あれほど不安定な生地が厚みのあるしっかりバッグになっていく風通ジャガードという生地の構造【1145】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年に主に多く扱ってきた生地に、ジャガード、フクレジャガード、風通ジャガードの3種があります。

どれもジャガードと付くのですが、そネーミングの表示が生地屋さんの方ではされているのです。

その名前の違いと実際に実物を見た感じの違いというのは、すぐに理解できるものではありませんでした。

ということで、実際に3種の生地を実際に取り扱い、ハンドメイドバッグを作ってきた私から発信できるその違いや構造や、製作した時に起こる生地の変化などについて今回は書きたいと思います。

ジャガード類はとても素敵な魅力ある生地でして、生地の中では一番注目しています。

よって、今回の記事だけではなく、また今後も時々ブログ記事に投稿していく予定です。

まず当記事では、過去の製作の時の素材が3種の内どれだと生地屋さんが表示されていたのかを残してある記録から振り返り、風通ジャガードについての構造とかバッグにしていく良さをお伝えしていきます。

やはり、風通ジャガードが一番レア生地か

まず、もともと定義されている呼び名、そして実際に取り扱ってきた私が自分のフィルターでこしての定義を記載してみますね。

<3種の定義:事典や解説での説明と私からの説明>

・ジャガード・・・プリントなどの塗装的なものではなく、織り糸で柄を表現したもの、またその技術。

・フクレジャガード・・・生地を二重にして柄を出してふくらみを出した織り方(気泡的なふくらみ)。

・風通ジャガード・・・生地を二重にして柄を出してふくらみを出した織り方(気泡的からもっと広がった柄に及んだふくらみ)。

はっきりとフクレと風通の違いが分かっておりません<m(__)m>。同じなのかもしれません。

その説明がされている本やネットの情報も見つけられていません。

よって私の言葉で( )の中はまとめてみましたが、すみません、正解であるかどうかはわからず、実際に私が取り扱う中で感じたものになります。

まだまだ取り扱いが少ないということならば偏った見方かもしれないのですが<m(__)m>。。。

生地屋様が表示する名前を参照にしながら、名前がその構造などに忠実に決められてあれば、フクレと風通の違いを知る良き手がかりになるであろうと思いました。

まずは、ジャガード、フクレジャガード、フクレ(ジャガードという言葉が付かない)、風通ジャガードを集めてみた写真で解説します。

ジャガード:これらはジャガードとして表示のあったもののほんの一部です。他にも多数で、もしかして、この中に一部フクレみたいな箇所もあるのかもしれませんが、表示はジャガードだけでした。フクレや風通とは違い柄がペタンコです。まずは、ジャガードなのかフクレや風通なのかの見分けとして、柄が膨らんでいない平面であること、二重織ではなく一重仕立ての生地がベースになっていることがジャガードであると導けそうです。
フクレ:フクレジャガードに行く前にただのフクレ加工だけのものを見てみます。ジャガードが付くと柄も混合になっていて複雑です。フクレだけのプレーンなものは、これらです。右下の内側部分は、フクレプリントと呼ばれ、フクレだけではなく、プリントされたカラフルな生地との混合です。生地も単純ではないのですね(^_^;)。
風通ジャガード:風通ジャガードは一番レア素材かもしれませんね。あまり取り扱いの数も多くはありませんでしたが、一番力を入れて探した素材になります。ほぼ見つけたのはイタリア製です。産業の事情もあるのか、日本製ではこうしたイタリア製のようなダイナミックな風通ジャガードは発見できませんでした。

さて、ここまでで、フクレジャガードと風通ジャガードの違いって分かりますか。

分かりませんよね。基本的には同じ二重織構造で膨らみを出していて同じなんです。

私が無理やり定義に( )の中に盛り込んだ言葉と照らし合わせると、確かに、気泡を越えた範囲の全体柄とか風景をも表しているタイプが風通ジャガードには多かったですが、多かったといってもレア生地なのであてになりません(^_^;)。

風通ジャガードをバッグにした時に気づいたものすごい情報

ということで、フクレジャガードと風通ジャガードが本当はどう違うのかというのは、想像の範囲内で、また追々の課題としたいと思います。

分かった時点で記事に投稿させていただきますね。

では、最後に、風通ジャガードを実際にハンドメイドバッグに仕立てた時の素材の様子と、とても驚く発見があった貴重なエピソードをお伝えしたいと思います。

こうして、早めに接着芯などで固めていかないとどんどんほつれます。風通ジャガードは生地だけの状態だと不安定で緩く、崩れやすいのがデメリットです。
バッグの取っ手にご注目いただきたいのですが、この崩れやすくもろい作りの風通ジャガードを重ねてステッチしていくことで、見事に立体感ある丈夫な厚みが出ました。ハリコシもしっかりあります。

風通ジャガードを接着芯で硬め、ミシンでステッチを施していくことで、ハリコシが特徴の素晴らしいものに出来上がっていくことを発見しました。

よって、風通ジャガードというのは、そのもろい状態の生地のままで使うようなマットなどのお品よりも、たくさん縫われて、バッグなどになった方が、良い物にできあがるのではないかという貴重な発見をしたわけです(^-^)。

あとがき

今回は、ここまでですね。

とても注目しています、好きな生地なのでもっとたくさんあれば良いのですが、レアです。

まずはイタリア製でそこそこ見つけた過去がありましたが、まだプリントなどに比べると豊富ではありませんね。

レア生地の部類に入る現在だと思いますが、この美しさはまるで美術品のようです。

今回は、まだまだ書き足りない、掘り足りない部分もあり、また、フクレジャガードや風通ジャガードについては注目してまいりたいと思います。

生地全体の中では、凹凸感あるその他の生地としてユニークな織り方の生地をたくさん見てきました。

そして、最近のハンドメイドキルト加工をすることで、ほぼ無限に凹凸感が実現できることも体験しています。

ハンドメイドバッグに製作すると元の生地から変化するようなメリットなどは、実際にバッグを作ってきた者でしかお伝えすることができないことだったりします。

そんな発見を今後もしていき、おしみなくお伝えしてまいります(^-^)。

特に大花柄は、インテリアで大きなバッグに仕立てることがお勧めである理由【955】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近スタートしました、ハンドメイドバッグのインテリア使いの製作。

今回その1点目をご紹介したいと思います。

大花のデイジー柄がぷっくりとふくらんだ風通ジャガードがとっても素敵です。

柄のサイズが大きい生地は大きなバッグの方が迫力と価値が高い件

せっかく凝った作りのぷっくり膨らんだジャガードです。

柄も大きなお花で存在感があり、できるだけ広い面積に大花を敷き詰めたい。

そうすると、バッグは、途切れ目の少ない広い面積である大きなバッグが良いと思います。

過去に同じ素材で小さめのコンパクトバッグを作ったお写真があるので比べてみてください。

過去(2019年くらい)に作ったドーム型のコンパクトバッグ:この柄をデザインに当てはめた形なので、途中で柄が途切れたり面積が狭いです。
今回製作のインテリア収納バッグ:<サイズ>縦37cmx横44/62cmxマチ20cm・・・程よいビッグサイズといったところでしょうか。大花柄でもお花がぎっしりと配置され、生地が存分に惜しみなく使われています。
<表地:オフ>風通ジャカード、ポリエステル/76%、ナイロン/24%、イタリア製。・・・イタリア製には、日本のフクレジャガードの仲間の生地よりも、もっと大胆に華やかに表現されているこういった風通ジャガードというのが多く見つけられます。イタリア国内のこういった分野の事業の事情だと思いますが、日本製のここまでの凹凸感ある素材はなかなか見つけられないです。
<裏地:黒>透かしオパール、綿/46%、キュプラ/26%、ポリエステル/18%、ナイロン/10%、日本製。・・・地の黒色は接着芯を黒色に貼ったのでまったりしましたが、元は透けた感じ。とはいっても丈夫な素材です。

裏地の柄はあまりはっきりしていないので、裏地向きかなあと判断した今回ですが、表地としても使えるような生地です。

表地のビッグデイジーの花びらにこの大きなボタニカルなジャガード柄がよくマッチすると判断したコンビです。

インテリア専用ということでこれまでのお出かけ用バッグと違う作りはどこか

一見写真だけ見ると、この同じようなデザインをお出かけ用にも使えるかもしれません。

けれども、私がお出かけ用を作ると、底板を内蔵して、側面にハード薄芯を貼り、ショルダーを追加ということで、どんどん外出用の機能を追加してしまいます。

これまではその使い勝手や機能を持ち歩く外でのシーンであることを想定して、とことん追求してきたのですが、最終的には高額のお品になりました。

高額でも時々はご検討いただけるかもしれませんが、製作にも時間がかかってしまうので、コンテンツ化して、その手法を「著作権無しの自由な商業利用」で販売させていただくことにシフトチェンジすることに決めました。

私も引き続き、その凝った機能のお出かけ用デザインは利用させていただきますが、その一方で、今までのお出かけ用からおうち用へのシフトのバッグがとってもシンプルで短い時間で製作できました↓。

底板も入れていないので折りたたみもでき、使わない時に引出しの中などに大切に収納できます。取っ手も特に接着芯しか入れていませんが、ステッチの4本線によって丈夫にしっかりとしています。室内用としては十分ですし、これを持ち歩くことも不可能ではありません。その想定も入れてちゃんとしたお仕立てをしています。

こうしてたためることで、使わない時に、日に焼けたり、ほこりかぶったり、汚れたりなどの消耗を防ぐことも可能。

結果長持ちのお品になる可能性があります。

こうしてたためるのは、底板を入れていないからです。

そして、接着芯のみなので、物を入れていなければ、くったりとなって畳みやすいです。

かといって、接着芯の薄芯は全パーツに貼っていますので、基本的な丈夫さはお任せください(^o^)丿。

室内で入れ物として利用するのは、動きがない静止状態なので、強度をそれほど追求しても意味がありません

持ち上げて全体の力がかかる場面というのは配置を変えたりするときのみ。

あとは、じーっと同じ場所に置いているだけの入れ物なのです。

しかし、目につくところであれば、時々視界に入り、綺麗な柄を愛でるということも日々の暮らしが潤いのあるものになるインテリアの1つとなると思います。

あとがき

今まで作ってきたお出かけ用のリュックなどを私の自分のライフスタイルと比べると少しずれていました。

私がお出かけする時はブランドバッグなのです。

そして、インテリアである室内でたくさんこういったハンドメイドの花柄ぎっしりのバッグを楽しく使っているのです。

その点で、自分の実際と、ご提供してきたものにずれがありました。

今度は、いっそ全く私と同じライフスタイルの、「おでかけはブランドバッグを持ち、室内ではお花柄に囲まれる」という人をイメージしながら、ずれずに、ぴったりでやってみようと始めた企画です。

今回1点目ですが、ここからまだ引き続いてどんどん製作していきます。

そして、生地在庫が0になった時点で今一度振り返ってその手ごたえと共に今後をまた考えていきたいと思っています。

バッグはやはり洋服との相性が大きいと思います。

私自身がブランドバッグをブランド服に合わせているのでお出かけ着ではこういった花柄のほんわかしたテイストは登場する場面がないのです。

しかし、一方でお部屋の中では、ブランドロゴのついたアイテムを並べるかと一とそうではなく、お花畑のように花柄の入れ物で敷き詰められています。

これと全く同じように室内で入れ物として使いながら柄の綺麗さにも囲まれる暮らし。。。そちらの方へシフトするといったものになります。

寸法のしがらみがそれほどなく、生地に合わせたサイズ設定で作ることができるので、もったいない生地の使い方も避けられます。

余り生地で悩むことも少なくなるかもしれません(^-^)。

ハンドメイドバッグのネックパーツの取り付けが綺麗にできる方法、これで決着の記録【422】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

長いことネックパーツの取り付けについては研究しましたが、今回ひとまずある方法で決着しました。

その記録をこの記事でご紹介したいと思います。

ネックパーツの裏地側を手まつりで取り付ける方法

この箇所というのは立体的な部分も混じってきていますのでまっすぐ取り付けるのがただでさえ困難。

そんな厳しい環境の中、今まで表からのミシンのステッチが裏パーツの周りを均一に取り囲むようになどと難しいやり方で進めていましたが、いったんフラットに考え方を切り替えました。

そして、表地のパーツを先に縫い付けるという以前とは反対の方法でいきます。

まず表地側から先に縫い付けます。位置はハギ合わせのど真ん中を意識。・・・これが何度やってもずれるものですが、今回は、多少ずれても上手く出来上がる手法となります。機械ではない物理的な原因などでどうしてもぴたっと行かない場合にも対処したやり方となります。
裏地は、表地よりも1cm縦横サイズを大きくした型紙です。ひと回り大きいと言ったようなイメージのサイズ感です。実寸は、表地パーツが10cm四方に対して、裏地パーツは11cm四方です。1cm違うだけでも上下、左右で2cmの差なので結構違いますね。
先程表地側からミシンで縫い付けた線が裏地側にボックス型に見えています。ここへ、ひと回りこの枠よりサイズの大きい裏地パーツを当てれば、このステッチが隠れます。
手まつりの様子・・・ここで手まつりがどうしても登場します。ミシンだと表側にステッチが出てしまいますので、それを考慮した方法が手まつりということに行き着きました。縫い糸と同じテトロン糸でなじむように2本取りで1周まつります。
完成です。綺麗になります。確かに少しずれているのが分かりますが、まずは、見た目の綺麗さでいうと合格ラインに入ってきました。今まではこんなに綺麗な見栄えではなく、混沌としていましたので、ボックス枠の縫い線を隠すことですっきりすることができたと言えます。

完成レビュー

「卵焼き」(バニティバッグ):<サイズ>縦15cmx横22cmxマチ13cm。
今後の課題としてはゆがまずにいかにまっすぐにど真ん中に縫い付けることができるかですね。裏地パーツは表地のボックスステッチに合わせますので、まず最初のこの表地側からの縫い付けの真っすぐさがものを言います。

この生地の素晴らしさも同時に感じる製作でした。イタリア製の風通ジャガード美しいです。

もっといろいろあればいいのにと思いますがそれほど豊富なわけではないと思います。

日本だと何か産業の事情なのでしょうが、現在生き残っている生地のメーカーさんでもここまでぷっくり膨らんだものがなくて、類似品のフクレジャガードなどもたまに見かけますが、上品で控え目なお品なのが日本製の特徴。

そうするとこういった大胆な加工はイタリア製の生地に多く見られる感じがします。

あとがき

現在、卵焼き週間というのをもうけています。

卵焼きデザインでひたすら研究しながら作っていってデザインの確立に向かうというものです。

あと残すところいったん1点で最後です。

次の製作は、私の計画の中での、2020年度のカラー物からの引継ぎのような2021年度用の色味であるモノトーン調の黒っぽいジャガードがいよいよ登場します。

また、記事にアップしますので、お楽しみにどうぞ(^-^)。

おしゃれな生地は品質表示に表れる、複雑な記載の品質表示から読み解く素材の織り込みのリアルな構造【197】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

自身が好むマルチカラージャガード。

洋服でも、ハンドメイドバッグ製作の材料である生地チョイスにもたくさん取り入れています。

じっと眺めてしまうようなうっとりする美しさは、その織り込まれた複雑な糸のミックスです。

今回は、このような美しく生地が出来上がるためのその「混率」に焦点を当てました。

混率というのは、「織り込まれたその生地に登場してくる糸の種類と材質の分量配分」ということになります。

このたびは、ジャガードについて、比較的単純な構造の生地例から順にご紹介してまいります。

最後の方になると高級で美しい素材であるがゆえに、複雑な構造に至ります。

じーっと生地をアップで見つめるような視点でお送りしたいと思います。

そして、複雑であっても品質表示と照らし合わせながらその表示の理解の仕方などを今後のお洋服の品質表示などを見る際にも是非お役立ていただければと思っております。

単純な混率

ジャカード織であっても一番シンプルなのは2色程の糸で折り込まれて柄を作っているもの。

単純な綿糸だけで折り込まれた市松ジャガード。おそらく同じ種類の2色の糸かと思われます。

たまたま均等配分の市松柄であることで、表示も単純。

2色に分かれた同じ綿/100%の糸を使って柄を出したこの生地を綿/100%とだけ表現したということになります。

法廷表示としてこの表示の仕方が通過するということになります。

表現はポリエステル/100%とだけシンプルなものですが、基布の糸と柄の糸の種類が全く違います。

2種がたまたま同じポリエステル/100%なのだと判断できます。

この表示は少し親切味に欠けるかなと私は思いました。

「基布:ポリエステル/100%、柄:ポリエステル/100%」と書いてあったら、「うん、うん」と納得できませんか。

ということで、次のような分かりやすい表示がされていることが生地購入者にとってはありがたいということがあります↓。

分かりやすい混率(分離表示)

「消費者庁」様のHPで説明がありますが、各部位別に混率を表す方法です。

このような表示の仕方は、見かけのイメージにぴったり合致して分かりやすいです。

「生地:ポリエステル/100%、柄:ナイロン/100%」の文字を見て、この柄の薄グレーの部分がポリエステル/100%の糸1色でできている、柄の薔薇の花の黒色のつるりとした素材は、ナイロン/100%の糸で柄織りされたものだと理解できます。

ただ、この生地は2種類しか糸が使われていないからこそぱっと見と等しい表現の仕方が可能であったとも言えるのかもしれません。

次からの表示の仕方は、織りこみ、編み込みがより複雑になり、小さな品質表示の枠に収まらなくなるようなミックスタイプの生地の場合になります↓。

複雑な混率(全体表示)

こちらも、「消費者庁」様のHPを参考にさせていただきましたが、「全体表示」は、品質表示に最も多く見かける表現の仕方であると思います。

「いくつかの複数の混率から成り立つ表現を、<質量>の割合で表す方法」とのことです。

全体表示の方法:やや見かけとイメージがつかみにくいです。どうしても面積で考えがちですから。。

ぱっと見、1種の糸だけでできているようにも見えますが、濃淡がありますので、「糸の種類の違いからそのもやもやな美しい感じが出来上がった構造である」という見方をしてみました。

引き続き、こちらも全体表示。

ポリエステルは今まで見てきた生地の特徴から、ツヤがあるかと思います。

テンセルは、色がくすんだようになっていて、さらさらした手触り。

こんなところから柄のどの部分の糸がテンセルやポリエステルなのかということが比較的分かりやすい濃淡ある大花柄です。

分かりにくい全体表示例:幾何柄のブルー系のジャカード織の生地です。

どの辺りがビスコース、どの辺りがポリエステルってなかなかわからないでしょう(^_^;)。

ビスコースとポリエステルのコンビは両方共ツヤのある糸なので、とてもゴージャスになるのですが、ビスコースとポリエステルの違いなど見た目でちっとも分かりません。

そして、これを「分離表示」しようとするとこのような幾何柄の複雑な柄の配置のどこの事を差しているのかさえ表現しにくいものです。

そうすると、おのずと、「全体表示」となるのだと解釈します。

ところで、こんな、全体表示の生地がありました↓。

あくまで予想なのですが、おそらく背景部分の白が綿/100%で、柄の黒の部分が絹/100%。

そうするとこの全体表示の仕方はイメージがわきにくいですね。

前述の薔薇のフロッキーと全く同じ構造の2種の糸が2パーツの柄になっているというもの。

お国柄とも言うのでしょうか、イタリア製と日本製とで表示の仕方が違うという点も興味深いですね。

「パッと見の分かりやすさに重点を置く」のか、「元の原材料である糸に重点を置く」のかで「全体表示」or「分離表示」が決まるのが1つ。

そして、表現し切れる範囲を超えた複雑すぎる多種の糸がミックスされた生地は「全体表示」にせざるを得ないと言えます。

結局はユーザーが分かりやすいかどうかであることを考えると、私としては、「分離表示」で示された日本製のフロッキーの生地に示されたような表示の仕方が結果的に「親切な表示の仕方」だと解釈します。

が、そう単純な生地ばかり出ないのも現実なのです。

イタリア製に多く見られる混率は、美しいがゆえに表現し切れない複雑さを秘めていると理解できます。

品質表示が複雑な生地=こったお品と言って良いでしょう。

これも品質表示の奥深さです。

あとがき

今回は、生地の混率にスポットを当ててみました。

生地の混率をじっくりと見るのは、事業をしている人が大半、もしくはアレルギーを気にする方だと思います。

品質表示をじっくり見るということは、その素材を選ぶかどうかの厳しいジャッジのためにはの重要です。

素材を大切にしている自身がこの後できることとして、いただいた生地の混率情報をきちんと記録し、必ず製造品が完成した暁には購入していただくお客様に伝えていくことです。

作り手の役割として、細かな知る限りの情報を先端のユーザーとなる人へお届けしつくしていくことです。

そうした中で、お客様が混率に興味を持ち、自分で調べたり素材に興味を持っていくきっかけになったりして行き渡る明るいその先が見込まれます。

時には、このような情報をクリアに伝達してくれる製造者に対しても「信用/信頼」が生まれるということも。。

この可愛らしいデイジーのフクレジャガードを活かす以外の選択肢無し、バッグのポケットを切り抜いてそのまま再利用したミニバッグの構造【85】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

もともとハンドメイドで作ったコンパクトなバッグなのですが、ファスナー取り付けのゆがみが気になり、ボツ商品として解体していました。

ただ、そのポケットの付き方が何とも名残惜しく、このままポケットを活かそう、そういうことになりました。

この生地がそれはそれは可愛いのです♪。

この柄を是非別の形で活かしたいとと思うような素敵な花柄の生地だったのです。

もとのバッグと、その後の解体の様子

解体前のバッグ:このデザインを初めて作ったときのものです。
とてもかわいい柄なのですが、ファスナーの取り付けがゆがんでいました。

ということでボツ。こちらを解体し、使える部分を保管しておいたはぎれが、こちら。

左-表地:フクレジャガード、ビスコース/60%、ポリエステル/30%、綿/10%、イタリア製。
右-裏地(今回は表地の裏面使い):アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。

ポケットをそのまま活かすやり方:まずそのまま壁ごと切り抜くということから。。。

ポケットの周りに縫い代を残しておくという下準備が必要です。

今回縫い代1.5cmを見込んで残してありましたが、結果思うのは、2cmあった方が厚みのことも考えると後々作業しやすかったなと思います。

なので、残す時は、2cmと言わずできる限り最大限に残しておけばどうにでもできるわけで、わずかであると作業がしづらいことになるかもしれないのでこの辺りはポイントですね。

今回は1.5cm分なので、1.5cmに縫い代を整えて、内側に折り込みます。待ち針よりもこういった細かいものは、ボンドがよろしいかと思います。

そして、裏面であるチャコールグレーのアムンゼン生地も同じように内側に1.5cmの縫い代で折り込んで貼り合わせ、ミシンでステッチします。

この時に、余っている生地で、ポケットを作って縫い付けておいたり、貼り合わせ作業の時に、取っ手を一緒に縫いこんだりして仕上げていきました。

真ん中辺りを見ていただくと、裏面の生地が1枚仕立てではなくて2枚はぎになっています。
足りない生地は、パッチワークのようにハギ合わせてデザインのように作ってしまうのも、はぎれ作業の極意。

当然はぎれなので十分に生地が余っているわけではありません。

いかにパッチワークをかっこよくデザイン的に仕上げるかの工夫も、よくある場面です。

そうしますと、薄っぺらなポーチのようですが、ポケットが2つという充実感が生まれました。

完成品ご披露

取っ手付きポーチ完成:元のバッグのポケット周辺の良さを抜き出したようなポーチになりました。

使い道としては、取っ手のおかげて、幅が広がります。旅行バッグ内にフックを設置して側面で使用などというイメージもわきました。

また、インテリアとしてお部屋の壁にかけてベッド周辺でスマホを入れたり、眼鏡を入れたりして小物入れにお使いいただけそうです。

ちょっとした小物ですが、インテリアが楽しくなりますね。

すべては、この生地の美しさあってのものです。

あとがき

今回のデイジー柄の生地は、なかなか高級な生地です。

お値段も結構高額でした。@¥5,980/mというようなお値段です。

ピンクとダークな背景のコントラストもとても美しいですし、デイジーの花が咲き誇ってたくさん咲いているのが華やかですね。

残念なことに、最初の製作は、その生地の素敵さに製作レベルが到達できませんでした。

自身の製作技術のレベルアップを待たずに、こうした高級生地のフクレジャガード系に早々と足を踏み入れてしまいました。

しかし、こういった生地もリピート生産がなかなか見られないので、この生地もこれっきりで、その後出会うことはありませんでした。

よって、早々といっても、踏み入れたことはこの生地に出会えたタイミングがあったわけで、良かったのです。

美しいお品には相応しい美しい作りでないと、ものすごくアンバランスであるということを思い知ることができました。

そんなことで、何とかして、その悔しかった思いを今回のポーチにどれだけ託すことができたのか。。廃棄しなくて粘って良かったというところです。

更にまた、このポーチからも得られたものはあります。

失敗しても、2度作る。。そんなことをしながら、失敗したことのリベンジがいつかできるようにたくさん学ぶと良いです。

自身が腑に落ちないハンドメイドバッグは失敗作認定のバロメーター【16】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、考え方によっては貴重な経験を致しました。

製作のハンドメイドバッグのバニティーデザインが大きく失敗しました。

「失敗作」というのも人それぞれのジャッジのポイントがあるかと思いますが、私の場合、一番に「腑に落ちなかった」という心持ちがその指標となります。

何か気分が良くない、晴れないような気持ちです。

おそらく販売することを考えているので、「これではそのレベルに及ばない」と考えたことでそういった気持ちになるのだと思います。

その出来の良し悪しは、意外にも自分の心持ちが一番であるということです。

本来、こんな風に写真などをご披露するようなものではないのかもしれませんが、ある意味貴重だと思います。

隠しておくような失敗作をあえて、アウトプットすることで、何倍ものその先の飛躍に長い目で見てつながれば。。。と、失敗作を作った経験を大切にしています。

では、出来上がりと、なぜ失敗なのか、どこが失敗なのかをお伝えしていきます。

①裏地の選定がまずかった

今回作ったバッグは、バニティーショルダーというもので、以前にも同じ型紙でお作りしたことはあります。が、以前も実は失敗していたのですね。

それだけこのバニティー型は出来栄えを成功させるのが難しい形なのかもしれませんし、私が上手く作るコツや技術をまだつかめていないということでしょう。

出来上がりが良くなかったのはデザインの原因もある云々の前に、失敗の原因がそもそも素材の組み合わせにあったと思っています。

まずは、失敗して出来上がったバニティーショルダーを見ていただきます。

ショルダーは、取り付ける前に失敗作だと決めましたので、ショルダーが付いていない状態です。

ショルダーを作る手前での断念:バニティーショルダーバッグ

一見、問題ないようにも見えるかもしれません。

しかし、生地不足により、裏地に使う濃紺のジャガード生地を表地にもやむなく使うことで、このように紺の無地が表に出ていることが、コントラストを生みながらも主張が強くなっています。

紺色が暗く強過ぎていて、柄部分の高級イタリア製生地が引き立っていません。

しかも、この裏地である紺のジャガードが、裏地としては肉厚過ぎていて、重なるととても針が通らないくらいの硬い部分になってしまう事態も起こりました。

断念をせざるを得なかった直接の原因はこの無地の厚みが原因です↓。

非常に厚みがあり、ミルフィーユのようです。この重なりは全く縫えませんでした。

重なる部分がもともと肉厚な裏地であることも相まって、硬く分厚くなりすぎた状態。
16番の針でさえ通りませんでした。

これも、ミシンによってはうまく貫通できるのかもしれません。私が使っている職業用ミシンでは限界でしたし、たとえ針が通るにしても、ここまで分厚い状態はすっきりとしたものではありません。

ということで、裏地の選定がまずく、もっと薄手のものを選択せなばならなかったことと、同時に、そもそも裏地を表に使わなければならない事態になった表地不足は、生地調達ミスです。

よって、表面に関しては、すべてを表地で行うということで生地をもっとたくさん調達するか、裏地は今回のものは、素材・色共に、選ぶべきではなかったかという「タラレバ」になりました。

恋愛などでタラレバがあまり良く言われませんが、こうした質の向上のタラレバは初期段階の失敗ではとりあえずアウトプットする必要はあるでしょう。

②ポケットタブのカーブが綺麗でない

ポケットタブのカーブの部分がうまくカーブが描けず、変形した形になったところが、少々目立ちました。

ポケットフラップの右角が綺麗なカーブを描いていません。
イメージは、緩やかな丸みのある感じの良いカーブのはずでした。

これは、もともと生地が柔らかすぎて、薄芯は貼っているのだけれども、生地がふわふわしてしっかり固定されないのでこうなったとこともあります。

いわゆる、やりにくい事態です。

そもそもカーブの部分は、コンパスで作図した正確なカーブであること、そしてカーブを描きやすく縫うためには、ハード薄芯などの硬めの素材を加えて貼ると針がスムーズにカーブを描く動きがし易いかと。

生地によっては、必要な対策かもしれません。

縫い代の印付けも正確でなければ、せっかく元の型紙が美しいカーブでも意味がないです。

よって、カーブの縫い代は徹底して印を打つ工夫が必須ですね。

③組み立て時のサイズの不一致によるタック

今回2か所がパーツ同士の組み立て時にサイズに不一致が起きました。まず、1か所目は蓋と口布の合体時にサイズがうまく合っていなくて、しわが寄りました。

バニティーバッグのてっぺんのしわ:この中で、真ん中あたりが、口布の方が長くしわが寄っています。
バッグが可哀そう、生地が可哀そうって思います(*_*)。

そして、もう1か所は、もっと致命的で、バックのつなぎ目の部分の側面と底部分のパーツの合体時に、側面の方がサイズが大きくて、かなり目立つタックが寄りました。

ここまでのしわの寄り具合から、側面ラインと底面ラインで相当な寸法の違いがあると推測できます。
適当でもなく一応計って型紙を起こしていますが、縫い代など途中の段階を経ていくうちに、いつしかずれてこんなことに。。。

まず、1個目の蓋と口布の違いが起こった原因は蓋の縫い代が多く取りすぎた部分があって、少しだけ小さく出来上がってしまったので、周りの長さが少し小さくなり、反対に口布が余る形になったと検証しています。

蓋に、ハード厚芯を入れるので、縫い代を折り曲げる時に、印が見にくいのですが、この対策としては、今後、印をもっとしっかりと打つ必要があります。

また、ハード厚芯は必要な部分以外はカット。一周り/二周りりも小さいサイズでないと綺麗に出来上がらなのです。

縫い代までハード厚芯を貼るべきではないというのが正解だったのでう。今回貼っちゃいました(^_^;)。

特に印は、カーブの部分が大切なので、今後は点でなく、線で印を打つことも対策の1つになりそう。

そうすれば、折り曲げも正確にできるはずです。

最後の致命的ともいえるタックの寄りですが、この原因は、側面の重なり部分がよく見ると縦に線が走らず、斜めになっていたことです。

縫い代が一定でなく、下の方で広がって斜めになったから、1周の長さが大きくなってしまい、底の面の1周より余ったと検証しました。

こういった直線1本にしてもまっすぐに走らせる必要があると改めて痛感。

今後は、まっすぐの縫い代になるように、印をしっかりつけて、もちろん表からは印は見えないようにせねばなりませんが、印に忠実に、しっかりとした測定をしながらの作業を決意。

以上が、失敗箇所の原因と今後の対策のアウトプットでした。いわゆる失敗作レポートとなりました。

あとがき

表地は、幾何花柄のようなクールさもある素敵な柄であったのに、失敗してしまってとても心もとないです((+_+))。

でも、今後の対策をしましたので、この機会に少しずつ、技術がレベルアップすると良いです。

なんと、失敗作をYOUTUBE動画にも納めてしまいました(^_^;)、どうぞ、お時間ございましたらば。。

今回のバッグは失敗なので、当然販売するに値するようなものではありません。

この生地ももう在庫がないようなので、幻の製作となりました。

picturesque