ただの色違いとは違う、そろっていながらも互いに異質な3点ボディーバッグコレクション【106】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、<黒白ボーダーシリーズ>というかなり的をしぼった製作をしてみました。

黒白ボーダー柄はイメージとしては長袖カットソーが浮かびます。

パリジェンヌ様が必ずワードローブに1つ取り入れるだろうアイテム、ブルージーンズに合わせたシンプルで伝統的なスタイルのイメージです。

3点それぞれの製作の見どころ

<黒白ボーダーシリーズ>左から、黒白パッチワーク、半月型、水平型とすべてがボディーバッグ。

まず、一番左の黒白パッチワークボーダーは何といっても、この手間をかけたパッチワークの作りです。

もともと単独で記事をアップ致しておりますので(【101】が該当記事)、詳細はそちらで。

ここでは、手間を込めたものであるということをお伝えしておくにとどめます。

そして、真ん中の半月型ボディーバッグ。

こちらは、本来洋服のポロシャツ用の生地である「カノコ素材」をバッグに仕立てたところが斬新と言えます。

そして、ボーダーの柄合わせを意識した見栄えの美しさにも力を入れました。

つなぎ目でボーダーの柄合わせをして段を合わせている様子。
:これをしてあるかしてないかは大きな付加価値の違いとなるもよう。

そして、最後、一番右のサテンのボーダーは実はもともとストライプ。

ストライプの生地の向きを変えることでボーダーとして作りました。

注意した点は、もとの生地の地の目はあくまでストライプ方向。

よって、織芯を貼る時は、生地となじむように同じストライプを縦向きとして貼りました。

ちゃんと元の生地に合わせた向きに織芯をなじませるのです。

そして、縫っていく段階からは、今度はボーダー向きを意識し始めるのです。

これが、向きを変えて生地を使用しても綺麗な風合いに映るコツかの1つと考えます。

実は、当初はマチ付きで進めていまして、底と頭にバニティーのように楕円形のマチを取り付けるつもりだったのです。

ところが、ミスをしたんですねー。

寸法を間違えて楕円形のパーツが小さく仕上がってしまい、もう生地が全く残りがなく、やむなくマチ無しに。。

間違えた原因は、くるりとファスナーを取り囲むように筒形に取り付けるファスナー部分の縫い代を三つ折り計算してしまい、実際は1つ折りなのでその誤差が5cmも生まれ、サイズが狂ったわけです。

しまったなーー(;’∀’)。

でも、原因は判明しましたので、次回の機会にこれをマチ付きのものにして、違うシリーズでこのデザインを採用できればと思います。

横幅が結構あり、長財布が横向きに入るので、容量の点はマチ無しでも結構あります。

バッグの入り口開閉の位置がなかなか斬新。

まるで、ティッシュケースの大きいやつみたい。。

あとがき

今回は、黒白ボーダーを3点集めたコレクションでしたが、フローラルとかマルチカラーなどテーマがいろいろ浮かびます。

また、素材をテーマにするだけでなく、シーンをテーマにするとそのバッグのデザインの種類がそれぞれ違ったものに展開されていくことが見込まれます。

同時に3点の完成が見れることは、1つよりもはるかに世界観が増します。

同じデザインの色違いなどの展開とは違うものであることが、自身のフィルターに通した結果の展開であるわけで、自分なりに練った企画がそこには盛り込まれているということになります(^-^)。

パッチワークシートが余ったからと作ったものの、小さなポーチに付加価値を付けることの難しさを知った製作【96】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ずっと継続中で、バッグ製作の<〇〇シリーズ>の間に入れ込む、<はぎれシリーズ>を行いました。

こちら、いろいろな高級はぎれで作ったミニサイズの小さいポーチがご覧いただけます。

今回は、失敗配置をしてしまった3色ボーダー切替のパッチワークシートの活用で作るミニサイズの縦長ポーチです。

用途が曖昧で作ったものの末路

何かしらの容積のあるポーチに作っておけば、使い道はお客様が考えてくれるであろうという製作をしたのが今回です。

イメージとしては スマホを縦向きに入れるなどが浮かんでいました。

ただ、結果は、散々たるものだったのです。「何を入れたらよいのか分からない」という声をいただいてしまいました。

「レンタルボックス」を利用させていただいたその先のお客様からのお声でした。

結論が早すぎますが、製造者が使用シーンをイメージせずして実際に使えるお品は作れないということが分かりました。

とても厳しいのが現実です。

なんとなく作ってみたものは、もはやその「なんとなく」という部分がぼやけているので、望ましいユーザーには届かないという辛辣な経験でした。

とても甘かったと思います。

とりあえず。せっかく作ったので、その製作の様子をお伝えしていきますね。

デザインや手法のヒントにはなると思います(^-^)。

パッチワークシートのボツ作を利用したポーチの製作

右:<表地>スポーツメッシュ、ナイロン94%、ポリウレタン/6%、日本製
・・・3種の色オフ、グレー、黒をパッチワークボーダーにしてミニリュックを製作時の失敗作。
左:フクレジャカード、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製。
・・・こちらはバッグに一度作ったボツ品の裏地を解体したものです。黒色です。

パッチワークボーダーシートは完成しているので、その製作過程が省略でき、かなりスムーズに仕上がります。

型紙を作らない裁断:①ものさしで計り、ボーダーのマス目を利用しながらまずはボーダー2枚を裁断。
②それに合わせて裏地の黒無地を裁断。不足分はハギ目を作ります。
③ボーダーシートの細いパーツx2枚を取っ手として裁断します。
1)ブランドネームを右上に縫い付けました。
2)裏地をハギにします。両割れして、表面から両端1mm程度の位置をステッチして固定します。
前後パーツとも同じ位置にはぎが来るようにうまく調整して裁断することでハギがデザインになります。
3)取っ手パーツを四つ折り観音開きに折り、ぐるり1周をステッチ。
色ごとに糸の色を同色に交換。結局この場面が一番時間がかかっています(^_^;)。
4)マジックテープのオスとメスをそれぞれ裏地に縫い付けます。マジックテープの色は黒です。
5)表地も裏地のそれぞれの地縫い:本体の前後を地縫いして、それぞれのマチ無しの袋を作ります。
裏地は良いですが、表地は待ち針を打つときにボーダーの柄を合わせるべく、注意を払いながら、
細部まで正しい位置で待ち針を留めると、ボーダーのサイドの段のそろい方が格段にきっちりとなります。
待ち針がボーダーの柄合わせのカギを握っているのです。
6)表地と裏地を縫い合わせ:ここで少し前の段階にさかのぼりますけれど、
ひっくり返す時に、裏地と表地の底部分の縫い代の影響のない部分同士をミシンで返し縫いしてとじます。
片方3箇所、もう片方も3箇所という具合に縫い留めて合体させておくのです。
そうしますと、ひっくり返した後のずれがちな底部分が安定します。

そして、口を1周縫いとじて完成します。

お客様が使い道を考える、「アタシポーチ」というネーミングにしてみました。
<サイズ>縦20cmx横14cmxマチ無し。

小さなものでも、普段のバッグ作りの製作手法と全く同じで、手が込められています。

これが受け入れられなかったことがとても重要です。

丁寧にしっかりと作ればそれでよいわけではなく、そもそも欠けている部分があったということになります。

パッと見た時に使うイメージが浮かばなければ、受け入れられないという厳しさ(しかしそれが当たり前の基本である)を今更ながら知ったのです。

あとがき

はぎれも、はぎれのまま捨てられたり、そのままの状態よりも意味があった製作でないといけないわけで、結局しっかり価値を付けていくには難易度が高い作業だと言えます。

それは、縛りがあり、限られた条件で価値を高めていく工夫になるから難しいのです。

はぎれも舐めてはいけないのです。

しかし、良き技術の上達にはなっていく訓練になります。

限られた条件の中では、答えがシンプルですので、かえってすっきりした最低限の理解しやすいお品が生まれる可能性も高いと見ています。