幅の誤差って意外と分かるもの、正確さ追求のための自前のプチものさし【818】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回、何度もお作りしていながらも、ここで新たにできた「技:わざ」があります。

結局は美しいバッグを作るために何とかしようというところから生まれたものです。

当デザインの型紙と一緒に収納するプチものさしとは

こんな一重仕立てのバッグを現在製作中。たたんでエコバッグに使うも、お着替え入れ、出張のお土産入れ、銭湯用、ただの入れ物として。。。など使い方がいろいろ。1つは持っていると必ず何かに使えるみたいです。
このデザインの型紙も大切にクリアポケットに指示書と一緒に収納しています。表面が指示書と写真です。
裏面に、型紙をたたんで入れています。その中に今回の話題である、プチものさしも入れています。
取り出してみました。過去にどこかでもらってとってあったミニ封筒に無くさないように入れます。
こんな感じの小さな型紙です。小さいし、当てたりするので、裏にレーパックなどの使用済みの厚紙を貼って補強。
こういったものです。使う部分はヘッドの部分だけですが、あえて、長めにして失くしにくくしています。

実際にプチものさしを使う様子とその効果

縫い代込みで上から8cmの位置に待ち針を打っておきます。本体に待ち針を通すと歪みがちなので、支柱のみに打つということもポイント。そして、その待ち針の線を真ん中に左右対称に1cm間隔ずつの合計では2cmになる幅のステッチを補強で入れていくのです。その時の中心をこのプチものさしの真ん中にあてて位置を決めます。よくある裁縫用のものさしは長すぎますので正確に測れません。これをしないでなんとなく目で見てやると、もののみごとに間隔がまちまちになってずれてしまうのです。人間の目は当てになりません。
そして、2cmの間隔になったステッチが出来上がります。
こんな風に当てて確認もできます。

このプチ道具を使い始めてから、とてもこの作業が楽しくなりました。

位置の迷いがないのでサクサクと捗ります。

あとがき

ちょっとした箇所ではあるのですけれど、出来上がった時の遠目で見た時に、同じ位置に縫い付けがあることが美しいのです。

ここで、1つ、美しくバッグを作る階段を登れました(^-^)。

わずかでも、見栄えに影響すると感じたことは、こうして、徹底していきたいと思います。

一重仕立てのバッグ「切餅」の底の補強の「底ベルト」の位置変更【810】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

しばらく、「餅巾着」というデザインのリュックの改良をしてきましたが、いったん入口の隙間解消のゴールへ到達。

まだまだ年末までには、作っていきたいと思っていますが、お直しが入ります。

いったん作ってあるものでもお直しによって、入り口解消の改良後のお品に変えていくという作業です。

そこへ行く前に、「切餅」である一重仕立てのバッグのオーダーをいただきました。

「餅巾着」と「切餅」。おもちつながりで似ている名前ですが、別物です。

生地を数点ご用意のセミオーダー的なものです。

切餅デザインは支柱が長いので、一続きで高級感あるお仕立てにするには、150cm程の生地幅が必要。

ここで生地の選択の幅がぐっと狭き門になります。

インテリアやカーテン地、海外生地などが広幅の生地ですが、あえて日本製に拘ります。

もしかしたら生機(きばた)は中国などのものでも、最終的な仕上げの整理が日本で行われるものは日本製と表示されます。

長い、用尺が150cmともなる支柱というパーツがあるので、それを縦に裁断は、どうしても生地が余ってしまいます。

よってエコノミーな生地の使い方ができないことと、その余りを埋めようと複数製作すると同じ物が複数できて1点物から外れたものになってしまいます。

よって、長い支柱を横向きで裁断するということで、実質10cm強ほどのパーツをフルに生地幅めいいっぱいとるというやり方です。

そして本体を横に2枚とり、残りの部分で、その他のパーツの残りを裁断。

こんなやり方で、販売価格¥2,200(税込)を1点物ながら実現します。

今回は、この残りの部分で裁断のパーツである、「底ベルト」というパーツを2枚対象に底に取り付ける、その場所の変更をしていきます。

以前の取り付け位置

まず、以前の製作品の取り付け位置を見ながら、どう変えていくかというのが分かりやすいかと思います。

底ベルト:横に2列真ん中から対称の上下のベルトのことです。これで、縦向きの支柱にさらにサポートする形での補強のベルトです。重いものを中に入れても耐久性のある丈夫なバッグにするための秘策です。

この底ベルトの取り付け位置、実は真ん中寄りであることに気づいていただけるかと思います。

マチから見ると外側が広くて内側が狭いですね。

こうなる理由は、製作時に縫い代を含めたど真ん中に取り付けているからです。

これを縫い代を省いた状態の真ん中にすると、位置が広がり、出来上がりのど真ん中に付きます。

このど真ん中に移動することの効果を見てみたいというのもありますし、そもそも真ん中の方が納得してもらえるかもしれません。

マチは曖昧な部分があるので、周辺の硬い生地の部分の引っ掛かりの影響で、広く見えたり狭く見えたりすることがあり、この今回の移動によって、マチが広くなればなあ。。ということも検証したいと思っています。

私としてはこのままの型紙のマチなのだけれど、実際もう少し広がってほしいという思いがあります。

基準の線をアイロンで示す方法

マチのど真ん中をアイロンを二つ折りすることで線を付けます。チャコペンが必要ありません。

こんな風に、チャコペンを使わなくても線が引けました。

一重仕立てならではの可能な方法かもしれません。

後でアイロンで消せますのでね。

マチは出来上がりが20cmに設定してあるので、型紙通りに裁断したこの状態の縦のマチ部分の長さは、半分の10cm。

そうすると、アイロンの線は半分の5cmの位置にあります。

改良前は。この線をど真ん中になるように底ベルトを置いていましたが、今度は、縫い代1.5cmを省きます。

底ベルトの出来上がりは巾2cmちょうどくらい。

よって底ベルトの真ん中はベルト自体の端から1cmの部分。

取り付け位置は、折った印の線から1.5cm内側へ縫い代分移動したのがベルトのど真ん中なので、1.5cm - 1cm = 0.5cm。

つまり、折り線から5mmの位置に底ベルトの右端を取り付けると出来上がりがど真ん中へ行くという考え方です。

ここで間違い易いのが、ベルトの端で計算してしまうこと。最終的に合わせやすいのはベルトの端なのですが、計算する時は、あくまでベルトの真ん中の地点を基準にします。これ大事ですね(^_^;)。

底ベルトの位置変更後:出来上がりがど真ん中になるような位置へ変更しました。

これで出来上がりがど真ん中に行くかと思います。

真ん中に行くかそうでないかはデザインのこともありますので、今までのままでも良かったのですが、それよりも、マチが広がるということを期待しています。

これであまりマチには変化がないようであれば、マチのサイズを今後広げようかなとも思っていますので、結構重要な検証になります。取り付ける位置が出来上がりの真ん中ということに関しては今後もそうしていきます。

あとがき

一重仕立ても細かなステッチや補強などで丈夫になるように工夫する余地はあります。

二重の裏地付きがなんとなく安心感はあるかと思いますが、あえて、一重仕立ての丈夫さというのもお見せしていきたいと思っています。

生地をエコノミーに使った、それでも作りの良い丈夫なバッグになりますよう(^-^)。

バッグの当て芯の余分な部分をハサミでカットする時の注意点【754】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の記事の1つ前の記事【753】では、バッグの完成では見ることのない隠れた部分で機能する、「当て芯」の設置の様子などをご紹介しました。

今回は、その当て芯の設置の段階の中で、ハサミを使う部分の注意点です。

余ったハード薄芯を立ててハサミを使うのが良い理由

まず早速ながら、このように当て芯を裏面に当てて表面からフラップポケットを縫います。
↑上の写真の縫い線は、この表面でいうと、ポケットの袋の部分のコの字の部分の二度縫い。
そして、フラップのてっぺんの横線の二度縫いです。
こんな感じで、まずは、縫い線を折り曲げて、ハード薄芯を立てて、ハサミをスーッと横へ滑らせていきます。ここで使うハサミは、生地をカットする時のハサミとは別のハサミをお勧め。
こういった不織布は、早くハサミが切れなくなってしまうんです。
下の生地を切ってしまわないように立てて浮かせてカットするのが重要ポイントとなります。
内側の袋に当たる部分は必要が無いのでカット。
バッグ全体が余計な芯地により重くなってしまう原因になることと、当てただけでもごわごわするので、ポケットの柔軟性が不足して硬く感じてしまうのです
。結局、最低限に必要な部分のみを残すということになります。
この写真のような真ん中の部分は、ハード薄芯を立てることができませんが、浮かせて、滑らせてカットするのが安全です。とにかく大切な本体である生地に穴などあけぬよう。。
補強の目的で貼った当て芯の出来上がりは、こういった枠のようなものになりました。上の横線とコの字の間にすき間があるので、本来2パーツに分かれるところですが、これを一気にやってしまえる効率を考え、1枚の大きな長方形の当て芯を当てて、後でカットするという方法をとっています。
表面から見ると、裏がこうなっているなんてなかなか想像できないですよね。貴重な製作場面だと思います。

当て芯の型紙がおおまかな長方形な理由

どんな形であれ、当て芯する時に、その部分に忠実過ぎるパーツにあらかじめカットしてしまうと、きちんと当てはめなければならないことに集中せねばならず、本来の表面の縫いがずれたり、位置が分からなくなったりで悪影響です。

よって、それほど向きというのが関係のない不織布のメリットとして、極端には、ゆがんで斜めに当ててもできるという点が事前にカットしない理由です。

ただ、あまりに異形の形のパーツを当て芯とすると、これもまた、目の錯覚から、歪みの原因になることが過去に経験済です。

適当にカットして当て芯をしていたら、正しい向きが分からなくなってしまったことがあります。

なので、まっすぐに綺麗に仕立て上がげるためには、当て芯自体も専用の型紙によって「粗裁ち:あらだち」をするという、粗いものなのに、きちんと型紙を用意する少し面白い矛盾を行っています。

あとがき

もう1つ、ハード厚芯というのがありますが、これは、取っ手などの重くずっしりと支えるような、より強度が求められる部分に補強します。

ハード厚芯は1mmくらいの厚みがあり、こちらはハード薄芯との差が歴然です。

ポケットはそれほど重いものを入れたりしないことで、バッグ全体のの重さの軽減からもわざわざ厚芯の方でなくとも十分薄芯のタイプの方で役割が果たせるというミニマムな考え方で使い分けています。

出来上がってしまうと見ることのないこういった裏側の部分。

多くは、縁の下の力持ちといった機能になりますね。