出来上がると目に映らないハンドメイドバッグの隠れた機能のご紹介【753】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを製作+ネット販売(ヤフオク・creema)させていただいております。

商品に完成した状態を眺めるよりも、バッグはもう少しパーツが多いと言えます。

想像よりもちょっと手が込んであるのですね。

それは、バッグが宙に吊り下げて持つものであることから、強度の面での工夫が必要になるからです。

当たり前のことなのですが、意外と単純に感じるのは、表に出る部分だけを見る機会しかないからであるかと言えます。

今回は、製造者である私がお伝えできることとして、その途中の製作段階でしか見られない、補強用の当て芯の場所とか使われ方にスポットを当ててみました。

現在製作中の「餅巾着」デザインでのリアルな場面ですので、後の記事アップでこの完成品がご覧いただけるのも、より面白いかと考えました。

ハード厚芯とハード薄芯について

顔みたいな配置の右上がハード厚芯、薄く透けている方の2パーツの左下がハード薄芯です。

ハード厚芯(あつじん)というのは、暑さが1mmほどある硬いものです。

このパーツが大きいとそこそこの重みになるので、やはり余分な部分は後でカットして最小限のサイズにします。

最初からぎりぎりのサイズにすると縫い目のゆがみや位置のずれに影響するので、型紙としては正方形や長方形のざっくりとしたいく周りか大きいサイズを当てて表側から本パーツである取っ手カバーやDカンカバーを縫い付けます。

そして、縫い終わったら、裏を見て、余計な部分を綺麗にカットします。

このカットもあまりに粗いと表から透けて見える場合もあるので、見えないところも細やかな作業をしていきます。

カットの際のはさみは、くれぐれも生地を切らないように芯地を立ててはさみを当てるなどのコツがありますが、また違う時にご紹介しますね。

次に、ハード薄芯の方ですが、こちらは、取っ手などのより重い力がかかる場所よりは軽い、内側のポケットに主に使っています。

わざわざハード厚芯を使うと、バッグ全体が重くなる要因になるので、必要な軽さの薄い方の芯地で良いとの判断です。

それでも、ポケットをそのまま縫い付けるよりも、本体生地への負担が少なく、長い目で見てバッグが長持ちです。

こちらは、隠しポケットの入り口のポストのような口に当てる芯です。紳士服のポケットの片玉縁(かたたまぶち)という比翼のようなものが付いたポケットと同じような作りです。こんな風に裏地の裏面に当て、ここへシャープペンシルでボックス状に作図して、表面側から向こう布と共に縫い付けます。

完全に隠れてしまう部分ですが、実は、隠しポケットが綺麗に出来上がるための立役者的な存在でもあるので、このハード薄芯を使うか使わないかの違いは出来栄えにも影響するみたいです。

一度、比べた分かりやすい写真などをいずれお見せしたいと思います。

こういったパーツも、専用に型紙を作っています。

なぜかというと、適当では、歪みの原因になります。

目の錯覚で、斜めのものを当ててしまうと、斜めにつられて縫ってしまうというような感じです。

これは経験からひしと感じたことで、その後、芯地だけの為の型紙もすべてのパーツに持つことに切り替えまして、その後出来栄えグッドになりました(^o^)丿。

こちらの大きい方のハード薄芯は、フラップポケットの方に使います。このように大きい理由は、フラップポケットの袋のコの字部分、そして、フラップの水平の部分を補強の目的を1枚で2か所の部分を当て芯するために大きくしてあります。

別々に2段階に作業するより、こうして、1枚で一気に行った方が効率が良いですものね。

その他の見えない部分の材料はあるのか

実は、今回は、芯地のみご紹介させていただいたのですが、伸び止めテープも使っています。

伸び止めテープは少し芯地に役割が似ていまして、補強とハリコシを出すということです。

その名の通り、伸びがちな生地の横向き(引っ張ると織物でもわずかに伸びます)を固定してくれる役割があります。

ポケットの入り口ラインなどが、伸び止めテープによってうねりが解消され、びしっとなります。

この写真は、今回の裏地ではないですが、隠しポケットの例としてここにアップしました。この隠しポケットの入り口の比翼みたいな部分に伸び止めテープ(9mm巾)を貼っています。もともと接着芯である薄芯を貼ってあるところへ更に伸び止めテープです。特に薄手の生地などであると目で見ても劇的な効果が感じられますし、手で触るととてもビシッとしていて気持ちが良いです。

あとがき

バッグというのは、随分隠れた部分の内蔵箇所が多いものです。

これをどうご理解いただくかというのが、もう、今はこういった発信しかありません。

出来上がってしまえば、何ら他のバッグに紛れてしまいますので、この細かい部分が分かることはなかなかないです。

今後の私の頑張りがあるとすれば、一目見てもキラリと光るようなお仕立てですので、こういった効果を写真で見ただけでも「何か違うな。。」くらいは感じてもらえるようにすることですね(^_^;)。

ハンドメイドバッグのパーツの正八角形の地の目の向きを把握する対策【742】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

織物の生地には、「地の目」というものがあります。

つまり縦の方向を指すものです。

生地の原反(げんたん)を見たことがあるとイメージが湧きやすいのですが、両縁が「耳:みみ」と呼ばれ、人間をイメージした場合に天地の向きの縦に立つ人間の両端に耳が付いているイメージに重なります。

この縦向きというのは、実際に製作においても重要です。

今回は、裁断後にバラバラのパーツになった時に地の目の縦向きを把握する対策を自分自身で製作しながら学びましたので早速お伝えしたいと思います。

特に正方形、丸、多角形な向きが分かりにくいパーツの地の目の把握の対策

バッグの取っ手カバーに使うパーツ:八角形なのですが、ほぼ正八角形なので、パッと見ただけでは向きが時々分からなくなります。

この写真のような正八角形のようなパーツは縦と横の向きが混乱します。

そんな時手で横に引っ張ってみたり、縦に引っ張って見たりして縦横を探ります。

硬い方が縦向きであることが9割型です。

例外が、東南アジアのような国の原産国の生地が、なぜか生地の織り方に特徴があって、柄の向きから見ても縦横が日本製とは逆だったりします。

この話はさておき、硬めの縦向きと分かった時に、印を打ちます。その印がこちら。

裏面に矢印でこのように縦向きを記します。

アパレル業では型紙などにこの矢印がよく使われます。

これで縦横の把握が後の作業では瞬時ですので、スムーズな作業になる1つの貢献です。

あとがき

ちょっとした工夫ですが、私の場合でありますと、縦横の向きを間違えると、凹凸感ある生地なので、横向いているというのが出来上がりを見たときによく目に付きます。

そのような失敗が無いよう、パーツの段階でできることという陰ながらの工夫というのもたいそうなものです(^-^)。