ボア生地パーツが変形しがちなハード薄芯の使い方【862】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ボア素材を使用してのリュックをハンドメイド製作しています。

いよいよ最後の表地の場面にまいりました。

内側設置の巾着袋製作、裏地製作、表地製作という順番の主に3段階のパートに分かれた製作でやってきました。

今回は、表地製作の段階に入たところ。特徴としましては、結構小さなパーツが多いことです。

この小さなパーツはとても裁断がしにくいです。

ボアがニットのせいもあって途中正確さが失われそうな時があります。

その際にある策を案としてご紹介したいと思います。

ハード薄芯の粗裁ちの後に、再度型紙に当てて裁断調整をするアイデア

通常、私のやり方は、生地のみをまず型紙通りに裁断→接着芯を粗裁ち→余分をカット。

次にハード薄芯を粗裁ち→ボンドで接着→余分をカットという順番です。

しかし、今回のボア生地の場合明らかに最初の生地の裁断後にゆがみとかへこみが生じていて、このまま作ってしまうと、特に左右が同じ大きさのパーツなどの取っ手の付け根タブなどは左右が違ったサイズとかデザインのように見えてしまい綺麗ではありません。

そこで、ハード薄芯の粗裁ちの段階で、今一度、型紙に当て直すということをしました。

ハード薄芯の粗裁ち後の状態:外にはみ出したハード薄芯の部分をとりあえずそのままにしておきます。
そして、型紙を今一度当てます。
この型紙に対してはみ出した部分を、生地の方であろうがハード薄芯の方であろうが、とにかく型紙に忠実に整えます。
そうするとこんな感じになります。生地の周りにわずかにハード薄芯が残った状態が型紙通りということになります。余分カットの時に黒い生地が削除されたりもしています。この白いハード薄芯のはみだしが重要なのです。
同じパーツであっても、飛び出し方が違ったり、逆に生地部分をカットした部分もあります。これこそが型紙通りの裁断ということになります。

ボア生地は、基布がニットであることがほとんどです。

よって、クセがあってくるんとカールしたりして、生地のみの裁断の場合だと正確さが不十分です。

よって、以上のやり方で最終的に型紙通りに整えていくというわけです。

もう1つやり方があるとすれば、最初から表地自体を粗裁ちしておくというもの。

そこへ接着芯を粗裁ちのまま貼るというもので、そこで初めて型紙を当てるというものです。

そうすると型紙による裁断が1度のみで良いということになります。

しかしながら、その次のハード薄芯の時にハード薄芯にはボンドを貼りますので、そこでも結局粗裁ちをします。

最終的に型紙とずれていなければこのやり方は無駄が少ないかもしれません。

でも、型紙とずれていないかという調べをする場合に再び型紙に当てるので、結局この場合も同じことかもしれませんね。

ただ、地の目の向きを最初に接着芯で固定しておくという点では、ある程度の狭い面積の粗裁ちであれば、後者のやり方も良いとも言えます。

特に小さいパーツだけは生地を最初から大まかにカットしておいて、接着芯の段階では地の目をきちんとそろえておく意識をするというものです。

やり方としては1つではありません。結局は最終的に効果の大きいやり方を採用するのが良いかと思います。

あとがき

細かいパーツというのは私のデザインの場合、特に表地に集中します。

細かいパーツが最終的に目や鼻や口みたいに見えるものになるので目が行く場所ばかりです。

それだからこそちゃんと左右が同じであるとか、歪みが無いなどの事が重要です。

巾着袋が設置された裏地の完成場面【861】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ハンドメイドリュックの1点のみを集中的に製作しています。

その名は、「餅巾着」。

このデザインを徹底的に製作していく中で、そのポイントとなるような場面を写し、ご紹介させていただいております。

今回は、裏地の完成場面のご紹介です。

出来上がってしまうと、内側にひっそりと入り込んで見にくくなる部分などがありますので、まだ表地と合体していない状態の裏地パーツというのは貴重な風景かもしれません。

裏地出来上がりの場面

黒い部分は接着芯ですね。こんな風に表地と合体する前の裏地が完成です。その中に巾着袋が設置され、ひもでしばっている状態です。すっきりとしていますね。
底周辺の部分は、こんな感じ。両サイドのマチは、巾着袋のマチの表地、裏地、裏地本体のマチを重ねていて、ミルフィーユのような状態で縫い付けて1つにまとめています。
これは、フラップポケットのてっぺんの部分ですが、今回は、裏地本体とポケット部分の地の目が違い、ポケットの方が横向き裁断になってしまったので柄が合っていませんが、この部分柄を合わせていくともっと見栄えが良くなります。
少し分かりにくい写真ですが、フラップポケットのフラップを開けています。指でつまんでいるのはポケットの入り口付近。このあたりは柄が縦には合っています。けれども実際はここはあまり目に映るところではないようです。
こちらは隠しポケットが付いている面です。上のフラップポケットの面と反対側ですね。隠しポケットの片玉縁(比翼)は柄が縦にそろうようにだいたい合わせてあります。
実際は、この目線から中を見ることが多いです。裏地本体の両サイドのハギ目部分が柄が対象になるように計算して裁断しました。アップで寄ってみますね↓。
こちら側のハギ目部分のご注目を。段はなかなかピッタリ合っています。対称に柄が分かれるような位置に型紙を置いて裁断しています。
右の方のハギ目にご注目を。一番上が少しずれました(^_^;)。
こうして裏地が完成しました。

あとがき

今回は、チェック柄なので柄合わせの難易度が高いです。無地はもちろん、全体にちりばめられたお花柄、細かいストライプなどは結構やりやすいですが、先染チェックも裏地としては定番ですし、素敵です。

取り入れるなら是非、今回と前回もご紹介の「ほどほどの柄合わせ」を意識してみてください。

ほどほどというだけでも見栄えがとても良いです。

さて、この後の作業は、最後に表地に取っ手とか留め具のパーツを縫い付けて裏地と合体して完成していきます。

表地のボア生地は、なかなか縫いにくいです。

どこを縫っているのかが分からなくなってしまうくらいモフモフです。

今回の裏地製作でもきんちゃく紐(入り口に近い方)の先に表地をタブとしてモフモフの表地のボアを縫い付けました時にそれを実感しました。

もしかして何かの困難がこの先にあるのかもしれませんが無事完成に至りたいと思っています。

また、続きは当ブログでアップしますね(^-^)。

全面キルト、じっくりと丁寧にかける3cmダイヤキルト【855】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年に製作していくと決めた4デザインがあったのですが、早くもこのスタートの1月で意向の変化が出てきました(^_^;)。

今年は、全力で1デザインだけをひたすら作っていこうかと。。。

これでもかというほどのとことん「餅巾着」デザインを2022年全力で作って行こうという思いがここ数日で沸いてきています。

3cmダイヤキルトの加工例

では、まずは、キルトがけの準備段階からご覧いただこうかと思います。

今回の表地のボアは肉厚です。他の同じデザインで薄手の生地を使用する場合はやや薄手の中綿を真ん中に挟み込みますが、このボアの場合差が出過ぎ、膨らみ過ぎて厚みが出過ぎるので均一に他のものとのバランスをはかるために、ソフト厚芯というグレー色のフェルト布みたいな芯地を挟み込むことでやや控えめなクッション具合にします。表地→ソフト厚芯→ハード薄芯の順です。
本体のキルトの作図:こんな風に丁寧に3cmダイヤキルトを作図します。こちらは、本体パーツx2枚分です。入口フラップx2枚も同様にキルトをかけるので、作図のポイントは入り口フラップでお届けしますね↓。
入り口フラップのキルトの下準備:ボンドなどは使いません。先ほどのように表地、ソフト厚芯ハード薄芯を重ねて、ソフト厚芯とハード厚芯は粗裁ちではみだしておきます。そして、表地の正しいデザインに沿って余分をカットしていきます。この時にしっかり待ち針で固定してあります。はさみは生地用ではないはさみをこういう芯地用に用意しておくのが良いですね。
カットしました。この待ち針はステッチの直前で外すので、このまま固定で、更に、真ん中部分の空間にも待ち針を追加して、縫う時のずれ防止を徹底します。この真ん中の何でもない空間に打つ待ち針こそがとても重要です。
キルト作図場面:スタート時点が肝心だと言えます。キルトをできるだけ隅の方からかけてあげるために、直角部分の端から1.5xcmを縦横とも印をつけ、線で結びます。これは直角二等辺三角形の底辺に当たります。この底辺を起点として、横に3cmずつ線を引いていきます。
印は、最低2箇所以上でないとゆがみますので注意です。長い線は3-4箇所印をして結ぶのが良いかと思います。片方の線引き終了後、垂直向きにもう片方の向きの線も付けていって、全体にダイヤキルトを作図しておきます。
そして、端っこから順にミシンでステッチ。待ち針はこのステッチの途中で徐々に外していきます。外してから縫わないと待ち針に乗り上げてしまうからです。最初と最後は返し縫い、そして玉結び、玉止めもします。とても丁寧な手間のかかった作業と言えます。
こんな風に仕上がりました。難しいものではありません。作図通りにひたすらステッチをしていくという地道な作業の賜物です。

今回、本体の方だけですが、ダイヤキルトを柄とみなして、作図の時点で出来上がりに対象に柄が出ることを想定してみました。というか、そうしてみたつもりです(^_^;)。出来上がった時にその効果を検証してみたいですね。

というとは、全く同じ向きで同じ位置に作図ということではないということが注意点になります。

2枚が、合体した時にぴったりと重なるダイヤキルトになるには相反する位置からのスタートで作図ということにしています。

もう一度上の写真を見てみますね。

対象にダイヤキルトの柄が出るには、左のパーツの右上の端からのスタートで作図の場合、右のパーツでは、左上の端からのスタートで作図すると、ぴったりと同じ位置に柄が来るという考え方です。作図は、マチの方からはしませんので、てっぺんのどちらかの角から始める場合、相反する側からのスタートで実際にバッグになった時に対称になるということです。
キルトパーツ完成:すべてのキルトパーツにキルト加工を終えました。非常に美しい3cmダイヤキルトの完成です。

キルトの効果としては、1)丈夫にする、2)華やかにする などと2点程あるかなあと思っています。

あとがき

時間や手間が多くかかりますが、困難や難関はないのでやりやすいです。

驚くほどの美しさです。

これリュックになるかと思うと非常にワクワクしますね(^-^)。