まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
かつて幼少の頃、おばあちゃんが指にはめていたグリーンの指輪。
楕円形のエレガントな形をしていた記憶、おそらく「翡翠」であったと思います。
昭和時代には年配の女性は翡翠を愛で、装飾品として実際に身に付けていたことがあったのです。
現在翡翠の存在は、どちらかというとお洋服に溶け込むような日常使いではなく、ヴィンテージ品として箪笥の奥で先祖の形見とか、遺留品として眠ったままであることも多いでしょう。
真ん丸の珠をつなげたネックレスや18金の枠に覆われたリングがイメージしやすい王道の翡翠。
このイメージのグリーンの実際のカラーの作られ方についてこのたびは深堀り致しました。
このグリーン色、葉っぱのような色をしていますが、全く無関係で、鉱物に色が付いていく自然界では、カラーの正体は「物質」「不純物」であることがほとんどなのです。
では、そのグリーン色の本当の正体をお伝えしたいと思います。
翡翠の色のマルチカラー展開は混じる「成分」の違いにあり
結論を先にお伝えしますと、あのグリーン色は「鉄など」が正体です。
もともと、翡翠は「ヒスイ輝石(きせき)」という鉱物で、無色透明。
どのような天然石も生粋のオリジナルというのは無色透明であることが多いです。
そこへ、結晶化していく途中の段階で、「鉄」などが含まれることによるグリーン色だとのことです。
他の色では、ラベンダー翡翠と呼ばれるあの藤色は、「チタン」が入ります。
青色の翡翠もあります。
黒い翡翠は、「石墨(せきぼく)」という物質を多く含み、褐色や赤は「酸化鉄」がしみこむことで色が決まっていくのです。
翡翠のマルチカラーも自然の中での鉱物と他の物質との出会いが決めた「偶然と必然の入り混じり」の出来事だと言えます。
あとがき
翡翠がグリーンのイメージがありますのも、「鉄など」がしみこむ機会が多いということでしょう。
ところで、人気のパープルカラーが特徴の「ラベンダー翡翠」。
藤色といってもグレーに近いため、ある品物の中には発色を高めエレガントに寄せるために赤紫に色を変化させる「処理」なるものを施していることが多々あるようです。
色が付けてあってより良い雰囲気の赤紫になっているお品があるみたいなので、決してその美しさだけに騙されるのはよく注意せねばなりません。
参考の為、そうではない「無処理」の藤色のリングをここでアップしておきますので、ラベンダー翡翠を見極めるご参考にどうぞ↓。
赤みにギリギリのところで寄らずに藤色をキープしています。
角度によってはグレーにも見えるのです。
これがラベンダー翡翠の良い物を見分ける私からのコツになります。
他のストーンでもこの考え方は引用できまして、「曖昧過ぎる」というところに「本来のカラー」というところがつながってくることが多いです。
「処理」を施した色というのは、「はっきり」しているからです。
やはり、知識が得られると良質な品物の中に混じるごまかされた品物を見抜くための引き出しになります。
鉱物の歴史が大きく変わることは無いので、昔の本や図鑑でもカラーの写真でその色の様子をよく記憶に残しておくことをお勧めしたいです。
何か違和感を感じた時の「あれ?」という感覚、これが大事です(^-^)。