同生地のロット違いが生み出す柄は裏地のチェックとリンク、シンプルなナップサック型で高めた立体感とおしゃれ度【1430】

アイキャッチ画像1430

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび2024年末から連続製作を始めましたナップサック型の「餅巾着」が完成、ご紹介したいと思います。

このネーミングは、フォルムそのままを分かりやすく表して呼びやすいように付けたもの。

もう1つの一重仕立て「切餅:きりもち」と分野を同じ食材にして楽しく・分かりやすくイメージしていただければと。

とはいえ、「餅巾着」にしても「切餅」にしても「共有型のハンドメイドバッグ」の活動の一環。

デザインやノウハウを共有するためのものとして広める活動をしていますので、ピクチャレスク独自のものにとどめるという考え方ではないのです。

是非、このたびの作りから感じたことを引用したり共感したりしていただければと思います。

いずれ、デジタルコンテンツにもこのノウハウをまとめていきます。

カーキのロット違いを組み合わせたパッチワーク、内部のチェック柄のキルトも含めたカーキ系コーデが完成したサック

途中ミスなどもあってやり直しをしています。

Dカンタブの設置位置後からは方向性が生まれますので、向きを間違えないようこの後ご説明してまいります。

ナップサック「餅巾着」:<サイズ>縦41cmx横35cmxマチ18cm。楕円底タイプの縦長気味のモデルです。
向き注意:左は正面右は後ろ面。背中と直に接する面がDカンが付く側であることとハギ目ステッチが無いこと。
表地(2ロット):コットンヘリンボンバック地、綿/100%、日本製。同じ生地の色違いを等分配置しました。
裏地(チェック):サッカー、混率不明(綿/100%もしくは綿混)、原産国不明(おそらく日本製)。
別布(カーキグリーン):麻混無地、麻/55%、ポリエステル/45%、日本製。無地とは言え筋柄が入ります。
楕円底バッグの側面と底面の縫い付け場面:左上は側面側から縫い代1cmで二周縫い(二重)。右下は完了場面。
3方向から:上から時計回りに、入り口、底面、サイド面。入り口のタブは8個でやりましたが10個へ今後徹底。

巾着ひもホールタブは、相手のベルトが滑り過ぎても絞った集まりが戻りやすくなってしまいます。

このたび、たまたま既製品のナイロンベルトを利用させていただきました。

強度はあるが厚みが無いという特徴のためにスムーズ過ぎて、巾着ホールに対しては少し緩め。

今後は10個に徹底し、条件など問わずすべての素材に対応できる仕様としていきたいと思いました。

たたんだ様子:左-底を最初にたたみます。右-次に真ん中で折り畳みます。当方の保管の仕方は左にとどめます。

あとがき

2025年に入っての最初の完成品です。

2024年末にこのモデルが固まってきた頃に、大きなバッグの分野の中のピクチャレスクの製作の位置のようなものをやっと感じ始めました。

メインバッグとして作るのではなく、サブバッグとして作る「切餅」とこのたびの「餅巾着」が現在のたった2モデルの展開。

サブバッグの分野での歩みを今後も目指していきたいと思います。

理由は、広々と柄が広がる美しさも是非引継ぎたいからなのです。

それでも、メインバッグとして使用していただけるならそれは本望、ピクチャレスクらしい位置が定まりそうだと感じています。

このたびのようなラインは「デニムライク」として人気生地で製作するライン。

「ハイエンドライン」という高級生地でもあえて、このモデルで作っていくと思います。

素敵な出来上りには、素材の良さは欠かせません。

良質さを有難く受取り、敬意を感じながら自らのエキスを入れていくという形で仕立てていきたいと思います。

ノウハウの方も、なかなかコンテンツが完成できずにいますが、進めておりまして、是非ご利用いただければと思います。

決してそのノウハウを秘蔵することは致しません。

コンテンツの中でじっくりと余すところなく自主製作したい、もしくは商業利用目的でバッグを作っていきたい方に共有することができると思います。

そこまで行けると、本当の「共有型のハンドメイドバッグ」の本格的な活動らしくなっていくと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

古い自作クッションカバー・古着スカート・ちりめんはぎれと複数分野の材料で作ったバッグ収納のための大きなインテリア収納バッグ【1384】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

【1343】【1348】【1375】で、実家の新築の合計7点の低反発クッションカバー作りを過程や完成品でご紹介しました。

中身の低反発ウレタンは、このたび使用のゴブラン織り薔薇柄カバーの中身から4点抜いて再利用させていただいていたものでした(初告白)。

何しろ10年以上前に製作したゴブラン生地を使った低反発クッションカバー、結局は持っているだけで使い道が無かったクッションだった4点でした。

中身のウレタンだけを抜いた4点のカバーのみが残ったこのたび、同じブロックパーツを裁断して集めたパッチワークに仕立て、大容量バッグを作っていきます。

大きなバッグを作るので不足の部分が出てきますので、あらかじめ別生地を用意。

その生地というのが、古着のタイトスカートからの引用になります。

部分的にリメイクが入りますので、「著作権の侵害」に考慮し、写せる最大限の範囲にとどめ、一部図解で示したいと思います。

①ゴブランクッションカバー解体②はぎれのちりめん生地③古着スカートという3つの方面から集めた材料で作った大容量のバッグ

パッチワークでどこまでエレガントに仕上がるのかは、毎回のテーマです。

薔薇柄はエレガントな雰囲気をくれる頼もしい柄です。

パッチワークで柄はぶつ切りですが、天地の向きを統一しながら丁寧に作っていきます。

1パーツは縦12.5cmx横17.5cmです。柄の向きを天地の向きに揃えました。
まずは大きなシートを2枚作りました。縦の長さが不足している状態です。
1.5cmの縫い代で横に細長く繋げたら、都度アイロンで両割りし、まずは縦に溝の両端にステッチ。
裏面はこのようになっています。横長に繋げた次に、縦に繋げていき、その溝もステッチしていくのです。

果てしない作業ですが、いつかは完了します。

こうした地道な作業の果ては美しいパッチワークシートが出来上がります。

あとは通常のひと繋ぎの生地のように考えて進めていくのです。

取っ手はもう生地が無いので、別生地。ちりめんのでこぼこ感がゴブランに合うような気がしました。

ベージュのちりめん生地がいよいよわずかになっていたところで、ここで最終の利用となります。

今思うことは、1生地を完全に使い切るのに随分年数がかかっていることです。

1m以上の生地は1点のバッグの製作にはかなり多めだということが分かります。

この取っ手には、接着芯も貼りましたし、同じく在庫がラストの「ソフト厚芯」も入れ込みました。

そして定番の4本ステッチで固定して立派な取っ手になり、ゴブランの生地にレベルが合っていきます。

出来上がりサイズは、縦50cmx横60cmxマチ無し。横60cmは大きなボストンバッグ級ですのでビッグです。
この空間の部分は、写すことをひかえました著作権のある元はスカートのベルベットラメドット生地を使用。
斜線の部分にベルベットの黒のラメドットを追加。3cmのダイヤキルトをかけました。イメージしてみて♪。

素敵に出来上がったのでお見せしたいのはやまやまなのですが、すみません<m(__)m>。

こうして、足りない部分をお洋服の古着でまかなうというアイデアは、初めて取り入れたことです。

裏地:カーキ色でいろんな表地に融通の利くカラーです。
サイドの様子:ゴブラン程の厚みのある生地の場合こうして自然にマチができます。
最低でも7cm程度は膨らんでいます。
柄を壊さないためには、せっかくの広々と出ている柄をマチで遮るべきではないとの判断です。
底は「わ」になっているので、こんなごわごわ生地でも比較的角は出やすいです。

底は柄の向きがそれぞれ整った2面をつなげて、パッチワークと同じように溝の両端をステッチして最終的に1面にして「わ」として作っていきました。

もともと1枚の生地だけで作る時には柄の向きは「わ」の場合片面が反対向きになるのに、パッチワークの場合は両面とも正位置に配置できるという新しい発見も。。

ブランドバッグを収納している時の様子:サイズ縦50cmx横60cmxマチ無し。ふんわり感が出ています。

こうして、中に目的のブランドバッグを収納したところで、インテリアとしての「容器」のような存在になったのでした。

あとがき

バッグ収納の為のバッグですから非常に大きなサイズになります。

元はクッションカバーだったゴブラン織りの生地でしたが、わざわざパッチワークにして不足部分を他の素材からも引用して残したかったのです。

それは、当時でしか入手できなかったと思われる希少な生地が、年数が経過するともっと価値が高まったと感じたからなのです。

生地屋様にはあんなにたくさんの勢揃いしているように見えますが、「一発屋」も多く、その時の出会いが重要なのです。

ダイナミックなまでの「多品種小ロット化」の現実なのです。

そのような構造や事情をうまくつかみ、自作の価値に当てさせていただいております(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

貴重なセルヴィッチデニムの茶を使い切る瞬間が分かるバッグ、事情がある限られた生地ストックの申し訳なさをおしゃれ度で巻き返す【1330】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、ナップサックが1点完成。

両面が使い分けられるようなバイカラーになっています。

更に両面共パッチワーク仕立て。

バイカラーしかり、パッチワークしかり、生地のストックがラストだからこその事情から生まれたデザインです。

「はぎれ」をどんな価値観で受け止めてもらえるのか、「ラストであることの希少価値」なのか、それとも。。

とにかく何ら事情に関係なくいつもの丁寧なお仕立てでお作りしたことに変わりはありません。

4種もの生地を使いながらすっきりとまとまった優しいカラーの世界観、内部も奥行きがあって楽しいナップサックになるといい

「ダブルナップサック」:<サイズ>縦29cmx横31/46cmxマチ15cm。ナップサックの横顔。

なんとなくイメージだと背負う部分が薄い色の方、背中部分の人の目に映る方が濃い方のイメージを持ちました。

実際に、セルヴィッチデニムの11オンスの濃い方がもともと生地のストックが最終で片面しかなかったところへ考えた案。

同じ分野の生地で歩調を合わせたのです。

全く同じ生地はもう今は見つかりません。

類似とは言え、セルヴィッチデニムはほとんどが濃紺カラーですので、カラー展開はそれほど豊富ではないのです。

何とか見つけたのが、イエローベージュのこの生地、おそらくライトオンスの部類の9オンスあたりかと。

1オンス違うだけでも結構変わってきますので、そういった感覚です。

<表地:カーキ茶>セルヴィッチデニム11oz、綿/100%、日本製。

<表地:イエローベージュ>セルヴィッチデニムライトオンス、綿/100%、日本製。

次は、内側の様子です。ひっくり返して分かりやすく見てみます↓。

内側にも2種類の生地を使用。フラップを開けると「片玉縁風ポケット」が設置されています。

<裏地:パステルカラービッグタータンチェック、混率不明(ポリエステルやアクリルの可能性)、原産国不明。

<別布:サンドベージュ>ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。

各ポイントに違う種類の生地を配置していますが、裏地と巾着ひもホールタブはチェック、ポケットパーツ全部と巾着ひもパーツとDカンタブはナイロンオックス生地です。

それぞれ配分よくストックの生地を効果的に消化しながらのジャッジでした。

ビッグチェックの柄が自然につながりゆったり広く展開され、可能な限り美しく映るようにと。

生地の向きよりも柄合せを優先することをお勧めします。

裏地のサイドの柄合わせ:左右が対象であり、段差がないのは、何よりも整然とした内部の風景には重要です。
底面の柄合わせ:ちょっとずれてしまいましたが、可能な限りを尽くした上下のみを合わせた結果です。
表地のサイド:パッチワークもブロック柄であるという考え方。左右のハギ目に段差が無いように合わせました。
表地の底面:ハギ目の縦柄を上下で重なるように裁断してありましたので、このように上下のハギ目が合致。

あとがき

その後なのですが、有難くこちらのお品はご購入いただきました、本当にありがとうございました<m(__)m>。

どんな事情や背景があって作られた1点のお品なのかは、製造者のみが知るところ。

知らせるも秘蔵するのも製造者にかかっています。

ピクチャレスクとしましては、おしみなく情報をアウトプットするというスタンスをとっています。

なぜなら、「実直にお伝えすること」この精神こそ一番重視しているからです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

比較的肩の上で座りの良い正方形底のサイズ感で作りたいワンショルダーバッグ、パッチワークを上手に利用した目立たないハギ目【1290】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在研究製作中の「ワンショルダバッグ」をパッチワークデニムで完成しました。

様々な素材で作っていく中で、薄手に関しては、キルトをかけてある程度のボリュームを出すということをした前回。

このたびは、キルトとはそれほど相性を感じない風合いを大切にしたいセルヴィッチデニムをパッチワークシートを作ることでバッグに仕立てていきます。

ポイントは、正方形底のサイズ感を作る前後2枚仕立ての両サイドのハギ目が、2wayでは正面に来ることのデメリットの解消です。

都合の良かったブロック型のパッチワークを利用しながら、真ん中に来るハギ目を目立たなくしていったのでした。

25c四方の正方形底のワンショルダーバッグ、リュック使いの時に真ん中に来るハギ目の違和感解消に一役買ってくれるブロックパッチワーク

ワンショルダーもリュックもできるだけ平等な使用方法となるよう、リュック使いの時のどうしても出てしまうハギ目を美しく見せる方法を考えました。

こんな感じの正方形の面になるようなサイズ感の底。25cm四方程です。まずはハギ目をきっちり揃えます。

ここまでは、トートバッグと同じ作り方ですので十文字に美しくハギ目をそろえるということをしたまでです。

ワンショルダー使いの時の正面:<サイズ>縦29cmx横24/46cmxマチ26cm。この使い方がメイン。
リュック使いの際の背中に当たる部分の様子:こちらはサブ的なリュックの使い方。ハギ目サイドの段差を解消。
リュック使いの際に人目に付く方:ハギ目が真ん中に来ますが、パッチワークの1マスが柄として繋がるように。

パッチワークの柄合わせをしたことがちゃんと活きている姿です。

ハギ目が真ん中に来ても美しい範囲をキープできるのも、ハギ目の左右の柄をぴたりと対象的に合わせておいた努力が成果を発揮したと言えます。

<表地>セルヴィッチデニム11oz、綿/100%、日本製。<裏地>タータンチェック、綿/100%、日本製。
内側のポケット:<別布>オックスフォード、綿/100%、日本製。チェックの柄合わせからうまく逃れる方法。

すべて綿/100%に素材を統一するところもテイストの特化の1つ。

綿はカジュアルテイストなので、カジュアルな方向のお品を作る際には混率が同じであるところも結構見た目に影響します。

ただ、カジュアルであっても「ドレス寄り」が大きなテーマなのです。

タブの間が広く空いた方のサイドにストッパーを付けてしまいました(失敗)。こちらではない、あちらでした。
ストッパー側は実はこちらの狭い空き具合の方に付けるべきでした。裏地の設置の時に逆だったというミスです。

このミスは結構影響がありますので、後でやり直しをしていきました。

あとがき

次回は、もう1点今度は帆布のパッチワークで同じ「ワンショルダーバッグ」を作ります。

そこで、ワンショルダーは終了していきます。

その後は、ワンショルダーは廃止していきます。

廃止理由の1つとしては、条件のある製作になるからでして、ハギ目が真ん中に来てしまうことは逃れられないデメリット。

どんな素材でも作れるというデザインにしなければ、定番ノウハウにならないからなのです。

製作しながら、「伝える」という方向も同時に進めていくお仕事なのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ナップサックの口の閉まり方の要はここではないだろうか、巾着ひもホールタブを本体生地とは違う柔らかい融通の利く別生地で設置の成功【1279】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

裁断の生地の残布を集め、パッチワークに仕立て広い面積のシートを作ることで、容量あるバッグを作ることができます。

このたびは、縦12.5cmx横17.5cmの1パーツを片面7枚、両面で14枚を使用したパッチワークシートで作ったセルヴィッチデニム製のナップサック(中くらいのサイズ)をご紹介したいと思います。

ポイントは、本体がデニムという究極の硬さでも、ちゃんと絞れる「巾着ひもホールタブ」の生地の正しい選択です。

デニムは本体のみに使用、別布で巾着紐ホールタブを作ることでデニム/ブロードコンビの口がちゃんと閉まるナップサックへ

裏地:カーキベージュベースの薔薇柄のブロード生地。表地のカーキ茶のセルヴィッチデニムと相性が良いです。

薔薇柄は、綿/100%、日本製になります。

薔薇柄は、アメリカ製が多いと今まで感じてきましたので、日本製でこのクラシックなバラ柄がレア。

こういったデフォルメ感の少ない実写的なバラ柄がクラシックで大人っぽい雰囲気になります。

巾着の口の閉まり具合:デニム生地をそのまま巾着ホールに作るよりも入り口がしっかり閉じられています。

一見うまく閉まっていますが、実のところ、タブの位置が悪く8個しか付けておりません。

その後の徹底的な見直しにより、タブは10個、巾着紐の両サイドには前後共ハギ目に近い位置で設置すると徹底することにしていきました。

リュックの巾着紐は、また別の茶色の生地です:麻混無地、麻/55%、ポリエステル/45%、日本製。

パッチワークの横段のハギ目の位置もぴったりと合ってすっきりとしています。

余計な飾りは決して付けません。

巾着ホールタブ:7.5cmx7.5cmの正方形の型紙から、接着芯を貼り、真ん中に向かい三つ折り観音開きで製作。

タブの型紙は、その後の見直しで、縦10cmx横7.5cmへ修正、もっと融通が利くようになります。

口の閉まり具合:もし、本体で折り曲げてホールを作っていたらここまでキュッとは閉まりません。

当然ながら、動きの多い箇所になるのがこのタブですので、ブロード生地という程好い丈夫さと柔らかさのバランスもポイントでした。

ブロードは薄手の中では多少丈夫でごわつきも感じます。

さらに、接着芯も貼り、外枠と内枠両方をステッチした入念な作りのタブですので、デニム以外の素材であればこのタブには表地より薄手にバランスをとると良いでしょう。

あとがき

セルヴィッチデニムの迫力は絶大です。

どれも平等に製作していても、ニーズとしては、バッグのイメージからはまだまだデニム・帆布のフィードバックが多いです。

ただ、このこともお伝えしたいのですが、「長持ち」を様々な切り口から見ますと、デニムや帆布は「擦れ」による傷みが起きてくるものです。

そうすると、最終的にナイロンやポリエステルであっても使用感の比較では良きレベル。

服地に使われているような生地もバッグに引用し、受け入れてもらえることがこの先の願望としてあります(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

61鍵盤キーボードの外袋をはぎれデニムでパッチワーク仕立てに製作、ブロック柄がしとやかに映るためのなじませ糸カラーの選択【1268】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少し前の投稿の【1265】で、キーボードケースが完成していたのですが、49鍵盤用のサイズにしかできませんでした。

実は61鍵盤用を作ろうとして横幅が不足して出来上がったものでして、生地がそもそも不足していたのでした。

ぎりぎり行けると思った予想をはるかに超え、キーボードの厚みにより生地がもっていかれ寸法が足りなくなりました。

何とも残念ではあったのですが、気を取り直し61鍵盤を別生地で再び製作中です。

今度は、セルヴィッチデニム生地のはぎれをパッチワーク仕立てに製作する案で、【1265】投稿の時と同じデザインで作っていくのです。

少しずつの進捗度ですので、まだ未完成、ブロックデザインのパッチワークの完成まで。

中間的なモカグレー色のデニム生地に糸が馴染んで同色に映っている様子で、デニムをエレガントに寄せる工夫の姿をお伝えしたいと思います。

1マスが13cmx22cmのビッグなブロックパッチワークシートの製作、1マスの半分をずらすことで柄のように配置されながらも糸のカラーが馴染んだ姿

出来るだけハギ目同士が遠い方が硬くなり過ぎずにしなやかに出来上がると思い、残っている生地を最大限の1マスずつに使用し、段ごとにずらすデザイン。

ぶつ切りのたくさんのはぎれを最初に確認しながら、最大限というのはどの1マスの寸法になるのかを、一番コスパが良い取り方で決めました。

そして縫い代1.5cmで出来上がった1マスの完成のサイズが縦13cmx横22cm仕上がりです。

長方形のブロック型で、これを外壁のブロックのような並べ方に半分ずつずらした配置でパッチワークシートが完成↓。

3段でキーボードケースの1面くらい。この横長シートを2枚作りました。この半分ずらすやり方、お勧めです。

もうこれで、表面からのハギ目の両サイドのステッチが完了しています。

選んだ糸のカラーがしっかり馴染む色なのでステッチが目立ちません。

ここまで緻密に作業してもステッチが目立たない。。この姿こそ「エレガント」だと解釈しています。

段階的には取っ手を取り付けるところまで進みました。取っ手にはジグザグステッチを入れています。
裏面の様子:1.5cmの縫い代を割り、ハギ目の両端をステッチしていくと、こんな感じで裏面が収まります。
取っ手は、多重にすると厚みのバランスが本体と差が出過ぎるという経験がありますので「耳」を利用した3重。

あとがき

実は、表面のブロックパッチワークをエレガントに見せたい理由がもう1つあります。

裏地には薔薇柄を考えているのです。

裏地の薔薇柄が表地のパッチワークと上手く馴染んでいくには、①パッチワークの継ぎ目が目立たないこと②エレガントな雰囲気であることの条件が浮かびました。

カジュアルに寄った薔薇柄もあるのですが、キーボードという楽器が所属する「音楽」という分野においては、「エレガント」が相性が良いと関連付けたテイストの薔薇柄を選びます。

とはいえ、余っている生地を有効に使うために、本来カジュアルなイメージが強いデニムに挑戦したのでした(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

<パッチワーク企画⑪:最終>小さな集まりが大きな価値を生むことがある、裁断という作業のデメリットのカバーはパッチワークの一番の強味【1209】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年末と2023年初頭をまたいだ<パッチワーク企画>がこのたびをもって終わりました。

4点のナップサックを多種の色や柄のパッチワークシートで作ってまいりました。

1点ずつは過去の投稿でご紹介済ですが、このたびは総まとめとしまして、全部を一望してみます。

そして、これまでやってきたこの活動から、最も重要な学びをお伝えしていく回にしたいと思います。

パッチワークバッグの新しい可能性、「メイン面」はどれも強いアクセント、残りの面は程良き中間的な調整役というバラエティー

では、ここからは、ひたすら同じ角度から見た4点の違いを見てみることにします。

まずは、「メイン面」と決めた、人に見に映りやすい背負った場合の正面の部分からです。

メイン面:それぞれの出来上がりのパッチワークシートの中ではアクセントある強い印象の面を配置しました。
表面で背中に接する部分:左下だけは、こちらをメインでも良かったかも。大半がメインに比べてぼやけます。
内側のポケット面:このポケット面は内側では、背中から遠い方の面にあたります。ポケット自体が差し色です。
サイド面やてっぺん:置いている際などにはこんな風に映りますので、人の目に映ると考えるとこの風景も重要。

ポケット面の写真の中で、1つ吊り下げ式のポケットである右下は、ポケット付け忘れにより考案した後付け可能な「ポーチポケット」になりました。

ミスや失敗からも新たなるデザインが生まれたというユニークエピソード付きです。

困って行きどまりの時に考えた案というのは、後から振り返れば思い出に残るものです。

こういったパッチワークの継ぎ接ぎだらけの状態というのは、強度は強いものではないので、ステッチで固定するなどの工夫が重要です。

その分手間が非常にかかるものになりますが、「必要手間」ということになります。

そんなことから、最初から生地をわざわざ細かく刻んだファッション的な意味でのパッチワークバッグを製作するというのはかえって意味が薄れ、表面的なお品物になってしまいます。

というのも、どうしても余ってしまったという経緯こそが「はぎれ」であり、こうしてたくさんの種類の柄が何年もかけたストックの寄せ集めであるところにこそ価値が出るということだからです。

はぎれの寄せ集めであることで、一度は過去に何かを製作した時の思い出や苦労などのストーリーが集まったものでもありますので製作には余計力が入りました。

最初から細かく刻んでしまった生地というのは、その時点では価値は1枚の面積の広い生地に対しては劣ると考えます。

特に柄の場合は、つながって広々とした面積である方が細かくカットされたぶつ切りよりも美しいに決まっているのです。

むしろ1枚の面積の広い生地にキルトをかけた仕様の方が、「強度を高めるためだ」という意味が入るのです。

ただ、柄がとぎれてしまうことのフォローも、パッチワークの配置を同類を並べることでトライしてみたのがこのたび引用の「連続配置」のやり方。

キルトの方も製作してきたこれまでとの比較で、パッチワークとキルトの違いを実感しました。

見かけは、キルトもパッチワークもステッチがほどこされた点では類似のように見えますが、もう少し奥深い点では別物でした。

あとがき

<パッチワーク企画>ご覧いただきましてありがとうございました。

はぎれという材料で作ったものは、イメージとしてはB級品の扱いを受けることがありました。

しかし、「なぜはぎれが生まれてしまったのか」というところをしっかりと説明できることが、反対にはぎれの価値を生み出すヒントではないでしょうか。

ここにアパレルの奥深さがありまして、「裁断」なくしては美しい立体感が表現できないことがあります。

ですから、はぎれが生まれてしまうことは仕方がないことなのです。

それでも、そのはぎれを有効に使う手段として「パッチワーク」を様々な切り口で美しく仕上げることがこの度のチャレンジでした。

今までパッチワークであまりされていなかったことは何だったのか。。を考えた時に、1つ出した答えは、「ぼやけの解消」でした。

複数の面の中の1面のみを同じ種類で並べたことは、これまであまりパッチワークでは行われていないことだったのです。

まだまだ掘り起こし切れていないパッチワークの価値、製作活動でどうしても余ってしまうはぎれを利用しながら、是非見つけていこうではありませんか(^-^)。

<パッチワーク企画⑨>はぎれの中でもカラーの特徴を集めその他の同じモデルとの差別化、パープル系マルチカラーが集まったナップサック【1205】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年から年をまたいで2023年初頭も引き続き製作しています、<パッチワーク企画>のナップサック。

このたび、全4点中の3点目が完成しました。

1-2点目は、黒ベースのものでしたが、その後だんだんとカラーが入ってきました。

このたびも黒ベースの生地が裏地に一部ありますが、全体としては1つの特化したカラーのテイストに出来上がりました。

では、見る角度によるパッチワークの面の出方の違いをお楽しみいただければと思います。

角度によって少しずつ違う表情が退屈しない楽しさでもある、総合的にはパープル系のナップサックが明るいイメージで完成した

正面:<出来上がりサイズ>縦29cmx横34/47cmxマチ15cm。こちらがメインの正面(背中面)に決定。
背面:背中とくっつく面です。少し色がぼやけるので、メインは上の写真の方にしましたが、また別の表情です。
底面:複数の柄が密集部分。この面も階段やエスカレーターの上り下りの際には視線を集めることがあります。
右サイド:柄と無地がはっきりと分かれていてすっきりしています。
左サイド:「パープル系なのである」という主張がある側面。

全体としては、パープル系で出来上がったこちらのナップサックは、「青味の色」を意識して表地に集めたことで実現。

パッチワークにありがちな「基軸カラーの無さ」の解消です。

そして、巾着紐もご注目いただきたいのです。

2色使いになっているのは、グレーの方が生地が不足していて、やむなくモカグレーのような色も挟み込んだという理由からです。

その結果面白いバイカラーの巾着紐が出来上がっということです。

それぞれの生地の厚みが違ったので、両方に均等にするには1本の巾着紐の中で、バイカラーになるようにハギ目を作ったやり方を選択。

同じ色でそろえて作ると左右のショルダーがくっきり2色に分かれますが、そうはしなかったというところは、都度の判断の結果なのです。

では、裏面を見てみます。

まず、ひっくり返して、じっくりと両面をご覧いただきます。

裏面-背中に接しない方:上の方は黒ベース、下の方のピンク無地は、上の柄の中のお花の色にリンク。
裏面-背中と接する方:上の方は黒ベースの原色カラー柄。下の方は、葉っぱにリンクしたグリーン系が集結。

では、実際にバッグをオープンした時の風景をご紹介したいと思います。

上:背中から離れた方の面/下:背中に接する方の面。マルチカラーが均等にちりばめられた様子。
上:背中に接する方の面/下:背中から離れた方の面。上と別の方向から見てみました。

内側は、結構賑やかです。

1つのナップサックで各箇所に様々な表情があるのです。

あとがき

4点製作の後半の3点目でこのようにカラーの展開が豊富に出てきました。

次回の最終はまた違う種類のカラーの展開になります。

ここで登場生地の黒ベースの存在が終了になりますので、最後の4点目がいかに違った感じになるかもお楽しみにどうぞ。

いたって作りはシンプルなのに、パッチワークが集まったことでうまく全体を調和してくれる良さが生まれています。

このパーツの並べ方には賛否あるかもしれませんが、その時の精一杯のイメージを確かめながらこのように配置したものなのです(^-^)。

<パッチワーク企画⑧>黒系にカラーコントラストが入った楽しみ方ができる、前後2面の表情の違いで背負い方を使い分けられるナップサック【1187】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在<パッチワーク企画>と称しまして、パッチワーク生地で作ったナップサックを連続製作中。

全部で4点のナップサックが完成しますが、このたびは2点目の完成品をご覧いただけます。

表地も裏地も共にパッチワーク、どんな並べ方をするのかという前段階の部分こそ非常に大変でした。

【1178】では1点目の完成品がご覧になれますので、もしよろしければお立ち寄りどうぞ。

このたびの2点目の特徴は1点目と同じ黒系ながら、モノトーン色のみでまとまった1点目に対しては、カラーが差し色に入ってくる点が違います。

そして、もう1つの特徴は、初の試みである「後付けポケット」を取り付けたことであり、これはとんだ「ミス」から生まれた考案でした。

ナップサックに吊り下げ式ポケットを設置、邪魔にならないスタイリッシュな仕上がりは巾着ホールの位置

バッグの内側のポケット:取り付けは巾着紐ホールのステッチに重ね、返し縫いで留めました。更に縦にも固定。
できるだけ余計な縫い目は見えない方が良いと巾着ホールのステッチに沿ったのですが。。
しっかりハギ目を合わせてステッチしなかったために、縦が左にずれてしまいました。待ち針するべきでした。

細かい部分ですが、ピッタリ表地と裏地を合わせてステッチをかけるべきでした。

そこは反省と学びです。

2点目のナップサック完成:縦30cmx横35/49cmxマチ15cm。
こちらを背中に見せる使い方もOK。
横顔。この両面使いタイプこそ横顔が素敵に映ることも特徴。そこに置いているだけでも見応えが生まれます。

せっかく両面使いが違う雰囲気で楽しめるナップサックですので、使用していない時にポンと何気なく置いているだけの様子が素敵であるというシーンもあるということを意識すると良いです。

ナップサックは昔からあるアイテムで学生時代のサブバッグにもみんなが共通に使っていた記憶があります。

キューットひもをしぼることで、入り口を開閉する役割と同時に、そのままひもがショルダーになるという、なんという無駄のない機能であることかと先人のアイデアに感嘆。

このシンプルで無駄のない必要最低限さこそがクラシックであり瀟洒なモデルなのではないかと。

あとがき

この<パッチワーク企画>でナップサックを作って行くことの意義の1つとしては、材料の調達が新品の生地ではなく、はぎれであるところに非常に意味があるということです。

確かに新品の生地だと、スムーズに短い時間で仕上がっていく簡単なアイテムです。

このはぎれの場合、パッチワークであることで日数をかけていき、過去の使用済の生地の余りの部分を見ることで、一度取り扱った経験があるその思い出のようなものがふんわり浮かんでくるのです。

しかもその生地がバラバラでたくさんのストーリーが詰まって1点になっているという構造こそが深いのです。

ここまでして時間をかけてでも作るのかどうかの手間のかかる選択は他にもあるでしょう、そんな時に思い浮かべたいのは、他ならぬ「製作の背景」です(^-^)。

m単価の違う生地の集結だからこそ読みにくい、パッチワーク生地パーツを64枚使ったハンドメイド品ナップサックの生地原価の算出【1184】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを製作する際に1点ごとに原価計算表というものを作っています。

1点1点の完成品それぞれについて、どれだけの材料を使用したのかを「金額」で積み算していくのです。

材料1つでいかにそのお品が割高になってしまうのかお得なコスパ良いお品になるのかの研究にも役立つのが原価表作り。

ざっくり頭の中でも計算していけますが、正確な数字を出しておくことで、期末の棚卸の際にこの原価表の値は有効です。

よって、ただこの値を引っ張れば良いという棚卸の作業がスムーズになったということもあったきっかけで、お品1点ずつで原価表を作成することをずっと続けてきています。

大量生産であっても同じことです。

100点あれば、100点分の表を1つ作って、最後に合計の値を÷100すれば良いことなので1点分の原価表の作り方と全く同じで良いのです。

このたびは、その原価の一部となる生地代を原価表に入力するにあたって、パッチワークの場合の生地の原価の求め方をご紹介したいと思います。

パッチワークは多くの生地の集まりで、しかも細かいパーツです。

これを正確に算出できるのか。。できるのです。

全64パーツもの複数の生地使用の生地原価の算出の仕方、①生地幅②1mの生地代②1パーツの面積(縦12.5cmx横17.5cm)の3要素を利用して算出した

1点のバッグにたくさんの種類のはぎれを使用していますので、ここでは、1種類のみピックアップして算出してみました。

ストライプ柄の部分の生地です。

1点のナップサックの中に8枚のストライプパーツが登場。この生地の原価がいくらなのかは興味がわく部分です。
まず、この1マス分である1枚でいくらなのかを考えるところからのスタート。生地原価は縫い代も含んだもの。
型紙1パーツ分の縦12.5cmx横17.5cmの面積が生地購入時の全体の何%を占めるのかということがカギ。

ということで、計算式がおのずと出来上がってきます。

この小さなパーツの面積は、購入時の生地1.5m分の面積のどのくらいの%であるのか、その%に生地購入時の全体の値段をかければ出ます。

それが8枚分なので最後にx8をします。

生地の巾は110cm巾なので、購入時の面積はm単位では1.5mx1.1mで表せます。

そうしますと、つなげた一続きの計算はこんな風に↓。

この8枚分が¥60だと出ました。

さてこれがお得なのか、どうなのかというところです。

まだ他にも上下に生地がありますので、それぞれに同じように算出します。

そうしますと、それ相応な金額にはなっていくと思います。

他の同じデザインの1枚仕立てで作ったお品と比べると分かりやすいかもしれません。

ただ、パッチワークの良さは、本来一緒にコンビにならなかったであろう生地が集結する価値があると思います。

その価値が実際の数字としてはどのように表れるものなのかという点は興味深いです。

まだ実際に本原価表が出来上がっていませんので、このたびはこの8枚分だけの算出ですがすみません<m(__)m>。

後日の【1188】という番号の投稿で1点のすべての生地の原価算出を細かに載せていますので、是非そちらへもご訪問下さればと思います。

あとがき

イメージだけよりもこうしてきっちり事実をもとに算出した数字は製造者は見ていくべきです。

ここへ利益を加えて売価を決める際にも、ほわっとした空想だけで売価を決めていかず、原価をしっかり正確に把握した上での売価決めとでは、大小かかわらずまず信用度が高まるのです。

この面積を元に算出できるという点は生地のようなタイプの別の材料でも同じようにできます。

附属品の接着芯なども同じ生地の様相なので、芯地の巾が分かっている場合、もしくはカットした状態でも、同じような考え方です。

そして、「粗裁ち」の余分も見込み、少し多めとなるのです(表地・裏地の割増率として%を調べてみるのも良いです)。

おそらく1枚仕立てで作ったよりは割高になるでしょう、しかし、それ以上の何かを製作していく中で「価値」として発見できればパッチワーク仕立ての製作の意味もあるというものです(^-^)。