ニット生地をそのまま織物生地と同様にバッグに製作して何か問題があったかどうか【27】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ニット素材でピンと来た生地に出会い、バッグに製作していきました。

特にニットになったからと言って、糸を変えるわけでもなく、いつもの布帛(織物)と同じように製作していきました。

今回は、そんなニット生地でバッグが製作可能なのかどうか、何か特別なことをする必要があったのかなどをポイントとしてご紹介したいと思います。

マルチカラーが美しいニットジャガード生地

イメージとは裏腹に、ニットは、意外と作りやすい生地もあるようです。

見た目の雰囲気がぐんと柔らかい印象になります。

織物だけに留まらないことで、また1つ展開が広がります。

表地(ブルー系マルチカラー):ニットジャガード、ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。

ニットは、両端の耳の部分がくるりんとロールすることがよくあり、その部分は扱いが難しいです。

このロールした隅っこの部分は最初から裁断を避けました。

どうしても使いたい時は、アイロンで伸ばしてから芯地を貼って固定することをすれば使えるようです。

裏地も同じようなテイストを保った方が統一感が美しいであろうかと、同じくニット生地で。

裏地(薄グレー):スポーツメッシュ、ナイロン/96%、ポリウレタン/4%、日本製。

とても面白い生地です。

ニットの良さは、作業の途中で布の端がぼろぼろほつれてこないことです。

ゴミが出にくいといいますか、素材がきちんと固まって安定しているといった感じです。

バッグにピンタックつまみステッチを入れることの効果

このたびの製作過程におけるポイントの1つとして、ピンタックつまみをしてボックス型をシャープにはっきりと表現したという点があります。

これは、元の素材にかかわらず、良しあしが自身の作業にかかわってきます。

が、決して難しいものではありません。

ピンタックつまみのやり方:底のマチ厚くってある状態の最終で行います(左)。
ものさしで幅を均一に測りながらアイロンでマチと同幅に折り目を付けます(右)。

折り目を付けたら、その折り目の端から2mm程度をミシンでステッチします。

この作業をサイド4か所と底部分前後で、合計6か所行います。

そうすると、かっちりとしたスクエアなラインができました。まるで紙袋のようです(^-^)。

ピンタックつまみにより出来上がったスクエアなボックスライン:かなり美しいものになります。

整っていて素敵なボックスラインができあがりました。

一方裏地も同様ですが、裏地で視界には入りにくくとも、同じようにピンタックつまみをしてサイズを合わせます。

ピンタックをしないとサイズが4箇所分の口の1周の長さが2mmx4=8mmずれるので、しわが寄ったりして綺麗にできないです。

ピンタックが飛び出る向きが裏地の場合見えない部分に飛び出し、バッグを覗いた時はへこんだ部分が視界に入ってくるということになります。

裏地にもピンタックつまみステッチをほどこします。
この向きで行うので、ピンタックのステッチは裏側にミシンをかけることになります。

こうして、凹凸がうまくピンタックの箇所で表地と裏地とで合体してバッグを安定へと導きます。

完成品を見て厳しく自分で評価した記録

では、完成したということで、10枚の写真をご覧くださいませ。

<サイズ>:縦19cmx横30cmxマチ60cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ63/123cm。

糸はテトロン糸を使用しましたが、スパン糸でも問題ないと思いますし、ニットであることの違和感は感じない生地でした。

生地によっては影響ある場合もありますし、接着芯をニットでなじませて、表地も裏地もニット素材で合わせたこともスムーズに縫える工夫かもしれません。

それで、全体を通して思った私自身の辛口な感想です。

バッグが小さくて柄が生き生きと出ないので、大きなバッグを作ってみることで最初に見た生地の迫力とか感動をもっと削がれずに感じてもらえるかもしれないと。

あとは、口布ファスナーがカジュアル過ぎます。

ここ辺りで、この口布のファスナーの仕様を卒業だと感じた瞬間がありました。

結構見た目がエレガントな生地に対して、ファスナーの仕様がやや粗い感じが否めませんでした。

ピンタックに関してはその効果が出ていて今後も別のバッグにも取り入れていく程腑に落ちました。

あとがき

やはり、このデザインは平凡です。そして、粗い入り口の作りです。

きちんと縫っても、そもそもデザインがまずいと感じています。

しっかりと縫っても、ファスナーの両端付近の空きが気になり、カジュアル過ぎて、機能としてもめいっぱい口が開かないという欠点が見られます。

そろそろ、この入り口の仕様に限界を感じています。

自分使いを越えた商業利用には到底ありふれたものの領域を超えることが無いと厳しく判断。

まだまだ長い道のりです(^_^;)。

ジャガード生地特有の表裏両面使いは効果的なのか何かデメリットはあったのか【26】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

薔薇の花柄がもともと私自身が好みであることの延長で薔薇柄ジャガード生地を多く採用してまいりました。

最近は、デイジーの花柄にも目を向け始めました。

薔薇の花柄のエレガントさ比べ、デイジーはかわいらしさや親しみやすさがあるみたい。

今回は、この新しく目を向けたデイジー柄でバニティーショルダーバッグを製作しました。

ジャガード生地の表面と裏面を1つのバッグで使い分ける材料のフル使い

ジャガードと呼ばれる生地は、基本表面と裏面が同じ柄となります。

ただ、面白いのが、全く同じではない点です。色違いで表面と裏面の2種が使えるという2倍の喜びを得ることがあります。

今回が、まさにこれ。表面と裏面が結構違う色で出ている点がユニークです。

じっくり見ても不思議なもので、表側の色のそのまま反対側がこの色?という意外性があります。

例えば、表面では一番濃いモカみたいな色の裏は、薄グレー色です。

この場合薄い、と濃いが表裏で真逆になっているようです。面白いですね。

<表地/裏地共通>:ジャガード、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、イタリア製。

ぎっしりと咲き誇ったデイジーの花。

表面の赤xブロンズx薄グレーが本来の表面、下のサーモンピンク中心にモカなどの色が混じった色目の方が本来の裏面になります。

裏面は何となくセピア色の風景と言った感じですね。

極端な話、どちらが表として使っても様(さま)になるというのがジャガードのメリットです。

生地の厚みは中肉でやわらかめです。

生地の選定においての注意点

私自身が気を付けていることとして、バニティー型は、素材を中肉以下にしなければならないという必須事項です。

なぜなら、重なる部分が分厚くなる部分がミシンが通らなければならないからです。

バニティー型で生地が一番重なる箇所:この指の右側の縦のラインが一上から下まで、かなり分厚くなります

ここは、さらにファスナーの縫い代隠しを兼ねて正方形のネックというパーツをここに縫い付けることになります。

ネックパーツを縫い付けている場面:このネックもいろいろなパーツが重なり厚みがさらに増します。
ずっと右に移動した裾の先端は、さらに各々のパーツの縫い代分も重なりますので、余計に分厚いです。

そうしますと、最初からの生地の選定をこのような場面になった時に、ミシンの針が通ることが可能かどうかということを想定できていなければならないのです。

ましてや、同じ生地を表地にも裏地にも使用していく今回はさらに特別で、中肉ながらぎりぎりの厚みです。

バニティ型は薄すぎると、へにゃっとして弱々しくなるとあまり高級な感じになりませんから、生地のある程度の厚みはポイントですので、薄すぎてもいけないのです。

ジャガード生地の裏面を裏地で使用という案のメリットとデメリット

さて、裏地に表生地を使ってしまうというジャガードの場合に有効な案だと思った今回の製作ですが、実はデメリットがあったことを知りました。

ポケットの付け場所は、バニティーは少ないです。

とにかく後側は重なる部分なので、ポケットを最初に付けておくことは物理的に不可能です。

そうするとおのずと、正面の外か中に取り付けることになるのですが、正面の外というのは、柄が一番素敵に見える場所なので、そのままさら地にしておきたいものです。

そうすると外にポケットは付けられない、ということになって、必然的に、中側の前だけになります。

サイドの部分はバッグの形が楕円型となるから、面積が狭い部分にあたります。ですから、物がたっぷり入るような機能的なポケットにはなりません。

ということで、二重ポケットを前面に取り付け、とりあえずポケットの充実ということに至った案だったのですが、この結果このように少し表にひびいています。

ファスナーの下の辺りに裏に付いているポケットの姿がぽっこりと浮いているのが分かります。

この原因は、重なった部分が厚みがありすぎるということです。

表生地と同生地の厚みで裏地も使用する場合、こういうことになる部分があるかもしれないので注意せねばなりません。

ポケットを複数付けたいということに注視し過ぎた結果でもありますね。

ポケットの袋も表生地で行いましたので、せめて袋だけでもを薄めの違う素材を使用するべきだったかもしれません。

一般的には、裏地は表地よりもかなり薄手になっている理由の1つがこういったことになって実感した次第です。

ということで、ジャガードの両面を使用することのデメリットとして、裏地ならではの薄さが効果的である部分が分厚くなってしまうというものでした。

完成品の閲覧会

では、10枚の写真をどうぞ。

<サイズ>:縦17cmx横27cmxマチ12cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ67/120cm。・・・一番短くて67cmなので、
ハンドバッグのようにご利用いただくこともできるかと思います。

あとがき

もう一度この写真をご覧いただきたいと思います。

このお品、そこそこ綺麗にはできたのですが、最終的にはボツになりました。

上述のポケットのアタリもそうですが、取っ手の部分を見ていただきたいのです。

取っ手の取り付けがしっかりしたものではないと感じますね。

ふんわりとてっぺんが浮いてしまいました。

ここを後に工夫していきます。いまのままでは、てっぺんが使っていくうちに変形しやすいものになってしまいます。

カーブは円の一部を使うのが一番美しいと気づき始めたバッグ製作【25】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1980年代から流行を問わず、ずっと好きなデザインのバッグがあります。

ず思わずじっくり見てしまう緩やかなカーブがとてもエレガント↓。

ウンガロ様のミニ型押し本革バッグ・・・オレンジ茶が素敵です。

口が大きく開くために、とても中が見やすい点もこのデザインならでは。

こうして長い間このデザインのファンであった自分が今度は実際に布を材料として、こんなタイプのバッグ作ってみようと挑んだこのたびです。

結構難易度は高いようです。ファスナーがカーブを描きながら縫い付けるという点が難関でしょう。

伸び止めテープ(平)を隠しポケットのファスナーに貼る

ここ最近、ファスナーのうねりの解消目的で伸び止めテープを貼っています。

この時のファスナーというのは、隠しポケットのファスナーのことです。

メインファスナーのことではありません。

伸び止めテープ:ストレートタイプ(隠しポケットのファスナー用)・・・うねりのないようにまっすぐなラインに固定する目的で使います。
隠しポケットの袋の部分をファスナーにミシンで縫い付ける直前:ややこしいのですが、生地の裏面を表として特別に使いました。理由は、ポケットの袋布パーツを裏地ではなく表地でふんわりと作ろうということで、手を入れた時に指に引っ掛かりやすそうな表面をあえて避け、つるりとした裏面が手に触れるようにしたというのが理由。
上側:伸び止めテープをアイロンで貼った状態 下側:この後同じようにここにはみ出ないように気を付けて貼ります
伸び止めテープを使った場合の隠しポケットの見栄え:貼らないよりもはるかにスッキリとまっすぐな線です。
左:伸び止めテープを貼っていない状態 右:伸び止めテープを貼った状態
カーブの形が綺麗ではありませんし、カーブしたのラインがうねっています。
ここは一番の難関。
伸び止めテープは見えてしまうので貼れていませんが、ハイブランドバッグを以前に見る機会があり、
ここに当て芯のような厚紙が縫い付けてありました。
美しい大花柄ですね。
ファスナーのつまみは本革。
ファスナーを2本使用しましたが、ダブルファスナー1本のみが断然綺麗だと気づきました。
<裏地:グレー>:ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
そこが狭いです。もっとマチを広くとるべきでした。

あとがき

今一度最初のウンガロ様のバッグのカーブのラインを見てみます。

入り口のカーブが円に近いです。この緩やかさが、作りやすさ、美しさにつながるようです。
私の今回のデザインだとカーブが細かくて、きつすぎて綺麗に縫えないのです。
縫いやすいデザインということも、一見製造者の都合のように感じますが、
立派な美しく仕上げる対策であるということで良いと思いました。

もうこのデザインはとりあえず、一度ここでこれっきりということになりました。

せっかくの可愛い生地にデザインが追い付かないレベル。

ここで勉強をして、いつかこのタイプのデザインをうまく作りたいと思っています。

とにかく2次元的なミシンでは難しいですが、不可能ではないです。

picturesque

こんなに美しい形状記憶生地をフランス製で発見、メッセンジャーバッグが出来上がるまで【24】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

メッセンジャーバッグと聞きますとカジュアルな帆布などで作られたバッグをイメージされますね。

そのイメージとのギャップを楽しんでもらうようなエレガントな柄に出会いました。

果たして、エレガントな柄がカジュアルなイメージのメッセンジャータイプのデザインにどのくらい影響するのか。。。

そんな見方をしてみて下さいませ。

以前に製作した同型で、その同型というのがブログでは【13】が該当です。

【13】の投稿の時にご紹介のメッセンジャー型のショルダーの幅:2.5cmというカジュアルな巾でしたが、
今回は、その半分以下の1.2cm程に細高し、華奢にすることでエレガントさを出してみます。
強度はしっかりと作ります。

【13】の投稿では、ぷっくり膨らんだ凹凸感があるイタリア製のフクレジャガード生地でしたが、今回は凹凸感は特にありません。

仕様に1点変更した箇所がございまして、ショルダーの幅を華奢な1.2cmほどに狭めました。

前のフクレジャガードの時は、2.5cmもありましたので、ややごつめでカジュアル。この違いも今回の見どころになります。

使用生地の形状記憶生地の効果など

今回は、表生地が淡い色目、裏地が濃いめのはっきりとした色目というギャップが面白い組み合わせにしています。

左:表地(ブルー):タフタプリント、ポリエステル/100%、フランス製。 
右:裏地(濃紺):トリアセシルキーニットプリント、トリアセテート/75%、ポリエステ/25%、日本製。

表は、タフタプリントという名前の生地です。つるりとした素材で、大花が美しくぼんやりと咲いている柄が美しいです。

形状記憶素材なので、形キープに優れ、ブラウスなどに利用されるところをあえてバッグに使います。

形状記憶素材は、以前にモノクロのツイードバッグ製作経験がありましたが、アイロンの線が付きやすく、とても作りやすいです。

一方裏地なのですが、はっきりとした濃いめのべース色。黒に見えますが、なんと濃紺です。

トリコットのような感じの編み方でトリアセシルキーニットプリントという名前。

表地との組み合わせは意外かと思われるかもしれませんが、花の形の相性が良さそうでした。

コントラストの効いた濃ピンクのフラワーの色も映えて美しいですね。

裏地は、開けたときのその広がりの美しさが楽しみになりますので、1つ付加価値になります。

裏地だからと質の悪い生地を選ぶという考え方はしていません。裏地は、むしろ内側の世界観を作る重要な素材ではないでしょうか。

スポット・ザ・製作:口布部分

今回のスポットは、製作過程の部分の中で、口布(くちぬの)というバッグの入り口の部分のパーツです。

(1)まずは、2枚の同じ口布パーツを縫い代1.5cmを付け、中側にキャラメルのように包みこみます。

こういった直線パーツに関しては、そのままの向きで縫い代を中に折り込む作り方をよく採用しています。

左:薄芯+ハード薄芯を貼った左右用の2枚のパーツを1.5cm縫い代で4包み込み、
真ん中で折って2重仕立てにして、コの字型にミシンをかけます。
コの字型にミシンをかけた口布パーツ:上の何もミシンをかけていない箇所はこの後でファスナー上にミシンで縫い付ける際にステッチがかかります。

(2)ファスナータブをファスナーに取り付けます。

ファスナータブの作り方:縦10cmx横7.5cmの縦長長方形の型紙の裏に接着芯を貼り、①-④の手順でくるみ、ミシンで縫い留めます。ファスナーの務歯部分の真ん中は数回返し縫いで頑丈にします。

今までは、タブ布はもっと華奢でしたが、華奢だとぎりぎり過ぎて、ずれやすく、縫い目が落ちやすいので安定して縫い付けられるよう大きくしました。

そして、ファスナーをカットしたりして、長さが決まったら、ファスナーの最後尾にもタブを付けます。

(3)ファスナーに口布を縫い付けます。

二重線にするので、片サイドで2回ずつです。

口布完成:左が表、右が裏です。

(4)裏地へファスナー付き口布の両端を縫い付けます。

今回は、裏地と表地を合わせる時に同時に縫うやり方で行いましたが、一番最後の表地と裏地が一緒になった後で一番最後に縫い付けることもあります。

では、ここで口布の製作過程を終わります。

ミニメッセンジャーバッグの仕上がり

写真を10枚ご覧くださいませ。

<サイズ>:縦17cmx横19cmxマチ6cm。

長財布がゆったりと入り、ポケットには、スマホが横向きにゆったりと入ります。

形状記憶素材ならではのしっかり感が見られます。

改善点:フラップの根本部分は、外側に出ていた方が美しい

前回の時には、フラップは外側に縫い付けていたのに、今回は挟み込みの縫い付け方をしてみました。

結果は、フラップは外側に縫い付けた前回の方が、大きく包み込むような様相になり、ゆったりと出来上がったようでした。

変えなくてよかったですね(^_^;)。

あとがき

今回のフランス製の形状記憶生地もこれがまた高級です。

せっかく高級生地なので、柄ができるだけめいっぱい出るように製作できるとコスパが良いですね。

それを考えると、このフラップ付きのデザイン、柄がフラップで隠れることがデメリットだと分かります。

結局、布で作るものは、巾着タイプのドレープがかる感じが美しかったりするのかも。。

まだまだ製作は続いていきます。。。

picturesque

生地の表裏は自分で決める、ファンシーツイード生地の控えめな裏面を使った製作例【23】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ツイード素材は不動の人気の様子です。

秋冬なイメージがあるかもしれませんが、よく混率を見ると毛やアクリルが入っているものばかりでもなく、季節感のないオールシーズンOKな生地もあるようです。

ツイードの良い所は、柄のようで、無地のような程好い華やかさがある点。

さて、今回は、このツイードがマルチカラーになっているファンシーツイードで、「1泊旅行用の、大きすぎもせず小さすぎもしないバッグ」というご依頼を製作した記録です。

今回使用の表地と裏地

本来の表地はこちらですが。。。今回は、裏面を使用しましたのでその様相が少し違った味わいです↓
裏面使いの表地(チャコールグレー地にパステル系のマルチカラー):ファンシー、ポリエステル/35%、ビスコース/31%、アクリル/16%、綿/9%、ナイロン/9%、イタリア製。

混率がポリエステル/35%、ビスコース/31%、アクリル/16%、綿/9%、ナイロン/9%とやや込み入っていますが、わずかな割合のナイロンなんかも、地のチャコールグレーの部分にちゃんと感じられ、いい感じの張りが出ているようです。

チャコールグレーと目には映りますが、実際の糸は黒なのかもしれないです。

地の素材のツヤなどから、薄めに映るので、ぱっと見たときに真っ黒でなく濃い目のグレー。

ワントーン黒より落ちているので、雰囲気がやわらかいです。この混率の中には毛は入っていないので、ツイードといっても季節感は感じません。

次は裏地です。

裏地(チャコールグレー):アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製・・・肉厚です。石のようにブツブツの柄が出ていて高級感のある素材がアムンゼンの特徴です。黒ではなく、チャコールグレー色であるところが今回の組み合わせに相応しいと判断。

今まで私がよく使ってきた生地アムンゼンです。このチャコールグレー色は、まっ黒より優し気であることで組み合わせがしやすく、よく裏地に使ってきました。

もともと多く調達してあった反物です。

隠しポケットに盛り込んだ独自の工夫とは

まず、私ならではの作りの、隠しポケットの製作手順をご紹介します。

①ポケットの入り口になる、ボックス型の穴を作ります。

薄芯を貼ったラッピング布を中表に置いて、
本体の裏側にハード薄芯に線を引いたボックス型にステッチを1周かけ、
真ん中をY字にハサミでカットします。
・・・よくある玉縁の手法です。このやり方はこれしかないと思います。

ラッピング布を中表に当てる点がポイントです。

そうして、ラッピング布を表側から先ほどのハサミカットの切り口をくるみこむように表側からくるっと裏側へひっくり返します。

その場面はこんな感じです↓。

ラッピング布を中側へひっくり返している場面です。

そうして、アイロンできっちりと折り込んで余分すぎる端をカットして整え、ミシンステッチでボックス1周を固定した状態がこちら↓。

郵便ポストみたいになりました。ここで第一段階は終わります。

ここで記載してはいないのですが、この後に、切り込んだYの字によってできた三角の部分を裏から、ハード薄芯ごと固定するステッチをかけると固定の機能ができます。

この見えない部分の固定は、力がかかるファスナー部分にとって後々、長持ちの丈夫さの秘訣になるかと思います。

②ファスナーにポケットの袋を取り付けます。この段階でpicturesque流の工夫をしている箇所が出てきます。

巾の狭い方の延長布(左)と、幅の広い方の袋(右)をファスナーの裏側が表のような向きで三つ折りステッチした後残り2本のステッチで取り付けます。(結果3本ステッチが美しくなる)

この写真の左側の数センチの短めのパーツを私は、延長布と呼んでいます。

なぜ、この延長布をわざわざ1パーツとして作っているかです。

それは、ラッピング布=袋が1つで2つ兼ねられると思うわけですが、この上の写真のようにファスナーの隅っこが隠れることはありません。

ポケットをのぞき見た時に、入り口付近が視界にはいります。そして、手を入れたときの感触がファスナーの端のピラピラしたところに当たります。

場合によっては不快感を得てしまうかもしれませんし、見た目もすっきりとはしていませんでした。

ということで、持っていた某ハイブランドのナイロントートバッグの作りを見てみました。

すると、ポケットの入り口から中をのぞいても、ファスナーの裏側や端っこなどは見えませんでした。

これぞ、一流の始末だと思いました。

どうしたら、このブランドのように作れるのかを研究しまして(あくまでも参考で自分の中に落とし込んでいます)、結果このように延長布を使うということにしました。

ハギ目ができることが否めませんが、このハギ目を底に合わせていくこともできます。

私の場合は、底にハギ目を持って行かず、ポケット入り口の手前の目立たない深さに当てたことには理由があります。

③ファスナーと袋が一体化したこの状態を本体に取り付けます。

左:初めてここでファスナーの表が本当に表を向きます、右:このようにファスナーをのぞかせて、ボックス状にステッチをかけて本体と合体です。

次は裏側でポケットの袋を縦横とも閉じる作業をして完成します。

左:1.5cmの部分に印をつけ、地縫いを2度します 右:地縫い後アイロンで割ります
左右とも端から1.5cmに印を付け、二度縫いします。これでポケットの袋が丈夫ク完全に閉じられ、完成です。

これで完成となります。

左:完成した隠しポケットの裏側・・・もう、これを最後にここを見ることはないです。閉じられてバッグの内側に入ってしまう部分ですので、貴重な写真です。写真には写しきれなかった裏面にはハギ目があります。
右:完成した隠しポケットの表側・・・ファスナーを開けると中に袋が広がり、ポケットの機能になっています。

では完成した隠しポケットを外から覗きます。

隠しポケットを覗いた様子:通常は奥の壁がまずは目に入りますので、手前の視覚に入りにくい所の位置に、
延長布を袋とつないだハギ目を持ってくるように作りました。

現在の私のやり方では、延長布は出来上がるとこのような位置にハギ目が来るのです。

上述のように、このハギ目をポケットの底部分にすることも理論的です。

型紙の調整によって延長布が「手前袋布」というような名前に変わるかもしれません(^_^;)。

ただ、気を付けねばならないのは、袋の2枚は全くの半分ずつの面積ではないということから、微妙に違う面積のそっくりな2つのパーツができてしまい、紛らわしく、どっちがどっちだか分かりにくいです。

間違えやすいとも言えまして、目につくような位置につなぎ目がかえってできてしまう失敗作になるかもしれません。

完成したバッグ閲覧会

では、完成した1泊トートバッグです。

<サイズ>:縦25cmx横34/40cmxマチ13cm。

裏面生地を使用したバッグが完成です。柄の出方が控え目でシックです。

無地のようで柄のようなツイード生地はとても魅力的ですね(^-^)。

あとがき

今回のバッグは、オーダーメイド品でした。

まだ残りの生地がございますので、次回は、本来の表地を表面として使用していこうと思っています。

文章のこの部分を後から更新しておりまして、その後の3年後くらいのずっと先の番号の、【1052】で、「インテリア収納袋:中」という巾着袋を製作したということで、この生地の使用を終えました。

よろしければ、【1052】の記事にもお立ち寄りどうぞ(^-^)。

このファンシーという生地は、もう二度と同じ生地を生地屋さんで目にすることがありませんでした。

生地は本当に幻とでもいうようなその場限りの反が多く、ピンと来た時に保管しておくことも決して意味のないことではないです。

1年ごとの上書きのような製造の仕方みたいで、その年には姿があったけれど翌年にはみられないという何とも儚い材料です。

picturesque

ファスナー付きの頭の部分と本体を合体させる時のステッチがうまくいかないハンドメイドリュック【22】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近は、リュックも作り始めています。

【17】の製作では、華やかなマルチカラーの薔薇柄を素材に使用しました。

このたびは、その逆で渋めのブロンズ茶と黒のコンビの素材でお作りしました。

高級なイタリア製生地です。

渋めの色でもラメ入りの華やかさがイタリア製らしい

黒と茶というと、フェンディ様を思い浮かべます。

こんな風に思い浮かべることこそが、ブランディングカラーになっていることだと言えますね。

FENDI様のズッカ柄やぺカン柄は決まって、黒x茶のツートンカラーでとても渋いものです。

黒と茶という重く暗い色同士をコンビで使うということはある意味「強さ」を表しているという見方もできます。

このラメと豪華なバラ柄のジャガードの影響で、ダークカラーが華やかになっているこというこのセンス♪。

<表地:黒xブロンズ茶>:ジャカードプリント、ビスコース/70%、ナイロン/20%、ポリエステル/10%、イタリア製。

商品の詳細

<サイズ>:縦23cmx横27cmxマチ6cm。・・・取っ手の幅は2cm。ショルダーの幅は1.3cmくらい。
<裏地:黒>スポーツメッシュ、。ナイロン94%、ポリウレタン/6%、日本製。・・・とってもユニークな生地です。穴が開いている構造で、さらりとしています。

このデザインを今後も継続していくのかどうかについて

コンパクトなサイズで背負い心地はグッドです。

このサイズ感とか、縦横の比率などもグッドで今後に活かしていければと思います。

ただ、問題はデザイン。

このデザインは、頭の部分であるファスナーが付いた半月型と本体であるマチ付きの容器を合体させる作りで、その合体部分が難関です。

ファスナーにも当たってしまいますし、ブラインドされた見にくい部分を重ねることで、なかなかぴったり正しい位置に合うかというとそうはいきません。

しばらくこのデザインでもう少し製作していくかもしれませんが、このデザインの継続がすでに永久ではないことをここで感じています。

この微妙な気持ちがとても大切。

やはり作りにくいものは良いお品にはならないと思います。

あとがき

今回のようなこの茶x黒のミニリュックのコーデを考えてみました。

この場合、地味な色合いですが、柄がゴージャスで、十分にアクセントになっているリュックだと思います。

黒1色コーデにもこのリュックが映えますし、茶色の無地のワンピースなどにも合ってくるかと思います。

ワンピースにリュックを合わせてしまえるのもこのエレガント柄ならではです(^-^)。

picturesque

手で取っ手を持つスタイルの不自由さを解放したショルダー仕様のバニティーバッグをハンドメイドで実現【21】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近、いろいろな美しい生地を使用しながらハンドメイドバッグを作っています。

どれもそれぞれ違うデザイン。

今は、とりあえず作ってみるような段階でありますが、生地は立派な素敵な生地を使ってしまっています(^_^;)。

今回、イタリア製のジャガードの生地を使いバニティー型のショルダーバッグを完成しました。

イタリア製の生地は華やかさが特徴。

柄をはっきりと表現してあり、無彩色であってもなかなかの存在感です。

この度の色は白x黒のモノトーンでの製作になります。

今回使用の表地と裏地の素材について

生地に色の展開は有りませんでした。

この黒白1点だけがこの生地のカラー展開です。

たった2色しか使われていない点がシックで、真っ黒コーデに合いそうです。

表地(クリーム):シルクコットンジャカード、綿/67%、絹/33%、イタリア製。

黒の柄の部分に絹が使われ、背景のオフは綿。

混率の表記の仕方が、綿/67%、絹/33%という表現ですが、実際の構造は、綿/100%のクリームベージュ部分と、絹/100%の黒い柄の部分の占める割合を表示していると思います。

綿/100%と絹/100%(綿が生地に占める割合/67%、絹が生地に占める割合/33%)といった表記が本当の構造を表している言い方なのかな。。。なんて考えました。

今回の生地は、厚みがありまして、結果的には、このデザインを縫うにはかなり困難を極めました。

裏地(オフベージュ):パワーネット、キュプラ/60%、ポリエステル/40%、日本製

表地のクリームほぼ一致のカラーですので、全体に余計な色が登場せずにさっぱりとした印象になります。

この裏地の素材、よくカットソーやインナーに作られるようなパワーネットと呼ばれる素材です。

表面がつるりとしているのは、混率の多くを占めるキュプラ/60%の影響があるかと思います。

そして、ボーダー上に溝が掘れているところも、凹凸があり立体的なので、高級感があり、楽しい素材です。

製作過程の中の隠しポケットのpicturesque流をご紹介

今回、よく使っているポケットの作りの、隠しポケットの過程を少しご紹介しますね。

こんな風に中表にした2枚(裏地の本体とラッピング布)を反対側からハード薄芯を当ててボックス型にステッチした後、中心をハサミでカット、端っこは、Yの字でカットします。

ここでは、写せませんでしたが、裏側にハード薄芯を当てて、そこに、ボックス型の線をシャープペンで引くことをまずは最初に行います。

そして、ここで見えている、裏側に薄芯を貼った同じ裏地でできた玉縁(ラッピング)を作るためのラッピング布パーツを中表に当てて、待ち針で固定してからボックスに引いた線の上をミシンでステッチしていくのです。

この作りは、スーツのポケットなどの作りと同じ部分です。

そして、内側にこのラッピング布をくるむようにひっくり返し、切った切り口を隠します。

アイロンできっちりと重なるように固定して、待ち針してから、私の場合は、ここで、ステッチをしておきます。

このステッチは固定の意味が大きいです。

裏側の状態はこのようになっています。はさみで切った切り口がうまくラッピングして中に隠しこまれましたね。

そして、余計な生地をカットして整えます。

この後、ここへ、ファスナーを当てて縫い付けるます。

ここまででポストみたいな口が出来上がりました。あとは、ここへポケットの袋布と合体したファスナーを取り付けるということです。

またこの続きのファスナー取り付けから、隠しポケット完成までは、別の記事の時にご紹介しますね。

慣れましたが、手間がかかる作業です。

それにしても、Yの字にカットして向こう布をとりつけて、反対側からくるむラッピング方法のこの手法、最初に考えた人すごいです。

よく、こんな物理的なことを考えられたと思いますし、現在でもずっと受け継がれている手法ですので、発明のようなレベルだと思います。

完成写真

<サイズ>:縦17cmx横27cmxマチ12cm。・・・長財布がメインスペースにどっしりと余裕で入れることができることをサイズの目安と致しました。

ポケットをいかに狭い面積に充実させていくかの工夫といたしまして、1か所に二重ポケットにするということをやってみました。

中側の二重ポケットの作り:マジックテープタブのスマホが入るサイズのポケットの奥に、さらに、ファスナーでセキュリティーを高めたミニ隠しポケットを設置

ポケットの中にポケットがあるという構造です。

奥のポケットには、キーなどの大切なものを安心して収納できます。

このポケットがあると、旅行や遠出のお出かけもこのバッグが活躍してくれそうです。

バニティーは手を放すと蓋がぱっかりと開き過ぎることが多いので、そのはずみで中身の細かいものが飛び出しがちです。

そんな心配やリスクをこの二重ポケットが解消してくれるかなという思いを込めました。

あとがき

少し大きいサイズであることが実際に持った写真からうかがえました。

ラインがやや四角寄りのカーブで、このデザインは、後にもっと丸いカーブで、円の一部を使ったものに変えていくことになります。

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ハンドメイド巾着バッグの紐ストッパーと内側の覆い蓋を改良したその違いを見る回【20】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、まだ改良の途中ではございますが、ハンドメイド巾着ショルダーバッグの2つの機能の改良をしながら製作致しました。

前回の製作というのは、【15】の記事で投稿致しました。後ほどその時の製作品との比較の写真を下の方でご覧になることができます。

今回も完璧ではなく課題は残りましたが、今後のお品のアップグレードになるよう貴重な学びをまた得られました。

さて、今回の材料についてなのですが、メイン生地はすごく美しいものになります。

生地屋さんで購入の際に、反の最後の巻き棒が見えてきましたので、こういった美しい生地は、嫁ぎ先が多いようです(^_^;)。

私がよく調達している生地は、いかにもバッグにするような生地というよりも、洋服の中でも、エレガントなブラウスやジャケット、ワンピースなどになるような生地が多いです。

洋服に使われることが多いことで、用尺がかかるため、1反がなくなっていくスピードが速いようです(^_^;)。

この服地こそが特徴あるバッグになると思っていますので、作りにくいとろみや柔らかすぎる生地も時には出てきてしまいます。

バッグに使った表地と裏地のそれぞれの特徴

表地はマルチカラーの柄です。

涼し気で夏のイメージのエキゾチックな柄です。マルチカラーが非常に綺麗で、色が混ざりあった部分の多い、全体でピンクやグリーンのイメージが主です。

見方によってはハワイアン柄のようでもありますが、そこまでも寄っておらず、あくまで「ハワイアン柄風」の領域のような柄です。

表地:ガーゼプリント、ポリエステル/100%、日本製。

そして、裏地は、こちら。

裏地:ジャガードクロス、ポリエステル/100%、日本製。

ベリー色が華やかで綺麗なややシャープな柄のジャガードです。

この柄の形が、表地のボタニカルな柄の葉っぱのシャープさなどと合うのでは?とういう私の見立てです。

表地と裏地が極端に対照的な色の強さであるものも時には良いものです。

対称的な色でありながらも、柄のマルチカラーの中の1色にベリー色も入っています。

前回製作と比較してみた

では、今回のバッグを10枚の写真でご覧くださいませ。

<サイズ>:縦23cmx横15/30cmxマチ7cm

まず。改良点の1点目は、紐に、ダブルレンズ型のストッパーを表地で共布で作って取り付けたことです。

これによって、前は、リボン結びをしないといけなかったのが、すーっと、手間なくバッグの口が閉じられます。

いかにも伝統的な巾着バッグの様相になったかもしれません。

①ひもの収納の仕方-左:リボン結びをする 右:ダブルストッパーで留める

ゆったりとしたシーンではリボン結びも可愛くて良いかと思うのですが、旅行などの慌ただしさが入るシーンでは、やはり、ダブルストッパーが機能としてありがたいものであると感じるケースが多いことでしょう。

そして、ダブルストッパー作りが、私の初挑戦の製作でした。サイズがうまく合いホッ(;’∀’)。

過去には、ホールが小さすぎて紐が入らなかった失敗を経ていますので、このたびがダブルストッパーは二度目です。

このダブルストッパーを共布で作るという試みは、一流ブランドバッグからの研究で参考にしています。PRADAビンテージ巾着バッグです。

共布ダブルストッパー付きのプラダのビンテージ巾着バッグ・・・PRADA様ごめんなさい<m(__)m>。もともと巾着ポーチだったのですが、自分でショルダー紐(茶とゴールドコンビ)を追加したリフォームをしています。

これをヒントに、私のデザインでダブルストッパーを作りました。

中にしっかりハードめの芯地を入れているところもしっかりした金具のパーツに匹敵するような大切なパーツとなるようにしっかり作られているところにも一流ブランド様から非常に感銘を受けました。

私自身もともとブランドバッグが好きで、そういった一流ブランドバッグのものから作りを学ぶことは多いです。

今現在のブランドのネームバリューを支えに生み出されるデザインにはあまり感銘を受ける部分は正直見当たりません。

そもそも、見ていないというのもありますが、昔のビンテージのお品にはそういった手の込んだ作りなどの非常に優れた部分が見られます。

ダブルストッパーの他の点の違いは、巾着紐に前回は接着芯を貼っていなかったけれど、今回は貼ったことです。

貼った方が断然共布ひもが元気ですね。

では、もう1点の改良点を。

もう1点は、セキュリティー対策用の中蓋ルーフです。

②中蓋ルーフのデザインの改良-左:両開き 右:片開き

こちらは、改良というか、別の形も作ってみるというような試みでしたので、今回が前回より良いとは必ずしも言えません。

前回もかなりしっかり覆われていて良い物にはなっているので、今後またこの2点を参考に考えていきたいと思います。

そして、3点目は、ショルダー太さを華奢にしたという点です。

フェミニンな雰囲気を出すには、太いショルダーよりも、細い方が良いですね。

③ショルダーの紐の太さ-左:25mm程度 右:13mm程度

フェミニンなのは、右側の今回なのですが、安定感は左の25mmも決して悪いわけではないです。

あとがき

前回より形がやや三角がかっていますが、前回の中蓋が硬くて厚みのある素材なために入り口が閉まりにくくて、スクエア調な形として映ったのでした。

一方、今回の形は、中蓋がやわらかいことと、ダブルストッパーの力も加わり口がよく閉まるのです。

そうするとおのずと、バッグの形も三角のような形に近く口がギュッと絞られるので全体の形の変化というところも、間接的な影響での変化ということになるのかもしれません。

全くの別物といったくらいの変わり方ですよね。

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絵画のようなマルチカラーのボタニカル柄生地のショルダーバッグのアシンメトリーなファスナー位置【19】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびの製作品は、初めてのデザインです。

丸いカーブを取り入れたドームのような形のマチ付きのショルダーバッグをボストンバッグのような作りでトライしてみました。

ここ最近ややプチ流行なのか、ファスナー位置が片方に寄った位置のデザインになります。

裁断風景でパーツをご紹介

ボタニカルな大柄の暖色系マルチカラーが美しく楽しい雰囲気です。

柄の縁取りのブラウンカラーは、まるで、絵画の巨匠、ルオーの作品のよう。こんなところに惹かれてこの生地を調達。

使用生地(表地・裏地共通):シャンタン、ポリエステル/100%、日本製。

この柄は、もともと2色展開となっていました。この柄だけ見ると、これでもかなり暖色系要素が高いですが、もう1種のカラーは、もっとオレンジがかっていたと記憶しています。

こちらの方が全体の色のバランスが良いと感じました。

カラーの展開のある素材は、私の方針として、生地選びの段階で1点に選びきってしまうことです。

よほどでなければ、色違いで同じ種類の生地で製作することがありません。

それは、出来上がった時にカラーの違いでの優劣ができやすく、最初から渾身の1素材のみに絞るということが渾身の1点物になりやすいと考えるからです。

色を細かく見てみますと、黄色とオレンジのペア、ブルーとカーキグリーンのペアに色の寒暖が分かれて、全体では、暖色系に映りますが、クールな寒色系な部分もあるので、色のバランスが良く、さっぱりしているという見方です。

シャンタンというこの生地は、節がところどころに入っていて、つるりとしていて、高級感がある伝統ある織り方です。

一見、薄手のように見えますが、実際ミシンを通してみてると目の詰まったしっかりした織り目であることが驚きでした。

おおまかな、製作過程

1枚1枚布に薄芯を貼った後、メインの面である、表面、裏面、口布、側面/底面に更なる補強芯であるハード薄芯を貼ります。

そうして、その面1つ1つを芯地のサンドイッチ仕様によって1パーツの板状にし、そのパーツを組み立てるかのように地縫いして、立体的なバッグの形にするという方法です。

もはや、バッグの袋縫いの作り方を破り、独学手法まっしぐらです。

別々に表地と裏地を縫って袋にしてからくっつけるやり方はこのタイプのデザインには向かないというのが私の考えです。

完成品を見て今後の課題を得ました

では、完成の10枚の写真をどうぞ。

<サイズ>縦20cmx横22/26cmxマチ8cm。
幅2cmの取っ手付き。ショルダーは、幅1.5cmx長さ81/129cm

ショルダーが共布というのは、一体感が生まれます。

異素材で変化を付けていくのか、なじむ一体化で共布なのか。考え方は分かれるところです。

こんな小さめバッグでも、底板はきちんと入れさせていただいております。

ベルポーレンという名前の底板です。

また、ファスナー開閉が、前寄りの位置に設置したのが、リュックの開け閉めのしやすさから、持ってきた機能です。

もしかして、次回このファスナーを真ん中留まりのダブルファスナーを利用し、底の近くまで開くものに改良するかもしれません。

その方が、中身が見やすいですし、今回のファスナー付けで1つ問題が。。。

このアシンメトリーなファスナー取り付けは縁があいまいで綺麗ではありませんでした。

完璧に縫い代が隠れないやり方は今後は見直しということになります。

あとがき

今回のミニボストンショルダーバッグの製作過程の様子、YOUTUBE動画におさめました。

どうぞ、ご視聴くださいませ。

このショルダーバッグの使用シーンを旅行用にとイメージしてみました。

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手間をとことんかけることの美しさ、パッチワークのステッチの糸をそれぞれの色に馴染ませたバッグ作品集【18】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

パッチワークは時々ハンドメイドバッグ製作に取り入れています。

いろんな幅にしてみたり、デザインも工夫次第でバラエティー豊かに展開することも可能です。

何と言っても、オリジナルの生地を作っているかのようで、まだバッグも出来上がっていないのに、パッチワークシートが完成した時の満足感は大きなものです。

それをさらにバッグにしていくというなんという手間のかけ方。

私のスタイルとしましては、ファストバッグとは対極にあるバッグというコンセプトです。

手間をじっくりかけて、数少ないけれど特徴ある1点を完成していくというものになります。

今回は、3種類のパッチワークを同時に完成しました。

どれも同じデザインのショルダーバッグになっています。

同じデザインなので、柄違いみたいな感じで楽しんでご覧いただけたらと思います(^-^)。

アムンゼンというブツブツ感が特徴の素材の美しさについて

今回の使用の生地の素材は、肉厚な生地となっています。

アムンゼンという名前の生地で、オフ、モカ、黒(正式にはチャコールグレー/濃グレー色)です。

使用生地:アムンゼン(3カラー共通)、ポリエステル/100%、日本製。

生地の表面の感じ分かりますかね?

ぶつぶつが存在しているのが特徴の生地です。

せっかく美しい生地なので、まめに、そのステッチ糸をそれぞれの糸に馴染ませてチョイスしていったことでより美しく仕上がります。

本来、このアムンゼンは、厚みはそれほどないものが多みたいなのですが、今回の肉厚であるアムンゼンはレアであると思います。

この美しいぶつぶつの凹凸感ある柄の織具合を活かして、無彩色だけれども素敵なマルチカラーの柄を作っていくとお洒落なバッグになるかなということに私自身がワクワクしたものです。

パッチワークシートの製作やバッグの機能

今回の3種は、ストライプ、ボーダー、ブロックの3種の柄です。

手順をご説明しますと、まず短冊状にカットし、芯地を貼った生地パーツをミシンで地縫いしてつなぎます。

そして、裏をアイロンで割り、表に出たハギ目の線の両サイド1mm程度を再びミシンステッチで縫って、綺麗に固定します。

これでかなり丈夫でありながら、整った美しい柄が出ます。

手間のかかったお品だと言えるのは、このベ―スの作業をして柄のシートを作成した後に、通常の裁断と縫いの段階に行くので、前段階の作業の手間が非常にかかっているということになります。

3種の、ストライプ、ボーダー、ブロックのパッチワークに分かれます。

完成品x3点:左からストライプ、ボーダー、ブロック柄です。ストライプやボーダーで出来上がり幅が4.5cm程度です。細かすぎると縫い代同士がぶつかってすっきりしなくなるので、適度に幅は合った方がベスト。一番右のブロックはもっと綿密に計算して、どれも同じサイズのブロックが出るようにも可能ですね。

どんな柄がお好みでしょうか。

縦長寄りな形なので、ややメンズっぽさもあります。

これらのバッグは、目的がレジャーとか旅行などの遠出をイメージしています。

機能として、中側にポケットとは別にボトルホルダーを設置していまして、ペットボトルを入れていただける割と立体的なホルダーを付けています。

左上から時計回りに、ボトルホルダー、フラップポケット、フラップポケットのマジックテープ、更に内側の小さなフラップポケットと二重構造のポケットなのでした。

結構立派な内部構造機能です。

ポケットの方もマジックテープ開閉のフラップポケットで、スマホがらくらく入り、容量の大きさを十分にキープしたポケットにお作りしました。

やはり、ポケットは隠し部屋ですので、バッグの中身の中でも得に大切にキープしたいものを入れたいでしょう。

その辺りが、通帳だったり、カードだったり、スマホだったりと人それぞれの考え方と嗜好に対応できるよう、ボリューム感のあるポケットにしています。

小さいとどうしようもありませんので、ここは大は小を兼ねるというような考え方です。

このバッグのサイズ感

サイズ:縦31cmx横30cmxマチ無し。

さて、このバッグのサイズ感についてです。

実寸としましては、一番左がやや他よりも小さめです。

一番左が、縦31cmx横30cm、その他は、縦35cmx横30cmです。

バッグで1辺の長さが30cm以上は結構な容量だと思いますので、このバッグも、中にスマホや長財布だけにとどまらず、もう少しいろいろ入れていただけるかと思います。

動画を貼り付けますので、私が動画の中で、実際にショルダーを肩から掛けるシーンがあるのをご覧になって、サイズ感を見ていただけます。意外と大きいことが分かります。

また、動画の中で、1点1点のバッグについて説明やお伝えしたいことをお話しております。

このバッグは、1泊程度の簡単な旅行などにも対応できるのではないかなと思っています。

あとがき

もしかして、中身をコンパクトにおさえれば、1泊程度の旅行も不可能ではないかと思います。

もとのふんわりした肉厚感の素材をチョイスしたことで、こうした用途の広がりも想像できました。

アムンゼンという生地の素敵さがお伝えできればと思いました。

パッチワークはとても自由で無限だと思います。

ストライプやブロックにとどまらずにこのつなげる手法をもっと活かせるかもしれません。

無地の何でもないような生地でもつなぎ合わせてパッチワークによって新たなテイストに生まれ変わることも製作する本人が楽しむ空間と時間です(^-^)。