時代は変わった!かつては宝石にまつわる裏話であったことが、実は本来表に実直に提示するべきものだったと言えるいくつかの貴重な情報【1035】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「レンタルジュエリー」では、まさに宝石をお取り扱いさせていただいている身ですので、宝石に関する「真実」のような部分は知っておかねばと手にした本があります。

「宝石の裏側:内藤幹弘 著」です。

この裏ということが2つの裏を表していて、タイトルが粋です。

宝石の構造の裏面部分に私達が知らない工夫があること、そして、宝石そのものの商業利用においての裏話のようなこと。

宝石を手にする末端のユーザーの事を思った親切な情報だと思います。

喜平チェーンはなぜに大量にあるのかということの1つの答えがある

いろいろ役に立つ有難いことが書かれていましたので、ご一読をお勧めするのですが、私が1つピックアップさせていただくとすると、喜平チェーンに関する項目です。

喜平チェーンは、メンズ分野のイメージが大きいかもしれません。

細かなパーツのカットの美しさがよくきらめき、それがK18YG製であった過去のビンテージチェーン達が地金価格の高騰の現在よく買取に持ち込まれるようです。

中古市場には多くの喜平チェーンが並びます。

チェーンには喜平の他にもデザインはあるのですが、これが定番のようなデザインの形に思うのも、あまりにも広く流通したからなのでしょう。

ただ、この広く知れ渡ったのも、「製造業者のしかけである」ということが驚きです。

格安の喜平チェーンを大量生産することで、その1本1本がよく見かけるものになってしまったということです。

本来喜平チェーンは、とても美しいです。

ちなみに私も、喜平チェーンはお取り扱いさせていただいていますので、次の番号【1036】の記事でご紹介すると致します。

喜平チェーンの中にも細かなデザイン違いがある点が楽しめる部分です。

それなのに、ややどこにでもあるかのような印象なのは、やはり、過去のそういった供給側の儲けのしかけによるものであるところ。

しかし、そのことを知れた今、喜平チェーンへの変な誤解が溶け、純粋な気持ちで喜平の美しさを見ることができるという感じに変わりました。

著者様には有難い気持ちでいっぱいです(^-^)。

指輪の裏面にほどこされた工夫

専門的なことは本の中に詳しいことがありますが、私も以前から不思議だったのが、指輪のストーンの裏側が多角形とか何かの形で透かしになっていることでした。

あれが、最大限にストーンのきらめきを出すための台の工夫であるということだから驚きです。

特にダイヤモンドはその効果は大きいようです。

ストーンも元の色とか形も重要ですが、光に当たった時のきらめきも想定されたものがその加工品なるジュエリーなので、鉱物のまま、ルースのままとの違いがそのような点にありますね。

やはり、18金とかプラチナの地金もとても大切な宝石の一部だということです。

その他の裏話のご紹介

1つ誰もが聞いたことがある有名なお話があります。

男性が女性にプレゼントする指輪が月給の3倍相当であるべき。。というもの。

これ、結構真剣に受け止めていた人が多いと思います。

常識みたいな感じにさえなってしまった時期もありました。

まさしく、これも、ダイヤモンドを販売する会社の刷り込みになります。

今思うとおかしな作り話のようにも感じますが、この名言がかなりの影響力で多くの人の脳に到達。

実際にその効果はあったようです。

しかし、そういうものも一時期のもので、長い目でみて、そのお品をずっと大切に持っていくのかというとコスパは決して良くないのでは。。と思います。

時には悪い情報も正直に出す必要性

やはり、宝石は、正直な純粋な情報のみを得たいのが実際の購入者の気持ちです。

上述の事は決して購入者様の事を考えたものではなく、販売業者様自身の利益のみを重視したものになります。

けれど、大げさな「コピーライティング」は基本的には自由ですので、そういったことも、受け手は鵜呑みにするのではなく、冷静な判断をするということも大切です。

販売業者様というのは、悪い情報を出すことで売上の妨げになるということで、「難」の部分を隠しがちです。

しかしながら宝石は難の部分も出てきてしまうこともあるようです。

しかし、この「隠す」ということももう今後は古いやり方なのかもしれません。

正直に良いも悪いもとにかく、情報として平等に示していくことで、長い目で見て信頼できる業者様だというとろに行き着くべきではないかと思っています。

特に宝石は、購入者様も未知の部分が多く、今まで隠されてきたからなおさらです。

今後は、是非、お客様と共有を増やしていただきたいものですね。

あとがき

販売者と購入者という点で見ると、宝石でなくても、事業をしているすべての人に当てはまることだと思います。

販売者/提供者である事業主というのは、大きな会社であれ、小さなプチ事業者であれこの本から学べることは、「情報をお客様におしみなく伝えること」です。

あれこれ、隠すことを考える時間があれば、実直に誠意を持って真実をお伝えすればよいのです。

そして、その余った時間は、別の発展のために使えばよい。。

とてもシンプルだと思います。

宝石を手にする時に是非読みたい本、地球活動のミラクルによって美しくスタイリッシュになったジュエリーの姿の見方に深みが増す【1032】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「これこそが宝石なのだ」という見方が学べる素晴らしい本に出会いました。

シリーズの1-3で綴られる、「宝石2-品質の見方と価値の判断のために-:諏訪恭一 著」です。

宝石業をされている著者様のこれまでの宝石を見る目の記録の集大成とも言えるべき「図鑑」です。

私は普段図書館で借りて読書をしています。

こうした、ヴィンテージの本は後の新しい発見もあるものの、ゆるぎない考え方などが詰まってとても素晴らしい内容です。

親切心あふれるその文面が特徴のこの本に解決してもらったこと

特徴としては、著者様の親切心があふれた1冊であるということです。

まどろっこしい誤解などもさりげなく、登場している部分があって嬉しかったですし、私がこれまで疑問を抱いていた部分もちゃんと書かれていました。

その疑問を解決してくれた例を1つご紹介したいと思います。

私が実際に持っているクォーツというレンタルジュエリー内のストーンがあるのですが、購入当初、インクルージョンのお話を店員様からお聞きしました。

インクルージョン(内包物)が見られるからこそ価値があると判断したお品ですということで、モヤモヤした不統一な色なのです。

一方同じサイズの類似のものが、そのお値段の半額以下でしたが、それは後に購入したものの現在は手放して残っていません。

何かしら「処理」なるものが施されて、均一化された様相のこ綺麗過ぎるお品でした。

価格が安かったので魅力ではありましたが。。

これはどちらに価値を置くかというのも使い手の意見もありますが、やはり、本物の証であるインクルージョンが、時には大切です。

これを処理によって手が加えられまっさらに均一化された透明感には「味わい」なるものは消されているとも見れます。

その何年後かにその処理部分に異変をきたすこともあるようで、処理して均一感が出されたその場だけのある部分の解決というのは、後にやってくるデメリットもあるのです。

あとは、ダイヤモンドに入るインクルージョンも、今後、ダイヤモンドのイミテーションがもっと今よりも多く出回ってきた時にこそ、価値が出てくるのではないかということです。

本物を見分けることが難しかったり、偽物でもかなりのきらめきが得られて本物と何ら変わらないかのように見せることができるようになっていくほど、逆に本来の天然の価値が高まるという考え方です。

そこには私もとても納得しました。

一方では、宝石にもランクがあり、ルビーがすべて美しいわけでもなく、レベルを表す数字が1つ違うだけで明るさが全く違うという点もとても厳しい見方になります。

このレベルは「宝石とは言わない」とまでも書かれた部分もありました。

このように、良し悪しの見方というのを厳しい見方で教えてくれた本なのです。

私には大変有難い本で、レンタルジュエリーの商品ラインナップにおける選択にはとても役に立つ情報になりました。

あとがき

今から25年前の1997年発行の本ですが、その情報は色あせることはありません。

著者様は宝石鑑定士の資格を日本人の第一号で取得した方。

早い段階でこの世界に興味を持って足を踏み入れられたのですね。

私がよくダイヤモンドのカラットは気にせず、素敵さを重視しているお話をさせていただいておりますが、著者様としては、カラット=重さのことよりも、「大きさ」が重要であるとのことです。

小粒であっても奥行きがあれば重くなるのでカラットは上がるけれども、面積がないと美しくは見えないというのも納得できます。

図鑑みたいに見えるけれど、著者様の思いがよく伝わる本である所が意外です。

こういった図鑑的な本は、さらっとすべてを平等な気持ちで書かれてしまっていて、余計分かりにくいですが、ご意見を入れていただいたこういったタイプの図鑑の方が、私達は読みやすいです。

私達も同じように思うのかはまた私達読者が判断することです。

図鑑のイメージを覆すような素晴らしい本であることが間違いないです(^-^)。