まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
今回は、ただいま実施中の、<同素材シリーズ>の3つ目、ミニ巾着ショルダーバッグを製作しています。
今回は、後半部分ですので、後程完成のバッグがご覧いただけます(^-^)。
今回の製作の中でご紹介したいポイントは、今回初めて巾着バッグに取り入れた「取っ手」の取り付けです。
今まで巾着型に取っ手を付けてきませんでした。
1980年代に流行の巾着型の多くの既製品には取っ手が付いていないものが多かったと記憶しています。
しかし、流行もらせん状。「かつての回顧的な要素+新しさ」で過去が新しい形で受け継がれていくものです。
現在の巾着バッグは、ハイブランド様のお品でも取っ手は取り付けてあるようです。
現実的な使うシーンで考えてみても、バッグの中身を何か取り出す時に取っ手があることで作業がスムーズなのです。
この時の取っ手は、ショルダーとして下げている時は使用しないけど、違うシーンに切り替わった瞬間で必要な時があるという「備え」としての取っ手である所がポイントです。
あとは、ショルダーも付いているのだけれど取っ手も付いていることのデザイン的な見栄えも出来上がりを見て感じていただけるかもしれません。
現在の5型のシリーズ物でも、この巾着型のみ取っ手を付けていませんでしたので、ショルダー+取っ手ということも定番の要素にしていくことで、ラインナップもすっきりとまとまりそうです。
巾着型のサイドは、パーツが混み合う場所
巾着型は、アイレットカンを12個(前後6個ずつ)取り付けるのが基本型です。
よって取っ手にしても、ショルダータブにしてもサイドの影響のないわずかなスペースを確保して取り付けることになります。
この辺りの場所がいろんなパーツが混み合い、混沌とする箇所なのです。
今回、このことの難しさに慣れておらず、アイレットカンの穴開けに失敗してしまったハプニングがありました。
サイドに表地と裏地の間に差し込むように取り付けた取っ手やショルダータブの位置はそれなりに配慮したつもりでしたが、深く差し込みすぎたのですね、アイレットカンがタブの根本をぶち抜いてしまいました。
ぶち抜けたから良いのだというわけではないのです。
水平ではないでこぼこしたところにアイレットカンを取り付けるというリスクができてしまいました。
そこへ仕方なくアイレットカンを取り付けたところ、案の定、ここをきっかけに、力のかかり具合のアンバランスによってアイレットカンが外れる事故が予想されてしまうような取り付け具合になってしまいました。
本来、アイレットカンは水平な環境でしっかり、丈夫に取り付けることができるという定義です。
それを水平でない環境を作ってしまったということです。
アイレットカンの失敗箇所はこのタブをぶち抜いた箇所ともう1つ、あからさまに失敗したという場所の2つがあります。
その2つ目の箇所というのが、もともとは、タブやショルダーの根本がでこぼこしている不安定な環境が原因がまず1つ。
そして、更に、ポンチと金づちで穴開けをしている途中から別の場所にずれて、穴が1.5個分ほどの大きなものに空いてしまいました(*_*)。
これは大変な悲劇でした。もうアイレットカンを取り付けても隠しきることができず、アイレットからはみ出した生地がおぞましく目に映りました(*_*)。
ショルダータブに関する改善策
さて、隣にも影響を与えてしまう取っ手とショルダータブの付け方はいかに?。
私が今回改善点として考えたのが、ショルダータブの根本を短めにすることです。
タブもあまり上に内側に突き出しすぎても野暮ったいですので、ちょこんと顔を出す程度で良いです。
そうすると、型紙の縦の長さが、現在の縦7.5cmを縦5cmに2.5cm削ることを考えました。
そうすれば、根本が今より上に行くので、アイレットカンに影響を与えないようにできると思います。
また、ショルダーに関しても、長さを少し短くして根本をあまり深く中へ入れ込まぬように1.5cm程度にします。今回は3cm程度入れ込んでいました。
完成の様子お披露目
一見何でもなく見えますね。しかし、とにかく今回は、アイレットカンの失敗によって販売は不可能となりましたが、これがうまくいったら、なかなかエレガントなものになったと思います。
巾着デザインは、きゅっとしぼる動きをするときに折りたたまれるので、かなりの重圧がアイレットカンにかかっていることでしょう。
巾着は動きのある開閉をしますので、アイレットカンはとても重要です。
紐を引っ張る時に穴周辺に重圧がかかるという意味です。よって、丈夫に取り付けたいのです。
ここが他の形のバッグと少し違う点です。ファスナーじゃないですからね。
本革レザーと生地の違いというのは、その密度にあり、カシめる力は、断然本革レザーの方が優れます。
そもそも、生地にこのアイレットカンを使うのかどうか。
今回の製作で、ここも今後判断していく重要なポイントになると思います。
パーツ屋さんははっきりとおっしゃっています。「生地には向かない」と。
そしてご注目いただきたいのが、取っ手の存在です。
ハンドルとも呼べる立派なものになりました。存在感が大きいですね。
このハンドルによって巾着が完全に絞られることが不可能になっていくので、冒頭のお話の1980年代の多くの巾着バッグがハンドルは取り付けられていなかった理由の1つに、「完全に口をふさぐことを重視した」ということがあったのではないかと見ました。
あとがき
今回は、失敗してしまいまして、とても残念((+_+))。
2デザイン目まで調子よく完成してきて、ここでつまずきましたが、残る2型の、ボストンとリュック、頑張りたいと思います。
全く同じ生地でデザインを変えて製作していくこの企画、生地が同一であることで、その違いがとても比較しやすいです。
今後の製作のヒントになって行けばと思いますと、今回のような苦い失敗も重要な過程であると考えます。
失敗は残念過ぎますが、いずれ、素敵な巾着型が自分のデザインらしく作って行けることにつながる失敗であればと無駄ではなかったと思えます。
そもそも、アイレットカンを取り付ける巾着で作るのだろうかということさえ、根本的な材料使いの面まで将来はしっかり検討していきます。
それには、こういった細かいパーツ材料も使った製作も体験してみる必要があるのです(^-^)。