パッチワークも細かければ「柄」になる、ブロックパッチワークとタータンチェックコンビの相性の良さ【1286】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよセルヴィッチデニムのはぎれも最後の整理整頓で本当の最終になってきました。

今回のパッチワークで、もしかしたらカーキブラウンカラーのレアカラーのセルヴィッチデニムでのバッグ製作はラストになるかもしれません。

1パーツが細かめを合計50パーツ程使用のリッチなパッチワークへ

以前の同じセルヴィッチデニムのパッチワークは、1マスが縦12.5cmx横17.5cmでしたので、バッグの出来上がりでは、ハギ目があるタイプのバッグという印象でした。

1マス縦12.5cmx横17.5cmのパッチワークシートで以前に製作したナップサック。
パッチワークというよりは、ハギ目のあるデザインのバッグという印象でした。

今度は、はぎれも小さめばかりなので、ひとまわり程小さなサイズの、縦10cmx横15cmのマスに統一して、それでもできるだけめいっぱいの面積にと考えました。

そして、シートが出来上がったその姿を見て、うっとりするような美しさに感動♪。

ブロックのように配列よく並ぶパッチワークシート。
ハギ目周辺のステッチの糸の色のなじみ具合も美しさの秘訣です。

この姿を見て大変美しいと思うわけですが、このブロック自体が柄のように映りますね。

そうしますと、裏地選びには、表が「ブロック柄」である場合の裏地は。。というように考えていきます。

花柄や水玉が裏地の候補から外れていきます。

こんな感じで、タータンチェックをチョイス。
もう1つのカラシ色の無地は、裏地のチェックのポケットのフラップに考えています。

お洋服のコーデと考え方は同じで、ブロックは四角い様相なのだから、同じ四角い柄のタータンチェックというのは相性が非常に良いものです。

2枚のパッチワークシート
:実は、この後もう1列縦に追加する予定でして、実際の型紙より不足しているのが現在。
最終的には、パッチワークのマスのパーツは、全部で54枚使用ということになります。
ものすごくたっぷり使ったことになりますね。

ここまで手の込んだパッチワークバッグはなかなか売られていません。

なぜなら、この数のはぎれを用意できるなら、つながった大きな面積1枚がとれる分量だからです。

これには事情があり、プチ量産でもったいない使い方をした結果余ったはぎれだったからというエピソードが隠れているのです。

何か物を作りたい目的があって、材料をそれに合わせていく場合、生地がもったいなく余るのは当然で、主体が作りたいデザイン重視だからです。

ついでに裏の様子も写しました。ものすごい光景ですね。

あとがき

どうしても、何かそうでなければならない究極のデザインというものがあった時には、もったいなく生地が余ることを妥協することになります。

そういった時に、もったいない生地を集めて、こうしてパッチワークを美しく仕立て、作るバッグに「手間と美しさが入った価値」を付けていきます。

そもそもですが、もったいなく生地が余ってしまうようなそのデザインは果たして本当に必要なデザインであるのか。

それとも、生地を無駄なく使うことができるサスティナブルなデザインであるのかは一番最初の生地の手配の時に考えることです。

何も考えずに、ただ、こうしたデザインが作りたいというのは、何か少し形を変えることで生地が無駄なく使えるのだという可能性があるならば、最初の時点でそういったジャッジも非常に意味があると思います。

こうしたことだって、後にサスティナブルな工夫をしたストーリーとしてお客様にお伝えすることができるではないですか。

とにかく見かけのかっこよさだけを追求した企画は危険だと思います。

余った部分が多く出た場合にどうするのかまで考えてこその深みある企画だと考えます(^-^)。

使用生地の選択肢が倍増する考え方、目立たない場所に目立たない作り方のハギ目を真ん中に、巾着共布ひもを作りやすくした【1179】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在は大きく見た製作デザインというのが、ナップサック型です。

何といっても、巾着ひもがそのままショルダーになること、口が完全にきゅっと閉まることのセキュリティー性を備えた、昔懐かしながらの伝統的な素敵なモデルだと思います。

ナップサックと言えば。。という昭和時代のイメージの良い部分を継承しながら、新しい形で未来型のような方向へ持っていければと思っております。

決して私が両端から紐を引っ張ることで口が閉まるなどという物理的構造など閃かなかったと考えますと、昔の誰かがそれを考えてくれた。。そのことに敬意を払いながら良い形で利用させていただきたいと思うのです。

そのポイントである共布巾着ひもなのですが。。

これまでは150cmの型紙で1枚仕立てで作る一続きのものとして考案したのです。

ただ、ここには限界があり、150cmもの幅がある生地に限定されてしまうのです。

縦に裁断するという方法であれば無限なのですが、コスパが悪く、バッグ製作で縦に1.5mもの長さは必要ありません。

表地も裏地も同じ生地を利用するならあり得ますが、かえってそれも変なつまらない縛りや条件になってしまうのです。

よって、このたび、2枚ハギで作るということに考え直しイメージ図を作ってみたのです。

では、新しい2枚ハギの型紙で作った出来上がりの巾着ひもをご紹介したいと思います。

150cm幅の生地はレア過ぎる、狭い幅の生地にも対応した2枚ハギで作る共布巾着ひもの型紙への変更、選ぶ生地のポテンシャルが上がる

150cm巾の生地というと、カーテン地とかインテリア生地に多いのですが、大きな生地というくくりで見るとレアな幅なのです。

多くが、人気の綿/100%のプリント生地であったり、服地の多くも日本製であると巾は108-112cm辺りが多いのです。

確かに1枚一繋ぎは途切れ目がないので、「高級の証」という考え方があります。

しかし、現実的なことを考えると、150cm幅限定でこれを作る気持ちにならず、敬遠されることになるのです。

気に入った一番の生地があるのに、生地幅が不足しているために妥協したりあきらめなければなりません。

それを思うといたたまれません。

そこで、ある決断をしました。

意味のある2枚ハギであれば、それは、高級云々を上回る立派な哲学が入るのではないかと。

そして、もとは150cmであった1枚の型紙を80cmを2枚ハギ合わせで1本にする仕様へ変更しました↓。

少し気になっていた長さの不足分も同時に追加、2枚ハギの160cm程度へ変更です。実際は156cm仕上り。

早速この実験をしておりまして、結果はグッドでした。

巾着ひもがフルに開かれた時に、本体の一番長いてっぺんも十分に広がることができました。

ここで、2枚ハギの仕様が始動です。

真ん中でハギ目を作ったことの効果もありまして、両サイドの部分に来ますので、正面ではないというところが視界から遠ざかったということになるのです。

基本的には、可能であれば1枚一繋ぎが丈夫であるという理論です。

やむを得ずハギにしましたが、ハギは「強度が弱い」「不安」というイメージがあります。

それを、「大丈夫ですよ」と納得していただける工夫をしております。

まずは全面に接着芯を貼ること。

全面接着芯はpicturesque(ピクチャレスク)では当たり前になっているのですが、これが意外と生地そのままで作られているお品も多いのです。

ぱっと見は中身まで分かりませんので、手間が省かれる部分のようですが、触ってみたりしたそのハリコシ、その後の経年でその違いは明らかです。

そして、更なる工夫がこちら↓。

ハギの地縫いは二度縫いで、さらに、表からハギ目の両端2mm程度にステッチをかけ固定しました。

ただ、後の見直しで、このハギ目の両サイドステッチは無い方がハギ目が目立たないという判断へ。

その代わり、最初の地縫いを二重縫いにして見えない部分を丈夫くしたのです。

ひもの出来上がり:両端の固定ステッチはこんな風に出る前案に対して、上述の通り後案はこのステッチは無し。
巾着ひもホールに通した状態のハギ目の位置:巾着ホール周辺に位置しますが、なんとなく隠れてくれます。

強度の強さをしっかり徹底しておけば、ハギ目の見た目は目立つものではないのです。

これで、1枚繋ぎにこだわる必要がないことをご理解いただけると思います。

このハギの方法で、本来一番大切な作業である、生地の選択というものを制限のない自由な選び方ができることになりました。

80cm以下の巾の生地というのはほとんどありませんので、この80cmの型紙は、ほぼすべての生地に対応できます。

自由を手に入れる喜びというものを感じます、是非心底お好みの生地を見つけて下さいませ。

あとがき

この型紙で作るナップサックの本体の容量は限られたものです。

非常に大きな旅行バッグに重さが10kgもある荷物を入れてのハギ目というのは、これまた強度の不安があります。

しかし、このたびご紹介のハギ目で作るバッグが、コンパクトなナップサックでありますので、その容量とのバランスも考えるとハギ目はあっても大丈夫という判断もありました。

もし、このハギ目の案を様々なケースに応用する場合には、支える重さがどのくらいが最大限であるかなどを考えるということも同時に補足したいと思います(^-^)。

<パッチワーク企画⑤>どうしても十文字がずれてしまったパッチワークのハギ目ステッチ、ステッチ自体を十文字に意識した位置に決める【1176】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、ここ3年間にストックし続けてきましたはぎれを一掃し、パッチワークシートに仕立ててナップサックを4点作るという製作を進めています。

同時4点進行中で、現在はパッチワークシート製作中にあります。

4点共裏地もパッチワーク、おそらくこのようなナップサックは世の中には滅多に無いでしょう、レア感を感じていただけると思います。

パッチワークの配置とどんな表地と裏地に組み合わせるのかということまでが決定済み。

その後はひたすら製作してくという段階に入りました。

パッチワークシート作りに一番時間がかかります、シート完成後は結構進捗度が増していくと思います。

試作品として、ダイヤキルトをかけたものは製作済ですので、キルトに類似なのだけれど非なるパッチワークで作るとどんな感じになるのかも楽しみです。

そんなパッチワークシート作りの中で、「悩み」が生まれることがあります。

それは、多種の生地の性質の違いによることもある1mm程度のずれです。

ハギ目が美しく十文字になるような工夫をしても、それでもずれてしまう場合、そのまま続行、続きのハギ目の両サイドステッチでカバー・フォローしていくやり方をご提案したいと思います。

Q:どうしてもハギ目が十文字につながらない時どうすれば?、A:表からかける仕上げのステッチを生地になじむ色の糸で十文字ステッチになるように意識するのです

ここまでの進捗度で思うことは、そもそもパッチワークの裁断こそがミリ単位で正確に行うことがベース。

特に、このたびの企画が、パッチワークパーツの枚数が豊富で、できるだけ大きなサイズの物を作るというテーマで行っていますので、パーツの数が多ければ多いほど「ずれ」が起こりやすいのです。

最初の裁断の1mmの誤差が、その後2mmくらいになっていくことも。。

そう考えると、まずは裁断の正確さがポイントとなります。

ただ、それをしても生地同士の性質の違いで少し横に伸びればずれるのです。

よって、対策しても起こってしまったずれは一度受け止めます。

確かにここではハギ目をそろえているのですが、4段にまでなると、下の方で十文字がずれる箇所が発生します。

そうした前段階で工夫してきても、それでもハギ目がずれてしまった時の対策をお伝えしたいと思います。

このたびは十文字が2mmくらいずれた例、その対処方法を最後に表からするステッチでカバーするということにしました。

ハギ目を見ていただくと十文字にならず、縦の線が左へ2mm程ずれているのが分かります。このまま行きます。

そして、表からのステッチ自体の幅を統一することでこのハギ目が目立たなくなるのです。

目に映るアクセントは、ハギ目よりもステッチなのですから。。

馴染む白糸ですので、目線はステッチに焦点が当てられます。

あとがき

一番良いのは、完璧に十文字のハギ目ができることですが、それがずれることもあるのがハンドメイドということでしょう。

しかし、ずれがどの箇所にも起こっているような生地として販売されているパッチワークは、見たところ大変カジュアルなものです。

おそらく機械で組み立てられたものだと予想しますが、ハンドメイドの良い所は、ずれやすいことと同時に、ピッタリにも徹底できることだとも言えるのです。

ずれた箇所はできるだけミニマムにとどめたいものですが、対策した上でもずれた場合は、この度のような工夫で事なきを得るような方向へ運んでいってみてくださいませ。

パッチワークをお仕立てする方を心より応援したいと思います(^-^)。

<パッチワーク企画④>後の固定ステッチの前の準備段階の十文字が大切、ミシンパッチワークのハギ目が美しく交わるための2つのポイント【1174】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在もったいなく余ったはぎれを使い切る企画を続行中。

あらかじめ、片面16パーツをハギ合わせパッチワークシートを作り、表地の前後そして裏地の前後と合計4面を、すべてパッチワーク仕立てにして製作するという構造。

シリーズは全部で①-⑪までをお届けしまして、合計4点のナップサックを完成させていきます。

シリーズの③では、最初の細かいパーツを横に4枚ずつ並べて縫い合わせて繋げる作業のみが終了しています。

次の段階であるこのたび④は、その塊を今度は縦に繋げて1枚のパッチワークシートが完成していく様子をお送りします。

十文字のハギ目が美しく出るための工夫、①待ち針をハギ目に着実に打つこと②裏面の両割りを丁寧に徹底

パッチワークはブロック型ですので、縦も横もハギ目が出ます。

そのハギ目が十文字に美しくぴったりと出ることを目標にしていきます。

そもそも、最初の裁断が物を言うというのが1つで、裁断をミリ単位で正確に行うことでこの十文字のそろいに影響があります。

そして、もう1つの十文字ぴったり対策は、縫い合わせの時の待ち針の場所です。

待ち針をハギ目から最初に打ちます。流儀の端っこからその間をとっていく留め方と違うことがポイント。
こんな風に中表の2パーツの縦のハギ目をピッタリ合わせて待ち針します。
まずは、ハギ目の3箇所を固定。そこは動かさずその間での調整になります。さらに間にも細かめに打ちます。
十文字の重なりの成功場面。:綺麗に十文字が重なりました。大変美しくハギ目の十文字が出来上がっています。
パッチワークシートの裏側:こんな感じにすべて1cmの縫い代が両割り+表ステッチにより平たく固定。
十文字失敗の箇所:こちらは裏面ですが、1mm程ずれてしまいました。ハギ目が縦に連なっていません。
ハギ目ステッチ:仕上げです。表面からハギ目の両サイド1-2mmにステッチ。糸の色は生地に合わせ交換します。

パッチワークにすることの中で起こる悩み、生地それぞれの性質の違いによる伸びなどから1-2mmほどずれてしまうことがある

いろいろな生地が集まるので、薄手の生地がヨレッとなり。少し皺が寄ることがありますが仕方がないです。

もし、しっかりとしたトートバッグ型で行く場合などは、このステッチの時に、裏側にハード薄芯をシートとして当て、待ち針で留めて、このステッチを入れることで風合いがもっと違った感じになっていくと思います。

当ブログ記事は、最初の投稿の2022.12.09からおよそ2年後の2024.10.21にタイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2年前を振り返った2024年から思うことは、まだこの当時は本体を曲げて巾着ホールを作っていた時代だったから仕方がなかった作り方であったと。

2024年のメソッドでは、裏にハード薄芯を貼ったキルトとパッチワークのコンビのようなシートに上部に仕上がり、巾着ホールは別付けでタブタイプに変わっている現在ですので問題ないのです。

また、2022年では1マスずつの並べ方をきっちりと忠実に重ねたから「十文字問題」が生まれたわけで、その後2023年からは半分ずらす重ね方へと発展。

そうしますと十文字ではなく「逆Tの字」ですのでずれの悩みを根本から解消しています。

ただずらすことで余分な切り落としや不足も起こりますので、元のパーツ数の枚数は余分に必要なのです。

懐かしい2年前の未熟さを2024年から振り返って見てみると感じるものです。

あとがき

まだ表地だけが出来上がったに過ぎません。

引き続き裏地用に決めたグループも同じように作業していくことでやっと1点目のナップサックの材料がそろうことになります。

こうして、手間をかけながらじっくりと製作していくパッチワークナップサックになります。

この度の様子をご覧いただいただけでも随分手間がかかった作業であると感じられたと思います。

とはいえ、厳しい見方も持っておりまして、材料の生地を作ったに過ぎないのだと考えると通常の表地を用意したまだ最初の過程なのです。

是非続きをお楽しみにどうぞ(^-^)。

最後の一切れまではぎれを使える可能性、小さなはぎれで作ったパッチワークシートで作るミニポーチ【258】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

布地で何かを作った後に余る「はぎれ」。

大きめで余ればポーチぐらいは作れるかも。。と思われるかもしれません。

しかし、面積の小さなはぎれでもつなぎ合わせるということをすれば、「無限」が実現できます。

とは言え、もともとメインに使った残りですので、その無限は、小さなアイテムの範囲内の無限ということになりますが。。

このたびは、柄が素敵な数種類のはぎれを小さな面積でありながらつなげてパッチワークシートに作り実際にミニポーチを完成した様子をお届けしたいと思います。

【175】の続きの作業、以前に仕立てたパッチワークシートを使ったミニポーチ

【175】の記事の投稿では、こうしてパッチワークシートを仕立てたところで終わっています。

今回は、その続き、「その後パッチワークシートはどうなったのか?」ということをお伝えすることになります。

【175】の投稿で作ってあった4種のパッチワークシート。表地と裏地とで2シートずつあります。

入れる目的としては厚みのあるファンデーションケースというデザインの四角いマチ付きです。

ハギ目がたくさんありますので影響がそれほどなかったマチ付きの四角デザインを採用致しました。

パッチワークのブロックのハギ目の出方の違い

パッチワークシートを見ていただくと分かりますが、椿柄だけが3ブロックです。

残りの桜柄と菊柄は2ブロック。

この違いが出来上がりの正面から見た感じに違いを生みます。

今回一番厚い赤い生地では作っておりませんのであしからず。。

縦7cmx横8cmxマチ2cmの3点のファンデーションケース。

パッチワークが2ブロックの左2点に対して、一番右は3ブロックの為、ハギ目の位置が違います。

椿柄だけ結構余分を切り落としていまして、すべて同じサイズのポーチにしたのです。

マジックテープは生地の柄の色に合わせてバリエーションの少ない色目の中からなんとか探しました。

マジックテープ、ファスナーなどの既製品は色数が非常に少ないのが悩みです。

アパレルの量産の製造では、ファスナーが多く使われますが、自身が勤務の時代はほとんどこだわりの「染めファスナー」でしたので、生地にばっちり色が合っていたものです。

大量生産ならではのコスト事情から、思い描く通りの染め色が実現できていた時代のことです。

マルチカラーに合わせる糸の色の難しさ

ここまでカラフルなマルチカラーの糸をどうするか、これはとても難しい点です。

パッチワークシートを作った【175】の時も本来丈夫にしたくて、はぎめの両サイドにステッチを入れたかったのですが、あまりに糸の色がなじまず、結局「ステッチを入れない」という結論をとりました。

作る商品が小さい物なので重さの比重がかからず問題ないであろうとの判断。

しかし、商品を作るための地縫いは必要な今回です。

さて、糸の色をどうしても選ばねばなりません。

この糸の色が大変難しい点でした。

一番左側の糸の色の選択が比較的易しかった理由に、背景がなかったということがあります。

一番左は、お花がぎっしりで背景が無いのです。

よって、お花の中から一番なじんで目立たない糸の色を選んでいきました。

右2点は、しっかり背景の色があります。

真ん中が黒、右が焦げ茶で、いずれも強い色に該当します。

そういった強い色の背景の場合、マルチカラーで他の綺麗な色が入っていると、背景の色に合わせていては糸の目が柄に浮いてしまって綺麗ではないのです。

まるで虫が行列を作っているかのように見えてしまいます。

そうして、非常にあいまいなカラーの糸の選択にたどり着いたのです。

黒地の桜柄には、カーキグレーのような黒とはかけ離れた薄めの色の糸を、焦げ茶地の椿柄には、モカベージュとか黄土色のような茶色とはかなりかけ離れた薄目の色の糸を選んだのでした。

いずれも薄い方向の色がなじむようなのが、他のカラフルな色との調和であろうかと思います。

よく、糸の色の選び方で「少し濃いめ」ということがさかんに言われていますが、それは単色の場合に限ってということではないでしょうか。

マルチカラーにはてんでその定義が当てはまりません。

すべての色に対してそこそこ合う色をまんべんなく見なければならないところがマルチカラーにおける糸のカラー選びのポイントです。

せっかく柄が暗い色に対して美しく映えているのですから、縫い糸でそれをぶち壊すことがとても残念なので、ここは注意を注ぐ部分だと思います。

ファンデーションケース以外のミニポーチの使い方を考える

ファンデ―ションケースという使う目的を特定した理由:日本人の使う目的に対して受動的な性質を考慮した為。

以前にどこかの記事でも書いたかと思うのですが、日本人というのは、蚤の市などで、何に使う物なのかという決められた使い方を聞きがちだそうです。

フランス人にしてみればそれは、驚くようなことらしいのです。

1つの物をいろいろな個性的な使いまわしが自分流に出来ることの方が自由で縛られずに千差万別で素敵なことなのです。

ということで、一応目的設定にファンデーションケースという名前を付けましたが、果たして、ここにすべてのファンデーションケースが入るのでしょうか。

いやいや、ここ最近のファンデーションケースは鏡とリフィルが横並びの長方形のぺたんこです。

この形は私が以前使用の二層式のタイプのファンデーションケースをイメージしたもの。

すべてに対応するものではありません。

そうなるとファンデーションケース以外の入れ物になったって良いわけです。

独自の使い方を反対にフィードバックいただければとても嬉しいです。

あとがき

このたびの、つなげてパッチワークにしてまでも小さなポーチを作る価値を極端なケースで考えると納得できます。

高級な生地のはぎれが余ったケースです。

さすがにもったいないと思うでしょう。

しかし、どの生地も現在レベルが上り、日本製はもちろん、外国の生地でもしっかりと作ってあるものも多いです。

どの生地も余ったらもったいないと思うべきなのではないかと。

なかなかリピート生産の少ない多品種小ロット製造の生地ですので、その出会いを大切に、心配ならちょっと多めにストックしておくことも工夫の1つ。

結果余った場合にはこの度のような活用法があるということを是非思い出してみてくださいませ(^-^)。