まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
このたび、「皮革とブランド 変化するファッション倫理 :西村祐子 著」を拝読。
出版は2023年5月、まだ出版されて間もない新書の部類として読むことができました。
いつものように図書館です(^-^)。
薄手ながら内容も注目の事柄を網羅、本革レザーの歴史から今後のサスティナブルな社会を見通した広範囲な内容。
ファッション分野に関わる業者の多くの方がきっと興味を持って読まれるであろうと予想しています。
その中で、ピクチャレスクの向き合い方も含め、どうしても世の中の動きに疑問を感じる点を綴りたいと思いました。
これまでの本革レザーとの向き合い方の変遷、「革物」好きな者にも考え方の変化が起こった現在の自らのワードローブと代替品の製造への疑問
10代の頃から革物が好きで、ベルト・靴・バッグなどは当然革物を選ぶという選択をしてきました。
今思えば、30年前くらいは特に、様々な革製品に興味を持ち触れてきたと思います。
それが、ここ近年世の中の動きが変わり、本革レザーをたやすく持つことに対しても一度踏みとどまる考え方をするようになりました。
そもそも地球にとってかけがえのない命である動物を捕まえ、嗜好品にしていくことの惨さを今一度考え直す時代になったのです。
その他ミンクやフォックスやラビットの毛皮・ダウンジャケットの羽毛なども同じことです。
毛皮品も好きで、中古品で「サガミンク」などをお得に2010年代前半にいくつか購入してきたことがあったのですが2018年で一掃。
古着市場では既に昔の製造物は存在しているので、頑なに拒否するところまでの気持ちにはなりません。
実際に、もう今後は購入しないとは思いますが、ずっと持っている牛革のコートなども綺麗な状態の古着で購入したものを持ち続けている現状です。
製造メーカー様は、現時点では違った形でレザー製作を続行しようとしています。
それが、「ビーガンレザー」などと麗しきネーミングの「フェイクレザー」の再登場です。
しかし、これは100%サスティナブルとは言えないと思っておりまして、「作らない」ことは決して選択していないからです。
しかも、天然素材を使わない代替品の素材というのは、劣化する道をたどる素材であるのです。
結局ゴミが出るという将来なので、環境には悪いという随分的が外れたシフトの仕方なのではないかと見ています。
いかに、「レザー」という言葉や素材の「ブランディング」が確立されているのかを窺い知る何とも言えない実態。
こうまでしてメーカー様は「レザー」を引き続き作り続けようとしているのです。
すぐには極端にレザーを消滅させることができない事情は、「事業の存続」にあると見ています。
いかにこれまで、「レザー」に依存してきたかということの残存のような姿なのではないでしょうか。
後で貼りますYouTube動画内では、「なめし」加工についても少し触れています。
日本でも現在はある一区域にとどまる地場産業。
なめし作業は、出来上がりのきらびやかなバッグとは対極にあり、その昔は「社会の末端」のような位置付けの作業として敬遠されてきました。
よって、その作業と作業に携わる人々が写されることもなかった、むしろ隠されてきたのだと思います。
どうしてもなめしの段階で出る「悪臭」や「汚れ」がその美しい出来上がりのバッグと対極にあるからの「イメージ」のため。
そもそも本革レザー製品作りには、そういった苦労する過程があり、表に出してブランドの価値を損ねぬようにされてきたのです。
しかし、もう裏事情を隠しきれなくなった新しい世の中が始まっているということなのではないでしょうか。
それでも過去にしがみつく体勢はいずれ破綻を迎えるでしょうし、人間一人一人がちゃんと考え始めることで購入を選択をしなくなっていくかもしれないのです。
あとがき
まずは、一人一人が、本革に対して環境の面を考慮しながら自分の考えを持つことが大切だと思います。
もしかして、考え方は人によっては全く同じではないかもしれないです。
私のような中古品など既存の物は捨てずに有難く使わせていただけば良いのではないかという考え方もあると思います。
とにかく、一人一人が自らの持ち物の中のレザーの存在を見ながら「意見」「考え」を打ち立てることが大切。
これをきっかけに、もともとお洋服が好きな方も興味がない方もお手持ちのお洋服に新しい息吹が吹き込まれれば良いと思っております。