宝石を購入する際の検討に役立つ図鑑的な書物、地球活動のミラクルと人間の叡智の2つが重なった美しくスタイリッシュなジュエリーの姿の深み【1032】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「これこそが宝石なのだ」という望ましい見方が学べる素晴らしい本を拝読。

シリーズの1-3で綴られる「宝石2-品質の見方と価値の判断のために-:諏訪恭一 著」です。

宝石業をされている著者様のこれまでの宝石を見る目の記録の集大成とも言えるべき「図鑑」。

ここには、ゆるぎない考え方などが詰まっていてとても素晴らしい内容です。

図鑑のような構造とはいえ、著者様の考え方がしっかりと記されているところは知識を得るということを越えた「教え」のようなものがあるところが優れています。

親切心あふれる文面が特徴のこの本に今までの疑問を解決してもらった、インクルージョンのこと・宝石のレベルの見極め方など

特徴としては、著者様の親切心があふれた1冊であるということです。

まどろっこしい誤解などもさりげなく、登場している部分があって嬉しかったですし、これまで疑問を抱いていた部分もちゃんと書かれていました。

その疑問を解決してくれた例を1つご紹介したいと思います。

実際にクォーツというレンタルジュエリー内のストーンがあるのですが、購入当初、「インクルージョン(内包物)」のお話を店員様からもお聞きしていました。

「インクルージョン(内包物)」が見られるからこそ価値があると判断したお品ですということで、モヤモヤした不統一な色なのです。

一方同じサイズの類似のものが、そのお値段の半額以下でしたが、それは後に購入したものの現在は手放して残っていません。

「処理」なるものが施されて、均一化された様相の綺麗過ぎるお品だったのでした。

価格が安かったので購入時のその瞬間は確かに魅力ではありましたが。。

これはどちらに価値を置くかというのも使い手の意見もありますが、やはり、本物の証であるインクルージョンが時には大切。

これを処理によって手が加えられまっさらに均一化された透明感には「味わい」なるものは消されているとも言えるのです。

その何年後かにその処理部分に異変をきたすこともあるようで、処理して均一感が出されたその場だけの解決というのは、後にやってくるデメリットをかかえてしまうのです。

あとは、ダイヤモンドに入るインクルージョンに対しても、「今後、ダイヤモンドのイミテーションがもっと今よりも多く出回ってきた時にこそ、価値が出てくるのではないか」とのこと。

本物を見分けることが難しかったり、偽物でもかなりのきらめきが得られて本物と何ら変わらないかのように見せることができるようになっていくほど、反対に本来の天然の価値が高まるという考え方です。

そこには非常に共感し納得したものです。

一方では、「宝石にもランクがあり、ルビーがすべて美しいわけでもなく、レベルを表す数字が1つ違うだけで明るさが全く違う」という点もとても厳しい見方になります。

このレベルは「宝石とは言わない」とまでも書かれた部分もありました。

このように、良し悪しの厳しい見方をご教授いただける本なのです。

「レンタルジュエリー」の商品ラインナップにおける選択にはとても役に立つ情報をいただいたということになります<m(__)m>。

あとがき

今から25年前の1997年発行の本ですが、その情報は色あせることはありません。

著者様は「宝石鑑定士」の資格を日本人の第一号で取得した方。

早い段階でこの世界に興味を持って足を踏み入れられたのです。

ダイヤモンドのカラットは気にせず、素敵さを重視しているお話をさせていただいておりますが、著者様によると、「カラット=重さのことよりも、「大きさ」が重要である」とのことです。

小粒であっても奥行きがあれば重くなるのでカラットは上がるけれども、面積がないと美しくは見えないというのも納得できます。

人の考え方も千差万別、ご教授いただいた知識や考え方を咀嚼し、自らの方針やスタンスを確立し、胸を張って発信できるようなことに繋がるようなきっかけをいただきました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

堅いことで有名なダイヤモンドは「モース硬度」10段階のトップ、一方強靭さとなれば6-7程度の翡翠に軍配【546】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「鉱物の博物学:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」を拝読。

まさに直面しているジュエリーのストーンについての知識をいただき、大変勉強になっております。

少し前の【543】の投稿では、翡翠の2大別の「ジェダイト:硬玉翡翠」と「ネフライト:軟玉翡翠」の区別の違いに迫ってみました。

ただ、数値としていずれも僅かな違いしかなく、研究レベルの機材を利用した調べによって専門家が読み解かれます。

ジュエリー好きであっても、その見た目の判別は非常に困難、やはり調達元からの確かな「情報」が重要になります。

主にこの2大別は、「産地の違い」「鉱物名の違い」によって大きく区別される以外になかなか理解が困難です。

産地・鉱物名共に確かな情報ありき、ジュエリーの譲渡のシーンでは時間をかけた情報提供は大切です。

さて、このたびはたくさんの天然石の尺度の1つ、「モース硬度」という指標の存在をお伝えします。

全10段階で分類され、繊細なストーンで脆いのか丈夫なのかの判断にもなる「硬さ」のことです。

ただ、「脆い物は美しい」という側面もあり、数値の高さのみに偏る見方も良くない、「本当のことをまずは知っておく」という目的があります。

10段階に分けられる「モース硬度」、最高レベルのダイヤモンドに対して6-7程度の翡翠だがダイヤモンドに勝る「強靭さ」あり

モース硬度(1-10):ほとんど中間を省略致しました。キズの付き具合の事ばかりがずらりと並びます。

「ジェダイト」と「ネフライト」のモース硬度は6-7の間、僅かに「ジェダイト」が大きい値という違いでしかありません。

狭い範囲内でその僅かな差を調べることに対しては、あまり特徴付けられる結果にはならないというのが私の疑いです。

そんな考えから、この表の途中部分を省略することに。。これも1つの分かり易さの表現だと思っていただければと。

前述のように、モース硬度のダントツ1位はダイヤモンド、しかし、「強靭さ」では、ダイヤモンドよりも翡翠が勝るとのこと。

「強さ」というざっくりとした見方であると、「モース硬度」も1つの材料ですが、「強靭さ」も大切です。

数値のみに頼る見方ではない広い捉え方を教えていただいたこと、この本の優れた点だったと思います。

あとがき

特に高級地金の18金やプラチナ台の宝石が載った本格派ジュエリーは、ほぼ永久的な物品です。

長い間一人の人と共に時を経ることも、別の人の手に渡って引き継がれることもその変わらぬ不変的な姿が大きな価値です。

それほど価値ある物の表面以上のことを知ることは、遡った鉱物時代に思いを馳せながら世の三大生物の「動物」である人間と「鉱物」が関わる意味を持つと思うのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

名前の音が被る「ジルコン」と「ジルコニア」は別物、赤茶系の価値ある天然石と模造品という雲泥の差を知っておく【541】

アイキャッチ画像541

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「鉱物・宝石のすべてが分かる本:下林典正/石橋隆 著」を拝読。

これまでたくさんの天然石を実際に目の前で見たつもりではありましたが、世の天然石の数からすればほんの僅か。

ジュエリーという括りでは、天然石ではなく模造品も入ってきます。

模造品所謂イミテーションジュエリーは、商業色が強く素敵なネーミング付けられていることが多いです。

このたびは、この本の中にも取り上げられていました、天然石「ジルコン」について綴りたいと思います。

とは言え、一度も手にしたことのないストーン、今後手にすることがある前の心構えのようなつもりで知識をいただき、同時にここでアウトプットしておきたいと思います。

勘違いで優れた宝石との出会いを逃されぬよう。。「ジルコン」は美しい生粋の天然石で名前の似た「ジルコニア」は偽物ダイヤ

アイキャッチ画像541

実際のジュエリーショップの中で、「ジルコン」を扱っていることがレア、これまではあまり拝見したことがありませんでした。

よって、かつては「ジルコン」という言葉を見聞きしても、「ジルコニア」にどうしても結びつけてしまい「合成石」を疑わなかったという時期がありました。

しかし、実際のところ「ジルコン」は、赤茶色の非常に神秘的な美しさを放つストーン、温かみがあり茶色の濃淡の展開もあり素敵な本物の天然石なのです。

まだお写真しか拝見したことがないので、いつかジュエリーとして入手したいと思っています。

ジルコンは英語表記では、「Zircon」、本当の天然の状態は「ホワイトジルコン」と呼ばれ無色透明。

そこへ、他の不純物のわずかな混じりにより、褐色・赤・グリーンなどと不純物の種類の違いで色が分かれていくといった経路を辿ります。

「コランダム」が「ルビー」や「サファイア」に枝分かれしていくのと同じです。

「合成サファイア」「合成ルビー」などがあるのと同じで、「合成ジルコン」というのも相当な数存在する実態はあります。

ただ、このことは「ジルコン」がサファイアやルビーに肩を並べる生粋の宝石であるということなのです。

そして、「合成ジルコン」はあくまでも「ジルコン」という天然石の結晶と同じ構造で工業的に作られた模造品であり、「ジルコニア」とはこれまた別物なのです。

ジルコンの成分は、「ケイ酸ジルコニウム」、この難しめな「ケイ酸」というのが、ケイ素・酸素・水素の化合物の総称。

では、「ケイ素(漢字では珪素)」とは何なのかです。

ケイ素は地中に酸素の次に多く存在するもので、別名「シリコン」、元素記号は「Si」。

ケイ素は鉱物には主成分として含まれることが多く、人間に関しても細胞の中のミネラルの中の成分で、骨・血管・皮膚などにも存在する重要な成分。

そんなケイ素が含まれた、酸素・水素との合体の「ケイ酸」でできているということ。

では末尾のジルコニウムとは。。これは、元素記号が「Zr」であらわされる銀白色の金属。

ということで、「ケイ酸」と「ジルコニウム」の合体が「ジルコン」に。

ジルコンの化学式は「SiZrO4」。

末尾のo4のoは酸素の原子記号。(ゼロではなくアルファベットのオー)。

4が付くと、「O4」で「四酸素:しさんそ」と呼び、酸素でも細かく性質の違うものが一緒になっているのです。

では、最後に「キュービックジルコニア」も見てみます。

「キュービックジルコニア」の化学式というのもあり「ZrO2」。

ジルコンと比べると「Si」が入っていない点がポイント、末尾の酸素の部分の数字も違います。

「キュービックジルコニア:Cz」は、ジルコニウムの酸化物である「二酸化ジルコニウム」の事。

酸化物というのは、酸素と他の元素とが合体した化合物。

酸素は他の元素と合体しやすく、ほとんどすべての物質と化合物になり得るもの。

このような合体を、自然現象ではなく工業的に手を加えるという点が「人工物」の製造の本質です。

あとがき

これで、そっくりな紛らわしい呼び名による誤解や間違ったイメージも払拭されてすっきりできます。

「ダイヤモンド」と「Cz」の見分けがなかなか難しい点からも、人工物を作り出す工業技術のレベルの高さ「人間の叡智」も見逃せません。

今後天然ダイヤモンドの採掘が困難になる背景と共に、「そっくりな偽物」も考案されていくと思います。

そういった工業品が増えてくることとは対極に、生粋の天然石を重視されるジュエリーマニア様も多いと思います。

「ジルコン」という言葉の音を聞いて、赤褐色の美しい茶色の展開で今後はイメージしてみてくださいませ(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク