6mm仕上げの丸底ラッピング成功のための材料はナイロン100%のバイヤス25mm幅にあり【204】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

楕円の形をしたデニムバッグの底のロック始末を更にラッピングで覆うというアイデアをこのたびアウトプット致します。

随分と試行錯誤してきた結果お伝えできるメソッドとなっております。

カジュアルなバッグ1つでも実はその作りはエレガントであるという、「エレガンス」がミックスされたお品物作りを目指しています。

このたびは、デニムというカジュアルな素材をドレスライクに寄せていくというゴールを目指すために美しいラッピングの出来上がりを目指していきます。

いくつかの幅の違いでラッピングのあれこれを過去10年にもわたり試行錯誤してまいりました結果、行き着いた1つの完成型のゴールである最も美しい「6mm仕上げ」のバージョンをここでお伝えしたいと思います。

厚みのある生地へのラッピングが難しいと感じるその理由

一重仕立てのデニムバッグ:パーツ全部にロックをかけてあります。ロック糸の色も馴染む色でさっぱりと。。

ラッピングもストレート部分なら比較的やりやすいです。

しかし、このようにカーブのあるデザインに加え、生地に厚みがある部分にラッピングをするとなると少々レベルが上がると感じます。

しかし、心配ご無用。

作業自体がやりやすいような幅、前準備があれば成功できる作業だと思います。

今回は厚手の14オンス相当のデニム生地が2枚重なった場合のラッピングです。

14ozは、一般的にはかれているジーンズ程度、この度のラッピング布の幅の25mmはこの厚みを1mm見込んだものです。

完成のイメージは、4mm巾程度でかけられたロック部分を更に隠してワンポイント的な装飾を込めたデニムとは異素材のナイロンラッピングにするというものです。

ラッピングは基本的には、出来上がり幅の4倍程度の幅のテープを用意する必要があります。

しかし、それはぺたんこの生地の場合の最も単純な考え方です。

ラッピングをしたい場合というのは、そもそも厚みがある状態になっていることが現実多いものです。

よって、見込んだ25mmというのは、出来上がりの6mmx4=24mmに厚みの1mmを加えた25mmだということになります。

よって、水平に見たときの1-2mmの生地の厚みを考慮せねば、最後のとじの部分で生地の分量が不足することになります。

生地によって厚みは様々。

ラッピングというものは、1mm違っただけでも裏面にずれが生じ、下の写真のようにテープの上にステッチが載らず、脱線しまくりの的外れな状態になってきます。

私はクセとして、このようになりがち、このようになりがちな人は結構多いかもしれません↓。

出来上がりの裏面の縫い目がまるでテープにのっていません。

すべて、テープ外の的外れな位置にステッチが出ていて、ラッピングの意味があるのかというほどの出来具合です。

ここから改善を試みていきました。

では、作業しながらラッピングが美しく仕上がるコツを研究した成果として次のようにポイントをまとめたいと思います。

6mm強仕上げのカーブのあるラッピングを上手く仕上げる「7つ」のポイント

では、ポイント箇所を中心にして出来上がりまでの流れをお伝えしたいと思います。

ポイント1)生地は45度のバイヤスで裁断

ポイント1)とにかくバイアス裁ちで行うことが基本。ナイロン/100%は伸びと縮みの両方融通性あり。

そもそも、テープの幅は25mm巾のバイアス裁ちです。

これがストレートでは柔軟性がなく、しわが寄ってしまうので、カーブ箇所を含む部分であれば、バイアスが必須。

ポイント2)縫い線の印の線をフルに直線で描く

これは、確実に1針1針を的確な寸法の位置に落としていくために、フルの直線である必要があります。

ポイント2)縫い線の印の線をフルに直線で描く。

ポイント3)アイロンで折り線を付けておく

折り線は必須、正しい位置を折り線が案内役として教えてくれます。

この折り線をアイロンであらかじめしっかり付けておくと、とても後半がやさしいものになります。

ポイント3)アイロンで折り線をしっかり付けておく。

最後の縫いとじの折り込みも5mmです。そして、ど真ん中に折り線をアイロンで入れます。

縫い始めの先端の横ラインをを1cm程内側へ折り曲げて、縫い代を隠しておきます。

この作業を下準備としてあらかじめやっておくわけです。

ポイント4)本体生地の縫い代とテープの右端をピタリと合わせる

写真では、右端がうまく映しておりませんで申し訳ございませんが、あそこがぴたりと合っている必要があります。

テープがはみ出したりまたその逆で中側に控えたりしていると、これが原因でラッピングが崩れますのでご注意下さいませ。

ポイント4)本体生地の縫い代とテープの右端をピタリと合わせる。

ポイント5)アイロンをかける時に伸ばし過ぎない

ぐるり1周地縫い後、アイロンをかけてくるりとテープを反対側に向けます。

この時に最初の折り線が目安になることも多いです。

アイロンをかける際には、目安を地縫いの線がぎりぎり隠れている状態で折るのがのぞましいというのが実体験からの結論です。

ポイント5)アイロンをかける時に伸ばし過ぎない。
地縫いステッチが隠れているぎりぎりでアイロンをかけ、ターンします。

ポイント6)縫いとじのステッチは、先端ぎりぎりでなく少し内側を縫う

ポイント6)縫いとじのステッチは、先端ぎりぎりでなく少し内側を縫う。

ラッピング布の際ではなく、1mm程右部分を縫うと下糸側のステッチがラッピング布から脱線しない結果になるようです。

ものすごくこの場面は繊細で「加減」とか「感覚」の世界。

裏面のテープにステッチが載ることを意識しながら行うのが良いです。

これでもうまくステッチが生地に乗らないようであれば、最初の5mmの箇所へのステッチ時にあえて、その線の1mm縫い代側(右)を縫うということをすると生地の配分が調整されるということがあります。

このことは、よくご紹介されていることと同じ内容になりますので、1つのヒントとしては有りだと思います。

ポイント7)最後の綴じの位置にもきちんとステッチをのせる

一度やり直しをした後の場面ですので、そのやり直しの原因が実はカーブのところでした。

カーブ部分は、自然にバイアステープが内側に引っ張られる傾向があります。

そうすると、裏側(最初に地縫いをした側)が地縫いの糸が見えるぐらい引っ張られて圧力がかかり、テープ幅が偏ります。

つまり細くなってしまってうことがあるのです。

そうすると結果、最後の縫いとじのステッチ糸が、テープ上に乗らないのです。

なので、テープの幅を均等にするよう、地縫いステッチが見えないぎりぎりの位置に待ち針を裏側から打ち、表側にも打つというダブルで行いました。

そして、目打ちを使ってゆっくりとステッチしていきます。

ポイント7)最後の綴じの位置にもきちんとステッチをのせる。

以上、7点が私が研究した成果から出てきたポイント箇所でした。

結構ポイントの数が多いです。

これらをすべて満たした時に完成すると言えますので、ラッピングは高度な技術の1つだと思います。

ただ、すべてを満たすことを考えると難しいようですが、美しく仕上げるための必須の当たり前の事項だと考えることもできます。

成功したラッピングの完成の表と裏の見栄え

底面側のラッピングの仕上がり:巾着袋の中を覗いた時に、この面が一番多く視界に入る部分です。

この面からラッピングの縫いとじをしました。

この面は、最後に縫い閉じた時の表側にあたり、どちらかというとより綺麗に見える方側です。

ということは、ターンする前の最初に地縫いする面というのは、底面でない反対側の側面パーツの部分を上糸側にして縫うという向きが良いということを導けます。

側面側のラッピングの出来上がり:視界には入らない部分ですが、見る人は見る隠れた部分。

ここも、今回のコツでテープにステッチがちゃんと乗っかりました。

表からは一見綺麗でも裏を返せば残念なことになっているのはどうなのでしょう。

お恥ずかしながらそんなやり方が今までのやり方だったのです。

しかし、今回は生まれ変わりたいと思いました。

視界に入りにくい箇所も、丁寧に美しく仕上げていくことの意味を感じています。

おさらい:図解でこのたびのラッピングの数値的なものを見てみる

少し画像が不足していますので、図解をしてみました↓。

出来上がり6mmのラッピング用型紙の解説:バイヤス裁ち、ナイロン/100%地使用の14ozデニム用の場合。

最初の型紙では25mm巾で裁断。四つ折り観音開きをまともにせずに、左右を5mmずつだけ縫い代でとります。

例えば、薄手の生地をラッピングするのであれば、ただの均等の四つ折りでアイロンだけで良いですが、デニムは明らかに厚みがあることが目に見えています。

よって、その分の生地が奪われるとあらかじめ考えなければラッピングは成功しません。

最初の左右の5mmずつは、本来25÷4=6.25mmという仕上げの6mmに近い数字を均等配分するイメージから片寄せたものです。

多くが真ん中の内陸部分で生地が奪われるわけですね。

こうした微妙なミリ単位が効果を出すということならば、当然使う素材も融通の利く、伸び縮みの弾力性あるナイロン/100%を使うことが成功しやすいことに導けます。

書き手:ピクチャレスク

あとがき

「長年の勘や職人的感覚」を養うにあたっても、まずは理論として得たことは、ラッピングの仕上げの幅は6mm程度がすべてにおいて、すっきりと美しいと思えるということです。

幅がたくさんあれば丈夫そうに見えますが、野暮った過ぎてスタイリッシュではありません。

今回は、デニムのブルーに相性の良いサンドベージュの色のラッピング布であったことも実はバッグの中をのぞいた時のコントラスト効果を考えた工夫です。

苦労するラッピングのその作業だけに心を奪われるのではなく、さらにそこを乗り越え、その苦労などまるで無かったかのうように何食わぬ顔をしておしゃれ度も見せていくこと。

その作り手の強靭な姿勢こそ本物の「粋:いき」を作っていくのではないかと思うのです(^-^)。

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