ハンドメイドバッグ年末SALEの裏事情、個人事業主の場合の例【830】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

よく会社では、決算SALEというのが3月末にかけて行われているのをご存知かと思います。

あれは、企業の決算が独自の決算日というものを設けていて、それが3月末であることで、在庫を思い切って短期間で減らすという目的もあるかと思います。

同時に、値段を下げても数多くを短期間で売りさばくことで売上高、売上個数も伸ばすといういもの。

短期的なテクニックの基本的な例ではないでしょうか。

ところで、個人事業主といのは、決算というのは、基本、12月末になります。

その1年の暦(こよみ)そのままの暮れが決算日に当たるので、12/31なのです。

あの忙しい大晦日、お掃除もしなければなりませんが、同時に〆(しめ)という行事があるということになります。

個人事業主のハンドメイドバッグを決算SALEする試み

多くの企業様の決算SALEと同じように、個人事業主である私、picturesque(ピクチャレスク)もこの12月後半に差し掛かる時点でSALEを始めました。

名付けて、「廃版SALE」です。

理由が、もう廃版になるデザインのバッグを一斉に半額へお値下げ致しました。

そうして、多くを廃版にして、残ったバッグのデザインというのが、今後も定番となるほんの数デザインになります。

また、コンスタントに製作するようになった時に、定番デザインになったものをまとめてご紹介したいと思います。

今回は、廃版したものがなぜなのかなどの理由と共に、廃版SALE対象のデザイン3点ご紹介したいと思います。

まず、このデザイン。昔ながらの「ナップサック」のデザイン。特にネーミングは設けていませんが、1点物。この後に同じデザインはお作りしていないものになります。

ただ、このデザインは、ナップサック同様、きゅーっと入口を絞る薄さが必要で、ただ、丈夫にも作りたくて、接着芯とハード薄芯も両方貼っています。

そのうえで巾着の口を絞るので少し口にすき間が。。。

それをカバーするべく、このフラップを付けたということなのですが、この生地でもワンピースのようなアイテム用のかなり薄手を利用しましたので、こういうレベルの薄さの生地でしか実現できないのです。

それが永久的に製作していけそうではないと。

ということでこれ1点で辞めたデザインになりますね。

では、次にご紹介するのは、こちら↓。

「かまぼこ」:こちらは、かまぼこというネーミングも付けたのですが、実際いろんな素材で作っていく中で、この生地の厚みで限界。下の角が急カーブ過ぎて綺麗に作ることに限界がありました。

今後もっと抜群に綺麗さを追求していこうと思ったら、この急カーブがどうしても妨げになります。

トライしてみてやってみて分かったこと。いくら頑張ったって、不可能なことはあるものなのです。

この写真のお品の急カーブは、なんとか最大限頑張った縫いになります。

同時期に他に2点お作りしましたので、仲間の柄違い素材違いが同じように廃版SALEに組み込まれました。

「おにぎり」:最後はこのデザイン。これは、今後も続行の「巻き寿司」と類似の作りなので、こちらは廃版にしました。

あまりにもデザインが似ていると、並べたときに優劣が働いてしまい、どちらかを最初から絞っていった方が良いとの考え方です。

というのが廃版SALEになった主な理由等でした。

私の場合はこんな事情があったのです。

なかなかこんな裏の話は聞くことができないので、ご参考になればと思いますし、特に理由が無ければ高い値段のままで行きたいわけですので、こういったSALE品はいろいろヒントが詰まったものなのですね。

考え方によっては、廃版というのは、希少なのかも。

今後は出てこないモデルということなので、そこに価値があると言えます。

あとがき

今年、2021年があと少しですが、今年できたことというのが、1つのデザインの追求です。

今まで当たり前に作っていたものを、その縫いの意味、その縫い代の寸法の意味といったように、1つ1つの作業に「なぜ」を追求していって、バッグ1つに「哲学」なるものをたくさん込めたお品にしようとしてきました。

この細かな追求の結果、廃版になるお品が生まれました。

こうして、かつて、デザインの数が多すぎたことから、ぐんと選りすぐりに絞られていきました。

そうして残った定番デザインを今後も大切にしていきたいと思います。

どうぞ、また記事にアップしてまいりますので、お立ち寄りくださいませ(^-^)。

ボストンバッグのファスナーの端にタブをチラ見せする取り付け方【73】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ミニボストンショルダーバッグをが完成致しました。

【72】では、おじさんの持っておられた取っ手付きのセカンドバッグのようなころんとしたアイテムを街角で拝見したところからの着想出会ったお話をさせていただきました。

では、そんなきっかけから生まれたデザインがどんな出来上りになっているかを当記事でお楽しみどうぞ(^-^)。

ファスナーの両端にタブをチラ見せする理由と取り付け方

ファスナータブが1cm程チラリと見えている様子。・・・当記事は【73】ですが、【38】では、
ビッグなボストンバッグでファスナータブを表に縫い付け、
ファスナーを開閉する際に手でつまめるような仕様です。
今回は、タブが見えるだえけの仕様ですので、違いをご了解くださいませ<m(__)m>。

こんな風にファスナーの端にちらりとタブを見せます。

反対側も同じ光景です。

ファスナーにあらかじめタブを取り付けておいて、タブごと縫うというものです。

これは、大変かっこよい作りとなりました。

タブには、今回は芯地を貼りましたけれど、貼らない方がこの生地の場合はもともと厚みがあるのでごてごてせずにすっきりと仕上がったかもしれません。

芯地もなんでも貼れば丈夫だからいいというものではないということがよくわかります。

タブも折ってさらに重ねてと幾重にも重なったものなので、接着芯無しで十分であることも時々の判断ですね。

そうすることで、このファスナー取り付けの2重ボックスラインのステッチも、よりスクエアな綺麗な縫い目になることにつながるようでした。

出来上がりでファスナータブがチラリと見えるのは、デザインとおさまりの良い安定感が得られるところに効果が出ているようです。

まるでファスナーが生地に溶け込んでいるかのように。。。

機能としては、内側でファスナーの端の縫い代を隠しているのです。

底縫いのラインをまっすぐに出すコツ

以前にミニリュックをニットで作ったときの失敗からの学びをこのたびに活かした内容となります。

以前のニットでは、ぎゅーんと底部分がゆがんでしまったのです。

やはり、失敗には理由があります。

長い1枚の口布を表面、裏面の本体それぞれに組み立てる時に、片方の面を最初に取り付けました。

その次にもう片方を取り付ける場合に1か所しか印合わせをしていなかったからちぐはぐな底部分の位置になったのです。

これが原因だったと解析し、今回はそこを改善すべく挑みました。

まっすぐになった底部分のライン:ラインがまっすぐであるとバッグを置いた時にしっかりと立ちます。

このマチ7cm幅の底の部分のラインが重要です。

これが何も意識しないと歪むことがあります。

特にニットは伸びて融通が利いてしまうので気を付けねばなりません。

今回はこの写真のようにすっきりとまっすぐに安定したラインになりました。

それには対策があったわけです。

その対策というのが、まず片面をしつけ糸で、てっぺんのど真ん中を印を合わせて固定します。

最初に縫う面の方はここしか指定する部分がないです。

あとは、その印周辺から、そのまま縫い付けていけばよいです。

そして、底部分は5cmほど重ね合わさります。

次のもう片方の面の印を合わせるところが今回のキモです。

まずは、同じようにてっぺんのど真ん中を合わせて仕付け糸をします。次にまだ合わせる箇所が増えます。

それは、この底の角の部分左右ともです。最初に縫った面の方の底の角の位置にまっすぐの延長上になる位置を2つ目の面の角の位置にあらかじめ指定するのです。

そして、そこに仕付け糸を左右ともします。

そして、最後にもう1か所印を合わせる部分があります。

それは、底のど真ん中、先ほど5cm重なったということをお伝えしましたが、その口布兼マチの重なり部分のど真ん中と面のど真ん中の印を合わせるといった具合です。

このように2つ目の面をきちんとすることがうまくいく秘訣となります。

合計4箇所の印を合わせる仕付け糸をするのが2つ目の面の組み立てです。

いろいろ書いてしまいましたが、大きくまとめますと、「それぞれの面で印通りに従うのではなく、片面に合わせることも意識しながらカーブの位置を決める」ということです。

完成品のご披露

このように完成しました。

ミニボストンショルダーバッグ:<サイズ>縦14cmx横20/24cmxマチ7cm。

ショルダーは取り外し式なので、サイドにまとめてあります。

かまぼこのようにどっしりとした安定感あるものに出来上がりました。ちょこんと小さくてかわいらしいですね。

ここで、このデザインのネーミングが「かまぼこ」で浮かんでいます。

率直にその様相を表した言い回しを、和風なお惣菜、おばんざいで集めてみるシリーズになるのでは。。とワクワクしてきました。

かまぼこと呼べるためのポイントが、やはり、丈夫の美しいカーブと、今回意識した、底部分の真っすぐさの対比にあると思っています。

いかにラインを綺麗に出していくかで、「らしさ」が出てくるのです。

あとがき

このシリーズの最後には、すべてのデザインに名前を付けることをしていきます。

そんな全体を俯瞰してご覧いただけるようなシリーズになりますので、この後のデザインも是非ご注目下さいね。

次は、最後5点目になりますリュック型になります。

ミニリュック型がどんなフォルムで形作られるのかお楽しみにどうぞ(^-^)。