入り口完全密閉で無理強いの無い外表構造、パッチワークの柄違いのドーム型とトート型のボストンバッグ【105】

アイキャッチ画像105

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.07.07からおよ5年後の2025.04.17に、ブログ記事の「手直し」で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

「アムンゼン」という凹凸感ある美しい生地の3色を、ボーダーとストライプのパッチワークに仕立て、ビッグボストンバッグのデザイン違いを2点を作った記録です。

決して綺麗に出来上がったとは言い難いものですが、この作り方の期間あってこその後の見直しも生まれた重要な軌跡だったのでした。

アムンゼン生地で作ったボーダー・ストライプの2点のデザイン違いのボストンバッグ、仕様を見直しする良き機会

ボーダーパッチワークの型紙:ドーム型の方。場所によって幅が違うのは完成時に目に映る当配列を意識。
ストライプパッチワークの型紙:トート型の方。幅の広い方はマチで奪われる分も見込み差が激しくなっています。
本体の型紙(トート型):当時マチは途中で作っていました。後からの見直しでは、最初から削っておくのが正解。
本体の型紙(ドーム型):こちらのマチの作り方は、本体を縦に長く繋いで底部分をマチとして確保するタイプ。
パッチワークシート作り後の裁断:<表地:3色>アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。
裏地(上から反時計回りに①ベージュ②黒③グレー):①コードレーン、ポリエステル/100%、日本製。②ちりめん、ポリエステル/100%、日本製。③サマーストライプ、キュプラ/100%、日本製。元はストライプをボーダー向きに使用。
貼り付けポケット:片方に寄せて設置。後の見直しでは、柄を覆い柄の美しさを遮るこのやり方をタブーに。
ファスナーポケット:すべてポケットはファスナーポケット。たまたまファスナーカラーが生地に合いました。
取っ手作り:グレーのソフト厚芯を内蔵、4本ステッチでぷっくりと持ち心地良く仕上げるやり方はその後も継続。
取っ手の縫い付け:力が1点集中しがちなので裏面に当て芯を加えています。後に底からの「支柱」へ見直し。
ドーム型の方の底同士のハギ目:ハギ目の縫い代両割り後、両端ステッチでスタイリッシュに仕上げ。
マチ作り:このやり方は、十文字のぴったりした重なりが困難。後の見直しで型紙から削っておくことに徹底。
ドーム型への底鋲の設置:ボストンバッグでよく設置される附属品。
トート型への底鋲の設置:後にこうした穴をわざわざ開けるパーツはすべて廃止。それほど機能的ではありません。
段差ポケット:ポケットの袋構造の融通性を利用、袋が裏面で重なっても大丈夫な段差は、狭い面積に2個が可能。
ファスナーポケットのアップ:もっと極端には、上下にも並べることが可能です。
ドーム型の方の底周辺の半月パーツ:このカーブが実際のボストンバッグの底のフォルムを作ります。
トート型の入り口ファスナー:トートバッグで入り口がファスナーで完全密閉されている点が価値。

ただ、内枠内での使い方となるので、一回り狭くなる感覚を感じるのは、クラシックなボストンバッグと同じで出し入れはしにくいというデメリットがあります。

縫い代のパイピング:「外表」は無理強いがなくてスタイリッシュ、その代わりパイピングが必要となります。
パイピングの完成:よく見ると綺麗ではない点が成功率の低さです。非常に難易度が高い作業だと思います。
くるみ底板の設置:ストライプの方はトート型の方で裏地と同じ生地。ボーダーの方はドーム型の方で別生地。
ショルダーパッド作り:左上の取っ手に内蔵と同じソフト厚芯を多重にクッション性を高めます。
ショルダー:車のシートベルトにイコールの素材であり頑丈。ほつれやすいので縫い代は必ず内側に隠します。
取り外し機能無しのショルダーパッドの完成:取り外し機能は見出せませんでしたので一体型となります。
完成したショルダー:先端にフックが付いていて、Dカンに引っかけます。「ニフコ」社製の丈夫なプラスチック。
ドーム型ボストンバッグ(アムンゼンボーダーパッチワーク):<サイズ>記録に残っておりません<m(__)m>。
ドーム型の方のその他の角度:可愛らしいフォルムだと思います。アムンゼンの生地の高級感が活かされます。
トート型ボストンバッグ(アムンゼンストライプパッチワーク):<サイズ>記録に残っておりません<m(__)m>。
トート型のその他の角度:入り口が完全密閉は確かな価値になると思います。正面のポケットは無い方が良いです。
課題点(トート型):トート型の入り口のファスナー周りの始末。せめてダブルステッチにするべきでした。

あとがき

途中の画像の解説で、今後も継続したもの・見直したものをはっきりと示しました。

この製作体験からは、本当に必要な材料のみをミニマムに使った現在の2025年のナップサック製作へのわずかな道筋が見えていたような気がしてなりません。

ボストンバッグには付けるべきものだと思っていた底鋲も、穴を開けて取り付けたところで劣化するような弱さもありました。

溢れる材料の中からの選択は、しっかりとした製作者の軸を持っていなければならないということになります。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

<マチ>ハンドメイドで作るトートバッグのマチの計算、縫い代込みの型紙をどんな寸法で作るのかの「計算式」【137】

アイキャッチ画像137

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ある日、ハンドメイドバッグノウハウにおける、自らが発信するマチの計算の確認をしていました。

発信するにも見解が偏り過ぎていないかを、時々ネットで確認することがあります。

そうした中、「元の必要寸法が分からない」「割り出し方教えて」の声が溢れんばかりであることに驚愕。

マチ付きというのは3次元の世界観、なかなか想像し辛い混乱があるのだと考えます。

このたびは、「マチ付きトートバッグ」のマチを含めた縫い代込みの寸法の計算方法をお伝えしたいと思います。

つまりは、「出来上がり寸法から逆残によって型紙を作る方法」に等しくなります。

当投稿の【137】では、あれこれとやかく言わずに、とにかく正確な「計算式」を具体例と共にお伝えする回と致します。

出来上がり寸法から型紙を正しく作っていくための「計算式」を中心に、「これを信じて良いのだ」ということを根底にデジタル式にお伝えすることを先にやっていきたいと思います。

「なぜそうなるのか?」という疑問は、【138】【769】【807】【915】で後回し、今すぐ製作していく際には、とりあえず方法論のみの当【137】で十分です。

<マチ>多くのQ&Aでネット上に溢れるマチ付きトートバッグの型紙の作り方(縫い代1.5cmを含んだ型紙)

出来上がりイメージ:縦30cmx横37.5cmxマチ15cmのマチ付きトートバッグを作るための型紙を作ります。
イメージ図を描く:記録メモ程度の簡単なもので良いです。出来上がり寸法を先に記録すると良いです。
デジタル解説:上のメモをデジタル式に表記し直しました、解説の為です。

<縦の型紙寸法の算出>

出来上がり寸法に順に積み算していく方法です。

出来上がり寸法30.0cmにマチが必要ですので、片面ずつの合体構造のトートバッグでは半分のマチ寸法ずつと解釈。

30.0cm+7.5cmがまず積み算に配置されます。

残りは、縫い代1.5cmの上下分として2回足すので、図の左側の通り30.0+7.5+1.5+1.5=40.5が縦の長さ。

ピクチャレスクの作り方では上下とも縫い代が同じ1.5cmでやっています。

マチのくり抜きは横の長さが決まってからですので、次は横の型紙へ続きます↓。

<横の型紙寸法の算出>

出来上がり寸法37.5cmにマチが今度は左右共に必要ですので、縦の時と同じように半分ずつの寸法を2回足していきます。

37.5cm+7.5cm+7.5cmがまず積み算に配置されます。

残りは縫い代1.5cmの左右分として2回足すので、図の右側の通り37.5+7.5+7.5+1.5+1.5=55.5cmが横の長さ。

さて、ここで縦40.5cmx横55.5cmの長方形の型紙が出来ましたので、底の左右両方を7.5cm四方の正方形でくり抜き(ハサミでカット)型紙が完成です。

数字が変わっても同じように計算式に当てはめるだけです↓。

図の省略メモ:出来上がり寸法が縦25cmx横35cmxマチ20cmの巾着袋の場合も、同じ計算式です。

あとがき

このたびは、とにかく方法論のみをお伝えしましたが、もしかして鋭い方は「あれ?」と思われたのではないでしょうか。

図を見るとマチには確かに縫い代が存在するのに、計算の中にマチ用の縫い代が入っていないのでは。。と。

【138】以降の<マチ>に関する投稿では、この台形型のマチの構造を深堀りして理由を探ります。

ここで少しだけお伝えしておきますと、実は足して引いているという打ち消し合いにより0(ゼロ)だから加えないということなのです。

そのことも後の【138】【769】【807】【915】において、ご説明していきます。

ただ、先に「こういうものなのだ」というところから入った方が実践的であると判断してこの順番にさせていただいたのでした。

是非素敵なトートバッグを完成されますよう、同じようにハンドメイドバッグを作るピクチャレスクは応援したいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ミニマムリュックのショルダーの付け根の本体への直接の縫い付け、ハの字に90度に重ねた十文字が美しい【136】

アイキャッチ画像136

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「簡易リュック」というネーミングでエコバッグにショルダーを付けただけのような、調節機能のない単純な作りのリュックを2019-2020年に製作。

2019年後半から始めたハンドメイドバッグ製作のシリーズもの<簡易リュックシリーズ>の中にあった中のデザインを1つ定番品へと引用。

こういったシンプルなリュックこそ元の生地の美しさを広々と演出できる良さをどうしても感じてしまうのでした。

このたび、何とも魅力ある薔薇柄なのに和柄のような生地と、デニムライクな藍色の生地とのコンビで「簡易リュック」を製作。

その時の直接縫い付けるショルダーの付け根の「ハの字」の部分の固定を十文字が作業しやすく見た目も美しいと判断。

直接のショルダー固定の際には、ぐらつき防止にはどのような形のステッチが合うのかの最もお勧めしたい「十文字」というデザインをご紹介したいと思います。

リュックのショルダーの付け根にDカンを使わない、直接本体への縫い付けのハの字に施す十文字ステッチ

表地・裏地共通(右):綿プリント、綿/100%、日本製。別布(左):インディゴデニム、綿/100%、日本製。
ショルダーの直接縫い付けの下準備:左右のショルダーを90度に重ねて、縦と横に十文字にステッチを入れます。

まずはショルダー単独で十文字ステッチをします↓。

十文字ステッチ①(ショルダーのみの固定):まずはショルダー単独で90度にハの字に重ね、十文字に縫い付け。
十文字ステッチ②(本体への縫い付け):ハード薄芯を多重に当て芯して先程の十文字ステッチをなぞりました。
本体同士の縫い合わせ:ショルダー固定後、本体の2枚のパーツを「中表」に縫い合わせ。
表に浮き出る十文字ステッチ:ひっくり返し、表地と裏地の合体により、縫い付けた十文字がすっきりと出ます。
和風薔薇柄の簡易リュックの完成:<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ10cm。ショルダーはジグザグステッチ。
完成した和風薔薇柄簡易リュックの背負う面:すっきりとしています。柄を主役にしたスタイルです。
その他の角度から:左上はサイドの上方、右下は底面右。

全体的なことなのですが、薔薇柄をこのように和風に表現された生地製造者様に脱帽です。

このような素敵な生地は、広々と素敵さを示したいもの、このデザインへの落とし込みは正解でした。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.06.28からおよそ5年後の2025.05.18にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

実は、この時の「簡易リュック」は2025年のナップサックへも大いに関連していったと思っております。

一応ここでは完成しているかのような「簡易リュック」でしたが、マジックテープのみの入り口では、ガンガン荷物を入れるシーンには不向き。

マジックテープはいとも簡単に外れてしまうのでした。

「荷物を詰め込む」というような無茶な入れ方は実のところ多くの方がやっていることだからです。

2025年のナップサックに至るまでには、しばらくこの見た感じをキープするべく、Dカンとナスカンコンビの開閉に改良するステップも踏んでいきます。

それでも結局は完全解決されなかった「隙間問題」があり、2025年での完全に絞り切るナップサック型へ行き着いたのでした。

ただ、このたびのポイントの「十文字ステッチ」の考え方としては何かにヒントになりはしないかと、こうして記録に残しておこうと思ったのでした(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

生地柄と蓋のストライプ・入り口フラップとポケットの多角形、シンプルリュックの中に盛り込む複数の「リンク」【134】

アイキャッチ画像134

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ活動に慣れてきますと、季節に合ったイメージを打ち立てた製作がより効果的に受け入れられることを感じます。

このたびは、季節感を感じるバッグ製作の1つの例としまして、「ネオンカラー」を部分的に引用し、快活な暑い季節に持つきっかけになるようなリュックを製作。

季節感の捉え方1つにしても製造者の価値観や考え方で様々、独自の表現がアウトプットできる良い機会になるとご提案したいと思います。

暑い夏のイメージを2つの「らしさ」で盛り込む、凹凸感あるリップル生地とマルチネオンカラーのフラップのリュック

使用生地(表地・裏地共通):リップル無地、綿/100%、日本製。無地と呼びながらストライプ柄なのは織柄の証。

別布の4色のネオンカラーの詳細

①黄色:カラーブロード無地、綿/100%、日本製。

②オレンジ:T/C無地、ポリエステル/65%、綿/35%、日本製。

③ピンク:コットンローン、綿/100%、日本製。

④青(③の色違い):コットンローン、綿/100%、日本製。

変六角形の入り口フラップ作り:別布のネオンカラー生地4色をストライプパッチワークに仕立てて作りました。

後の反省点は、両端の縫い代分も見込むべきであり、もっと極端にパーツ幅の差を付けておくべきであったこと、見積もりミスでした。

部分的パーツの完成(左から右へ):変六角形の入り口フラップ、ジグザグステッチ入りのショルダー、巾着ひも。
入り口フラップの本体への設置:後ろからショルダーがハの字に突き出し。右下はマジックテープ付きの裏面。
裏地に設置のポケット:入口のストライプパッチワークフラップにリンクする変六角形のポケットフラップ。
簡易リュックの完成:<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ10cm。すっきり感はカラー配分の控え目な効果。
その他の角度(左上から時計回りに):サイドひもを解いた姿・サイド部分・底部分。左右非対称のカラー使い。

左右のショルダーのカラーのアシンメトリーはほとんどリュックではされないことですが、このネオンカラーだからこそ受け入れられるのではないかとやってみました。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.06.27からおよそ5年後の2025.05.16に、ブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

こうしてこの時の製作品は、まとまった様子であるようには見えるかもしれませんが、後に大きく機能不足であると認識していきます。

このようなマジックテープでは、圧力によってすぐに外れてしまう、現実的には重い荷物をパンパンに入れることも究極の場面としてあるのです。

そんなシーンでは、マジックテープなどすぐに外れてしまうのでした。

よりユーザー目線に立った時、このマジックテープ開閉を見直すことになっていきます。

もうしばらくの期間、このマジックテープ開閉の製作をしてしまいましたが、やがては「Dカンとナスカンのコンビ」に変わっていくという改良がその後出てきます。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

引き続くコロナ禍の暑い夏のマスク使用スタイル、時々外す時のトレイを兼ね共布ケースをセットに組込んだ【133】

アイキャッチ画像133

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020年2月頃から突如やってきた流行病「コロナ」。

これまでにない経験から多くの人々が不安を抱えます。

マスクが入手しにくくなっていた2020年4月初頭、友人からの声掛けで「マスク製作・販売」の企画に早期参入。

その後、まだまだ「コロナ収束」が見込めない中、いよいよ季節は移ろい初夏へ。

2020年5月に入ると、大手製造業者がマスクの大量生産に本格着手。

我々小規模事業者の役割はそろそろ無くなってくる予感が見え始めます。

ただマスクを付けるスタイルは引き続きあり、マスク製作に差別化を入れていくということを考えました。

このたびは、仕事仲間の友人が提案してくれた暑い季節に対応した涼しい素材を利用、マスクを外しているシーンを考慮した「ケース」を伴ったマスクセットの製作です。

マスクを収納するためともう1つの機能、お食事中などの「トレイ」にもなる取り出しスムーズな共布マスクケース

使用生地:サッカーストレッチ広巾、ポリエステル100%、日本製。「COOLMAX:クールマックス」「LYCRA」社製。

カラーはベージュ、もともと涼しい織物生地「サッカー」とのハイブリッド品。

ブランドが謳われる生地を利用させていただくための申請も購入時にありました。

マスクケースの型紙:「わ」で作ると綺麗な長方形になります。縦30cmx横20cm(縫い代1.5cm込み)で製作。

このたびは、初めてで行き当たりばったり的な部分があり、入り口のマジックテープを縫い付けるタイミングが両サイドを縫った後でした。

たまたま入り口付近にマジックテープが付くので後付けが可能でしたが、本来は、一番最初の時点で付けておくことをお勧めします。

マジックテープの設置:縦1cmx2cm程度の小さな面積であることがポイント。口開きを留める役割のみ。
表地と裏地の合体:実は裏地付きでありちゃんとしたケースなのです。裏地も共布を利用。

マスクを付けないシーンも出てくると、いよいよ収束も見据えて、かえって生地在庫を残さないことも考え始めます。

裏地付きで存分に生地を使い、良質に仕立てていく方が良いと考えたのでした。

ゴムのコーデ:マスクにも慣れ、おしゃれ度も意識し始めたのでお好みに応じたカラーゴムを選択。
ケース付きマスクの完成:見るからに涼し気でエレガントなマスクのセットが出来上がりました。
マスクの裏地:麻テレコニット、麻/100%、日本製。マスク企画着手の初回から変わらず共通にこの素材。

ぼかし柄が入り、ファンデの跡などの付着が目立たない良さがあるカラー(オフベース)です。

マスクケースの自然に出来上がったマチ:「サッカー」のふんわり感の特性と裏地付きであることのボリューム。
4種のサイズ展開:お顔は実は様々なサイズがあることをお客様からのフィードバックで教えていただきました。

あとがき

このたび利用させていただきました「COOLMAX」という「LYCRA社製」の素材、寒い冬の季節には保温性もあるようなのです。

こうして「ケース付きマスク」の発案の回をもってマスク製作の活動を終えていきました。

難しいことなのですが、撤退の時期は遅かったと思います。

もう5月後半では格安マスクが行き渡り、個人がハンドメイドして販売の手応えは薄れてきていました。

その後、「コロナ」に対しては収束まで長く警戒態勢が続きました。

ケース付きをもっても売れ行きがなかった生地ストック、こんな風にたった1点の大きな巾着袋を「インテリア収納袋」として生地を使い終えたのでした↓。

マスク生地在庫の思い切った消化:単調なストライプ柄に同じストライプで足並みをそろえた薔薇アップリケ。

この投稿をもって、マスク作りに関する記事は終了です。

この活動で1つの「流行」の流れの感触を実感できたことが非常に有意義でした。

「参入・撤退の両方に対する素早さ」が大切になってくる流行物。

そう考えると、その短期間でのスピード感などの労力には限界がありました。

大規模業はエンジンがかかるのには時間がかかっても、一度歯車が動き出したら非常にパワーがあるということ。

結局は、ピクチャレスクとしては「末永く安定的な独自の定番品」を生み出す必要があると天を見上げたのでした。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

バッグの表地と裏地の組み合わせ、天然素材のカジュアル感同士とツヤあるエレガント感同士のテイストの違い【131】

アイキャッチ画像131

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

最初にお伝えしておきたいのが、当ブログ記事は最初の投稿の2020.06.22からおよそ5年後の2025.05.13にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしていることです。

ハンドメイドバッグ作りの際の表地と裏地の組み合わせ、どちらもフラットに見ることで、時々裏地の方が高級生地になることもあるほどです。

それでもこのスタイルこそがピクチャレスク流であると自信を持てるようになりました。

2025年スタイルでは特に表地には無地を裏地には柄をという、お洋服とのコーデのしやすさにも注視しています。

よって、「柄物」は無地よりも手間がかけられている生地であることが多いことから、裏地の方が表地より高級生地になることも多いのです。

このたびは、人気生地の「ファンシーツイード」を2種ご用意、バッグを作る表地と裏地を組み合わせるタイミングがちょうどありましたので、実際に裏地を組み合わせた場面を解説。

同じファンシーツイードでも折り込まれる糸の混率によって随分雰囲気が変わり、更に組み合わせる裏地のテイストも併せて区別していく例を当記事で綴りたいと思います。

そして、ピクチャレスクとしての考え方「表地と裏地は同じテイスト同士がしっくりきた」ということをお伝えできればと思います。

バッグの表地と裏地のまとまり良い組み合わせ、天然素材同士・ツヤある合繊同士がクリアな演出のような気がした

表地(チャコール):リントンツイード、混率不明、イギリス製。表地(白xマルチ):ファンシーツイード、ポリエステル/100%、ドイツ製。

左側の「リントンツイード」という生地はこのたび初めて出会った生地ですが、その風合いに非常に驚きました。

極端にガサっとした生地なのです。

一方、右側のツイードはツヤがたっぷりありみずみずしいと感じる生地なのです。

いずれも共通の「ファンシーツイード」というネーミングなのに、ここまで素材感が違うものなのです。

そうしますと、合わせていく裏地も、「ファンシーツイード」という言葉の括りにとらわれていては最も望ましい組み合わせができないと考えました。

あくまでも、実際に目で見た実直な感覚を大切にするのだと、下のように裏地を決定していきました↓。

裏地(ブルー):エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。裏地(パープル):ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。

やや奥が深い選び方をしたと思います。

それには、まず右側のパープルからの解説が分かり易いでしょう。

上述のように、ツヤある表地の白ベースは非常にエレガントです。

よって同じ程度にかなりツヤを感じるような衣装生地のパープルがしっくりきました。

カラーはパープル以外でも多数可能性があったかもしれません。

一方左のチャコールに対する裏地は。。というのが少し複雑な経緯があります。

リントン生地のチャコールはおそらくなのですが、混率不明ながらもウール混、もしくはウール100%だと予想します。

ガサッとした風合いには同じような天然素材のガサ付いた裏地が似合うと考えました。

麻/100%・毛/100%・綿/100%などが候補なのですが、ここでもう少し冷静になります。

あまりにもぴったりに素材感を合わせ過ぎて、同じようなガサッとした綿/100%を裏地として選択したとします。

そうしますと、表地がより一層カントリーっぽくなってしまい、本来の高級生地の価値と見かけがあまりにも釣り合わなくなると考えたのです。

そこで、天然素材にも馴染むようなガサッとした風合いも持ちながらツヤもある、ポリエステル素材の「エステルポプリン」がベストマッチであるというところへ行き着きました。

「エステルポプリン」の融通性:エレガントとカジュアルの橋渡しのような中間的存在であると考えます。

つまり、バランスの良く取れた素材「エステルポプリン」は「リントンツイード」の田舎っぽさを解消してくれる役割があると解いたのでした。

さらに、ブルーとピンクをバイカラーで使うことで、色の偏りを中和しました。

あとがき

結局のところ、ピクチャレスクがしたい「エレガントの表現」というメインスタンスへ近付けていると考えていただくと分かり易いと思います。

つまり、本来カジュアルなイメージがある素材でも、もともとエレガントに感じる素材でも、すべてを「エレガント」な方向へ特化したいということなのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ドーム型バッグの型紙の底ラインがカーブであるべき理由、実際の型紙でのシミュレーションがそのヒントをくれた【129】

アイキャッチ画像129

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1980年代後半から好んでいたドーム型のバッグは、ハイブランド様が最初に作られたものだったと思います。

アパレル業界の「トリクルダウン」構造により、他ブランド様にも浸透。

一世を風靡したデザインでもないことから、かえっていつの時代の流行の中でもニッチな存在として持てたのでした。

ただ、本革レザー製のハイブランドバッグは内貼りが合皮であったことがほとんどで、その後劣化し手放すことになっていったのでした。

そのなつかしさと自らの好みから、布製でこのドーム型を作ってはいけないかとトライしたのが2019年でした。

ハンドメイドバッグ道の2007からはおよそ10年後のこと。

そこで、とても不思議であり当たり前でもあった物理的事情を知ることに。。

このたびは、ドーム型バッグの底のラインに注目し、型紙でそのデザインの正解に近づくための理論をシミュレーションしていきます。

つまり、ドーム型の正しい底のラインは型紙ではどのようなラインなのかという点に迫ります。

実際は、完全解決はできませんでしたが、そのための試行錯誤は大いに意味があったことです。

決して完成品では語られることなどない製造の裏側のような部分、是非興味深くご覧いただければと思います。

まっすぐな底ラインでは出来上がりの両サイドが反ってしまうドーム型バッグ、地面に平行になるための型紙の修正

2019年に製作のドーム型バッグ:いずれも両サイドの底周辺が反ってしまいます。このラインは型紙に問題あり。
初期の型紙:ドーム型なのだからこの型紙を最初に作ってしまうと思います。ところがこの型紙は不正解。

なんとなくではなく、はっきりした理論で理解するために、型紙のみでシミュレーションをして修正してみたのでした↓。

型紙で両サイドを重ね合わせた底のとがったライン:当然出来上がりは反るに決まっているとこれで分かります。

平面(地面や机)に対しての尖り構造はぐらつき不安定であるに決まっているのです。

ただ、布製の融通さも相まって作り上げてしまえることで、長い間なかなか気付くことができなかったのでした。

型紙のとがった部分の除外作業:1枚を左右対称に折り、底の真っすぐラインから飛び出した部分を削ります。
削除後のラインのシミュレーション:作図した通りにハサミでカット。右は再び重ねて底の水平ラインを確認。

写真の映りが悪いですが、右の写真は型紙上ではまっすぐラインに重なったことが実現しています。

出来上がった修正型紙:変な形ですが、これが物理的な現実に近づいた姿。しかし2か所の尖りの解消が必要です。
修正後の型紙:2か所の尖りを更に緩やかにした再修正型紙:これで理論上は解決したはずなのですが。。
再修正後の型紙で作ったドーム型バッグ:かなり解消されましたが、反りが完全解消ではなく尖りも残りました。

ここで更に、理論上の正解が実際の正解ではないことを知りました。

完全に解決はされなかったラインの問題、残念ながら最後まで未解決のままこの製作から離脱したのでした。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.06.01からおよそ5年後の2025.05.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

最終的には完全解決が出来ず撤退したドーム型バッグ、私ではこれが限界でしたが、途中の物理的な現実と想像のみのギャップは重要なノウハウでした。

意地でも最後まで解明していく気力を持つには、もともとこのドーム型バッグを考案していなければできなかったこと。

最初に考案のハイブランド様は独自の考案という最強の基盤があったと思うのです。

ある意味、この撤退も相応しい行動であり、その後自ら考案することの本当の意味での強さと大切さを持つようになっていきました。

このたびのような完成型まで行かなかった途中段階であってもあえて記録に残しました。

「バッグの底は、出来上がり自体が必ず水平であるべき」という鉄則のようなものだけでもお伝えできたかもしれません。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

黒と茶のボーダーパッチワークバッグ3点、車のシートベルトのツヤと整然さを活かしベクトルは瀟洒な方向へ【127】

アイキャッチ画像127

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

日常的な素材のシートベルト、車通勤の方の場合、毎日触れている素材であることも。。

まさにこのシートベルトそのものを素材として、このたびバッグを3点同時製作しました。

当然ながら幅はせいぜい5cm程度、こちらをボーダー状にパッチワークに繋げてシートにするという作業が入ります。

この製作で、様々な金属パーツの材料にお世話になったり、自ら共布で作ったパーツもあり、3点それぞれの特有な「機能」が見どころとなりました。

黒1点と茶2点のシートベルトバッグ製作、イメージに浮かびやすい面積の広い生地以外の材料の可能性をお届けできればと思います。

ごついイメージのシートベルト材、並べてパッチワークボーダーバッグ3点に仕立てたその姿はどれもエレガント

表地(左が黒右が茶):シートベルト、ナイロン/100%、日本製。「トーキョービニール」様にて購入。
3点のバッグの内訳:左(上)の黒は内1点をトートバッグで製作。右(下)の茶はリュックと書類バッグ。

シートベルトにも織り方の違いがあり、表情の違いがあることを知りました。

裏地(左から①トート②リュック③書類の順):①濃ピンク:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。②オレンジ:①と同じ生地の色違い。③茶:レザーエンボス、ポリエステル/100%、日本製。
パッチワークシート作り(裁断):幅は違いますが、5cm巾の型紙を作りまして、長さ通り正確にカットします。
黒のパッチワークステッチ:通常の布よりもある意味簡単、接着芯も無し、片方の端のみを縫っていくだけ。
茶色のパッチワークステッチ:黒の方は印付けをしましたが、茶のこちらは織り線を引用し印無しでステッチ。
黒の方のパッチワークシートの完成:ツヤが集結することで非常にエレガントに。右下は裏面の姿。

こうして見てみますと、1ステッチのみでつながったベルト同士は、少し頼りないという印象を始終感じてしまいました。

マチのカット:①トートと②リュックは本体をくり抜いてマチを作るやり方なので左右をこのようにカット。

決して絡み合った織り目構造ではないことが窺え、凝縮している姿こそが強度、亀裂などが入ってしまうと脆いのではないかという奥に隠れた事情を感じることができました。

①の取っ手の縫い付け:表地と裏地の間にベルトそのままを平たいまま挟み込みします。
③の立体型ポケット(マジックテープ式):初の試みでありまして、取り外し式の「ポーチポケット」です。
「ポーチポケット」の設置:底に接触するような位置にマジックテープで設置。重くなっても底に支えられ安定。
入口の留め具のデザイン:①②③すべての入り口留め具の比較をしていただけます。
取っ手の持ちやすさのための部分折り:よく既製品で見られるスタイルです。①②③すべて共通です。
金属パーツ:③のDカンタブ(左)。②のショルダーのベルト調節機能(下)・ひも通し用片面ハトメ(右上)。

「片面ハトメ」の横の裏地のオレンジパーツは「共布ストッパー」です。

美しいフクレ織り:生地名には「フクレ」というワードは使われていませんが、この加工の仲間だと思います。

この美しい立体的なキルトのような加工は、ポケットによりハリコシを出して美しいものにしてくれました。

ということは。。ハンドメイドキルトをかけることで、よりスタイリッシュに仕上がると見込めるのです。

完成の3点(横にオープン):③のみ姿は変わりませんが残り①②は形状が変わります。
完成の3点(クローズ):「どこんじょパッチワーク」と名付け、その緻密な手間の意気込みをネーミングに表現。
①トートバッグ(黒シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦29cmx横33cmxマチ18cm。
②リュック(茶シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦34cmx横33cmxマチ18cm。
③書類バッグ(茶シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦33cmx横41cmxマチ7cm。

あとがき

さて、この3点大変美しく完成することができたように感じますが。。

実はコスパは非常に悪いものでした。

もともとここまでシートベルトをたくさん使った企画というのが、「困った状態」であったことでした。

ですから、原価云々よりもせっかくの材料を惜しみなく使うという点だけに焦点を当てた選択をしたのでした。

今後のアパレル業では、こうした原価に伴う利益の拘りを捨てることも一部必要なのかもしれません。

そうなると儲け主義だけではとても成り立たない、本当に心からここに携わりたい人だけがやがて残っていくと考えます。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

美しい和柄のバッグ4点、デザイン違いのポケットに附属品を付けない取り出しやすさと安全性のバランス【122】

アイキャッチ画像122

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作をある1括りずつで同時進行の<○○シリーズ>として企画。

このたびは、<和柄シリーズ>で豪華ラインナップの4点同時完成です。

どうぞ、華やかな美しい和柄の表面のみならず、ポケットやフリルに込めた哲学的な意味にもご注目いただければと思います。

<和柄シリーズ>美しい和柄のバッグ4点、装飾には必ず奥にある目的をもった「機能」が隠れている奥深い製作へ

表地(左から順に):①和風エンボスプリント、綿/100%、日本製、黒xピンクマルチ。②広幅コットンプリント(ブロードと予想)、綿/100%、日本製、オレンジ系マルチ。③和柄プリント(ブッチャーかクラッシュと予想)、綿/100%、日本製、茶x赤マルチ。
裏地(左から順に):②ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製、イエローゴールド。③シャンタン、ポリエステル/100%、日本製、ベージュ。①エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製、黒。
両玉縁風ポケット:桜柄の裏地のポケットに引用。入り口の比翼が上下半分ずつのダブル仕立て。
片玉縁風ポケット(ラッピング布の始末):動画内での「向こう布」という呼び名は伝わりにくく取りやめました。
片玉縁風ポケット(比翼に貼る伸び止めテープ):細い方は入り口の下側、太い二列貼りはメインの比翼部分。
片玉縁風ポケット(袋の合体):「わ」のままでは物理的に困難なので上下2パーツに分かれます。
片玉縁風ポケット(袋を枠へ縫い付け):まずは、枠の下側からスタートします。完成の裏面は右上のようにな姿。
片玉縁風ポケットの完成:内側が「中表」のまま出来上がっているので、のぞいた時には内部が表なのです。

両玉縁風の方は、さらっとお伝えしただけでしたが、ほぼ同じ考え方で、枠に当てはめる時に2つの比翼を上下均等にのぞかせる設置をするという違いのみ。

片玉縁風ポケット:後にこのポケットは永続的に引用していくデザインとなっていきました。
両玉縁風ポケット:どうしても口の開きが解消されなかったことから、その後はこのデザインの引用を取り辞め。
貼り付けポケット(カーブタイプ):フラップ・袋共に「中表」をひっくり返しでカーブラインが美しく出ます。

生地に枠を作る際にキルトの糸をカットすることにためらうようなケースには、貼り付けポケットの方が有効な場合があります。

隠すためのフリル作り:元は装飾目的ではありません。ファスナーサイドの重なりの汚さの解決方法の1つです。
ファスナーサイドのフリルの完成:何を隠しているのかということなど読み取られることはないのが残念。

どうでしょう、世のバッグのフリルがそのような目的を持つ意味で使われているのかどうか。。多くは見かけの装飾ではないでしょうか。

半月型バッグの方のショルダー:調節機能は無し、サイドに挟み込んで縫い付け固定しました。
ピンタックをしていないトートバッグ:こちらはあえてピンタックをせずに大柄の壮大さを活かします。
トートバッグ(桜柄:ピンタック無し)完成:<サイズ>縦27cmx横34/45cmxマチ15cm。
トートバッグ(菊柄:ピンタックあり)完成:<サイズ>縦27cmx横34cmxマチ15cm。
半月型ショルダーバッグ(菊柄):<サイズ>縦21cmx横23/33cmxマチ7cm。
半月型ショルダーバッグ(椿柄):<サイズ>縦21cmx横23/33cmxマチ7cm。
<和柄シリーズ>の4点:それぞれの和柄の素敵さがシンプルなデザインによって引き立ちました。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.05.10からおよそ5年後の2025.05.04にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年ではこうした柄物はどれだけ高級生地であっても「裏地」に利用するスタンスです。

この5年で、それだけユーザー様目線を考慮するようになったのです(無地の方がお洋服に断然合わせやすく出番が多い)。

柄を表に演出の2020年のスタイルは製作者の自信の無さとエゴが交じり合っていたと振り返ります。

とはいえ、実際の使い勝手として本当にファスナーやマジックテープが必要なのかという安全性とのバランスを考慮したことや、フリルを装飾ではなく「隠す」という機能がきっかけで引用したことは良き歩みでした(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

柄が生き生きと表れるシンプルリュック、製作者の凝ったデザインを示したい我欲を捨てたことが功を奏した【120】

アイキャッチ画像120

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグ製作をある1つの括りにまとめて<○○シリーズ>として続行中、このたびは、<ネイティブ柄シリーズ>です。

幾何柄調のネイティブ柄は、お洋服とのコーデの際にフローラルなどよりもむしろ解釈の幅が広く親しみやすい柄なのではないかと考えます。

一口にネイティブ柄と言っても様々、このたび3点の簡易リュックを同時完成し、それぞれのネイティブ柄の美しさをお伝えできればと思います。

そして、元の素材の生地の美しさを存分に見せるには、極めてシンプルなデザインへの落とし込みが良いのではないかということの検証も兼ねたいと思います。

<ネイティブ柄シリーズ>エコバッグの延長のようなリュックこそかえって美しいネイティブ柄生地を存分に引き立てる

表地:左から順に。ジャカード、綿/100%、日本製、紺。ネパールプリント、綿/100%、ネパール製、赤。ジャカード、綿/55%、ポリエステル/45%、日本製、紺xグリーンxオレンジマルチカラー。
裏地(上は組み合わせる表地):左から。生地名不明(おそらくバーズアイ)、ポリエステル/100%、日本製、紺。生地名不明(ニット)、ポリエステル/100%、日本製、黒。
表地の裁断:この柄は所謂ダマスク柄/小紋柄というような部類になるかと。ネイティブ柄というのは私の解釈。

この裁断の時に、ゆとりの分量があったこの生地はハギ目の柄が左右対称になるよう意識しました。

それだけ意識するだけでも出来上がりのサイド面や底面の段差が解消され、非常に美しく仕上がります。

この生地に対する評価:特に高額な生地ではなかったのですが非常に美しい優れたセンスを感じる生地。

こういった、所謂「掘り出し物」のような生地に出会うと、「高級生地」「ブランド生地」などという括りはかえって本当に優れた生地を逃すことであり、どの生地もフラットに見るべきであると思えてきます。

生地の特徴:正確な事はまだ不明ですが、この写真の上下が「耳」。しかし柄の向きはこちらが正しく、縦伸び。
生地ズーム:写真の下は確かに「耳」の始末がされているのですが、柄はこの横向きが正位置のようなのです。

草花(「唐花:からはな」という空想上の花柄らしいです)の映える天地の向きがこの向きなのです。

ということは、一般的な日本製の生地とは違う点であり、柄に合わせてあえて横向き裁断をする決断を検討する生地です。

さて、このたびお伝えしたいポイント箇所は、縫い込み式の「ショルダーのV字固定」の仕方3種の比較です。

3点共違うやり方をしましたので、比較結果が分かりやすく出ました。

ショルダーの固定方法①(正ダイヤ):ショルダーの先端をV字直角に重ね、正ダイヤ型にステッチ。
ショルダーの固定方法②(横長ボックス):横長の長方形の形で固定。この方法がかなり安定感を感じました。
ショルダーの固定方法③(縦線のみ):確かに返し縫いはしていますが、安定感は不足していると感じました。

表に響くようなステッチを見せたくない場合にこうしたひかえめなステッチを採用されてしまうことも多いかと思います。

しかし、この3種の①-③のステッチ方法の比較では、②の横長長方形ボックス型が一番しっかり固定されたと感じたのが実際のところ。

<ネイティブ柄シリーズ>のリュック3点:<サイズ>縦27cmx横22cmxマチ10cm。右のみ縦が少し短い。

生地不足により、一番右は縦がわずかに短くなりました。

リュック使用の姿:すっきりとした見た目ですが、やはり入り口の隙間は課題が残ります。

あとがき

「ネイティブ柄」とどれも呼びながら、随分柄の違った雰囲気の3点を集めた点も、当シリーズの工夫です。

同じデザインで同類の分野の柄なのに、バラエティー豊かにそれぞれが1点物になるという点は常に目指すべきところであり、個人のハンドメイド製作が量産品に最も差別化できる点だと考えます(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク