実際にバッグの機能として申し分のないポケットの種類の大別3種【46】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグのポケットは、洋服からの引用や参考もあり有難い次第ですが、洋服の分野では細かい種類の展開が豊富だと思います。

箱ポケット、シームポケットなどと名前が違うと随分作り方も違うところまでは学んだ経験があります。

私の場合はバッグ一筋で製作してきましたので、洋服からの引用があっても、その後に自分なりの解釈をして自分デザインを決めていくということをしています。

そうして今まで複数のポケットをハンドメイドバッグに設置してきた経験から、その構造の違いを大きく3種に分けてみました。

貼り付けポケット

貼り付けの名の通り、生地の上にペタッと貼り付けた構造です。

これだけでは機能とかセキュリティー性が十分でないということで、フラップも組み合わせます。

そして、ポケット口からの物の飛び出しを防止し、入り口が分かりにくくしてセキュリティ性アップをはかりました。それがフラップポケットになります。

貼り付け型:袋が外に飛び出ていて、貼り付けて作る構造のポケット

そして、今度は、袋布が目に見えない奥に隠される、隠しポケット型です。

隠し型(ファスナーバージョン):玉縁の手法を取り入れて、袋が中に隠れているポケット

ファスナーとの組み合わせである場合このようにファスナーがのぞきますが、比翼布がひさしみたいに除く仕様も取り入れています。

隠し型(比翼バージョン):まるで、周りとなじむ昆虫の偽装みたいですが、
くり抜かれたポケットの入り口に比翼が雨蓋のように取り付けられています。
洋服ではこの向きは逆なので、バッグ用にアレンジしたものになります。
この目立たないなじんだ様相がセキュリティー性の高さの1つです。
吊り下げ型:こんな感じでよくポーチの内側に使われます。入口に面しているのですが、
取り出しやすさとお部屋の仕切りの役割で、ポケット無しの場合よりもかなり使い勝手が違ってきます。
ここにこのポケットを付けることによって、単なるポーチにも新たな価値が生まれます。

以上、「貼り付け型」、「隠し型」、「吊り下げ型」の3種がどれもその構造がそれぞれ違うので、主な3主として挙げてみました。

その他のいろいろなポケットは、このどれかに近い構造であると言えます。

特に洋服のポケットは、袋が奥に隠れているタイプが多くありますが、もとは袋が内部に設置される「隠し型」であると大別できるのです。

あとがき

今回は、リュックを製作している途中の過程でご紹介したいポケットがあったので、寄り道的な投稿をさせていただきました。

動画内のパイル素材のミニリュックには、「貼り付け型」と「隠し型」を取り入れています。

どのポケットも、やはり丈夫に縫い付けることが大切です。

ポケットの製作過程は途中のど真ん中の段階にあり、ほつれたお直しを最初に製作したと同じようにミシンで行うにはかなりほどいていかねばならず、簡単な事ではありません。

そうしますと、最初からきちんとした作りをしていくことこそ、後に余計な費用のかからないコスパの良い物ができることで長持ちな良質さを追求できます。

そして、セキュリティー性も自分の尺度と判断でどのくらいの程度にするのかを考えて、使いやすさ、手軽にポケット内を探れる容易さもありながら、セキュリティー性も考えるというバランスも大切です。

このバランスのお話はまたの機会に投稿したいと思っています。セキュリティー性ガンガンなポケットであることでストレスが生まれてしまわないための考察をしていくわけです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

賛否あるか、本来の布製バッグの作り方を打ち破るプレート組み立て型のハンドメイドバッグ【45】

あとがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の記事は、前回の【44】後半の作業となります。

後半のこの記事では、恰好の良いフォルムを出していくには、本来の縫い代を中表に作ることが軸のやり方をとことん打ち破ります。

特にボストン型のような形では、ひっくり返しではなかなかラインがはっきり出ません。

そこを追求していった私の型破りな製作方法になります。

プレート状のパーツを一気に組み立てていく方法

布製ではなかなか見かけないやり方なのですが、最初に前もって縫い代を隠したプレート状のパーツにしておいて、そのままの面の向きで組み立てるというやり方です。

従来の表地と裏地をそれぞれ袋状にしておいて、縫い合わせながら縫い代を隠すという方法がやや複雑すぎるということで、もっとはっきりと分かりやすい作り方は無いかと考えたものです。

当初は、表地と裏地を縫い代そのまま切りっ放しの状態で重ねて置いて、縫い代を最後に外側でラッピングしていました。

ただ、このやり方が完全なものではなく、最初の時点で縫い代を内側に折り込んで隠してから組み立てていくようなやり方に至りました。

このやり方で、かなり可能性が広がりました。

以前は作っていなかった、立体的なバニティー型やボストン型ををどんどん作るようになりましたのもこの手法のおかげです。

マチ兼口布パーツと本体を縫い合わせています。
ぐるり1周x2回しますので丈夫です。

このボストン型は、単純な作り。

プレート上になった表面と裏面の間に長い口布を取り付けるだけとも言えるのです。

こういう単純な考え方のが、一見難しいデザインの敷居が低くなるかと思いまして、このプレート組み立て型をご紹介するに至りました。

出来上がりで気になる箇所

 

<サイズ>:縦14cmx横25cmxマチ7cm。・・・長財布が横にとっしりと入ります。

気になる箇所があります。

それは、取っ手の付け根。これがいかにも始末が悪いです。

ここへ何か今後工夫を凝らしていきたいと思います。

また、底のとんがり箇所と、口布のカーブラインが良いコンビとは言えません。

やはりこの底のラインもカーブであることが良いのかな。

あとがき

今回で、サッカーという素材がとても気に入り、なんて縫いやすいのだろうと感動しました。

薄手なのに張りがあり、折り曲げたりしやすい柔軟性もあります。

サッカーは夏の素材と言われています。

浴衣やパジャマなど暑い夏に、ぷっくりふくらんだ凹凸感が肌に触れる部分を半分ほどに減らし、涼しい着心地を感じさせるという非常にメリットのある素材です。

しかし、こういった黒い色であれば、季節は関係なくなります。凹凸感が美しい自分の考え方に当てはまる素材としてALLシーズン使っても良いかなと(^-^)。

ファスナーと裏地の色がピッタリの入り口裏の美しさとスッキリさ【44】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この記事アップの季節はそろそろ秋の入口。

秋のイメージの入ったバッグもいいですね。

夏の素材と言われているサッカーという凹凸感のある生地ではありますが、これを黒色ベースで、秋口の雰囲気を出すようなバッグを作ってみたいと思います。

旅行用の小物入れにとミニショルダーバッグ型なのですが、かまぼこみたいなフォルムが安定感があって素敵です。

新しく型紙を作った形なので、課題も残るかもしれませんがそのようなところも検討してまいります。

ミニボストン型のイメージ

今回予定しています、ミニボストン型ショルダーバッグ。

立体感がうまく形作れたらとワクワクしています。

ボストンバッグは、旅のメインバッグの大きいサイズのものを想像しがちですが、これがミニサイズになって、また違った感じの素敵さなのです。

ショルダーで体にさげると、両手が自由になります。

旅を活動的なストレスの残らない良き思い出にしていただければと(^-^)。

選定素材の特徴は凹凸感

今回の表地は、サッカーの薔薇柄。

サッカーというのは、凹凸感のある織った仕上げにしぼを出す加工がされたもの。

かなり伝統のある素材のようです。

浴衣とかパジャマにも夏には向いている素材と言われていますが、その理由とは?。


表地(黒xモカ薔薇柄):サッカープリント。綿/100%。日本製。

この凹凸感が、洋服となって着用する時に、肌に触れる部分と触れない部分が約半分ずつの面積に分かれる織り方なのです。

でこぼこしたへこみの部分は肌には触れなくて浮くので、面積の半分しか肌に触れる部分がないわけです。

そうすると通気性が感じられて、涼しい素材となるといった理論です。

このサッカーに似た生地にリップルという素材があります。

このような洋服向きとしてとらえられている生地をバッグにしていくこと自体意外性があり、個性を出そうと私なりのフィルターにかけた生地分野です。

そして、裏地です。裏地は表地にマッチしていく形で、素材、色、織り方すべてが似ています。

裏地(黒):フクレジャガード、綿/97%、ポリウレタン/3%。日本製。

フクレジャガードもしぼが出ているのが特徴で、表地のサッカーにマッチするところがあります。

同じ黒色で、ジャガードも小さなスクエア状のギンガムチェックみたいに入っています。

ふくれというタックみたいな加工+ジャガードチェック柄の2つの組み合わせでできているのです。

裏地には、伸びる品質のポリウレタンが入っているので、縫う時には少々注意が必要です。

ファスナーの黒と裏地の黒が一致の良き効果

前半は、裁断、芯貼り、取っ手作り、ネーム付け、隠しポケット作り(2か所)、本体の表地と裏地を中表に縫ってひっくり返し板状のパーツにする、マチ兼口布に、くり抜きファスナーを埋め込む、ここまでです。

くり抜きファスナーはおそらく珍しいやり方かもしれません。

写真でご紹介しましょう。

まず、隠しポケットを作ると同じで、真ん中に1cm幅のボックス型を作図して、
その上を裏にラッピング布(今回は裏地がそのままラッピング布の役割となります)をぴたっと当てて、
中表状態にして、このようにボックスの作図の上をこちら側からミシン2.5mm巾でステッチします。
今回の横の長さは、40cmにしましたので、手持ちの60cmのファスナーをカットしての作業です。
ハサミで直線+Y字のカットをして、玉縁(ラッピング)仕様にします。
裏地パーツそのものが向こう布ですので、裏地を丸ごとひっくり返し反対側に出すことで、カットした切り口をラッピングして、いわゆる玉縁(たまぶち)を完成させます。
アイロンで綺麗に整えて、表地側の中側に、隠して伸び止めテープを貼りました。そして、待ち針で裏地が顔を出さないようにきちんと固定します。
ファスナーの端にタブを取り付け縫い代や端っこを隠します。
ファスナーをマチ兼口布に当てはめて、縫い付けます。ぐるり2週しました。
場合によっては、1周をさらに外枠で二重の線でステッチすることもよいでしょう。
そうすると裏側でよりファスナーの端っこにミシンが縫われて固定され、ひらひらせずにしまりがよいです。
今回は、同じ個所を2重縫いとうことの方にしました。
ファスナーを取り付けた状態の中側から見た様子。縫い代が綺麗に隠れました。

ここで、あることを思います。

裏地とファスナーの色の一致が美しいなあと。

もともとファスナーの両端がこうして見えてしまうのは邪道とも言えます。

枠にファスナーを当てただけですので。

特に複雑な技術を使っていませんが、複雑な技術は綺麗にも丈夫にもできにくいと思っています。

単純明快ですが、誰が見ても分かりやすい構造です。そして何より丈夫であることです。

本体とマチ兼口布パーツがおおわく完成しました。

ここで、前半が終わります。

後半は、マチ兼口布パーツの縫い代を1.5cm中へ表地も裏地も織り込み、ぴたっと合わせ、縁3mmほどにぐるり1周ステッチをかける作業からのスタートとなります。

あとがき

前半で進捗度は結構なものになりました。後半は次の記事の【45】で完成まで行きます。

後半では、内部の底板をどのように取り付けるかが未知で、作業しながら決定していきたいと思います。

ところで、今回の生地の表地のサッカーとっても扱いやすいです。

綿/100%は基本的に縫いやすかったり、折りやすかったりするので作業しやすいですが、特にこのサッカーは作業していてもアイロンで折り曲げやすくて、とても気持ちがよい素材でした。

裏地のフクレジャガードも伸びの件は気にしましたが、こちらも縫いやすいし、扱いやすいようです。

だんだん形作られて、かわいくなっていきます(^-^)。

完成、ゴブラン織の花柄バッグに片面ハトメの取り付け【43】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の記事は、前回の【42】の続きです。

ゴブラン織りの花柄のミニ巾着ショルダーバッグ作りの後半になります。

最後の完成がご覧になることができます。

片面ハトメの取り付けまでの大きな流れ

①生地を裁断、芯貼り

②表地と裏地共に隠しポケットを取り付け

この状態までいくと、表地と裏地を縫い合わせ1つの合体した袋物にすることができる準備が整ったといえます。

前回の【42】では、ここまででした。今回の記事【43】は、③から始めていきました。

③表地、裏地をそれぞれ1.5cmの縫い代で、前面と後ろ面を縫い合わせ、そして、マチを作ります。

④底板を見えない中側に取り付けて、表地と裏地の口を縫い合わせて閉じます。

この時に、忘れず、左右の脇に、ショルダータブを取り付けねばなりません。

⑤バッグの入り口をぐるり1周を2列縫う時に、ショルダータブも一緒に縫いこんで、金具とタブの一部がひょっこり表に飛び出すという風に仕上げます。

表地と裏地を縫い合わせます。2連にして丈夫く仕上げます。
(サイドにタブを縫いこみ忘れていますが、後で修正しました)

⑥この表地と裏地の縫い合わせが完了して合体できたら、いよいよ、後編の見どころのアイレットカンの取り付け作業に入ります。

アイレットカン/片面ハトメの取り付け作業

まずは、てっぺんの左右の長さをサイドのハギ目同士の間で計ります。

本体の脇と脇の間の長さが前後とも42cmでした。

アイレットカンを打ち込む位置をここで決めます。

アイレットカンは、典型的な前後6個ずつの計12個取り付けることにしました。

ということで、42cm÷6=7cm。脇からスタートして、7cm感覚に待ち針を打ちます。

このように、脇からスタートして7cmの地点に待ち針を打っていき、待ち針間が7cmとなるようにします。

そして、まだここで、この待ち針のポイント箇所が穴をあける位置と思ってはいけません。

この位置だと、アイレットカンが5個になってしまうので、この位置ではないのです。

待ち針と待ち針の間が本当のアイレットカンが付く位置と考えます。

ということで、ここで初めてチャコペンで印を打ちます。

待ち針と待ち針の間のど真ん中を生地を真半分に折って決定していきます。

上からの位置は、2.5cmと決めましたので、

ピンポイントで位置が決まりました。

端っこのアイレットカンの位置は、サイドのハギ目と1個目の待ち針のど真ん中という考え方でいきます。

そうしますと、全部で6個が均等に配置されます。

上からの位置は今回2.5cmで行いましたが、これ以上でもこれ以下でも、後の打ち込む道具の幅が足りなくなりやりにくくなるので、割と上の方が良いということになります。

そして、ブルーのチャコペンだと柄に紛れて分かりにくくなるので、確定したら、チャコペンの上に黒いマジックなどのはっきりしたもので、一目見てここだと分かる違和感ある色目の印を打つのがよいです。

どのみち、マジックは、ポンチで穴開けされて不要な部分なので、チョンという程度ならポンチの穴8mmの直径の中にすっぽりと隠れますので、印は分かりやすい方がよいのです。

そして、外へ出て、ポンチと金づちを使って直径7mmの丸い穴を開けます。

左手にポンチを持ち、右手に金づち下にはゴム製の台を敷くという配置です。
後になってようやく気付きましたが、この段ボールは不可です<m(__)m>。
クッション性があるとずれます。ご注意くださいね。

この時に、黒いゴム製の土台は、厚めで面積がそこそこあった方がやりやすいと言えます。

これの前に、小さな、面積の薄い板を使っていましたが、すぐにぼこぼこになり消耗してしまいました。

この丈夫なゴム製の板も消耗品なので、ゆくゆく交換はするべきものですね。

そうでないと綺麗な仕事ができません。

ここが写真の限界ですが、どのような音なのか、どのような力具合なのか、何回くらいたたくのかなど、YOUTUBE動画がやはり分かりやすいです。

たたくのは、意外と多く8回ほど結構な音を立てますので、そこかからも具体的に力の入れ具合など程度が分かります。

アイレットカンのパーツは2つで1セットです。1つは、飛び出した凸(とつ)の形のものと、
平ぺったいワッシャーみたいな形のものです。
そして右上のペンチみたいに手ににぎってプレスができる道具を使います。

まず、穴の表側から、凸(とつ)のパーツを裏地側へ飛び出すように入れ込みます。そして、裏地側にワッシャーのようなぺたんこを突き出た凸パーツにはめ込みます。

左:まず、表側から凸パーツを中側へ飛び出します。 右:ワッシャーを中側へはめ込みます。

これでセットができたので、あとは、道具でプレスをします。プライヤーという名前で、シルバー色のアルミタイプ専用のようです。

ゴールドには対応しないので、ご注意を。

左:プレス器の凸面を中側に、水平綿を表側に配置します。 右:ぎゅっとかしめて一度のみプレスします。

この作業を12箇所行います。

動画では、最初の2個、プレス器の当て方が反対で、凸面を表側にしてしまって、失敗しています(^_^;)。くれぐれもご注意を。

12箇所すべてアイレットカンが取り付けられました。

私のように、反対に間違えて当ててしまえば当然失敗しますが、正しく行えば必ず成功するということを考えると難しいものでもないようです。

これ1つで、すごくいろいろ応用が効きます。取っ手の穴にしたり、飾りにしたりなど。。

⑦その後、ひもを共布で製作し、通して、先に飾りパーツを取り付けて、ショルダーを作りなどの残りの作業を経て完成です。

とりあえず無事完成できてよかったです。

あとがき

今回、一応完成しましたが、私としては、バッグの縦の長さが不足していると感じています。

このサイズ感は次回同じデザインを作る時までには見直しをすることになるかと思います。

マチをもう5cm短くすることで縦の長さが5cm分確保されると言ったような調整を予定しています。

可愛い柄です。柄のにぎやかさで片面ハトメのパーツなどはなじんでしまいますが、この作業もミシンとは別に時間をとって行う特殊な作業であることを考えます。

このことも、後のバッグ製作に対する考え方が生まれるための貴重な体験となりました。

まだ、今後も片面ハトメは登場してくることがあります。

なかなか作業を映す余裕もないことが多く、動画や写真が貴重かもしれません(^_^;)。

イメージよりもはるかに作りやすいレースカーテン地の隠しポケット作り【42】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、初となりますゴブラン織りの生地でのバッグ製作です。

ゴブラン織は何しろ厚みがありますので、重なり部分にちゃんと針が通るかはデザインを選ぶ時点から注意するところです。

今回と次回でゴブラン織の美しさ、そして、レースカーテン地の使いやすさも同時にお届けできたらと思います。

ゴブラン織りは表地ですが、それに負けないくらいの美しい生地を裏地にチョイス。

ミラーレースカーテン地です。

ゴブランとは対照的に薄手のようなイメージのミラーレースですが、これが意外に丈夫なのです。

裏地のミラーレースカーテン地のほつれにくさとか強固さに驚かれると思います。

バッグ製作においてのゴブラン織のメリットとデメリット

ゴブラン織りは、伝統的な生地で人気が高いようですね。

その割にはあまり豊富であるとは思いませんし、日本製のゴブラン織は久しく見かけません。

生地を製造する産業の空洞化の事情だと思います。素敵なのに残念ですが。。。

その分中国製の台頭があります。

ただ、中国製の生地は昔の日本製のお品で見かけたデザインが移行されたようで目新しくはありませんでした。

そこで出会ったのが、スペイン製の新しいタイプの花柄です。

デフォルメタイプのカジュアルな柄です(^-^)。

表地(マルチカラー):インテリアジャカード、綿/100%。スペイン製。

鮮やかな色と中間色が配分よく、華やかな花柄です。

私としては、この生地をエレガントにとらえたいと思っていまして、そのような工夫として裏地をエレガントなツヤのある素材で選択。

裏地(ベージュ):ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%。日本製

カーテン用の生地なんです。メインカーテンの下に使うサブカーテンです。

これが、一見薄そうですが実は丈夫。

そして、きらめいて美しいジャガードの花柄になっていることもその特徴が突出していました。

表地と並べると、花の形がマッチ。

お花の形が良くマッチした表地と裏地:これを1つのバッグに一緒に使います(^-^)

さて、ゴブラン織りというのは、厚みがあっていかにも丈夫そうな点がメリットです。

一方デメリットもあります。

これは、メリットとも共通することなのですが厚みがあるゆえに、ミシンが対応困難な部分が出てくることがあるということです。

ということで、困難な部分の少ない巾着型にと思った次第です。

巾着型は、表、裏でそれぞれ袋を作って縫い合わせるので、別々の作業が多く厚く重なる部分は比較的少ないです。

隠しポケット作り

今回の巾着型では、表にも中側にも隠しポケットを同じ裏地で作るデザインにしています。

表に取り付ける場合と中側とで、最初の作図の場面が少し異なります。

表の場合は、ハード薄芯が貼ってあるので、このハード薄芯に直接ボックス型を作図します。

中側の場合は、薄芯のみなので、別で、パーツにカットしたハード薄芯に作図して、それを待ち針で留めます。

左:表地に取り付ける隠しポケットの作図と枠縫い 右:裏地に取り付ける隠しポケットの作図と枠縫い

このように作図の時点で少々の違いがあります。

この隠しポケットがとても作りやすかったことの理由に、レースカーテン地のほつれにくさ、扱いやすさがあります。

見かけとは違い、しっかりしていて、折りやすく作りやすい素材でした。

レースカーテン地は、ほぼ白ですので、このベージュというカラーもレアですね。

あとがき

今回はこのあたりです。次回の【43】の記事で、完成します。

後半の特徴ある場面は、巾着紐通し用のアイレットカンの取り付けです。

金づちなどを使い、パーツをカシメることで取り付けていくミシン縫いとは種類の違う作業になります。

このパーツの取り付けに関しては、アイレットカン(片面ハトメのこと)だけでなく、ショルダーの先端の留め具としてのカシメパーツ、スナップ釦、ヒネリ錠、差し込み錠などいろんな種類をとりあえず経験していきました。

その記録も<製作>カテの中でご紹介してまいりますので、ご参考にどうぞ。

そういったパーツの付け方だけでなく、最終的には感想とかかしめるタイプのパーツに対する考え方を私なりに持つきっかけになった数々の作業になります。

とても貴重です。

シルクのような柔らかい生地にバニティーが本当に相応しかったのか【41】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回の記事は、つむぎシルクプリントの小花柄で作るバニティーショルダーバッグが完成しました。

前半の【40】の記事では、表地と裏地をプレート状にして組み立てる準備をしていきました。

今回はいよいよ組み立てて完成です。

入り口ファスナーの取り付け

バニティーの組み立てにおいて、やはり、ファスナーの取り付けは大きな作業です。

それほどやりにくいこともないですが、両開きのファスナーを1本で使用することをお勧めします。

今回私の場合は、在庫のファスナーの色がマッチしたので、2本を使用。

そうしますと、真ん中で止まるのが良いのか悪いのか、少し真ん中を合わせる意識に手間がかかります。

あとは、ファスナーの重なりの部分があまりきれいではないのに見えてしまうというデメリットがあります。

ファスナーの取り付け:ファスナーに伸び止めテープを貼りうねりを解消します。
真ん中の位置からファスナーが美しく取り付けられるように①ファスナーの折り方の研究②中心の把握を正確に
ということがポイントとです。

ファスナーの折り方は、最初に先端を手前に水平に折り、向こう側へ折り、そして、飛び出しを手前に向けながら中へしまい込む3段階です。・・・①

3段階の折り方の後、縁をはみ出ないように縫うとこんな感じで、
縁が金具より少し飛び出した状態で出来上がります。

そうしますと、空き口がぴったりとくっつくというあとあとの結果が生まれます。

また、中心を把握するときは、裁断後に真ん中の位置を把握しておくことです。

ファスナーは、金具を合わせがちですが、金具で合わせると、ファスナーが重なりがちで、綺麗に出来上がりません。

このわずかにどうしても物理的にはみ出る、金具から飛び出したファスナーの肉の部分の先端こそが本当の端となるという考え方です。・・・②

ネックパーツ(正方形)の取り付け

ネックは、バニティー特有のパーツだと思います。10cm四方の正方形を縫い代1.5cmで折り込んだ正方形7cmx7cmです。

これを先に裏地から先に縫い付けます。

裏地のネックをボックス周りぐるり1周、裏側から縫います。

そして、次に表地のネックを縫います。

表地のネックをボックス周囲ぐるり1周表側からた縫います。

こうして、ネックの中側にファスナーの端のゲジゲジが隠しこまれました。

シルクのような柔らかいしなやかな素材はこの型には不向き

<サイズ>:縦17cmx横22cmxマチ12cm。

以前のはもっと大きかったのですが、ほんの少し小さくしたことが、すっきりしたようです。

今後は、ネックをもっとまっすぐに取り付けるように工夫することと、後ろ側の中心の重なる部分が今回5cmで落ち着きましたが、もう少しカットして、重なる部分を最小限にしようかと考えています。

さて、全体のまとめですが、そもそもこのしなやかな生地にバニティーは違ったと思っています。

絹は袋のような優しいラインの方が活きると思いました。

もしくは、更に、絹の柔らかさをしっかりさせる工夫などが必要ですが、それよりも、元の良さを自然に活かす方が生地も喜ぶかもしれません。

作ってみて実感したことです。

あとがき

このデザインは、かなり立体的なのだけれど平面ミシンで縫うところに限界と難しさがあります。

ネックというパーツが登場しましたが、あの部分は本当に緊張感が走る場面です。

生地が厚みがあり過ぎると縫うことができません。

それでも、バニティーはしっかりと立ってほしいデザインです。

いやはや(^_^;)。。

面積の狭いバニティーバッグのポケットを二重に充実させる方法【40】

まえがき

こんにちは。

picturesque(ピクチャレスク)です。

バニティーショルダーバッグを作り始めました。

今回の記事は前半、次回の記事が後半になります。

その過程におけるご紹介したい箇所を投稿させていただいています(^-^)。

和のようなテイストがある美しい高級生地を使用

表地は、つむぎシルクプリントという名前の日本製の生地です。

私のこれまでのバッグ製作の経験からは、バニティー型は、あまりぶ厚くてはいけない、やや薄手が望ましいと思っています。

背の部分が重なるので、重なってもミシンがしっかり通らないと縫えませんので、その点が注意する部分となります。

表地:つむぎシルクプリント、絹/100%、日本製

つむぎというと着物の紬(つむぎ)が有名です。節がところどころに入り、その折り目が凹凸感があって大変美しいです。

その同じつむぎで一致しています。控え目なマルチカラーがしとやかです。

リバティーのような小花柄もかわいいですがまた違った味わいです。

触るとサラサラとして手触りが心地よいところは絹の特徴を感じる点です。

一方、裏地はこちら。

最近よく利用させていただいている生地、まだらジャガードのグレーの衣装生地です。

地:ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。

この、まだら柄がもやもやして、はっきりしていないところが、逆にどんな柄とも合わせやすく重宝です。

内ポケットを二重にする案

さて、前半は、裁断、芯貼り、裏地にポケットを取り付ける、表地と裏地を貼り合わせて板状のパーツにしていく、取っ手を取り付ける、というところまで行いました。

出来上がりの上の方から順番に縫っていきます。

まず、取っ手を作り、それをあまぶたに縫いつけます。

そして、マチ布兼口布を表地と裏地を貼り合わせて縫ってプレート状に。

側面も同じように、プレート状にします。

その側面をプレート状にする前までに、裏地にポケットを取り付けておかねばなりません。

バニティーバッグのポケットはなかなかスペースが見つかりませんから、ひと工夫しないといけません。

二重式のポケットにして、中側に隠しポケットを、その外にタブ付きの貼り付けポケットという構造という案です。

同じ場所に2個のポケットを取り付けるということです。

裏地に二重ポケットを取り付けた場面・・・上下の隙間を狭い中、きちんと確保することがポイントとなります。

 

裏地にポケットを取り付けた後、縁を1.5cm縫い代で中側に綺麗に折り込み
表地と裏地を完全に1枚のプレートにします。

あとがき

バニティー型は、ファスナーで蓋と本体が何とか固定されているだけなので、開けたときにセキュリティー性が急に弱まります。

そんなシーンを想像できますね。

だからこそのショルダーが良き機能になると思っています。

この完成ではショルダーが付いたことで、ちょっと珍しいバニティ―ショルダーが出来上がります。

もともと、ハンドバッグだけの領域のアイテムであることが多いタイプだと思いますが、遠方へのお出かけとか、活動的なシーンではショルダーの役割も大きいものです。

バッグの奥に内蔵できない底板をリムーバブルで取り付ける【39】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、【38】の続きです。

イタリア製の風通ジャカードの大花柄でミニサイズのカーブの入ったショルダーバッグを製作しました。

前編では、表地に取っ手を付けるところまで行いましが、その後いろいろ波乱が起きまして、とりあえずの完成となってしまいましたが。。。

底板のリムーバブルタイプの製作

内部に外から見えないように内蔵できるものは底板をそのまま入れ込みます。

しかし、今回のようなデザインでは、それは不可能。

よって、底板だけを別のリムーバルパーツとして生地でカバーしての設置ということになります。

中にベルポーレンというプラスチック底板を入れて、口を閉じて外1周ををステッチしている場面。
こちらは、本体に底パーツを縫い付けている場面です。
3次元的なことを2次元のミシンで行うことが非常に難しいです。

今後のこのデザインをどうしていくのか

<サイズ>縦19cmx横26cmxマチ11cm。
生地の素晴らしさのおかげで何となく素敵にも見えたりしますが。。。

あとがき

この時点では、このデザインを今後もやっていこうと思えた瞬間もありました。

YOUTUBEはそんな瞬間の気持ちの記録です。

ただ、後になってこのデザインの本当の難しさを痛感することになるのです。

また、それは、ずっと後の方に投稿の【328】で明らかになります。

よろしければ、その記事にもお立ち寄りどうぞ。

その後の年月の流れの変化と共にデザインも少し変わっていてそういった意味では興味深い投稿かもしれません(^_^;)。

ハンドメイドバッグの型紙間違い【37】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハイブランドのバッグのフォルムを見かけだけで真似してみました。

真似とは言っても、一から型紙を作ります。

内部の詳しいことは全く情報がありません。

間違いがちな型紙のライン

以前にも類似のデザインは製作してみましたが、直す箇所だらけの良くない仕上がりでした。

その中で得に大きな間違いを発見しました。

気づくのに結構長い日数がかかりましたもので(^_^;)。

後になって、この型紙の中の左上の本体の形がこの型紙ではまずいと分かってきました。
縫い合わせる時に底に並行にならないのがこの型紙。
山の裾の辺り数センチが緩やかに上を向いた坂のように斜めの線が正解なのかな。

底のマチに関しては、このデザインの美しさが最大限に感じられるようたっぷりとることです。

かなり立体的なバッグなので、この平面だと立体的にしたらどうなるのかということが分かる必要があります。

分からない場合は、型紙を立体的にシュミレーションして、印を打つなどして実際に出来上がる予定のフォルムの印の跡が平面上でどう描かれたのかの実験が必要です。

その他の製作箇所

今回の裏地は、とゴールド色です。メタルという新しい糸が使ってある衣装用の素材です。

裏側に隠しポケットを付けました。
表地だけの状態のところで取っ手をたたきつけました。

あとがき

随分と後になって間違いだと分かった箇所もありますので、動画内と当記事があまり合っていない部分があるかもしれません。

動画は消さない限りそのまま残りまして修正しておりませんので、当ブログ記事を頼りにお願いします。

とはいえ、散々です。

これが前半なのですから、後半はどうなるかということなのですが、一応作って完成してしまっているのです。

後半へ続く。。。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

2泊可能か!?、さっくりと軽い撥水ナイロンボストンバッグ【38】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

駅のコンコースを歩くと、ローラーが―シャッシャと雑踏の中を行き交います。

駅には旅する人々がいっぱい。

出張のビジネスマンさん、旅行の人。。

今回は、旅のお供に一役買えそうなビッグボストンバッグをお作りしました。

白っぽい生地であるからこその撥水の安心感

今回の素材は、ナイロン撥水コーティング生地の小花柄です。

ナイロン撥水は、ナイロンという水をはじくことにはもともと長けているタイプの素材と撥水と更なる加工が合わさった素材。

ただ撥水(はっすい)という言葉は防水とは非なるもの。

撥水だから、水を完全に100%はじくということは定義としてはありませんのでご注意を。

さて、今回の生地は非常にかわいらしさがあるものです。

表生地(パープル系マルチカラー小花柄):ナイロンオックスプリント(撥水加工)、日本製。

4色ほど展開がありまして、その他は、ピンク、ブルー、オレンジなど。この色が一番あっさりとまとまっていて美しいと感じましたのでこれのみを選択。

多色展開は、たった1点だけの一番を選びます。

そして、裏地です。

裏地(パープル):ジャガード、ポリエステル/100%、日本製。

表地の中の一番濃いパープルに合わせました。まだら柄が非常に美しいです。

この柄が無地よりは華やかさがあって、柄がもやもやしてはっきりしないことが、かえって、いろんな表地の柄とマッチしてきます。

素材自体も、薄手ではあるけれど、弱すぎず目がギュッとつまったような作りになっているところが作りやすいという私の感想です。

この裏地は、結構色違いが豊富にあります。

すべての表地に、この裏地でという風に決めても良いくらいだと思いました。

製作過程のご紹介

このような大きなバッグは久しぶりであることと、そもそも新型となります。

初めて採用してみた、ファスナーくり抜き型のボストンバッグです。

どういうことかといいますと、ボックス型に穴をくり抜いて、そこへファスナーをはめ込みます。

この作り方の良さとしては、ファスナーが完全に口を閉じてくれることです。

隅っこにすき間が空くようなトートバッグに取り付けたファスナーから少し考え方を変えてみました。

そして、もう1つこれは全体の作りのポイントですが、本来の、表地で袋を作り裏地でも袋を作って返し口を作ってひっくり返し合体させる作り方ではないという点。

板状のパーツを組み立てるやり方です。

では、板状のパーツとは。。。

同じ面の表地と裏地を重ねて地縫いし、ひっくり返して1枚のプレート状にする作業です。

そして、これを整えると、このように↓。

ひっくり返したあと、アイロンで整え、端から3mm程度をぐるり1周ステッチかけます。
(この時にステッチをしてしまうのかどうかですが、最後の組み立ての縫いと上手く重ならないため、
ここではステッチしないことを後からの考案のし直しで決めています。)
その時に底の方の返し口も縫い閉じます。

そして、その板状のパーツ達を組み立てて、

縫い、バッグの形に形作っていくわけです。

ファスナーの付いた口布パーツと本体を組み立てて縫う直前の様子。

そして、組み立ての地縫いを2回ほどこします。

そして、最後の方の段階で底板をくるみ底板として、表地で包み、バッグの底に入れてなじませます。

左:底板を入れ込み、縁をぐるり1周縫います。 右:バッグの底へはめ込みます。

こうして、底板を取り付けたら、ショルダーを取り付けて完成です。

完成お披露目会

完成したビッグボストンバッグ(縦35cmx横50cmxマチ22cm)

1泊軽くお泊りというよりは、2泊くらいの容量です。後にこれを縦横5cmずつ小さくして、もう少しコンパクトな1泊程度のバッグにすることもしていきます。

なかなか、小花柄でこういったビッグボストンバッグは見かけません。

ファスナーのくり抜き仕様ですが、どうしてもファスナーの務歯だけが見える縁を隠したひっくり返し手法が習得できていません。

背に取り付けるワンピースなどで裏地が覆われているあの様相が果たして両サイドその必要があるバッグに応用できるのか。。。

あとがき

私の感覚ですが、ボストンバッグの大きなものをハンドメイドバッグ製作したいと思っている人は結構いらっしゃるようです。

まだ、後に小さくした別デザインでお作りしていきますので、ブログ記事に投稿してまいりますね。

ボストンバッグは、実際に既製品を購入しようとするとなかなか気に入ったものが見つからないと思います。

旅行であるとキャリーが主流の現在では、昔ながらのボストンバッグというアイテムは結構ニッチな分野だと思うのですが。。。

旅行というシーンだけではなく、容器としても考えるとインテリアにも使えそうですね。