雨をしのぐだけが取り柄じゃなかった!リュックの出来上がりのふんわり感はPVCならではのもの【83】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ただいま続行中のハンドメイドリュック製作の、<雨の日シリーズ>。

4点の雨をしのぐような素材をチョイスして、さらに機能で雨をしのいでいく企画です。

もともと私自身は、ある時目にした情報から、PVCは永遠のものではないことを知り、とても落胆しています。

「PVC」、「ポリ塩化ビニール」、「ビニールコーティング」、これらの言い方の違いはあっても、すべてPVCのことです。同じ素材を指します。

この素材は、特徴として、空気に触れた瞬間から劣化が始まるという性質を持っています。

空気に触れた瞬間からですから、バッグの場合、保管しているだけでも使わなくても消耗してしまうということです。

とても悲しい性質なのですが、だからこそ、使う場合にはとことん使う方がコスパはよくなりますね。どうせ劣化してしまうならとことん使いつくすのが良いのです。

こんな極めつけな悪い性質を持ち備えたPVCですが、じゃあ、最初から持たないのがよいのでは。。というのは、いやいや、本革レザーや布では勝てないような「最高の価値」が1つあるのです。

PVCの魅力は、雨をしのぐ力だけじゃなかった発見!

PVCの大きなメリット、それは、雨をしのぐ力です。

PVCは大雨のようなシャワーのようなパワーの水もしのぐ力があります。

このことは、布や本革レザーではとても太刀打ちできません。

雨の日シリーズに使う生地も、元は布なのだけれど、2層の構造の作りで、決まって表面にビニールコーティングがしてあります。

よって、基布:綿/100%、表面:ポリ塩化ビニール/100%などというように2層の構造の作りの混率表示になっているのです。

PVCは、雨の日における布のデメリットをカバーするどころかそれ以上の働きの素材です。

なので、雨の日専用として考えると、ダントツでPVCが有効です。

PVCのもう1つの魅力、「ふんわり感」が感じられたことの発見

今回、リュックをハンドメイド製作して、PVCの魅力をもう1つ発見しました。

PVC加工はごわごわするのですが、1枚仕立てでもふんわりとふくらみ、縫い代を中側にしてひっくり返した時の空間がとても立体的に形作られることを知りました。

あまり、今まで扱ってこなかった素材であることから、気づかなかった魅力ですが、今回出来上がってこの新たな発見がありました。

出来上がりのリュック:ポケットの中にも新聞紙で丸めたあんこは入れてはいますが、
全体的にぷっくりと仕上がる立体感が出るのもPVCの魅力であることが分かりました。

「ナイロンはっ水コーティング」という水をはじく生地を裏地で使用し、雨をしのぐ対策を内側にも備えております。

あとがき

素材自体で雨をしのぎ、さらに、屋根のように雨をしのぐフラップなどの「機能」でも雨に対する対策をしているとことん雨対策したリュックを意識して製作しました。

あと続いて、2素材ご用意がありますので、また、2点のリュックをお作りしましたら記事にアップしますね。

引き続き<雨の日シリーズ>お楽しみにどうぞ(^-^)。

お気に入りの本革バッグを長持ちさせるために、雨の日だけに持つリュックを決めておくという案【82】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

特に季節の変わり目には雨は多いものです。

寒くなっていく変わり目、暖かくなっていく変わり目と。

お気に入りの本革の高価なバッグというのは雨には大変躊躇されます。

雨で革にじんわりと変なシミもできることがありますし、変形もします。

私も靴とバッグ両方で変形の経験があります。

実際雨に濡れると靴も横に開いてしまいましたし、バッグも縁がぺこんとよれてしまいました。

本革レザーバッグに大雨で染み込み、中の書類などの縁が濡れたという惨事も経験しています。

ファスナーが入り口に付いたバッグでしたが、染み込んだのは、底の角からでした。

ということで、雨の日には本革はNGであるという教訓から、雨の日に最もふさわしい素材を意識することになります。

今回のシリーズは、<雨の日シリーズ>という企画でバッグを製作していきます。

雨の日に一番向いているバッグというのはやはり、両手が自由であるリュック型が良いであろうということで、リュックというアイテムにしぼって作っていくシリーズです。

リュックはショルダーより、さらに雨の日には助かります。

傘をさしますので、手が空くことが有難いですし、重みが体にかかる負担のバランスも左右均等です。

雨の日に向く生地でありながらお洒落な柄の生地の選定

今回は、雨の日シリーズのまず第一弾。

私が作っている布分野の中で職業用ミシンが貫通して通る素材の範囲内で、コーティング系に目を向けました。

表地:ラミネートプリント、表面-ポリ塩化ビニール(PVC)、基布-綿/100%、日本製。

実はこちらの椿柄、地が焦げ茶なのです。

黒でないところがとてもマイルドでセンスを感じるプリント柄です。

ここで生地の商標権、著作権についてのお話

ところで、こういった、土台が綿などの生地に特に多いのですが、プリント柄の生地の耳にメーカー名が記載されていることがあります。

今回のこの生地も耳にメーカー名が入っていることに購入後気づきました。

なかなか購入時に生地の耳をじっくり見ることがないもので、後で気づくこともあります(^_^;)。

このように会社様の英文名が耳にプリントされていました。
その後お問合せメールにて、商業利用OKとのご回答をいただいた生地です。

ここにRマークが入っている場合は、商業用利用(バッグなどの商品にして販売)が不可な可能性が大いにあります。

今回の場合のように、会社名のみでRマークは入っていないから商業利用OKということでもありません。

やはり、メーカー様に直接問い合わせして商業利用可能かどうかの是非を聞くということをするべきです。

実際私もこのメーカー様の「コスモテキスタイル」様へ連絡をとりまして、ご回答をいただきました。

こちらの椿柄に関してはOKでした。

他の生地で不可のものがあるとのことで分類を教えていただけました。

乗り物、うさぎ、アリス、くまもん、この辺りは動物や主人公など、キャラクター性があるので「不可」の部類に入っているようです。

が、その辺りの判断もキャラクターっぽいから不可などとユーザー側が勝手に判断してもどうしようもありません。

すべては作り手側(生地などの材料を製造した会社様)の意向ということになるのです。

そこは、多少の時間を割いてでも、確認することは大切かと思います。

なので、私は、普段メーカー様の名前が入っている生地はできるだけ調達しないようにしています。

というのも、大部分の自身の製作が商業利用を目的としているからです。

今回は耳に入っているプリントの文字をうっかり見逃したのですが、せっかくなので商業利用させてもらえたら良いなあとその是非をお問い合わせをして確認し、商業利用として使用させていただくことがOKになっているという回答をいただいたわけです。

普段綿のプリント物をよく利用して何かを作られている方は注意せねばなりません。

綿プリント物には、非常に商標登録されている柄が多いものです。

並行して「著作権」はプリント柄のデザインのデッサンが元となっている以上自明のものとして存在しているのです。

商業利用不可のものをそのままバッグなどにして販売してそれを見つけたメーカー様が訴えるということもできてしまうのがが商標権であり著作権です。

つまりバッグなどに製作して販売してお金を得ることが商業利用にあたり、商標権や著作権の侵害をしてしまう行為になるからです。

立体的なポケットへ初挑戦の結果

今回は、初めて、立体的なポケットに挑戦してみました。

アイテムがリュックです。

リュックの背には決まって立体的なポケットを取り付けるのが何か流行みたいなので、とりあえず、乗ってみました。

私自身はあの立体的ポケットがあいまいな作りな感じがしてどこかもやもやしていたのですがね(^_^;)。

ただ、立体的なデザインの良さとして、雨の日ということで、その立体ポケットにタオルを入れて、ふいたりする作業がリュックをわざわざオープンせずともできるということが1つ想像できました。

リュックの背の立体定なポケット:マチを上下に作っておいて、縁を本体に縫い付けるという方法です。

何か、あまり納得できないデザインになってしまいました。

ラインがあいまいなので、ラインを徹底させる必要があります。

ファスナーが隠れる比翼(ひよく)仕様が特徴でこれが現在流行っぽいポケットの作りだと思います。

この比翼は、ファスナーを隠して、雨の対策にもなると思います。

おうちの屋根みたいですね。

水滴がこの比翼を屋根のように伝い、ファスナーの隙間を飛び越えることで、バッグの中に水滴が入るのを防ぐ作りであるといえます。

さらにファスナー自体も雨で傷むのも防いでくれるということもありそうですね。

ただ、このポケットがかっこいいかというと、私はあまりそうは思いませんでした(;’∀’)。

なので、次回は、このポケットでない、もう少しはっきりとした分かりやすいデザインで考えていこうと思います。

自分なりの立体型ポケットの方が気持ちが納得して良いお品に出来上がりそうです。

完成品ご披露

<サイズ>縦30cmx横25cmxマチ10cm・・・王道な分かりやすいサイズです。

小物だけの最低限な容量でして、通勤、遠出の旅行でこれ1つで歩く場合などにもお使いいただけます。

とても椿の柄がキュート(^-^)。

このポケットのフラップは、たまたま、型紙を間違えて裁断してしまって余分だったパーツだったのですが、さらなる雨除けに取り付けた追加アイテム。

本体も入り口がフラップなので、リンクしています。

「あまぶた」は、「雨蓋」という漢字で、雨対策のフラップなのですから、そのままその言葉通りの機能なのです。

そして、フラップによって、今回の立体型ポケットが隠れました。

こうして見てみると、デザイン的には、フラップの方がかっこいいようです。

あとがき

結局、最後にポケットにかぶせたフラップによって、古典的な感じのリュックになりました。

もともと本体の蓋のデザインも古典的でしたので、リンクしましたね。

あと、こうした合皮のような素材は、硬くて、とがらせたりするデザインは、傷みやすいと言えます。

できるだけ突出する部分が無いように作った方が劣化がしにくいです。

ラミネートも、何年も経過した際には、バリバリとコーティングがはがれてくるのを目にしたことがあります。

なので、PVCコーティングの「水を通さない」という大きなメリットを雨の日専用として活かすということになるのです。

そんな雨の日だけの出番でも、置いているだけでコーティングの劣化は起こってきます。

そういうPVCという素材の特性なので仕方がありません。

なので、長持ちさせたいようなバッグにはこの素材は利用するべきではないですね。

しかし、ここまで可愛いのに雨の日でも持てるという最高の価値が、雨の日の鬱々とした気分に少しでも光を指してくれそうです。

布バッグのチェック柄のサイドの柄合わせ、最低限ボーダー状の向きだけ段違いなく合わせる勧め【80】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作で、<チェック柄シリーズ>という企画をしてみました。

3種の違った形のチェック柄を同時進行で仕上げ、ミニサイズのショルダーバッグを製作しました。

ミニサイズのフォルムの可愛さと、3種が元は同じチェックであることが少し違った形で勢ぞろいするコレクションの面白さをお伝えできればと思います(^-^)。

様々なチェック柄、マルチカラーな糸使いが素敵な素材コレクション

今回は、表地も裏地も同じ生地を使いますので、3種のみが生地として登場します。

左:手織りジョントン綿、綿/100%、タイ製・・・ジョントンはよくジョムトンと発音されているようで、
タイの北部のジョムトン地方で織られる織物のようです。
白い筋が特徴。色使いが原色カラーの集まりで、生き生きとした柄です。
中:起毛チェック、綿/100%、日本製・・・起毛という名前から毛羽立ったイメージがわきますが、
実際はネルなどよりもはるかになめらかです。手触りは、さらふわといった感じ。
黒色を使いながらもその他の暖色が活きて全体的に暖かみのある雰囲気です。
右:先染チェック、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製・・・インディゴブルーのギンガムチェックが爽やか。
ネイビーや水色ブルーよりもレアなトーンのブルーだと思います。

ボーダー方向のみ合わせてもかなり見た目に効果があるチェックの柄合わせ

チェックの柄合わせとなると本来は、縦と横を両方合わせるのが完璧な柄合わせ。

柄合わせにおいて、縦とか横という言葉を使うと大変紛らわしく、どちらのことを指しているのかわからなくなってしまいますので、「ボーダー状に合わせる」とか、「ストライプ状に合わせる」などと呼びますね。

つまり、チェックを、ボーダーとストライプの組み合わせと考えていきます。

バッグでは、一番視線の気になる場所がサイド。ここのハギ目の柄の出方が良い見た目になるかどうかがキーポイント。

今回は、ボーダー状のみ合わせましたが、これだけで随分見た目がすっきりと見えますね。

つまり、ボーダー状に合わせることさえ意識すれば、整った印象ができる大きな効果が得られるのです。

チェックの柄合わせ(ボーダー状のみ)・・・矢印はサイドの縫い合わせのはぎ部分を示しています。

ボーダー状に柄合わせというのは、例えば真ん中でいうと、赤とか黄色の横線がちゃんとハギ目に対して横に対象に一直線に並んでいるのかということです。

並んでいますね。そういう見方で右と左も見てみてください。

そうすると、すべて段が一直線にそろっていますよね。これは、ボーダー状に柄をそろえたことになります。

一方、ストライプ状の柄のそろい方の見方ですが、矢印のサイドの切り替え線を軸に、左右が同じ配分で柄が出ているかというとどれもそうではないですよね。

一番右は、一見分かりにくいですが、黒い線をブロックで考えると、ハギ目から右は半分なのに、ハギ目から左はフルに1ピッチ分ありますよね。

しかし、ストライプ状にそろえることは、これを見た限り、それほどボーダー状にそろえることよりも結果が分かりにくいということです。

なので、まずは、ボーダー状にそろえることが綺麗に見える一番の秘訣と言えますね。

ガチガチにそろえすぎると、生地がもったいなくて、余らせなくてはならないのです。

超高級品はこのようなことを徹底して行い、生地を余らせた分のロスを商品の値段に反映させて、高価になるわけです。

この辺りも生地の高級さを見ながらの匙加減でしょう。

今回の場合は、ボーダー状のみそろえれば十分な効果が出るのでそれ以上は必要ないとの私の判断からこのように作りました。

それに、真ん中のジョントン綿は、白いストライプ状の霧のような柄があまりにランダムすぎて、ストライプ状に柄合わせは非常に困難です。

とにかく、段違いみたいな見かけが心持ちを悪くするので、スッキリと段がそろう「ボーダー状に合わせる」ことをチェック柄の場合の一番のポイントとさせていただきたいと思います(^-^)。

あとがき

こんな感じで3点が一緒である良さがあります。

チェックも種類の違うチェックを集めるととても楽しいものです。

販売においては、お店にディスプレイで並べるように、こういった柄違いの展開の仕方は、同じ生地の色違いではない楽しさが生まれます。

何でもない平凡な形のバッグですが、集まってコレクションのようになると随分躍動感が出るものです。

「家族でお揃いのデザインでどうですか」などのご提案もできるかもしれませんね(^-^)。

5 small sized handmade bags born in Japan,Origin of name Japanese traditional dish Obanzai【79】

Foreword

Hello.It’s Picturesque.

I would like to write this article in English for foreigners.

Because I want to sell my handmade bags made in Japan overseas.

Work view

This time,I made a series of making five designs with the same material.

The purpose was to discover the difference between the same material but different shapes.

A series of making five designs with the same material

First of all, I think that Type 5 matches this material.

Front:Ventilated jacquard,cotton/54%,silk/26%,nylon/20%,made in Italy.

Lining:Lame twincle satin,polyester/60%,nylon/40%,made in Japan.

Originally I like the elegant taste, so the design itself is somewhat elegant even if casual item such as rucksack.

However, the drawstring type in the middle is expected to be a good finish even with a casual taste material.

Backpacks with this material also fit elegant dresses.

It can be said that the influence of the material is great.

Naming

I call Japanese Obanzai(home cooking style dish) name them.

I’m Japanese, so I want to sell it to the world because it’s a handmade bag made by Japanese people.

Clockwise from left of top,Onigiri(rice ball),Tamagoyaki(fried egg),Nattou(fermented soybeans),Kamaboko(boiled fish paste),Mochikinchaku(glutinous rice in a pouch of fried tofu)
Japansese name to 5 mini bags by picturesque

Please drop in at these sight.

From this homepage, you can warp to YouTue or Instagram.

Now,please watch my YouTube vieo of this.

Afterword

Thank you for reading & watching.

I will continue to produce and sell bags in series.

Please look forward to it.

Thank you.

おばんざいの名前で5点集結、日本生まれの小型ハンドメイドバッグ【78】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

3週間ほどにわたってYOUTUBE、当ブログでお送りしてまいりました、<同素材5型シリーズ>。こちらがついに終わりました。

この5型を今回は同時に見比べて、まとめて眺める回とさせていただきたいと思います。

その際に、1点1点にネーミングをしました。

愛着がわくよう、キャッチ―な素敵な名前を。。といろいろ案を練った結果です。

これまで作ってきた5種のデザインを同時に見比べてみる

同素材5型シリーズの5点のバッグ:どれもコンパクトな小さめサイズ。
それぞれが他とはかぶらない唯一のデザインであるようにとしぼった5型になります。

全体的には、今回のこのイタリア製の風通ジャガードという生地にマッチしたようです。

エレガントテイスト志向で生地を探しましたので、コットン系のカジュアルなプリント物の素材はなかなかチョイスに入ってきません。

ただ、この中でも、向き不向きはあったかもしれません。

特に巾着は、この素材で作るなら穴の数を伝統的な前6個後6個の合計12個から減らして、もっとタックが少なくなるように改良する必要もあったようです。

しぼりきれていなくて、あまり良い形になっていないのです。

12個仕様のままいくのであれば、もう少し、素材は融通の利く薄手でやわらかい方が開閉の巾着を絞る作業がスムーズであると反省しています。

1種の生地をすべてのデザインにはめていくことの難しさをここで学んだわけです。

バッグへのネーミング

このたび、これらの5型を今後も作っていくにあたって、名前を付けてみました。

海外の人にも販売していきたいので、いかにも日本らしい和風な名前を考えました。

そして、決まったのがこちらです。

形のイメージから和風なおばんざいのような名前にしました。

ドーム型→おにぎり、バニティ→卵焼き、巾着→餅巾着、ボストン→かまぼこ、リュック→納豆ということになりました。

あとがき

今回のシリーズは、同素材シリーズということで、素材が共通でした。

集めることが趣味なコレクション好きな一面からのひらめきです。

インテリア、洋服、アクセサリーでも、1つのテイストに片寄せて、なぜか集めてしまいます。

こういった1まとまりのテイストでバッグを作っていくスタイルというもののご参考になればと思います。

このようにまとめてコレクションした企画は、より雰囲気が伝わりやすく、販売するにあたって数多くあふれた物品の中からのチョイスをする際に選びやすいということにもつながりそうです。

今回のシリーズが、第1回目ですので、今後しばらく、〇〇シリーズ企画していきます。

お楽しみにどうぞ(^-^)。

未熟な出来上がりから学びを得た組み立て式で作る布リュックのステッチ線が綺麗に出る対策【77】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、「同素材5型シリーズ」という同じ生地で5デザインのハンドメイドバッグを連続していく最後の型、ミニリュックの後半です。

このたびで完成となりまして、シリーズも最終です。

この企画で随分いろいろ学ばせていただきました。

最後のリュックは、人間が携える場合において、一番楽なデザインであると思います。

背中にすべてを任せ、両手が自由に解放されるのです。

しかも、ショルダーが均等ですので、ある意味負担が偏らない点で、「リュック」というアイテムが今後健康志向も相まって活用が高まっていくと見ています。

我流で始めたプレートの組み立て方式で作るバッグのステッチの悩み

今回に限らず、私がほとんどのバッグに取り入れている製作方法の「組み立て式」ですが、これに1点大きな課題があるのです。

縫い目の不ぞろいに関することです。

縫い目は板状のプレートパーツにする時に、周りに端から3mmのステッチをしますのがこれまでのやり方でした。

それを組み立てる際にまたステッチで固定しますので、その事前のステッチに重なるのかどうかが技術を要する部分です。

ただ、何度やってもぴったりでない部分がどうしても出てきました。

ステッチが重なっていない部分:あらかじめ板状のパーツの際にステッチをしてしまうから
こうなるのだというところに行き着きました。

ステッチが綺麗に1本だけ出るようにする解決策

ということで1つ考えてみたのが、プレート状のパーツにする時の端からのステッチを無しにして、空き口はボンドのみにしてみるという方法です。

そうすれば、余計なステッチが出てきません。

ただ、その一方、しっかりとプレートを作らないままの組み立てとなりますので、しわが寄ったりしないだろうかなど別の件も気を付けねばなりません。

とにかくやってみなければ何とも言えないので、後日その方法をトライした結果を、ブログとYOUTUBEでアップしていきたいと思います。

プレート状の時にステッチをしてある様子。・・・対策案は、このステッチをこの時点ではせず、
組み立ての時の縫い付けの線のみにするということです。
そうすれば、組み立て地のステッチのみなのですっきりします。いわゆるステッチの省略です。

完成品のご披露

今回は大きな課題が残る中での完成でした。

ミニリュック:<サイズ>縦23cmx横22cmxマチ7cm。

今回のシリーズはミニサイズでしたが、ステッチの課題を解決できれば、大きいサイズのリュックでも同じデザインでつくれそうです。

柄が素敵なものは、今回のようなファスナーポケットでくり抜いてしまうことは美しさを損ねますね。

これも今後の検討に役立てたいと思います。

また、取っ手が1つだけであることもミニバッグならではでなんとかOKのようですが、リュックを背負わない持つシーンもあるのではないかと考えると、取っ手は2つあった方が良いと思いました。

とにかく、いろいろ改善点があるような製作でしたが、この生地の美しさで目立たなくしてくれているような気がしてなりません。

有難いですが、ここでさらに思うのは、生地頼みというのは有効ですが、依存という意味では、独自の思考を入れ込み切れていない点では反省することも多いです。

せっかくの美しい生地なら、美しいバッグであることがやはり最高です。

生地がどんな感じで余ったのかそのゆくえ

今回、150cm幅x1.5mの長さの生地を5型作った時点で余った生地は、こんな感じです。

余った生地:縦が20cmほど、横が40cmほど。

もう1度、失敗した巾着を作りたかったですが、表面のパーツは取れても、裏面が無理でした。

この余りは、1点目の製作にも実は納得しておらず、他の黒無地との組み合わせで作り直しをする決心をしました。

それが出来上がると生地をほぼすべて1.5m分使い切ったことになります。

この余った部分を除外しても生地1.5m分で5型作れたということは、単純に平均1.5÷5=0.3mずつで作れたということです。

普段1点物のして調達する生地は最低でも0.35mで調達しますので、そこそこコスパ良くパーツがとれたことになります。

やはり、同じ生地でたくさん作ることにはこうしたメリットがあるようです。

大量生産の概念ですね。

今回は企画であったので、同じ素材ばかりを使ってきましたが、普段は1点物を貫いています。

やはり私のような小さなお店は1点物志向で、1点1点を丁寧に製作することが向いていると思っています。

あとがき

今回で、5型すべてが作り終わりました。

3点目の巾着型は失敗してしまいましたが、形としては出来上りましたので、後日また記事で全部5点をまとめた投稿をさせていただきたいと思います。

1点1点デザインに名前を付けることも楽しみですし、もうすでに頭の中に案があります(^_^;)。

この部分は、その後にブログ手直しの際に書き加えた箇所です。

【78】で5デザインそれぞれのネーミングの日本語バージョンのブログを投稿済です。

そして、なんと【79】では英語バージョンも初投稿しました。

よろしければお立ち寄りどうぞ(^-^)。

フラップポケットに取り付けるマジックテープの「オス」と「メス」の位置とその理由【76】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

よくハンドメイドバッグの中側で裏地で取り付けています、フラップポケット。

フラップポケットだけという仕様に更に加えて、セキュリティー性を高めるためにマジックテープを付けるということもあります。

今回は、このマジックテープを付ける時の場面でのポイントをご紹介したいと思います。

フラップにはマジックテープの「オス」を付けることに決めている理由

私がお作りしますフラップは、セキュリティー性とボリューム感、存在感を出したくて、元の型紙を幅広の縦10cmにしています。

そうしますと、上下が1.5cmの縫い代で消えて、出来上がりが、10-1.5x2=7cmとなります。

なかなか深いフラップです。

さて、このフラップとポケット袋には、マジックテープを取り付けます。

「オス」というのは、固いごつごつした方、「メス」というのは、さらりとした柔らかい方です。

フラップには、マジックテープのオスが、そして、ポケットの袋にはマジックテープのメスを付けるという私の方針です。

小さいタブのマジックテープ仕様の場合も同じ考え方。

とにかく動きのある方であり、上からかぶせる方にオスを付けるというのを私は基本的な考え方としています。

これは、反対に取り付ける考え方もありますが、とにかく、いずれにしてもオスの方に何か別の物がひっかかる可能性があるので、そこを考慮するとどちら向きに取り付けるのかという考え方をしたらよいです。

物を引っ掛けやすい「オス」がカギを握っているのです。

例えば、マジックテープを実際にマフラーがごそっと丸ごと入っているバッグの中で開けるシーンを思い浮かべます。

そうすると、タブを手で片手で指でよいしょとひねって開くことを想定。

そうするとタブの部分のオスにマフラーが当たろうとすると、開けている手が避けてくれます。

一方ポケットの袋の方が手が行き届いていないのでマフラーが当たる可能性がこの時点は高いと思います。

それを考えたときに、フラップには、オス、袋にはメスということが確定しました。

いろいろなシーンがあり得ますので一概には言えませんが。。

ただ、一般的には、どうも基本を私と反対のオスが下側になる部分、メスが上側になる部分に使う案内がとても多いようです。

理由が理論的で明確であればその向きもあり得ます。

マジックテープの取り付け方

では、取り付け方の解説に参ります。

フラップは2枚仕立ての作りですが、片一方だけにマジックテープを貫通させるので、2枚を合わせてひっくり返す前に1枚仕立ての時に2度縫いで「オス」を縫い付けます。

裏側には当て芯としてハード厚芯を貼りました。

ハード厚芯は粗裁ちしておいて、ステッチ後、余分をカットするやり方が良いです。

袋パーツの方は、もともと「わ」になっていますので、フラップと同じで、「わ」になっている1枚仕立ての状態の時にハード厚芯を当て芯して縫い付けます。

ただ、今回、うっかりとミスをしてしまいました。

メスのマジックテープを付け忘れていることを「わ」を2つ折りに縫ってしまった後に気づきました。

まだ本体には縫い付けていないので、この2枚重ねの状態でメスを縫い付けました(^_^;)。

ハード厚芯の当て芯は隠しきれないので無しです。

そうしますと、ポケットの内側にステッチは確かに出ますが、袋の2枚仕立てが固定される利点もあり、マジックテープがフラップの開け閉めにおよぼす圧力はかからないのかも。

よって、このミスした今回のような取り付け方も、案としては有りそうです。

マジックテープのオスとメスの配置(picturesque推奨)。

ポケット一式を本体に縫い付ける順番

マジックテープを設置したところで、ポケットを本体パーツに縫い付けていきます。

まず、上述のようにフラップには、オス、袋にはメスのマジックテープが取り付けてある状態です。

そして、袋から先にコの字型に縫い付けます。2度縫いして丈夫に仕上げます。

次に、その袋のメスのマジックテープの位置に重なるオスのマジックテープのベストな位置を決定した位置に左右はきちんとポケットの幅とピッタリに合わせて縫い付けます。

フラップの縫い付けも2度縫いです。しかも、裏側に「ハード薄芯」を当て芯します。ここは力がかかるところですからね。

ということで、フラップは一番最後の仕上げという順番で、一番最後が良いということです。

フラップ巾7cmの安心ポケット。

生地をたっぷりと使ったゆったりとリッチなフラップポケットです。

では、YOUTUBE動画を貼り付けますね。

あとがき

今回のポケットがミニサイズのリュックの本体パーツにめいっぱい貼り付けられていますね。

こうして、ポケットを最大限にミニバッグに配置できるよう、たっぷりな容量を確保していきます。

実際に、このポケットに、レジ袋をたたんで入れたりなど、ミニポケットよりもかなりいろんなものが入れられるようになると思います。

それでも、キーやカードだけでも良いのです。大は小を兼ねるですね♪。

このサイズ感の充実は、自身がブランドバッグのポケットに対する不満から生まれた構想でした(^-^)。

ボストンバッグのファスナーの端にタブをチラ見せする取り付け方【73】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ミニボストンショルダーバッグをが完成致しました。

【72】では、おじさんの持っておられた取っ手付きのセカンドバッグのようなころんとしたアイテムを街角で拝見したところからの着想出会ったお話をさせていただきました。

では、そんなきっかけから生まれたデザインがどんな出来上りになっているかを当記事でお楽しみどうぞ(^-^)。

ファスナーの両端にタブをチラ見せする理由と取り付け方

ファスナータブが1cm程チラリと見えている様子。・・・当記事は【73】ですが、【38】では、
ビッグなボストンバッグでファスナータブを表に縫い付け、
ファスナーを開閉する際に手でつまめるような仕様です。
今回は、タブが見えるだえけの仕様ですので、違いをご了解くださいませ<m(__)m>。

こんな風にファスナーの端にちらりとタブを見せます。

反対側も同じ光景です。

ファスナーにあらかじめタブを取り付けておいて、タブごと縫うというものです。

これは、大変かっこよい作りとなりました。

タブには、今回は芯地を貼りましたけれど、貼らない方がこの生地の場合はもともと厚みがあるのでごてごてせずにすっきりと仕上がったかもしれません。

芯地もなんでも貼れば丈夫だからいいというものではないということがよくわかります。

タブも折ってさらに重ねてと幾重にも重なったものなので、接着芯無しで十分であることも時々の判断ですね。

そうすることで、このファスナー取り付けの2重ボックスラインのステッチも、よりスクエアな綺麗な縫い目になることにつながるようでした。

出来上がりでファスナータブがチラリと見えるのは、デザインとおさまりの良い安定感が得られるところに効果が出ているようです。

まるでファスナーが生地に溶け込んでいるかのように。。。

機能としては、内側でファスナーの端の縫い代を隠しているのです。

底縫いのラインをまっすぐに出すコツ

以前にミニリュックをニットで作ったときの失敗からの学びをこのたびに活かした内容となります。

以前のニットでは、ぎゅーんと底部分がゆがんでしまったのです。

やはり、失敗には理由があります。

長い1枚の口布を表面、裏面の本体それぞれに組み立てる時に、片方の面を最初に取り付けました。

その次にもう片方を取り付ける場合に1か所しか印合わせをしていなかったからちぐはぐな底部分の位置になったのです。

これが原因だったと解析し、今回はそこを改善すべく挑みました。

まっすぐになった底部分のライン:ラインがまっすぐであるとバッグを置いた時にしっかりと立ちます。

このマチ7cm幅の底の部分のラインが重要です。

これが何も意識しないと歪むことがあります。

特にニットは伸びて融通が利いてしまうので気を付けねばなりません。

今回はこの写真のようにすっきりとまっすぐに安定したラインになりました。

それには対策があったわけです。

その対策というのが、まず片面をしつけ糸で、てっぺんのど真ん中を印を合わせて固定します。

最初に縫う面の方はここしか指定する部分がないです。

あとは、その印周辺から、そのまま縫い付けていけばよいです。

そして、底部分は5cmほど重ね合わさります。

次のもう片方の面の印を合わせるところが今回のキモです。

まずは、同じようにてっぺんのど真ん中を合わせて仕付け糸をします。次にまだ合わせる箇所が増えます。

それは、この底の角の部分左右ともです。最初に縫った面の方の底の角の位置にまっすぐの延長上になる位置を2つ目の面の角の位置にあらかじめ指定するのです。

そして、そこに仕付け糸を左右ともします。

そして、最後にもう1か所印を合わせる部分があります。

それは、底のど真ん中、先ほど5cm重なったということをお伝えしましたが、その口布兼マチの重なり部分のど真ん中と面のど真ん中の印を合わせるといった具合です。

このように2つ目の面をきちんとすることがうまくいく秘訣となります。

合計4箇所の印を合わせる仕付け糸をするのが2つ目の面の組み立てです。

いろいろ書いてしまいましたが、大きくまとめますと、「それぞれの面で印通りに従うのではなく、片面に合わせることも意識しながらカーブの位置を決める」ということです。

完成品のご披露

このように完成しました。

ミニボストンショルダーバッグ:<サイズ>縦14cmx横20/24cmxマチ7cm。

ショルダーは取り外し式なので、サイドにまとめてあります。

かまぼこのようにどっしりとした安定感あるものに出来上がりました。ちょこんと小さくてかわいらしいですね。

ここで、このデザインのネーミングが「かまぼこ」で浮かんでいます。

率直にその様相を表した言い回しを、和風なお惣菜、おばんざいで集めてみるシリーズになるのでは。。とワクワクしてきました。

かまぼこと呼べるためのポイントが、やはり、丈夫の美しいカーブと、今回意識した、底部分の真っすぐさの対比にあると思っています。

いかにラインを綺麗に出していくかで、「らしさ」が出てくるのです。

あとがき

このシリーズの最後には、すべてのデザインに名前を付けることをしていきます。

そんな全体を俯瞰してご覧いただけるようなシリーズになりますので、この後のデザインも是非ご注目下さいね。

次は、最後5点目になりますリュック型になります。

ミニリュック型がどんなフォルムで形作られるのかお楽しみにどうぞ(^-^)。

不思議なもので。。。街行くおじさんのバッグからの着想であったミニボストンバッグに引き継いだものは、「かわいらしさ」であったこと【72】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

同素材シリーズという企画を自身で立てて、順に違うデザインを製作していっています。

同じ生地で作ることで、デザインの違いの比較がしやすくなるのでとても良い研究になると思い考えた企画です。

このたびは、5デザイン中の4デザイン目を作り始めたところです。ミニボストンショルダーバッグです。

ミニボストン型を考案したきっかけはメンズから

もともとバッグは、大昔は男性特有の持ち物でした。

洋服の定番デザインの多くもメンズ専用であることが起源であることも多いのです。

ある日、ふと街角ですれ違ったおじさんの「中身たっぷりポーチ」を目にしたことがあります。

ちょうどファスナーを開けて中を見ている場面ですれ違いました。

そのポーチは立体的で、とても使い易そうでした。

あれが可愛い柄であれば。。。などとアレンジしたのがこのたびのミニボストン型になります。

もとは、メンズタイプのポーチにちょんと取っ手が付いたようなミニバッグデザインからの着想になります。

ショルダータブの付け位置

ショルダータブの付け位置をじっくり考えてみました。

ポイントは、1)使いやすさ 2)見栄えの美しさ、2)取り付けやすさ の3点。

やはり、なんと言ってもユーザー様の使いやすさを考えた位置でしょう。

サイドにタブを付けると、ファスナーがたっぷりと開く仕様にするには限界が出来てしまいます。

なぜなら、タブが下の方過ぎるとバッグがひっくり返ってしまうから、半分より上寄りに付けなければならない制約ができるからです。

これは物理的な現象でとても大切です。

昔、何も考えずに、思いっきりバッグがひっくり返るようなものを作ってしまった経験済なのです(^_^;)。

そうすると、サイドに取り付ける一般的なイメージをやめました。

そして、前後の面の対角線の位置にDカンタブを挟み込むという仕様に決定。

2)の見栄えの美しさを出すには、まっすぐに取り付けるということから、てっぺんのカーブのラインの中でも水平な位置を選ぶことです。

そしてこれは、3)の取り付けやすさにもなります。まっすぐは正確に縫い付け易いです。

タブをカーブの位置に取り付けることは実際使う時も不安定ですし、見栄えもすっきりしません。そして、カーブに縫うなどということをしたところで本体のラインも崩れてしまいがちです。

さらには、ショルダーが内側に寄った感じではバッグがくるくる回ってしまい、これまた使い勝手が悪いことに起因します。

よって、そういった消去法からも、てっぺんに取り付ける場合にということにはなりますが、その場合には、なるべく端っこ寄りでありながら水平な位置となるとだいたい場所が決まってきました。

Dカンタブの位置の決定:できるだけ端の方でありながら、水平な位置になります。
前面と後ろ面は対角線上の位置に取り付けます
(現在は表ばかりを見せているので同じ側にタブがあることにご注意を<m(__)m>)。

タブの根本の長さの調整

以前はタブの型紙を7.5cmx5cmにしていましたが、縦の長さを変更の5cmx5cmです。

ここ最近取っ手をアイレットカン仕様に切り替えました。

そうすると、根っこの部分がアイレットカン取り付けにおいて、穴を開ける時に影響したり邪魔したりすることがあります。

これは、とてもまずいことで、アイレットカンが不安定に取り付けられる要因になりかねません。

もし、アイレットカンが不安定に取り付けて、最初は気づかなくても使っていくうちにポンと外れてしまうようなことがあるかもしれません。

もともと水平にきちんと取り付けておかなければ、丈夫なアイレットカンでも外れた際には、ダメなパーツだと思われてしまいます。

それがタブの根本が当たったことが原因だとはなかなかバッグを作る人でない限り考えにくいものです。

よってそういう信頼を失うことが起こらないように、根本がすっきりしていて余分なものがアイレットに影響しないようにと言う変更です。

あとがき

今回は前半の部分だけですので、まだ出来上がってはいないです。

ボストン型はカーブが美しいと、愛着がわくデザインだと思います。

最初の考案のきっかけであったおじさんのセカンドバッグは、もっと四角い感じでしたので、そこからはだいぶイメージが離れていきました。

ただ、とても表現しにくいのですが、「コンパクトである愛らしさ」という点がおじさんのお持ちのバッグにも合ったのです。

たとえ、シンプルな無地で作られたナイロン製のメンズタイプであっても、今回のようなマルチカラーの花柄ジャガードであっても同じように感じられたのです。

もしかして、私がヒントを得たおじさんのバッグからは、その「かわいらしさ」を引用したのかもしれません(^-^)。

1980年代後半に流行の巾着バッグにはなぜハンドルがなかったのかをらせん状の流行がめぐった2010年代後半に考えた製作記録【70】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、ただいま実施中の、<同素材シリーズ>の3つ目、ミニ巾着ショルダーバッグを製作しています。

今回は、後半部分ですので、後程完成のバッグがご覧いただけます(^-^)。

今回の製作の中でご紹介したいポイントは、今回初めて巾着バッグに取り入れた「取っ手」の取り付けです。

今まで巾着型に取っ手を付けてきませんでした。

1980年代に流行の巾着型の多くの既製品には取っ手が付いていないものが多かったと記憶しています。

しかし、流行もらせん状。「かつての回顧的な要素+新しさ」で過去が新しい形で受け継がれていくものです。

現在の巾着バッグは、ハイブランド様のお品でも取っ手は取り付けてあるようです。

現実的な使うシーンで考えてみても、バッグの中身を何か取り出す時に取っ手があることで作業がスムーズなのです。

この時の取っ手は、ショルダーとして下げている時は使用しないけど、違うシーンに切り替わった瞬間で必要な時があるという「備え」としての取っ手である所がポイントです。

あとは、ショルダーも付いているのだけれど取っ手も付いていることのデザイン的な見栄えも出来上がりを見て感じていただけるかもしれません。

現在の5型のシリーズ物でも、この巾着型のみ取っ手を付けていませんでしたので、ショルダー+取っ手ということも定番の要素にしていくことで、ラインナップもすっきりとまとまりそうです。

巾着型のサイドは、パーツが混み合う場所

巾着型は、アイレットカンを12個(前後6個ずつ)取り付けるのが基本型です。

よって取っ手にしても、ショルダータブにしてもサイドの影響のないわずかなスペースを確保して取り付けることになります。

この辺りの場所がいろんなパーツが混み合い、混沌とする箇所なのです。

今回、このことの難しさに慣れておらず、アイレットカンの穴開けに失敗してしまったハプニングがありました。

サイドに表地と裏地の間に差し込むように取り付けた取っ手やショルダータブの位置はそれなりに配慮したつもりでしたが、深く差し込みすぎたのですね、アイレットカンがタブの根本をぶち抜いてしまいました。

ぶち抜けたから良いのだというわけではないのです。

水平ではないでこぼこしたところにアイレットカンを取り付けるというリスクができてしまいました。

そこへ仕方なくアイレットカンを取り付けたところ、案の定、ここをきっかけに、力のかかり具合のアンバランスによってアイレットカンが外れる事故が予想されてしまうような取り付け具合になってしまいました。

本来、アイレットカンは水平な環境でしっかり、丈夫に取り付けることができるという定義です。

それを水平でない環境を作ってしまったということです。

アイレットカンの失敗箇所はこのタブをぶち抜いた箇所ともう1つ、あからさまに失敗したという場所の2つがあります。

その2つ目の箇所というのが、もともとは、タブやショルダーの根本がでこぼこしている不安定な環境が原因がまず1つ。

そして、更に、ポンチと金づちで穴開けをしている途中から別の場所にずれて、穴が1.5個分ほどの大きなものに空いてしまいました(*_*)。

これは大変な悲劇でした。もうアイレットカンを取り付けても隠しきることができず、アイレットからはみ出した生地がおぞましく目に映りました(*_*)。

1つ目の失敗:取っ手の右隣のショルダータブの根本をぶち抜いたアイレットカンです。
こちらは、一見うまく取り付けることができたようですが、
タブの根本も挟んでいるという状況の取り付けです。
長い目で見ると外れるリスクが否めませんね。
2つ目の失敗:穴開けの時に不安定によりずれて1.5倍の大きさの穴が開いたのを補修した状況。
とても売り物にはなりません(*_*)。中側のルーフパーツにアイレットカンが突入しています。
表側から見た失敗箇所:上記を表側から見ると表側でもずれた穴がはみ出して布の切れ端が飛び出しています。
このすぐ隣に取っ手とタブがあるので、その影響で不安定でずれたというのが原因です。

ショルダータブに関する改善策

さて、隣にも影響を与えてしまう取っ手とショルダータブの付け方はいかに?。

私が今回改善点として考えたのが、ショルダータブの根本を短めにすることです。

タブもあまり上に内側に突き出しすぎても野暮ったいですので、ちょこんと顔を出す程度で良いです。

そうすると、型紙の縦の長さが、現在の縦7.5cmを縦5cmに2.5cm削ることを考えました。

そうすれば、根本が今より上に行くので、アイレットカンに影響を与えないようにできると思います。

また、ショルダーに関しても、長さを少し短くして根本をあまり深く中へ入れ込まぬように1.5cm程度にします。今回は3cm程度入れ込んでいました。

完成の様子お披露目

ミニ巾着ショルダーバッグ:今回から、ショルダーを取り外し式に変える変更もしています。

一見何でもなく見えますね。しかし、とにかく今回は、アイレットカンの失敗によって販売は不可能となりましたが、これがうまくいったら、なかなかエレガントなものになったと思います。

巾着デザインは、きゅっとしぼる動きをするときに折りたたまれるので、かなりの重圧がアイレットカンにかかっていることでしょう。

巾着は動きのある開閉をしますので、アイレットカンはとても重要です。

紐を引っ張る時に穴周辺に重圧がかかるという意味です。よって、丈夫に取り付けたいのです。

ここが他の形のバッグと少し違う点です。ファスナーじゃないですからね。

本革レザーと生地の違いというのは、その密度にあり、カシめる力は、断然本革レザーの方が優れます。

そもそも、生地にこのアイレットカンを使うのかどうか。

今回の製作で、ここも今後判断していく重要なポイントになると思います。

パーツ屋さんははっきりとおっしゃっています。「生地には向かない」と。

そしてご注目いただきたいのが、取っ手の存在です。

ハンドルとも呼べる立派なものになりました。存在感が大きいですね。

このハンドルによって巾着が完全に絞られることが不可能になっていくので、冒頭のお話の1980年代の多くの巾着バッグがハンドルは取り付けられていなかった理由の1つに、「完全に口をふさぐことを重視した」ということがあったのではないかと見ました。

あとがき

今回は、失敗してしまいまして、とても残念((+_+))。

2デザイン目まで調子よく完成してきて、ここでつまずきましたが、残る2型の、ボストンとリュック、頑張りたいと思います。

全く同じ生地でデザインを変えて製作していくこの企画、生地が同一であることで、その違いがとても比較しやすいです。

今後の製作のヒントになって行けばと思いますと、今回のような苦い失敗も重要な過程であると考えます。

失敗は残念過ぎますが、いずれ、素敵な巾着型が自分のデザインらしく作って行けることにつながる失敗であればと無駄ではなかったと思えます。

そもそも、アイレットカンを取り付ける巾着で作るのだろうかということさえ、根本的な材料使いの面まで将来はしっかり検討していきます。

それには、こういった細かいパーツ材料も使った製作も体験してみる必要があるのです(^-^)。