まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
「これこそが宝石なのだ」という望ましい見方が学べる素晴らしい本を拝読。
シリーズの1-3で綴られる「宝石2-品質の見方と価値の判断のために-:諏訪恭一 著」です。
宝石業をされている著者様のこれまでの宝石を見る目の記録の集大成とも言えるべき「図鑑」。
こうした、ヴィンテージ本は後の新しい発見もあるものの、ゆるぎない考え方などが詰まっていてとても素晴らしい内容です。
図鑑のような構造とはいえ、著者様の考え方がしっかりと記されているところは知識を得るということを越えた「教え」のようなものがあるところが優れています。
親切心あふれる文面が特徴のこの本に今までの疑問を解決してもらった、インクルージョンのこと・宝石のレベルの見極め方など
特徴としては、著者様の親切心があふれた1冊であるということです。
まどろっこしい誤解などもさりげなく、登場している部分があって嬉しかったですし、これまで疑問を抱いていた部分もちゃんと書かれていました。
その疑問を解決してくれた例を1つご紹介したいと思います。
実際にクォーツというレンタルジュエリー内のストーンがあるのですが、購入当初、「インクルージョン(内包物)」のお話を店員様からもお聞きしていました。
「インクルージョン(内包物)」が見られるからこそ価値があると判断したお品ですということで、モヤモヤした不統一な色なのです。
一方同じサイズの類似のものが、そのお値段の半額以下でしたが、それは後に購入したものの現在は手放して残っていません。
「処理」なるものが施されて、均一化された様相の綺麗過ぎるお品だったのでした。
価格が安かったので購入時のその瞬間は確かに魅力ではありましたが。。
これはどちらに価値を置くかというのも使い手の意見もありますが、やはり、本物の証であるインクルージョンが時には大切。
これを処理によって手が加えられまっさらに均一化された透明感には「味わい」なるものは消されているとも言えるのです。
その何年後かにその処理部分に異変をきたすこともあるようで、処理して均一感が出されたその場だけの解決というのは、後にやってくるデメリットをかかえてしまうのです。
あとは、ダイヤモンドに入るインクルージョンに対しても、「今後、ダイヤモンドのイミテーションがもっと今よりも多く出回ってきた時にこそ、価値が出てくるのではないか」とのこと。
本物を見分けることが難しかったり、偽物でもかなりのきらめきが得られて本物と何ら変わらないかのように見せることができるようになっていくほど、反対に本来の天然の価値が高まるという考え方です。
そこには非常に共感し納得したものです。
一方では、「宝石にもランクがあり、ルビーがすべて美しいわけでもなく、レベルを表す数字が1つ違うだけで明るさが全く違う」という点もとても厳しい見方になります。
このレベルは「宝石とは言わない」とまでも書かれた部分もありました。
このように、良し悪しの厳しい見方をご教授いただける本なのです。
「レンタルジュエリー」の商品ラインナップにおける選択にはとても役に立つ情報をいただいたということになります<m(__)m>。
あとがき
今から25年前の1997年発行の本ですが、その情報は色あせることはありません。
著者様は「宝石鑑定士」の資格を日本人の第一号で取得した方。
早い段階でこの世界に興味を持って足を踏み入れられたのです。
ダイヤモンドのカラットは気にせず、素敵さを重視しているお話をさせていただいておりますが、著者様によると、「カラット=重さのことよりも、「大きさ」が重要である」とのことです。
小粒であっても奥行きがあれば重くなるのでカラットは上がるけれども、面積がないと美しくは見えないというのも納得できます。
人の考え方も千差万別、ご教授いただいた知識や考え方からいよいよ自身の方針やスタンスを確立し、胸を張って発信できるようなことに繋がるようなきっかけをいただきました(^-^)。