにすぐ戻ります。
サイドと底も2枚ともそれぞれ縫っていきます。
まだこの時点では縫い代のみの処理となりますので、パーツは分かれたままです。
ここで、いったんタブに戻ります。
先ほど取り付けたマジックテープのオスを片面に縫い付けてある状態のタブを2枚縫い合わせます。
縫い代1.5cmで、待ち針をしっかり細かく留めて、カーブを綺麗に出します。
後になってこの1.5cmという縫い代は1cmへ変えています(ひっくり返しのパーツは1cmの方が綺麗)。
そして、カーブをハサミで細かくカットすることもひっくり返し後のラインが綺麗に出る工夫です。
ひっくり返して、空き口を綴じるのも兼ねてぐるり1周端から2mmほどをステッチします。
タブに縫い付けたミシン目と本体を三つ折りしたミシン目がつながるような位置を縫います。
次に、反対側が7mm程度ぴらぴらしているので、内側面のに端2mm程度を縫います。
これでタブが2重に固定されて取り付けられました。
この後に反対側の本体のUの字の真ん中の上の方にマジックテープのメスも縫い付けました。
ここでネームを縫い付け。
ネームは色が違うのでネーム用の薄ブルーの糸に交換します。
少し見にくいですが、縫い代がまだ見えたままの取っ手のトップを2.5cmほどの縫い代で中表で縫います。
そして割って端を内側に半分折り込んで隠し、端2mm程度を両サイドともステッチします。
これで縫い代が隠れました。表からは、ステッチの線が平行して2本見えることになります。
そしていよいよ、本体を縫うのですが、縫う位置は、中表に重ね合わせた2枚の三つ折り線の溝。
そうすると、そのステッチ自体も表から見えませんし、三つ折りのステッチも隠れて表からは見えません。
サイドからそのまま引き続いて底に行って別のサイドに一気にいくコい字の流れで一気にステッチ。
このあと、アイロンでサイドと底を割ります。
アイロンでサイドと底を割ってある状態でマチを作ります。
7.5cm幅のマチがこのサイズにはバランスが良いようでした。
マチが両サイド縫えたら、マチの縫い線で底側に倒します。
そして、底部分のわずかな縫い代の先端の方と、マチの先端の方とを数度返し縫いをして固定。
これは綴じる作業をしていることになりまして、反対側も同じように行います。
縫い代は2サイドありますけれど、どちらか片方だけ綴じれば十分。
くれぐれも本体を縫ってしまわぬよう、あくまでも、縫い代同士の一部のみを縫い付けるという作業です。
このように両方ともとじることができたら完成です。
底板は無しなので、底側にマチを倒して分厚くしたのですが、
サイド側にマチを倒しても表側からの見かけは変わりません。

完成したバッグに見る一繋ぎの素敵さ

では、完成した状態をご覧くださいませ。

出来上がりです。取っ手は、二つ折りにせず、あいまいにしてあります。

今回は、小さいですが、この取っ手が本体に繋がったデザインの素敵さを感じます。

花柄が途切れないという点で、柄物にこの一繋ぎが相性が良いとも言えます。

もっと大きな容量のバッグに活かすことも出来そうですね。

今回、お弁当と言っても、あまりボリュームあるものは入らず、おにぎりとか小さめのボックスである必要があるなど限定的ですが、こういった様相のご参考にはなったかと(^_^;)。

あとがき

今回のような取っ手も一繋ぎのデザインは、力のかかり方が割と良いと思います。

取っ手を別で取り付ける場合、その取り付けの部分が重点的に引っ張られて傷んだり破れたりもあり得ます。

なので、取っ手取り付けにはそのデザインなりの工夫が必要であるわけです。

今回のような一繋ぎの場合は、取っ手が底部分をグーっと持ち上げていますので、レジ袋のようなサイズでもシンプルにかつ丈夫く出来上がるかなあと思うのです。

ただ、本格的な旅行バッグなどは、取っ手の中にも更に上部で強固にする芯地を入れ込みますので、一繋ぎタイプのデザインは適していないということでしょうね。

いろんなタイプのバッグを使い分けるという意味では、今回のようなデザインが複数の中の1つとして使い道があるという発見でした(^-^)。

新たな付加価値生まれるか!?高級はぎれで作る美しいポーチ【59】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、最近集まってきましたはぎれの行方です。

はぎれも余り方によってはとてももったいなく、そのままにしておくのは惜しいはぎれも多々あります。

そこで、今後の企画が思いつきました。

年末あたりをきっかけに、ポーチ市をWEB上で開催したいです。

特殊な形のポーチばかりを集めて、ピンポイントな使い道をあえてタイトルに謳う...そんなことをやってみたいと思います。それには、少しずつ作り始めねばなりません。

その第一弾として、1つポーチができました。

もったいない面積で余ったはぎれの有効活用例

今回は、黒地にブロンズの薔薇柄のジャガード生地で、単行本が入るポーチを作ってみました。

生地自体が比較的厚手なので、とりあえず手短かに一重仕立てだけで作ってみました。

一重仕立てなので、とにかく三つ折りで隅っこの縫い代を隠します。
まずは縫い代をすべて隠したうえで組み立てて、端っこを重ねてステッチして出来上がりました。
マジックテープを付けて使いやすくしました。これも1つの立派な付加価値です。
フラップを外側に縫い付けました。
外側に取り付ける方が包み込むような構造に出来上がりますのでお勧めです。

後から思うのは、はぎれでも、裏地を用意してきちんとしたものを作ることです。

はぎれだから。。。という固定観念がお品のレベルをコントロールしてしまいます。

せっかくの高級生地。製作には変わりがありません。

こうした小物作りでは、小さいアイテムなのに、よくできた作りを目指していきます。

あとがき

今回の生地はイタリア製の高級な生地です。

高級と言うとどの価格の範囲内?と思われるかもしれません。

1m当たりの単価が¥3,000-¥7,000周辺で立派な高級生地だと思います。

今回の生地がこのレベルに当たります。

あまりにも高級過ぎる¥10,000/mなどのお品は、確かに素敵ですが、じゃあそれほど違いがあるかというと、レア度や産地品であるとかそんな要素もお値段に組み込まれていると感じています。

そうしますと、製作者としては、材料自体のレベルも見ていくことで、そこまでのコストをかけずしても十分であったりもします。

その後のデザインなどの工夫で材料以上の効果が価値になっていくのかを考えることが、それこそがハンドメイド製作だと思うのです。

今回の高級生地は、最高級品も交えた中では中級だと思われます。

では¥1,000/m以下の生地が悪いお品なのでしょうか。

いえいえ、そんなことはないです。たとえ¥100/mの格安生地でも、その良さが一定レベルあれば良いお品は作れると思っています。

また、この安い生地でいかに良いお品を作って行くかということのお話を別の機会にとことんさせていただきたいと思っています。

「生地頼みの製作」というクセは自分自身のアイデアが余り詰まっていなくて、よくないと思っています。

自身で生地の良さを判断して、更に、製作者としての力量を加えて付加価値を出していくものでありたいと思っています。

わずかなはぎれで役立つお部屋の中の日常アイテムを作る-薔薇柄のペンケース製作【11】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「はぎれ」という漢字、「端布(はぎれ)」と書きます。

ところで、一流ブランド品の洋服などは、特に柄をきちんと縦横共合わせて縫製されています。

その部分が、贅沢品(ぜいたくひん)であったり、高級品であったりする証(あかし)となります。

その贅沢に作られた品物の裏側では、材料の生地の多くが採用されずに、処分されていることを想像します。

今回、真逆のことをしてみました。

余った生地を存分に使用して、何か1つの役に立つアイテムを作ってみようではないかというはぎれを材料とした製作です。

素敵な柄は隅々まで使いたい

柄というものは、柄合わせが大変苦労するものと、そうでもない簡単な柄と種類によってかなり差があるものです。

例えば、チェック柄というのは、親しみやすい柄である一方で、この柄合わせに関しては、洋服やバッグやポーチにおいて、縦も横も両方合わせる意識をせねばなりません。

ストライプやボーダー柄であると縦か横のどちらか片方だけ合わせる、半分の手間となります。

また、水玉やドット系のある一定の同じ間隔の柄は比較的柄合わせは簡単で、柄合わせの必要がないものも多いです。

今回のような薔薇柄の場合は、ある一定のまとまりでひたすら繰り返されています。

比較的大きめの薔薇の花が2個隣り合わせの部分が2回出てくることから、2まとまり同じ柄が描かれている1枚のはぎれという見方です。

そうしますと、チェック柄のような縦も横も柄を意識するという方向性の柄の味方になるわけですが、花柄というのは柄の向きも上下あるわけでその辺りは縫い合わせる前にチェックが必要です。

はぎれのうまい使い方で役立つアイテムを作る
今回の使用するはぎれ:ダークなカーキグリーンベースの薔薇柄:縦37cmx横22cm

この生地サイズは、縦37cmx横22cmです。

この柄はお花や葉っぱの向きはあえて方向性が内容にプリントされています。

向きは気にしなくてよいということになります。

この小さい面積のはぎれの中に、柄の同じ部分が2回ほど出てきていることを先ほど書きました。

こういった柄の同じ部分の繰り返しの1まとまりを「ピッチ」と呼び、この面積では2ピッチの柄の現れ方だと言えます。

この生地は、今回の記事の1つ前の記事の【10】で、低反発クッションを作った時のカバーの残りの生地です。

お気に入り生地なので保管しておいたのでした。

ペンケース製作過程

気軽に作れるようなアバウトな製作方法でご紹介したいと思います。

こちらの1枚の生地:縦37cmx横22cmを4等分にして、裏地にもこの生地を使うという方式。そして、ファスナーを取り付けていきます。

裏に芯地を貼ってから、カットしました。

これぐらいパーツが小さいものであれば、裏地をカットする前に芯地を全面に貼ってカットした方がスムーズな作業となります。

そして、今回、丈夫く、強固な仕上げにするために、さらに、表地の方のパーツ2枚のみにハード薄芯を貼ることにしました。

はぎれのうまい使い方で役立つアイテムを作る
ボンドでハード薄芯を貼り、端から1.5cmに印を付けます

そして、端から1.5cmの部分に地縫い線用に印を付けて、上側の口を開けておいて、残り3方を縫います。

アイロンで割り、入り口の空き1.5cmに印を付けて、ひっくり返し、1.5cm中側へアイロンで折り込みます。

はぎれのうまい使い方で役立つアイテムを作る
ひっくり返して、口を縫う準備をします

この空き口というのは、結局は、閉じて、板状のパーツにしてしまうので、1枚の頑丈なプレートを作っていると考えたら分かりやすいです。

はぎれのうまい使い方で役立つアイテムを作る
空き口を縫う時に、引き続き、1周ステッチで固めます

空き口を塗っていくときに、その流れで、そのまま全体にぐるり1週ステッチをかけます。

そして、ファスナーにこの後、縫い付けます。

ファスナーは外に飛び出すので、端っこを、別布の余った何かの生地に芯を貼って、縦6cmx横5cm程のタブを作り、ファスナーの先をくるみこんで縫って包み込みます。

はぎれのうまい使い方で役立つアイテムを作る
ファスナーの頭としっぽに、タブをくるみこんで縫い付けます

今回、このタブが材料の追加となってしまいましたが、そもそも、このやり方に決定するまでに、あらゆる試行錯誤がありまして、何度もほどいています(^_^;)。

裏地を別で作って、手まつりで取り付ける方法なども試みましたが、綺麗に出来上がらなかったんです。

そして、ファスナー本体に2本のステッチで縫い付けたら、表側から、縁のス端から2mmほどのステッチの上をなぞる形で2度縫いで本体を合体します。

はぎれのうまい使い方で役立つアイテムを作る
ファスナー取り付けに2本ステッチを入れ(上の方)、本体をくっつける作業として2回地縫いステッチを表側からかけます(下の方)

はい、これで、出来上がりました。

最後は、大切なボールペン、シャープペンを思う存分入れます。

はぎれのうまい使い方で役立つアイテムを作る
完成したペンケースに入れたペン計8本(まだ余裕あり)

出来上がりサイズは、縦6cmx横19cmxマチ無しです。ぎっしりとペンが入りますし、横の19cmという長さもペン類にはゆとりがあります。

では、YOUTUBE動画も貼り付けておきますので、よろしければ、ご覧くださいね。

    

あとがき

布を隅々まで使うことって気持ちが良いです。特に好きな柄の場合、今回のような小さなアイテムでも好きな柄だと価値が生まれます。

ファスナー使いのミシンは、ミシンが2次元の世界なのが一般なので無理な部分が生じて、どうしても手まつりで手で縫う部分が出てきます。

しかし、手まつりでさえも難しい今回の場合に、私の今回のやり方のハード薄芯を入れて、プレートパーツのようにして、組み立てていくという方法はこういう場合有効であるかと思います。

この、プレート状のパーツを合体のやり方は、小さなものではなくても大きなバッグにも利用しています。

本来、袋物は、ひっくり返して縫い代を内側に隠すやり方が伝統的で主流だと思いますが、このやり方を応用するとうんと可能性が広がることが分かります。

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