定番で永久不滅なベストコンビ、黒と赤タータンチェックの組み合わせをハンドメイドバッグの表地と裏地に使った結果ご購入いただいた【342】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

製作中の「巻き寿司」デザインの途中ではありますが、「テリーヌ」デザインの製作も急ぐものであり、今回割り込みをしました。

割り込み、などということがその都度柔軟に行えてしまえるのもプチ事業者のメリット。

もともとあれこれ同時進行などということは、割と苦にならない性格、むしろ得意な方なのでこういう時にその性質が役立つものです。

では、割り込んでまで優先したという「テリーヌ」デザインの生地、そして途中までの製作場面をご紹介したいと思います。

黒x赤タータンチェックの組み合わせのロックっぽさは永久不滅のテイスト

<表地>ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。
<裏地>ナイロンタフタはっ水加工アクリルコーティング、ナイロン/100%、日本製。

遠目で見ると実際のぱっと見の雰囲気が分かります。

この黒と赤タータンチェックの組み合わせはロックっぽいテイストです。

パンクとかロックのミュージシャン様のパンツのイメージ。

上は革ジャンがイメージされます。

こんなミュージシャン様のアイテムの雰囲気の組み合わせをビジネスシーンに落とし込むのです。

その意表を突いたようなアイデアは面白いものになりそうです。

自身も、このぱっと目立つ典型的な赤タータンチェックについてはあこがれを持っていますが、洋服でもなかなかここまでの典型的な赤タータンは見つからないのです。

多くのヴィンテージ服好きの方はすでにこの柄には注目されているのではないでしょうか。

この赤タータンはバッグの裏地に使いますので、バッグを開けた時だけ広がる世界です。

ビジネスシーンに「笑顔」をお届けできたら良いと思っています。

赤のタータンチェックにグリーン色が入っていることで少し柔らかい雰囲気になっています。

進捗度のスムーズさはナイロン/100%ならでは

実は、ナイロン/100%は縫いやすく、進捗度は高めです。

ハリコシがあるとどんな作業もしやすいのです。

反対に時間がかかってしまうのはとろんとした柔らかい生地ですね。

バッグの場合、生地1枚の風合いはあまり関係ないですし、むしろ、とろんとした生地でもハリコシを出していかねばバッグらしい迫力が出ません。

よって、そもそも柔らかい生地をバッグには使わないという手もあるのですが、どうしてもその柄を使いたかったり、その生地で作りたい時には芯地の利用でハリコシを高めることができるのです。

<裁断・接着芯貼り>:ニット芯を貼ります。ナイロン/100%にはニット芯が必須。織芯だと気泡ができます。
<支柱/取っ手作り>:中に接着芯と、さらにソフト厚芯というふんわり芯を内蔵していきます。

このぷっくり感は、ソフト厚芯+ステッチのコンビの賜物です。

<外側の隠しポケット・支柱/取っ手>:外のポケットはスマホ入れをイメージ、キズ防止の為ファスナー無し。

この写真では分かりづらいですが、中に入れたソフト厚芯は、一番下の縫い代から1.5cmの分入れずに空洞とします。

その理由はひっくり返す時のラインが綺麗に出るよう厚みを軽減しているからです。

左右ともそのように1.5cm控えてソフト厚芯を入れ込んでいる作りです。

このことは今まで作ってきて、大変効果と手ごたえを感じている点です。

<中側の隠しポケット作り>:ビジネスシーンで使用の大切な物入れとして、ファスナーも付けます。

実際に会社員時代に外回りのお仕事をさせていただいていた時には、会社の大事な印鑑を持ち歩くことがあり、こういったポケットを利用していました。

今後印鑑は廃止になっていくかと思いますが、名刺を入れたり、何かバッグの中に1つ隠しポケットがあることはきっと役に立ってくれると思います。

書類でいっぱいの中に小さな小物が入ると、見失うこともありますので、こういったポケットを別のお部屋として使う保管がやはり安心です。

アップにしてみました。ファスナーの色と生地の色との相性も良いです。

あとがき

ナイロン/100%の生地というのは、接着芯を必ずニット芯にすることさえ確実に行えば、作りやすく、出来上がりはとても素敵なものになります。

ただ数が少なくて裏地の柄を探すのに苦労しているところです。

生地メーカー様、どうぞたくさんナイロン/100%の撥水加工の柄の生地をよろしくお願いしまーーす<m(__)m>。

ハンドメイドバッグご購入の発送時にお入れする「しおり」に書かれた情報とご案内の現在【341】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020年から始めた新しいことが現在も継続中です。

それは、ハンドメイドバッグのご購入後の発送の時に同封する「しおり」です。

表面は、お洋服などによくある「ブランド名」、そして裏面には、バッグの生地の混率を記載します。

さらに、右上にはQRコードを印刷しています。

このQRコードの内容は、当「ピクチャレスクのホームページ」というホームページのURLなのです。

バッグご購入のその後も、コンスタントに投稿のブログ記事や、他の事業活動のご案内を好きな時に見ていただけるようになるきっかけとなります。

このたびは、初期の頃のものからのサイズの改良の理由やなぜ「しおり」なのかというところをお話させていただきます。

当初の大きいサイズからコンパクトなサイズへの変更の理由は、保管のしやすさ

旧型の下げ札しおり:縦が10cm以上あります。横も6cmあり、しおりとしてはビッグでやぼったかったのです。

サイズがさすがにやぼったく、しおりの域を超えていました。

そうするとしおりとしてはなかなか利用していただけない可能性があったのです。

また、厚紙をカットしていた手作り感が満載過ぎ、もう少しレベルを上げないといけなかった。

そして、強いカラーが使われていないので、このしおり自体が目立たなかったということもありました。

そして、改良したのが黒の厚紙製のスタイリッシュな既製品を材料にしていくことに決意。

そしてこんな感じになりました↓。

表面(新型):ブランドシールを透明にしました。開けてある穴にはベルベットのカラーリボンを通します。
裏面の内容:以前よりもコンパクトにまとめ、最低限に。それでもQRコードの場所は確保しました。
裏面(新型):白い情報シールは、下げ札のサイズに合わせたシールに変えました。
リボンはほつれにくいよう先端をバイヤスカット。これならしおりらしくて、読書に使ってもらえそう。

なぜしおりを思いついたのかの本当の理由、読書好きな自身が過去のブランドロゴの入った商品タグをしおりにしたところからのヒント

自分がこうだから他の人もそうだとは限らないものの、ブランド様の紙製の商品タグは非常に作りが良い物が多いです。

これまで、しおりとして保管していたのはストリートファッションブランド様の「WESC」、ハイブランドの「FENDI」「LOUIS VUITTON」「EMPORIO ARMANI」です。

一番最初は、「WESC」様がきっかけ。この中で一番厚みがあります。ハイブランド様はこのタグ自体おしゃれ。

こんなところからヒントがあるなどとは以前は思いもしなかったのでした。

日常の隅々までの当たり前、小さなことへの興味やアンテナが功を奏した結果でした。

ヒントをいただいたブランド様には感謝致します<m(__)m>。

あとがき

製造→販売という形態は、どうしても1度っきりになりがちです。

多くの企業様がこれをどう今後に繋げていくかを一生懸命考えておられると思います。

例えば、ポイントカードを作ることでリピート率アップをはかったり、メルマガを配信したりなど。。

自身は、この「しおり」をプレゼンとすることで、①このたびの品物の深堀りと情報のご提供②今後もご縁があるためのQRコードのご案内、というこの2つを目的にしています。

ご購入いただいた貴重なお客様をちゃんと大切に思いやること、これは今後も忘れてはならないことだと思っております。

もしかして、しばらくの間ご縁がなくとも、「あの業者さんは今まだ製造しているのかな」などとふと思い出していただいた時には、すぐにご対応できるための「しおり」だと思っております(^-^)。

大きめのバッグ用に裁断した生地パーツの跡が付かないたたみ方、二つ折りよりも三つ折りの方がつぶれにくい【339】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

計画的に附属品も調達しておくのが望ましいのですが、このたび注文の色を間違えたミスがあり、少し日にちが空いてしまうことになりました。

よって、附属品が届くまでの間にする作業として、次の製作分の裁断をして進捗度を進めておきます。

このたびは、ビッグなサイズのヘルメットバッグをセルヴィッチデニムで作るという企画のもと、裁断をします。

セルヴィッチデニムはゆったりサイズのトートバッグ型ヘルメットバッグを3点作ることですべて使い切るような見込みです。

裏地を変えて1点物志向の裁断をしていきます。

そして、裁断後、大きなパーツをしばらく保管するわけですので、そのたたみ方がどんな形が望ましいのかを実際にやってみた経験からお伝えしたいと思います。

跡が付かないのが目的ですので、それを目指した安心な保管方法を追求していきます。

二つ折りよりも三つ折りの方が真ん中部分に折り目ができず、ふんわりたためる

いろいろな生地がある中で保管しておく際に注意しなければならない生地があります。

それは、いったんたたみじわや折り線が付くとなかなか取れない生地があります。

そういった生地というのは、生地屋さんがよく知ってみえるので、棒に巻いてくれたりします。

そのようにしていただいたものは、裁断後も気を付けねばならないということです。

パーツが小さければ広げたまま保管すればよいですが、なかなか大きいパーツであるとそうもいきません。

どうしても三つ折り程度にたたむことになります。

これは長い支柱兼取っ手パーツですが、途中で横に白い筋が入らないようこれも折ってはいけません。

ふんわりとたたむ必要がありますので、基本的に三つ折りのような包み込み方でふんわり保管します。

デニムのセルヴィッチタイプは特に硬いので、跡が付きやすいです。デニムはアイロンでも元には戻りません。
裏地。ポリエステル/100%の跡が全く付かないような生地ですが、そろえるために同じように三つ折りしました。
そして、跡が付かないタイプの生地を下に敷いて、上にデニムの三つ折りを置きます。
そして、こんな風に風呂敷風に包んで保管します。これで跡が付く対策はできました。

こうは対策しましたが、できるだけ早いうちに使用してバッグにするのが望ましいです。

あとがき

特に、綿/100%の生地は、その混率からも跡が付きやすいです。

よって、デニム、帆布、チノ、ブロード、ローンなどカジュアルな素材こそ保管の徹底を気を付けたいものです。

カジュアルであることが粗雑な保管やしわがあるということなどにイコールでは決してないということです。

最初の材料の調達の時点で気を付ける「保管」は、丁寧に生地を扱ってこそ、後にそのテイストのカジュアル度を見てもらうわけで最初はまっさらに綺麗な状態であるべきです。

裏地の他にも別布が付くバッグの生地は全部で3種類、2種類ではない新たな展開の3種類目に選ぶ生地の決め方【338】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、Dカン待ちの期間でありまして、裁断を進めてまいりました。

ここ最近のバッグのデザインでは、材料の生地が表地、裏地だけでなく別布も登場してくるパーツの多いものに発展しています。

多ければ良いというわけでもないのですが、どれも必要なパーツであり、型紙の数も多くなってまいりました。

別布は、登場させなくても裏地で対応できるとも言えるのですが、これには事情があります。

生地は過去のストックであり、長年保管していたもの。

当時の購入の時は、デザインの改良前でパーツの数も多くは無かったのです。

当然購入する分量は過去のものは少なかったので、今になって何年越しに生地を使う時に不足が起きるのです。

そこで、別布として3種類目の生地を登場させているということになります。

それでも、ストック生地の中から相応しいものを使っていくのです。

このたびは、その3種目の生地にご注目いただき、生地同士の相性とかなぜその生地を入れたのかの理由などを知っていただければと思います。

2点のバッグのそれぞれの裁断風景に見る3種の生地の組み合わせがどのようになされているのか

こちらは、「おにぎり」というデザインのボストンバッグがリュックにもなるデザインです。

「おにぎり」の裁断・・・表地の無地のヘリンボンの赤以外は2度目の使用なので残りが少ない3種の生地。

バラのお花の裏地に合わせた丸いお花のジャガードのカーテン地を利用。

ベージュ色の透けるタイプです。

表地と裏地が肉厚で3種目を薄手に変えて変化を付けバランスを取りました。

とはいえ、3種目の薄手の「ミラーレースカーテン」は透明度はあるものの丈夫な生地なのです。

少し心配なのが裏地に使うマルチカラーの薔薇の厚みです。

重なりの部分が上手く縫えるとよいのですが。。

「餅巾着」の表地の裁断・・・シティポップのような音楽が流れてきそうな楽しい街の風景の柄。カーテン地。

裏地や別布には、この楽しい、綺麗なマルチカラーの中の色を抜き出したような裏地の色を使います。

「餅巾着の裏地:ベース部分」・・・濃いめのかわいいピンク色は、表地の柄の中から抽出。
「餅巾着の裏地:巾着袋部分」・・・巾着袋をこの色で作ります。こちらも同様に表地の柄の中の色から抽出。

この2色は、色相環図で言うと、ほぼ反対側同士の色。

この裏地の2色は、色相環図の中では、赤と緑の関係に当たるかと思います。反対側に位置していて、補色の関係。

この2色が一緒に1つの空間の中では、「互いに際立つ」という効果を発揮してくれるのかと思います。

あとがき

3種も生地があるということは、お洋服のコーデに似ています。

とはいえ、意表を突いたような裏地の色の実現もお洋服ではなかなか勇気が必要ですが、バッグならば取り入れやすいです。

自身はそういった意味ではクラシック派、馴染む感じの組み合わせを好みます。

とはいえ上述の補色のように互いの色が際立つことができるのです。

マルチカラーのおかげで、合わせやすくなっているとも言えるのです(^-^)。

宝石ブランド様が人知れず行ってきた陰に隠れた工夫は、他の追従をものともしないこだわりや個性にある【337】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「華麗なる宝石物語:桐生操 著」という本を拝読。

宝石にまつわるエピソード的な貴族の物語と、宝石ブランド様の創業秘話などを知りました。

この本から学べることは、「商品が広く知れ渡るための努力のようなもの」です。

どのブランド様も何もせずにただの運でトップの座に至ったわけでは決してないことが分かります。

現在の「成功」に至った軌跡の出発点が意外、最初から未来を予想して最も最短の方法で歩もうと念入りに計画されたものでは決してなかったということです。

長い長い歴史と歩みがあったことを知り、結局大切なことは何なのかを自身の言葉で綴りたいと思います。

それぞれのブランド様の成功の理由は何だったのか

前半部分の宝石にまつわる物語も非常に面白くて引き込まれて夢中になって読んでしまいました。

後半部分の宝石ブランド様の創業のきっかけや当時の様子などもとても興味深いストーリーでした。

特に後半では、現在でも固定ファンの多く付いた老舗宝石商様の成功の理由というものを知りました。

他の事業のヒントにも必ずなると思いましたのでその点に特に注目してみたいと思います。

まず、誰もが知っている「ティファニー」様。

創業は、骨董品や文房具を扱う小さな雑貨店からのスタートのようです。

とても意外です。

「ティファニー」社はアイデアというところにとても個性があったようです。

アイデアというのはデザインのアイデアではなく、商品を売り出して広めるためのアイデアです。

次は、「ヴァン・クリーフ&アーペル」様。

周囲が石を見せることに注視したアイテムを作っていたのに対し、デザインを主軸にすえたことが新しかったとのこと。

そして、「モーブッサン」様。

新しい時代でも伝統の重みを入れ込むが、伝統といっても古さを感じさせるものではない現代にマッチしたものという拘りを入れ込んでいるようです。

そして、「ハリーウィンストン」様。

石本来の美しさを活かすべく、石だけが見えるデザインを技術によって実現。

そして「ブルガリ」様。

いつでもどんな場所にでも付けていけるジュエリーを目指したということです。

それぞれのブランドには、特有の拘りや個性があるのです。

昔は、高貴な人のみが身に着けるものだったジュエリーが、こういったブランド様の多くが大衆に広まるように購入しやすくする工夫とか、日常的なジュエリーというものを考えていったからこそ今では身近に感じられるアイテムになることができたのだと思います。

もちろん、ブランド様によっては、高貴なイメージを保ちたいということであえて安く入手できるようなお品は提案していないところもあるのかもしれません。

だんだんと多くのブランドが伝統的な高級品のラインも保ちつつ、一部のラインとして、購入する人の層を広げるために日常的なジュエリーを提案してきているという時代の変化も含めた流れがあることは、もっと隅々まで名を知られる時期に来たのだということでしょう。

この広く知れ渡るということについては、どの事業にとってもヒントになることです。

「どこの誰もが知っている」ということこそがそのブランドの成功の証ということなのかなと思います。

あとがき

宝石を扱う「宝石商」である有名な宝石ブランド様達。

それぞれ独自の特徴を世の中へ広めることに成功した現在がみんながよく知るブランドであるということにつながった証。

「宝石」自体の美しさだけを頼みの綱としていることが決して見られない、自社で展開する工夫がありました。

ここから学べることは、どんな事業でも材料の質の良さとか取引先などに依存していることがいかにまだまだ足りない状態なのかが分かります。

独自の「身を粉にする」までの努力と研究や工夫とアイデアが「多くの人への広まり」を実現しているのです。

その1つには、時代の変化と共に共通する「庶民が持つジュエリー」というポイントだったわけです。

「本物志向のレンタルジュエリー」をさせていただいている自身が目指すところも、たとえ製造業者ではなくても自社ならではの努力と研究や工夫とアイデアが必要なのです。

レンタルは元は品物が存在しているわけですが、1つには「組み合わせのご提案」というところが独自の工夫になります。

セットになったジュエリーはpicturesque(ピクチャレスク)しかできないことであり、そこに強くこだわっています。

まだまだ思うように実現できてはいませんが、とても素晴らしい姿を見せてださいましたこのたびの本に感謝です<m(__)m>。

バッグ作りに使う裏側に隠れてしまうハード薄芯、8箇所も貼りひそやかに良質さを高める【336】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

よく会社の経理の事を「縁の下の力持ち」などと呼ぶことがありますが、この「縁の下」というのは表からは見えないような影や裏の部分。

ハンドメイドの製作においても、表というのはその出来上がりで誰もが見る場所で、当然見栄えを良くすることはどの製造者も心掛けていることです。

では、裏の部分で縫いこんだら表には見えない部分はどう作らているのか。。

これは、それぞれの製造者によって分かれるところではないかと思います。

ここにこそ、「物を作るための誠実な態度」が本来現れるものだと思います。

ただ、決してそれが表立って分かることはありません。

それゆえ、表面的な良さだけを見せ、裏の部分に手を抜くことが行われていることもあるのです。

特に「大量生産品」にはそれが顕著に見られることがあり、さらには開き直って表に見える部分でもコスト削減の効果が分かることもあります。

当然ながら目に見える部分でさえ手間を省いているのですから隠れた場所はおのずと予想ができます。

このたびは、小さな製造業者である個人レベルがもっとも強味とできる部分、「必要であるべき所に手間をかける」ということの例として、「当て芯」の大切さをお伝えしたいと思います。

手間をかけることはとても大変な事ではあるのですが、それは、巡り巡って、「手間をかけることができる環境と事業形態にある」と考えると小規模な製造では有難いことだとも言えるのです。

大量生産ではそれをしたくても事業形態自体のバランスが崩れるがゆえになかなかできないのですから。。

このたびのバッグは「巻き寿司」、ぽかぽかするような暖色系の世界観がある生地

ベージュ系ということでジャガードとプリント柄を採用。

表地はここ最近めったに製作していなかった無地ライク。

ジャカード生地なので柄は入っていますが色が1色使いです。

そして裏地に色物の柄を使います。

今回使用の生地:全体にあったかい色味です。もっとぐっとズームで近寄ってみます↓。
左:<表地>マトラッセジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
右:<裏地>ブッチャープリント、ポリエステル/100%、日本製。

マトラッセは、某ハイブランド様の象徴的なワードですのでイメージが湧きやすいですね。

市松柄みたいな柄の事です。

裏地のブッチャーは、お肉みたいということではなく、お肉屋さんの作業着(エプロンのこと)がこういった節の入った凹凸感ある生地だったことからのネーミングのよう。

表地のマトラッセも、裏地のブッチャーも凹凸感ある表面の織り方の生地で、とても美しいものです。

マトラッセの縦横に走る柄と小花プリントのブッチャー織の縦横に走る柄の相性はあると見て、一見不似合いな柄同士のコラボを実現させてみました。

ハード薄芯を貼る8箇所のご紹介、決して表からは分からないここでしか分からない隠れた場所の数々

では続いて、ハード厚芯を貼る箇所をご紹介します。

想像としては、大きなメインパーツに貼るのだろうと思われるかもしれません。

それはそれで正解です。

けれどもそれ以上に意外な小さなパーツにも貼っていることに驚かれるかと思います。

1:口布・・・ハリ・コシを出して、頑丈な風合いにしてくれます。
2:ブランドネームの裏側の当て芯・・・ブランドネームが水平に安定感ある縫い付けができます。
こんな風にブランドネーム大きめに裁断して、後で余分をカットするという方法です。
3:隠しポケットの当て芯・・・型紙により5cm巾の横長のパーツに裁断して行うとその後の作業が歪みません。
裏地の裏面の中心に当てます。上からの長さはこの場合8cmが当て芯のトップの線に来るという目安です。
4:本体・・・当然本体は一番しっかりと見えてほしいパーツなので、必須です。
5:リュックのショルダー・・・ゴブラン織りのような分厚い生地以外大抵の生地には入れた方が迫力が出ます。
6:ショルダータブ・・・ショルダータブというのは、いわば、全体の重さを支える箇所ではないかと。
7:フラップポケットの当て芯・・・フラップポケットの付いた裏地の裏面です。後でハサミで余分をカット。
8:取っ手の付け根タブ・・・八角形の形を正確に出すには、作業もしやすいですので貼った方が綺麗にできます。

以上の8箇所をご紹介しました。これほど多くの箇所にハード薄芯を貼るのです。

1つ1つの積み重ねというものは、8箇所にもなれば、効果が大きく表れます。

パッと見るのは一瞬ですが、その時の印象を良くも悪くも決定付けるのも、この細かな隠れた場所の工夫が「パット見」を作ることにもなるかと。

あとがき

こういったことは、実際に作ってきた中で分かってきたことなので、本とか基本的な作り方レシピには書かれていない部分だと思います。

以前より細かいパーツも増えてきましたので、考えてみると意外に、細かいパーツにこそ貼っているというのが驚きでしょう。

お店での販売では決して見ることのないバッグの「裏側」。

ここに手間をかけることができるのかできないのかは、長持ちとかコスパのよい良質なお品になるかどうかに繋がります。

そして何よりも、「信用・信頼」を得るための大切なカギを握っているのではないかと信じてやみません。

「おにぎり」と「巻き寿司」という共にカーブラインを持ったバッグのデザイン、作りやすさも十分に考慮した発案【335】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の1つ前の記事【334】では、「おにぎり」デザインを試作してみて、出来上がりの形があまりに悪かったので、そのデザインを廃止しました。

最後の型紙修正による試作品:結果このデザインを廃止に決めました。魅力的ではありません。

廃止に至った大きな原因は、ファスナーが本体に直接縫い付けられる口布無しのデザインであり、2次元的なミシンでは物理的に難しいので綺麗に作ることができないというのが1つ。

ただ、それが実現できると、いかにも「がま口」と呼ばれる人気のデザインが実現するところでした。

口がぱっかりと開くことで中身が見やすいのです。

しかし何度改良を重ねて型紙を変更しても思うようになりませんでした。

そして【334】の最後の型紙改良の結果をもって、このデザインの廃止を決めたのです。

とは言え、「おにぎり」というデザインを別のデザインで考え直しました。

そして、作り方が全く類似の「巻き寿司」も同時に発案。

このたびは、お腹が空いてきそうな「おにぎり」「巻き寿司」の試作品をご覧くださいませ。

ファスナーの両サイドに口布を取り付けることで組み立て易さが倍増、「作りやすい=綺麗に作れる」の実現へ

ポイントとしては、非常に綺麗に作ることが可能なゆるやかなカーブでできているものになります。

急カーブは、物理的にミシンがずれがち。

その点を配慮して易しく製作できるものにしています。

「おにぎり」の試作品の裁断:上のカーブや下のカーブはゆるやかで縫い合わせがぴたっと重なる見込み。
生地(おにぎりの試作用):カスリネップツイード、綿/100%、日本製。
「巻き寿司」の試作品の裁断:以前の「かまぼこ」を改良したもの。四つ角が均等なカーブ。
生地(巻き寿司の試作用):ジャカードテーブルクロス、綿/57%、ポリエステル/43%、日本製。

それぞれ、必要な部分のみの試作といたしましたので、片面のみ縫い付けをしています。

こんな風に2枚を中表で縫い、ひっくり返して縫い代が隠された1枚の板状のパーツにします。
長い口布と本体を縫い合わせます。
新型「おにぎり」の試作見本完成。
「巻き寿司」も誕生です。縫いにくいことであいまいな角はもう存在しません。

ということで、「おにぎり」と「巻き寿司」のデザインが確定しました。

これらがリュックになる仕様になるということですので、非常に面白いと思います。

あとがき

早速次からは、これらのデザイン製作を始めてまいります。

スクエアなラインも面影が残る巻き寿司には、チェックなどのスクエアな柄を当てはめるとすっきりまとまりそう。

一方、おにぎりは、まあるいラインの柄を入れたりしていくと生き生きしそう。

これで、リュック仕様になる3型の「餅巾着」「おにぎり」「巻き寿司」がそろいました。

餅巾着は、トートバッグ仕様の作りなので作り方が別ですが、おにぎりと巻き寿司は作り方が同じ。

それでも出来上がりの雰囲気がそれぞれ違ったので今のところ2デザインに分けています。

ある1つのあこがれと真似デザインの廃止、発案者しかできない正しい改良があることの学びと今後の決意【334】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近壁となっていますカーブ型のバッグの正しいフォルムがなかなかつかめません。

このたびは、最後の型紙として、改良した試作品を作っていきます。

これまでいくつか変更した型紙ではどれもラインが違い、イメージのものではありませんでした。

というのも、そもそもカーブ型のバッグはハイブランド様にあこがれて作ったからです。

言い換えれば「真似」となります。

真似も全くのピッタリ以外は、その追従を許さないほどのものがブランディングが完全に確立されたハイブランド様のデザインにあることを身に染みて感じました。

この度の試作を最後に、この「あこがれ」だけで始まったデザインを廃止することに決めました。

そして、ちゃんと自身の発案の型紙に1か所ずつ丁寧にその「哲学」が入るような、たとえシンプルであっても「優れた品物」と言い切れるようなバッグを目指していく決意を致しました。

型紙と現物とのギャップが大きい理由、平面で出来上がりをイメージしにくいから

先回の【333】の記事からの続きとなります。

【333】では「おにぎり」デザインのバッグの底とサイドのラインがうまく沿うようにと考えたはずの型紙がてんで間違っており、この度の型紙に改めました。

「変な斜めの突き出した線は、型紙の線が斜めだからであり、まっすぐな直線に改めてはどうか」というこのたびの考え方の見直しです。

考え直した型紙:特徴は、サイドのラインが上からまっすぐ降りてくるストレートライン。

意外と分かりやすい型紙に戻りました。

本来、ここからスタートするべきだったのではないかと、ただの「あこがれ」で型紙に角度を適当に付けてスタートしてしまったことを反省。

ストレートラインは、立体的に出来上がった時にどうなるのかが見やすいです。

初期の型紙で斜めの角度を適当に決めてしまうと、その後どちらの方向へ調整したらよいのかの方向が分かりにくいからです。

実際のフォルム:型紙ではストレートな両サイドラインが内側に反りました。この発見は重要です。
正面から見ると、こんな風に内側にへこんだ出来上がりになってしまいました。

ここから何が言えるのかというと、ストレートラインで内側へへこんだのだから、調整するとすれば、ストレートから角度を「ハの字」へ広げるということです。

そうすると、一番最初の型紙である、角度が付いた型紙もあながち間違いではないということです。

ただ、これを最初にやっておくべきだったことは、自身のステップの悪さであり、階段を何段も飛び越えてゴールに到達しようとしてしまったことがいけなかったのです。

カーブ型のバッグのデザインはここで廃止、一から自身が素直に思い浮かんだアイデアを改良したものとしてスタートする決意

さて、こんな信じられない結果となった製作でしたが、デザインと実物のギャップに大きな学びが得られました。

なんとなくのものでは、不完全さが簡単に見抜かれてしまうものです。

「おにぎり」という名前を付けるのが早かったかもしれません。

けれども、実は、おにぎりの形にふさわしいような1点、新しいデザインが用意してあります。

結果おにぎりみたいな形になっている台形を丸くしたようなものなのですが、こちらの試作を後日作ってみたいと思います。

あとがき

試作となれば、他の関係ない部分を省略したりして短い時間で必要な見たい部分のみを作ることも可能。

今回使用した生地は、綿/100%のマスタード色の迷彩柄のジャガードのような柄です。

結構丈夫くて中肉で使いやすい生地、日本製です。

これが黒だともう少し貴重になりますが、カラシ色はあまり受けないようで、このたび試作に使いました。

出番のない長期的にストックしている生地を研究のための試作品、もしくは試作パーツとして利用することも後に大きな成果につながると考えると無駄な使い方では決してないかと(^-^)。

なかなか解決できなかった型紙と実物の照合、てんで間違った方向に狂った型紙を今一度振り出しに戻す【333】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事で綴る内容は、実直さを重視しておりまして、何も綺麗なストーリーでまとまることばかりではございません。

その激しい展開に対してもどうぞご理解いただき、こういったことを現実に体験しているというそのままの投稿であると見ていただければと思います<m(__)m>。

実は、ここ最近研究中のカーブラインのあるバッグの底の型紙が実際に完成した立体的なバッグではどうしても不格好であり、改良しようとしています。

ところが、なかなか思う通りのゴールに行き着かず、このたび、大変ショッキングな結果となりました。

それをそのままご覧いただいて、そうならば、振り出しに戻って考え直そうと新たなる初期的な型紙にもどってみたところでこの記事が終わります。

そんな風に結果に揺さぶられながら悪戦苦闘、試行錯誤の様子になりますが、そこにも何かヒントは無いのか。。ということで見守っていただければと思います。

本体の底部分のラインを徹底する型紙変更の変遷(初期~次の試作用まで)

まずは、カーブラインのバッグの一番最初の時の型紙からふりかえっていきます。

初期の型紙:ラインを何も意識せずにこのような型紙で作っていました。結果は、サイドが反りました。
一度目の改良:そこで、出来上がった時にまっすぐになるようにサイドを斜めに上げていくラインに改良。

ところが、その結果、このようなことになりました。

尖った部分が目立つことと、サイドがなんとまだまだ反っている出来上がりだったのでした。

ということで、このラインではだめで、余分をそぎ落とします。

ゆるやかだったカーブを急カーブにしてある程度底部分に沿ったラインを引いたつもりでした。
完全に間違ったラインで出来上がってしまいました。

どうしたものかと途方に暮れてしまいましたが、その後再び型紙を考え直します。

複雑な斜めのラインにするのではなく、もっとシンプルで単純な分かりやすい型紙を考え直します。

そうして、考えたのが一番上の方から降りてくるサイドの線が外へ開かずストレートなものということ。

この型紙は、思えば初めて。

これまで考えてみたようなカーブラインは型紙上でははもう出てきません。

ストレートライン同士そろえて、その楕円に底を当てはめるだけという風にしてみます。

やや横に長く感じますが、いったんこれで試作を次回作ってみます。底が水平ですが、初期とはまた違うのです。

まだ未知なので、果たしてこの型紙でうまくいくかどうかは分からないです。

最初からサイドラインがストレートに来ているのだから、出来上がりもストレートになるのは当然。。ということでよいのかな?。

ということで、次回は、この部分のみの試作を別生地で作ってみるという記事をアップしたいと思います。

あとがき

デザインを決めてからも直していくところが続出です。

ハイブランド様でさえも改良を重ねる血のにじむような努力の日々だと考えると、まだまだ数回の改良で何を言っているのだということになります。

迷いがあるものや不完全な点は、ユーザーに不安を与えてしまいます。

ちゃんと腑に落ちるところまで研究し尽くす必要があると思うのです。

次の試作が何かヒントをくれる製作になればと期待を込めているところです。

通常はたやすく披露しない型紙を撮影、綺麗な自然なラインを出すために改良した未完成の型紙の試行錯誤の様子【332】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回、とても重要な型紙変更を致しました。

「おにぎり」デザインのハンドメイドバッグの底周辺のサイドのラインが反ってしまって綺麗にできていないのです。

これをまっすぐにするためには型紙を見直す必要があると、型紙のラインを変える検討をします。

結論からは、この度の型紙ではバッグを完成することさえできませんでした。

とはいえ、何もしなかったことはなく、以前のラインは未熟なものであったことは間違いないということです。

このたびは、試行錯誤の途中ながら、貴重な型紙の写真を撮り、この記録を苦い記録として残したいと思います(汗)。

以前の沿ってしまったサイドのラインを型紙で検証

以前に製作した、サイドが反ってしまった様子。それほどひどくはないですが、生地が余分です。
反り返って出来上がる理由を、底から上がっていくラインがゆるやかすぎると説きます。

なかなか、ここからカーブを急にすることが解決方法だとは思いつきにくいので、しっかり現実的に底の丸いカーブに型紙を当ててラインを描きます。

このように底パーツを当ててカーブの角度をそのまま写し取りました。
そして、直線部分は延長するというようなことをして完成します。

これで仮型紙として一度サンプルを作るということをやってみます。

このような急カーブの型紙になりましたが、急すぎるかもしれません。すごく個性的なラインです。

今回は、なんとなく底パーツにカーブのラインを当てただけですので未知です。

一応、この型紙で裁断して可能な限り作っていくのです。

使用の生地はニットを表地に、マルチカラーボーダーが美しいブルー系の生地をちりめんの裏地と合わせた

<表地>ジャカードニット。ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。
<裏地>ちりめん。ポリエステル/100%、日本製。

ブルーx黄色中心のマルチカラーが爽やかです。

以前に裏地にも利用したことがありましたが、今回はこのマルチカラーボーダーが主役となります。

あとがき

結果的には、この型紙修正も作り上げることさえできませんでしたが、ラインがおかしい時には、3次元に当ててみて、その出来上がりの形になるには平面ではどんな形で描けばよいのか。。ということを正確に素直にやって行けばヒントが見つかると思います。

お洋服で立体裁断というものを映像で見させていただいたことがありますが、ボディーに当てながらそのまま紙に作図しておられました。

それに類似のことをやっているつもりではあるものの現実答えは見つかっておりません。

ただ、デザインの不格好さは型紙を変更していくという視点と、物理的な学び(この作図でこの立体が出来上がるという経験)が重要で、ここが難易度が高いと思います。

少し苦手な分野です(汗)。