布製の柔らかさに甘えて曖昧に形作ることを決してしない、1つ1つのパーツの裏側が確かな部品になっていることの証明【294】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

美しいマルチカラーのフクレジャガード生地で製作を始めたミニボストンバッグ(リュック型)。

バッグ自体の完成は後の投稿の【296】でご覧いただけます。

このたびは、製作途中のパートにおける部品パーツの作りの裏面を特に中心にお伝えする回と致します。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.12.05からおよそ5年後の2025.10.24にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

せっかくのこの機会、5年後には同じパーツを引用しているのか、それとも。。

5年の間に起こった考え方やスタイルの変遷も同時にお伝えできればと思います。

取っ手・付け根カバー・Dカンタブ・ポケットが寄せ集まって1点のバッグになっている、完成では決して見えない裏側の構造の実態

大半が完成品の華やかさに重点を置いたショットを大切にされていることだと思います。

華々しい完成の姿は、魔法のように出来上がっていったかのようなまやかしがあります。

失敗しては改良を重ねいくうちに、2025年現在では堂々と裏面の構造を解説出来ることこそが完成の姿よりもむしろ大切であると思うようになりました。

そもそも5年で大きく変化した点は、こうした製作者自らの姿勢にあります。

では、コンパクトなボストンバッグ(リュック仕様)の製作途中の各パーツをご紹介しながら、2025年ではどう考えているのかということも一緒にお伝えしてまいります。

フラップポケット:前後両面に合計2個付くポケットの1つ。貼り付け型の袋の角が変形することが多く廃止へ。

ただ、後のポケットモデルではどうしても切り込む際のあまりのほつれのリスクや困難がある場合には、ただ貼り付けるだけのこのポケットを採用することもありまして、完全廃止でもありません。

ゆったりとした覆いのフラップはセキュリティー性もあり、可愛くて優しいライン、引き続き存続の部分です。

片玉縁風ポケット:もう1つの方。こちらが2025年ではメインで、上のフラップが更に付くハイブリッド型へ。
完成した2個のポケット:結局は、分かれていた2個のポケットは1個の混合型へその後は変化していったのです。
Dカンタブ:リュックの三角形位置に設置の大切な支えです。真ん中は「ハード薄芯」。このおかげで頑強に。

2020年当時は、5cm四方の型紙を三つ折り観音開き折りでしたが、足をもっと長くし、安定的に深く埋め込むのが2025年のスタイル。

Dカンタブは、「縫い」のパワーによるものですので、しっかり縫って設置するその舵取りは製造者本人の裁量に委ねられる点が安心。

打ち込みパーツなどの強度は「カシメ」る力に委ねられることに比較すると、「確かな手応えを伴う設置」だと言えます。

取っ手付け根カバー:変8角形を採用。等辺ではなく型紙の2.5cmの印を有効に利用し、斜めカットを入れます。

パーツ自体にも「接着芯」に加え、「ハード薄芯」を貼ることでラインを整え、本体への設置の裏面に「ハード厚芯」を当て芯します。

2025年では、このパーツは定番モデルではないのですが、「研究製作」では大いに利用しています。

取っ手がスタイリッシュに作り上げられる過程を製造者自らも楽しめます。

取っ手:共布のこのたび、別布の場合もあります。革は使用しません。

取っ手のみをバッグに途中で取り付けるということの強度の弱さは、一重仕立てのエコバッグ作りの2025年では「支柱ベルト」によって解決。

とは言え、持ち上げた時に力がかからないようなコンパクトなこうしたバッグでは取っ手のみを途中に縫い付けても全く問題がありません。

こちらも「研究製作:大きめ残布を利用」における生地が取っ手の分量しか余っていない場合などには有効です。

「支柱ベルト」は長いパーツであり生地が必要なのです。

あとがき

2020年の製作では、かなり2025年へのきっかけが固まっていたと見ています。

では、2025年はどこまでに完璧なのか。。日々学びの連続で決してゴールとは言えません。

そして、こうしたボストンバッグ型のモデルについては。。なのですが、この後に続いていきます生地違いで何度か製作する中で底の角の急カーブ過ぎる点が課題になっていきます。

さらに、その課題解決の緩やかカーブへの変更後は廃止したモデルです。

理由は、生地をぶつ切りにすることで本来の元生地の壮大な美しさが十分活きないという理由です。

2025年では、面積が最も広く経年後気持ちの変化から解体してリメイクの「仕立て直し」が可能なモデルへとシフトしていきました。

とは言えこの過程あってのその後の見直しであって、非常に後に影響する大切な時期だったと言えます(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

<硬めバッグ作り⑤最終>急カーブ縫い合わせの成功、途中でミシンを止め反対側から縫い直す2回分けの縫い方の勧め【290】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

難易度があるハードなハンドバッグの「フラップバッグ」をゆっくり研究しながら成功まで目指していくという企画<硬めバッグ作り>がこのたび最終回となりました。

前回の④では、さらっと通過してしまっていた側面パーツの縫い付け、実は本当に難しいものであったその実際のシーンに立ち戻り、このたびはポイントとしてじっくりお伝えしたいと思います。

後半は完成したバッグをご覧いただけまして、当然ながら突っ込みどころの多い未熟な場所をしっかりと把握したいと思います。

ただ、これも美しい生地のおかげ、それなりに様になったことは本当に有難かったです。

平面で立体を縫うことの解決、急カーブの側面底周辺を別の2方向から2度分けで区切って縫うと良い

側面パーツを縫い付ける直前:「外表」で組み立てるように合体して完成に向かいます。
しつけ糸(丈夫めに行う):力が加わりずれやすいので、しつけ糸らしくない頑丈さで行いました。
2度分けの外表縫い:本体と側面をくっつけるステッチ。途中半分くらいで一度区切り、半対面から縫う方法。
側面パーツの縫い付け完了:なかなかぴったりに出来ましたが100%ではないです。二度縫いをしてあります。
課題点である蓋のバランスの悪さ:蓋が覆う正面の分量は納得ですが、側面ではフルに蓋が覆っていないです。
ヒネリ錠(ツメ式)のごつさ:本来スタイリッシュでありたい部分、タブに設置ではなく本体付けが一番ですね。
フラップバッグ完成(白地ファンシーツイード):<サイズ>縦19cmx横27cmxマチ7cm。
斜めからの見た目:蓋の馴染みの悪さが際立ちます。根本的に見直す必要がある部分です。

そして、そもそも底が真っすぐラインではないことで、平面に置くことができないバッグ、「これはあり得ない」と猛省。

底面と内部:表面の白地のあっさり感に対するコントラストはこれぐらいが面白いです。

ピンク以外でも黄色、グリーン、ブルー、オレンジなど様々な可能性が見込めます。

あとがき

このたびの製作が大変拙い姿ながら、実はこのバッグはその後ご購入いただけたのでした。

受け入れていただいたたことに、心より感謝申し上げたいと思います。

おそらくこの生地のあまりの美しさが、その出来の拙さをカバーしてくれたに違いありません。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.12.01からおよそ5年後の2025.10.20に、ブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

製作技術と並行するかのように、ブログ記事の文章に関しても未熟だった過去を、全文綴り直しによって磨き上げている最中なのです。

2025年現在ではバッグ製作に対しては、もっと根本のところを見直したスタイルに行き着いています。

そもそも、このような美しい生地をこのフラップバッグにするということ自体2025年では「もったいない」「生地の良さが活きない」という見方。

もうその後は二度と出会うことがなかったこのドイツ製の@¥7,000/mという高級生地。

2025年では、生地の美しさそのものを広々と活かせる一繋ぎのバッグを優しいラインの巾着型でナップサックとして作り上げています。

もし何年か後に、このたびのようなバッグを持ちたいという気持ちが持ち主様に芽生えたとしても、広々とした縦60cmx横95cmの面積は解体による「リメイク」によって可能になります。

自由なリメイクや、そうした製品を販売する商業利用さえもOKという内容の「著作権フリー」スタイルも決めました。

最初から製造者がモデルを「これ一択」と決めてしまうのではなく、その後をユーザー様に委ねたいと思うようになったのです。

全5投稿に渡りお伝えしました<硬めバッグ作り>の記録、製造者にとっても非常に有意義でした。

未熟なのに高級生地を使ってしまったもったいなさはありましたが、もし安全に格安の生地を利用していたら、かえってここまで踏み込む製作はできなかったと思うのです。

生地との出会いも一期一会、その後この生地の類似品をネットで見かける現在。

しかし生地入手当時の2019年には登場していなかった、かなり先手のファンシーツイードでした。

このたびの製作体験からはその他、二次元のミシンの「限界」や良い意味での「諦め」も伴い新しい気持ちが生まれました。

出会った生地に感謝する気持ちを製作に落とし込みたいと思うようになったのです。

自分がバッグ生み出すすごさなど追求するものではなく、この材料なくして作ることはできなかったというお礼の気持ちです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

<硬めバッグ作り④>外表組み立て式で設置の取っ手と両側面マチ、中表は袋型の表現・外表は角型の表現という解釈【289】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

やや難易度あるハードなハンドバッグに挑戦する企画を続行中、<硬めバッグ作り>の全5投稿の4投稿目④がこのたびです。

いよいよ完成の姿が見えてきます。

何分初のヒネリ錠がタブに付いたタイプのフラップバッグ製作でありまして、失敗部分をなんとかフォローして進めていく様子がありますが、研究作品として見ていただければと思います。

前回は、三つ折りして組み立てる直前までの表地と裏地の合体パーツを完成していました。

付けたヒネリ錠の位置があまりにも下部過ぎましたが、付け直しができません。

よって、思い切って蓋部分に当たる先端を6cm程カットすることで位置調整を図るところから始まっていきます。

途中からの急な舵切り、縦6cmを削ってヒネリ錠の位置を上部へ移動たことでエレガントに寄せられた

バッグの蓋先端のカット6cm分:ものさしの当て方が悪く分かりにくくてすみません。思い切ったカット策です。

どうしてもヒネリ錠の下部の位置を上部に持っていきたいと、調整のための思い切った策です。

6cmカット後の本体パーツ全体:前回③のシミュレーションよりも縦が少し短くなります。
6cmカット後の三つ折りシミュレーション:ヒネリ錠の位置が上に移動、少しエレガントに寄る効果を得ました。
最終的な縦の長さ:17cm程になりました。元は20cmで見積もりましたがカットによる影響。右下は背面。
取っ手付けのシミュレーション:実際の取り付けシーンが写せていませんが、縫い付け後もこのイメージと同じ。
外枠の固定:まだやっていなかった外枠1周を、このタイミングでステッチで押さえました。
両側面パーツ作り:パーツはまずは「中表」でスタート、ひっくり返し表地と裏地をくっつけた1パーツに準備。

台形型は寸法が余り、調整の末結局長方形パーツのような側面になってしまいました(^_^;)。

「外表」縫い合わせ:際どいです。しつけ糸後に本縫い。底部で難関のカーブ2箇所を含み、本当に難しかった。

二次元ミシンの限界、厚みあるツイード生地はペタンコにもならないから余計難しかったのです。

あとがき

いよいよ完成の姿が見えてきました。

次回の投稿番号【290】はラストの⑤になりまして、この<硬めバッグ作り>を締めくくりたいと思います。

途中から急カーブを切るような寸法変更、なかなか劇的でしたが、カットしないまま完成していくことよりも納得しています。

元々フラップは控え目なエレガントな分量で表に見えるということをイメージしていましたし、それが希望でした。

非常に難易度もあるのですが、一応完成まで運ぶことができたのは「外表」の力です。

布製は本革レザーとは違う「縫い代隠し」をする過程を切り離すことはできません。

このたびの側面パーツの取り付け方は、縫い代を早期に解決しておいて、後は組み立てるだけというイメージで行ったやり方です。

デメリットとしては、裏地のカラーにコントラストがあると、表からはみ出し部分の裏地がラインとして映るということです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.11.30からおよそ5年後の2025.10.19にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

このたびの「外表組み立て式」は、その他同じく硬めハンドバッグの「バニティー」でも引用しています。

その後2年程はこのやり方で作っていったのですが、2025年では完全廃止。

伝統的なバッグの作りに立ち戻り、「中表」の連続で作り上げるのが布バッグなのだと解釈するようになりました。

ただ、研究期間においては、新しいデザインに一歩踏み出す点も大切にしたいもので、随分モデルの種類の幅が広がる点では、「外表」もご紹介しておきたいと思ったのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

<硬めバッグ作り③>蓋付きのハンドバッグのヒネリ錠、下部に設置はややカジュアルで上部に設置はややエレガントと紐解いた【287】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

全5回に渡りまして、ハンドバッグ作りを少しずつ進めております。

タイトルに<硬めバッグ作り>としましたのは、本革レザーで作られるようなハードなハンドバッグを目指した企画だからです。

「硬め」には、副資材の「ハード厚芯」の存在が欠かせません。

前回の②では、「ハード厚芯」を本体に貼ったところまでの進捗度。

このたびは、過程③の中間地点、いよいよバッグの完成のイメージが現れるような三つ折りフォルムが出来上がるところまでです。

三つ折りに出来上がった時にどの位置に留め具のヒネリ錠が付くのが望ましいのかをゆっくり考えていったわけですが、結果は望ましい位置にはできませんでした。

留め具の付け位置が非常に重要になる蓋付きハンドバッグでは、型紙にはっきりとした位置を記載し、その意味や理由もしっかりとと決めることが大切。

しかし、それ以前に、緩やかなカーブを入れたこのたびの型紙ラインがその後の三つ折りフォルムに制限を加えることになってしまいました。

正しいカーブの位置が十分に把握できず、イメージのみで付けた緩やかカーブ、カーブラインの場所の間違いがヒネリ錠の位置を正面の下の方にしか設置できないという条件を与えてしまったようなのです。

むしろ、カーブラインなど入れない扁平な縦長長方形の三つ折りで作るフラップバッグは難易度は下がると思います。

ただ、扁平型は【117】の投稿でパープルの鶴の和柄生地で製作済み、今回は新しい台形型への挑戦だったのでした。

三つ折りの型紙を直線ラインで作れば難易度は下がる、台形を目指しカーブを入れたヒネリ錠の位置の失敗

本体パーツの三つ折りシミュレーション:ここで問題発生。カーブ部分がうまく合わず、正しく設定できません。
融通が利かないままのヒネリ錠の設置:本当はもっと上の方に付けたかったのですが、不可能でした。
ヒネリ錠の凸パーツの設置完了:ヒネリ錠の位置に拘ると三つ折りが崩れるからと、希望に反した下の方に設置。
「中表」ひっくり返しの準備:表地と裏地を合体。待ち針をして重ね合わせた場面です。
外枠の縫い代1.5cmのミシンステッチ:返し口はトップの横線としました。
留め具のシミュレーション:あとはサイドパーツを合体するだけという段階です。
三つ折りの完成:出来上がりのイメージが現れました。留め具が下の方にしか設置できないことでカジュアルに。。

取っ手は後付けで後の投稿で付きます。

あとがき

生地の裁断に問題があったようで立ち戻れない。。進めていくしかありませんでした。

せっかくのエレガントなファンシーツイードに。。という希望とは反対にカジュアルにも解釈できる1つの例となってしまったようです。

私の意向には沿いませんでしたが、蓋が大きく覆いかぶさるこうしたモデルもあるかもしれません。

どうすれば、上の方にヒネリ錠を設置できたのかは、型紙の時点で、今一度緩やかなカーブの場所を見直すことかと。。

本当は台形を作りたかったのに、結局は隠れてしまい、長方形をそのまま三つ折りしたこととほぼ変化がないフォルムになっているのです。

このたびの製作では台形型にする解明はできなかったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

<硬めバッグ作り②>ハンドバッグの礎であるヒネリ錠、織りが複雑に絡んだツイードには、ネジ式ではなくツメ式を選択【286】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ファンシーツイード生地でフラップ式のバッグ製作に挑戦しております。

決して某ブランドのかの有名なツイードバッグに憧れたものではありません。

元々蓋式のパーティーシーンのようなエレガントバッグを好んできたそのモデル自体の長年のファンなのです。

よって、型紙も一から考案し、拙いながらもオリジナリティーあるバッグになると思います。

なかなかの難易度のバッグですので、ゆっくりと期間をとりまして、<硬めバッグ作り>と題し、全5回にわたる投稿となります。

このたびは②、ここでは蓋付きハンドバッグの要であるヒネリ錠の取り付けにポイントを置きました。

複雑な繊維が絡み合うツイード生地をくり抜いて設置するヒネリ錠、「ネジ式」ではなく「ツメ式」を選択

開閉タブ作り:ヒネリ錠がここに付くことになります。肉厚な表地のツイードが裏地と重なりはみ出しています。
ポンチでくり抜き:くり抜いた枠の縁の縫い代始末に悩みます。この時はステッチで固定しました。
ツメ式ヒネリ錠の設置:枠パーツの方をタブに設置したことになります。本体の方の凸パーツは次の【287】にて。
ツメ式ヒネリ錠の全4パーツ:4点から成り立つ1セットということになります。これがバッグ全体を支えるのです。

実は、最初はもっとスタイリッシュな「ネジ式」でやってみました。

しかし、織が絡み合うツイード生地に対しては、あまりにも曖昧な設置にしかならないネジ式はとても続行できるものではありませんでした。

とは言ってもツメ式も消去法での選択に過ぎず、ヒネリ錠自体が課題の残るパーツなのです。

また、別の「差し込み錠」も、厚地には不向き、元は本革レザー用のパーツであることを思い知らされます。

では、同時に進行した片玉縁風ポケットもざっくりご紹介します↓。

片玉縁風ポケットの製作過程(左上から右下へ):ラッピング布を表面から裏面へ返し、四角枠に袋を縫い付け。
片玉縁風ポケット完成:裏側はどうなっているのかが右下。完成ではこの角度からは写せません(貴重です)。

あとがき

このたびのヒネリ錠取り付けのタブ部分は、要の部分とも言える入り口開閉の重要な場所でした。

少しヒネリ錠が飛び出し気味なアンバランスな出来は、実は先にネジ式でやってみたそのままのサイズ感で続行したためです。

スタイリッシュでコンパクトなネジ式に対して、ツメ式はどうしても不格好、かっこよさだけで選択するとネジ式を選びたくなるものです。

それでも完成を目指すためにはツメ式を選択せざるを得ませんでした。

とりあえず完成までを見守っていただきたいのですが、こうした所々の「妥協」や「心地悪さ」を持ったままの続行が美しいお品にならない要素だとつくづく実感します。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

<硬めバッグ作り①>宝石みたいな美しいファンシーツイードは脆くほつれやすい、強固な織芯で整える早期着手の勧め【285】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、長年の夢であるレザーで作られているようなハンドバッグ作りを布で挑戦。

布製バッグの中では非常に難易度のある製作になるであろうと予想しました。

レザー級の強固さは、布製としてはハードな芯地を利用するという策があり、「ハード厚芯」という二つ折りさえも力が必要な不織布芯を利用します。

一方で、厚みがあることでミシン縫いの困難が待ち受けるという非常に険しい道を歩むような製作になるかと思います。

おそらくきちんと仕上がることは難しいと思うのですが、布製でもここまで可能なのだというポテンシャルをお伝えし、後世のバッグ製作者様への応援になればと記録に残します。

少しずつ進んでまいりますので、1投稿では終わらず長いスパン、生地タイトルの前に<硬めバッグ作り>と題し、このたびを含めた全5投稿(①-⑤)をもって完成していきたいと思います。

このたびの①では、使用生地に対して望ましい接着芯の対応の場面と、ハード厚芯を設置していく様子をお伝えします。

投稿番号では、続く②から⑤までは、【286】【287】【289】【290】と続いていきます。

まるで宝石のような美しさ、反面脆く崩れやすいファンシーツイード生地の早めの着手が大切な芯貼り場面

使用表地:表地(白地マルチ)-ファンシーツイード、ポリエステル/100%、ドイツ製。裏地(濃ピンク)-
ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。
生地のズーム:ファンシーツイードは数種類の様相の違う糸の組み合わせ。ラメ生地の裏地は非常にエレガント。
表地の粗裁ち裁断:裁断直後から早くもほつれ始める脆さを感じました。一気に接着芯を貼る段階へ進めます。
表地のファンシーツイードに使用した接着芯:ごわついたような織り目のはっきりした織芯を選択。

時に、ほつれた端っこを補填するかのような役割を接着芯に担ってもらう意味もあります。

裏地のサテン地に使用した接着芯:非常に重要なことであり、表地と同じ織芯を使わずニット芯を使います。

混率の違いによる接着芯の使い分けとなります。

弾力性のある伸び縮みの性質のナイロン/100%生地は織芯だと、アイロンの熱が入る・冷めるの両方で伸びと縮みを起こします。

そのような活動的な動きが「気泡」となって接着を妨げ、ナイロンと織芯の相性が悪いのです。

このたびの混率はナイロン40%程度ですが、同じ色違いの生地ですでにこの現象が過去に起きている事実。

織芯を使うことを厳禁と判断してのニット芯なのです。

本体以外のパーツの接着芯貼り:<硬めバッグ作り>では、細かいパーツも本体パーツと同レベルの厚みに統一。
本体パーツ:縦長を三つ折りした構造のハンドバッグです。下の白色は「ハード厚芯」ハンドバッグらしさの源。
本体以外のパーツ:サイドマチパーツ。「ハード厚芯」は無接着タイプ、ボンドで外枠を接着+アイロン熱。

このたびの進捗具合はここまでです。

脆くほつれやすい生地を一気にここまで進めて保管しておくというスタイル、まずはこのことをお伝えしました。

あとがき

生地製と本革レザー製の違いの1つとして、縫い代始末が生地製には必ず必要です。

本革製はその作業がない代わりに、革の縁のカットラインにカラーを塗布してツヤを出し馴染ませる作業があると思います。

それぞれの1段階余分な過程があるものの、縫い代始末こそが生地製の製作の難関を作ると言っても過言ではありません。

もっと広く見ますと、布製のバッグ作り全体が、「縫い代を隠す」という作業をしているのだという見方ができるのです。

途中お伝えしました、脆いファンシーツイードの縁が接着芯で固められることは、縫い代内部がバッグになって目には映らなくなっても、安定的に強靭であり続けることになるのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト

パッチワークマルチボーダー3段とニットマルチ幾何柄ボーダーの美しいコンビ、良き第一印象に巾の整いが欠かせない【284】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

布製のバッグ作りの一番最初の材料の調達である表地、生地屋様の展示で並んだ色違いのその並びの美しさに惹かれることがよくあります。

そういった多色展開の無地ライクな生地では、あえてはぎれでもないのにパッチワーク仕立てにすることがあります。

1色よりも多色によるその後のお洋服との合わせやすさの融通性や、何といっても多色の豊かさが美しさに繋がることがあるのです。

このたびは、ワッシャー加工が凹凸感を高めるカーテン地であり、美しい色違い展開をフル登場させた3色で、パッチワークボーダーリュックを製作しました。

パッチワークの幅の整えが最重要、前もって計算した幅違いの型紙でも完成した姿は絞られた上段が短く映ってしまった見込み違い

一応完成には至ったものの、このたびの製作は課題が大きく残るものでした。

この記録を、良き教訓としてパッチワーク仕立ての製作に活かしていただければとお伝えしたいと思いました。

使用生地:表地(3色)-ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。裏地(紺系)-ジャカードニット、ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。

表地の雰囲気が優しいペールカラー、オフベージュ・カラシ・ブルーという展開に対して、裏地が本当に望ましい相性で見つかりました。

手持ちのストック生地の中で見つかり、過去の投稿の【27】の四角ショルダーバッグの表地に使用した残りです。

写真の並び方がストライプ状の表地は、実際はボーダー状に配置されていきます。

使用生地のズーム:左の表地はワッシャー加工がより凹凸感を演出のカーテン地。裏地は個性的な幾何柄ニット。
裁断パーツ:細かなパーツは、入り口フラップもパッチワークボーダー、ベルト類も1本単位でマルチカラー配分。
取っ手カバータブの8角形:接着芯とハード薄芯を貼り、1cmの縫い代で折り込んで外枠ステッチをします。

本体に縫い付ける際には、予めかけたステッチの上をなぞり二重縫い、8角パーツには合計3回ステッチが乗るのです。

リュックの前後面の違い:ボーダーは同じ配置、取っ手の色とカバータブの8角パーツを反転させています。
ポケットの枠:「向こう布」と呼んでいた巾10cmの返し布は、後に「ラッピング布」という呼び名へ変更。
くり抜いたボックス枠の両サイドの三角縫い代の始末:固定ステッチを裏面でひそかにかけているのです。
ポケットの柄合わせ:先程は「片玉縁風ポケット」、こちらは「貼り付けポケット」です。横の段のみ柄合わせ。
柄合わせ後のポケットの配置:このショットは貴重、完成したリュックではこんな風に眺めることができません。
完成したリュックの内部の眺め:リュックに完成した時のポケットの存在はこのような見た目に映ります。
巾着リュック完成(3色パッチワークボーダー)。<サイズ>縦35cmx横27cmxマチ11cm。
完成したリュックの背負う面:ショルダーも左右の色が違うことでカラー配分を均等にならしました。

上のオフ生地の配分が甘かった、3色のボーダー幅が不均一となってしまった点がこのたびの大きな失敗です。

巾着で隠れるトップは多く見積もる必要があると思います。

完成の入り口フラップ:本体と歩調の合うパッチワークボーダー仕立て。隙間のセキュリティーの弱さが課題。
お洋服とのコーデ例:ボーダーフクレ加工のカットソーとライトブルーデニムの上下に優しく寄り添います。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.11.24からおよそ5年後の2025.10.14にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

入り口のフラップが小さいことによるセキュリティーの甘さは、その後取っ手の間マックスの幅へ大きく改良してみました。

しかし、完全な安心の心地を得られずこのモデルは廃版となりました。

2025年ではこうしたリュック型は、「ナップサック」として完全に口を絞るタイプにモデルチェンジ。

随分見た目が変わりました↓。

2025年のリュック型の1つのナップサック:名前は、2020年当時の「餅巾着」のまま継承。

なお、「パッチワークボーダー」の手法に関しては、2025年も多色展開が美しい生地に関しては、「パッチワークストライプ」という形で引用しています。

廃版や取りやめという決断に関しては、決して否定するような過去ではない、その先の未来に繋がる重要な岐路であったとこうして記録に残し大切にしています(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

スポーツメッシュの4色ボーダーパッチワークリュック、同じペールカラーのマルチ風景柄が内部に広がる柄同士の相性【274】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

柄on柄はファッションコーデで言われる「うるさい」という表現があり、静謐さが自他共に「落ち着き」という心地を感じる1つの受け取り方です。

ただ、極上のおしゃれ人(びと)はあえてここに挑戦されることがあります。

見事なもので、見る側には理解しがたい違和感と、「なんとなく合っている」という絶妙さは言葉の表現に対する挑戦状のようなもの。

そのような柄同士のコーデにも一定の理解を持つ私の取り入れ方は、「どうしても柄同士にならざるを得ない状況」で引用。

このたび、ニット生地の4色のボーダーパッチワークシートをリュックに仕立てました。

1色ではなくて同生地の色展開がある生地屋様のご提案そのものを有難く受け取りまして、まとめて同時使いというなかなか贅沢なケースです。

通常パッチワーク製作は「はぎれ」製作として、残布を集めて作ることが大半のこれまで。

しかし、あえて新規製作であっても色展開の素敵さをそのままをまるごと1点物に使わせていただくスタイルも素敵ではないのかと。

通常「うるささ」が出がちな柄同士、裏地にボタニカル柄を配し、カラートーンを合わせることで表地のボーダーとの違和感の無い相性を目指したのです。

ボーダー柄とボタニカル柄で組み合わせた巾着リュック、柄同士でもマッチしたのはカラートーンをペールで共通にしたことにある

使用生地:表地(4色)-スポーツメッシュ、ナイロン/94%、ポリウレタン/6%、日本製。裏地(マルチ)-ブッチャープリント、綿/100%、日本製。

私見ながら、生地は多品種小ロット展開が大半で、「一発屋」も多いと見ています。

3色以上の多色展開になっている生地は、生地屋様(「大塚屋」様)の展示では横並びで、「まとめて使いたい」と思うマルチカラーの魅力を感じるのです。

この生地はさらに多くの中から選択した4色でしたが、黒・グレーも過去のリュックでパッチワークボーダー使いで使用(投稿【60】にて)。

画像の一番左のライトな色はオフもある中、ライトグレー、そして青緑・カーキグリーン・紺と全体で青味の色を美しく作ってくれます。

明らかに、この生地は単色よりもこうしてマルチカラー使いが美しくエレガントになると思いました。

パッチワークシート:幅を変えながら、縫い代やマチで隠れる部分も見込んだつもりが甘く、ばらつきあり(^_^;)。
ボーダーパッチワークのハギ目の柄合わせとパーツごとの色の切り替え。和みある雰囲気になりました。
ニットボーダーパッチワークの巾着リュックの完成:<サイズ>縦27cmx横27cmマチ11cm。
背負う面:ショルダーも左右違うマルチカラー配分。てっぺんと底周辺パーツを濃い色でバランスをとります。
フラップポケット:片面には貼り付けポケットをフラップ付きで取り付けました。
片玉縁風ポケット:もう片方の面には、スーツのポケットみたいなこの屋根付きポケットを設置。
その他の面:左上から時計回りに、表から見た左サイド→表から見た右サイド→底面。
お洋服とのコーデ:ライトに映りましたが、シャツはボルドー。ペールカラーのリュックとトーンが同じ。

あとがき

もし、このリュックがどの色か1色だけだったら。。そう考えるとマルチカラーはお洋服とのコーデには万能です。

紺色が入っていることでデニムとも相性が良いと思いますし、だからといってカジュアルに寄らずエレガントな方向になっているのは、製作者の努力です。

どのようなカジュアル素材であってもエレガントな方向に寄せていくのがコンセプトなのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

セルヴィッチデニムの「赤耳」をフリルの先に見せる演出の意味、ジーンズでは内側の片隅に隠れていた「証」が表舞台へ【272】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ジーンズに作られるデニム、例えばあの歴史的な「リーバイス501」は13.5ozと言われています。

このたび反から使用の本格的なセルヴィッチデニムは、501に近い14oz、ジーンズに作られるものを別のアイテムでも仕立てられるロマンを感じていただければと思います。

そして、その製作の中に「なぜ」の答えを入れ込み、一見デニムには見合いそうもないフリルをなぜ付けたのかをお伝えしたいと思います。

そして、もう1点そのフリルの先にあるものとは。。これももう1つの「なぜ」の答えになります。

このたびの製作を、セルビッチデニムのインテリア雑貨への引用の可能性として是非お楽しみ下さればと思います。

「中表」のひっくり返し後の楕円のラインの難しさをフリル挟み込みで解決、更にこれまで脇役だった赤耳を表へ出したデニムマット

使用生地(濃紺):セルヴィッチデニム14oz、綿/100%、日本製。岡山県産で良いかと思います。
大きなカーブの型紙の作り方:即席コンパスを作ります。目打ちで円の半径分の距離をとった2つの穴を開けます。

そのまま目打ちで押さえながら、先端に開けた方の穴にもシャープペンを指して大きく動かした円の一部を利用したカーブです。

使用したのは型紙用紙5cm幅、観音開き折りで細く使い、長さが確認しやすいからこその型紙用紙の利用なのでした。

共布フリルの製作:ハギ目2箇所の総長3mの長い縦向き裁断の幅7.5cm。フリルの先端は赤耳です。

まずは、フリル単独でタックを配分良く寄せながら楕円の周囲に寸法を調整しました。

フリルの「中表」の設置:完成したフリルを縫い代1cmで1周楕円面ぴったりに重ね縫いしました。

次の作業の縫い代が1.5cmであることで、その内部に隠れるために控えた1cmということになります。

2枚の楕円パーツを「中表」縫い:もう片方のフリル無しの面を上のフリル付きと合体、こちらは縫い代1.5cm。

右下のおよそ15cm程の縫い残しは返し口用、楕円の中でも出来る限りストレートに近い部分を選択すると良いです。

ひっくり返し後のステッチ:返し口を含む楕円面の縁3mm程度を固定ステッチ。
デニムマットの完成:<サイズ>(フリル含まず)縦41cmx横56cm、(フリル含んで)縦54cmx横68cm。
フリル裏:ハギ目が3箇所。もっとここを始末するべきだったと反省。縫い代そのままなのでした(^_^;)。
フリルの先に位置した赤耳(セルヴィッチ):別の生地ならここを三つ折りするところですが耳なのでそのまま。

本来デニムには見合いそうもないフリルの設置、いくつかの意味がありました↓。

そもそも、メイン製作の残布が赤耳含む縦長の分量で余っていたことの使い道として考案していました。

そしてこんな理由も。。どうしてもうまく出ない「中表」ひっくり返し後の楕円のラインのフォローにフリルが一役買っているのでした。

ただのフリルではないのだという最後の意味。。フリル先に赤耳-通称セルヴィッチを持ってきたこと。

どうでしょう、ジーンズにおいては、内股内部に隠れ表舞台に立つことが無かった「セルヴィッチ殿」を堂々と表に披露するというこの姿。

「本当は脇役などいないのだ、すべての登場人物が平等に大切な役割を担っているのだ」というメッセージなのです。

あとがき

人間が作るからこそ、物言わぬ物品にメッセージが込められる。。非常に素敵な事ではないかと考えます。

ハンドメイド製作が、その時代ごとの流行をクールに取り入れたアパレルチックな短期的な目線ではなく、いつか理解されることを願いながら伝達する手段のようなものになった方が素晴らしいと思うのです。

そんな時に、少しばかりファッションが芸術的に寄ることができるのかもしれません(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

トートバッグと同じ作りでサイズ感だけ変えて作ったセルヴィッチデニム製の蓋付きA4ボックス、所詮布製である課題【271】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、14ozのセルヴィッチデニム生地の1反のストックから、コントラストが素敵な裏地チェックも配しながら蓋付きのボックスを製作してみました。

あくまで研究製作であり、十分に完成されたものではありません。

この中で課題を見出し、その後の製作への良きステップとして繋げたい、完成したものの不十分な点を掘り起こしてみる回です。

その後の製作というのは、基本バッグですので、インテリア色のある雑貨品としてのこのたびの蓋付きボックスも、バッグの時の作りを引用して作りました。

木箱をベースとして、布をカットしてボンドで貼り付ける「カルトナージュ」とは違う構造です。

14ozデニムで立派な箱を作り上げたい、裏地はキルト仕立てにするべき・表地に強固なハード芯を貼るべきなどのタラレバ作品

使用生地:表地(左)-セルヴィッチデニム14oz、綿/100%、日本製。裏地(右)-先染コットン、綿/100%、日本製。

セルヴィッチデニムは一般的な濃紺、チェックはネイビーxイエロミックスのコントラスト効果がすっきりと出る相性の良い組み合わせです。

反からの裁断:セルヴィッチデニムの原反の幅は70-80cm程度と狭いのが「セルヴィッチ機」という織機の特徴。

細長く使うためには一繋ぎで縦裁断なのか横向き裁断してハギ目付きで繋げるのかをジャッジすることが多いです。

このたびは、ボックス枠のマチの部分の1周を横幅いっぱいに近い長さで2枚分を1か所繋げました。

横向き裁断の方が地の目が縦に美しく流れることと、生地を有効に使えることが多いです。

面とマチの合体:トートバッグでも底が別になった楕円底バッグなどと作り方が同じ。角はカーブを付けました。
表地と裏地の縫い合わせ:バッグと同じように裏地を表地に沿わせます。バッグの入り口を1周縫うことに同じ。

深さが無いだけでバッグと同じ作り方でイメージが湧きやすかったです。

裏地付きの蓋と底の完成:いったん完成しましたが四隅をもっと鋭利にしたいと、ピンタックを入れていきます↓。
四隅のピンタック:蓋も底も同様に。少しフォルムがはっきりしましたし、チェック柄に相性良し。
セルヴィッチデニム製の蓋付きA4ボックス完成:<サイズ>縦35cmx横30cmxマチ5cmくらい。
蓋を開けた時の様子:随分裏地が浮いているのが分かりますが、これが課題の1つです。
もう1つの課題:何といってもデニムとは言えカチコチではないので蓋が閉めにくいということです。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.11.12からおよそ5年後の2025.10.01にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

その後、ハンドメイドバッグにおいても裏地には必ずキルトをかけるようになった2025年。

この時のあまりにも際立った裏地の「浮き」は実はバッグでも起きていることなのだと分かり易く教えてくれた姿でした。

キルトをかけて重みを付けると落ち着きと重厚感でこの「浮き」は解消されると顧みました。

あとは、ボックスらしい硬さなのですが、やはり「ハード芯」が必要だと実感。

不織布芯よりも帽子の「鍔:つば」に使われるような超ハードな硬さの特別な芯地だともっとしっかりとしたかもしれません。

最後に1つ素敵な♪アイデアを。。プレゼントをこうしたボックスの中に入れて、梱包材みたいに活用することです。

それはまるで、いにしえの人々が考えたあのソフトクリームの台の役割のコーンさえも美味しくいただけるという「価値」のようなものです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク