まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ハンドメイドバッグ製作においての限界は「厚み」だと思っております。
かなり厚手の生地にもすんなり対応できる「職業用ミシン」に慣れて約15年。
では職業用ミシンが最強かというと、厚みに関しては限界があります。
なぜなら、バッグは決まって三つ折りが登場し、さらに三つ折り同士が重なって厚みが増すことになりやすいからです。
これまでは、8号帆布、ゴブラン、セルヴィッチ25オンスデニムにわたって厚みの生地を職業ミシンで縫ってきた経験があります。
これらの生地は、裏地とのコンビでもある限られたデザインでなければ、針の16番や糸の30番でも追いつかないことがあります。
そんな際には、一重仕立てのデザインということも厚手生地をうまく活用するコツになります。
ただ、そうはいっても、一重仕立てにしても更に別の悩みが出てくるのです。
それは縫い代の始末です。
トートバッグを裏地付きで作ることは一見手間がかかるようですが、厚みの生地としては、縫い代が裏地との重なりで隠れるので両割りするだけで隠れてくれるので解決です。
今回製作しているのは、一重仕立てのエコバッグ。
エコバッグも必要な時にだけ取り出したいために重さの軽減やたためる薄さも追求しています。
そうしますと、そこそこ肉厚な「カーテン地」などは縫い代始末の際の三つ折りが困難を極めます。
その対策をしたのがこの度です。
厚み生地のお取り扱いの際には、是非お役立て下さいませ。
縫い代を二重のまま三つ折りが困難、片方を半分ハサミでカットして三つ折りする劇的な効果
当然ながら、三つ折りの厚みも一部そぎ落とされ薄くなりました。
この、地縫い線が見えてしまうことの解消は、また別の機会に工夫していまして、ここでは見えるやり方をしています。
厚みがあり過ぎると三つ折りステッチもぐちゃぐちゃになります。
よくジーンズの裾上げで折り伏せ縫いしてある硬い部分を三つ折りせねばならないのですが、あれを綺麗にできることが裾上げ担当者の技術です。
ジーンズは何とも仕方がないのですが、その時に金づちでたたくことをしてペタンコにしているので、考え方としては似ています。
つまり、「厚みを解消している」ところが共通です。
厚みある生地にとって、三つ折りは非常にやっかいな障害物なのです。
ということで、一重仕立てこそ裏地付きよりも工夫せねばならないことも出てくるのです。
内側といっても表なのだという厳しい見方になるからです。
あとがき
二重仕立てではなかなかミシンが追い付かないゴブラン生地、ヘビーデニムなどは、その縫い代始末に悩みます。
せっかくのレア生地であるならきちんと美しく作りたいもの。
この度のカーテン地はほつれやすいところも欠点で、いろんなデメリットが集まった生地であったことで、カットした効果が出やすかったと言えます。
視界からは遠い内側も美しく仕立てるという「姿勢」は、きっと誰かがどこかで見ている、そんな気がしてならないのです。