バニティバッグのスクエアネックパーツ、ゆがみのない縫い付け方ができるためにはどうすればよいのか【412】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バニティバッグの首みたいな背の部分、あのパーツの名前を「ネック」と呼んでいます。

このネックパーツについて、現在の作り方の中では、難所と呼ばれる部分があります。

そもそも難所となるような作りにするからであって、難所を作らないようにする周りの環境も大切。

ただ、バッグのサイズが決まっている以上はどうしても狭い部分ができてしまうのです。

このたびは、型にとらわれない考え方で、「そもそもそのサイズなのか」までもの見直しと共に、ネックパーツがまっすぐに縫い付けることができる工夫を2つ考えました。

ご紹介したいと思います。

ネックパーツの表地と裏地のサイズの違いの意味を考えたこれまでの縫い付け方

なぜ難所となるかの理由には、根本的に、裏地と表地が分かりにくい所で重なり合う場面だからです。

当然のことではありますが、ファスナーと口布が視界をはばむのです。

ほとんど向こう側が見えない状態での縫い付けがまず1つ難所となっている理由です。
まずは、ひとまわり狭い面積の裏地側から縫い付けています。
表側にボックス型のステッチが出ます。ここを覆い隠すように、ひと回り大きな表地ネックパーツを縫い付け。
目標は真ん中にボックスステッチが裏側に綺麗に出ること。
ここまで覆いかぶさると綺麗には縫えません。上の厚い所と被ってしまい、ある程度の限界サイズがあります。

ということで、型紙変更です。縦の長さを1.5cmカットしました。

向きを横向きにしてしまっていますが、実際、縦は左右の方向になります。上部を1.5cmカットの様子です。
そして、折ったり、測ったりで中心を把握しながら待ち針して縫い付けました。肝心の内側の様子は↓。
前よりましですが、ずれてました。これだけ注意して行ってもずれてしまうほど難しいのです。

①内側のみ手まつりをする方法

現在は、内側から先に縫い付けて外側を後にしていますが、順序を変えていきます。

外側パーツを小さい方のサイズにして先に縫い付けます。

内側に縫い線を出し、その後その線を隠すように一回り大きな裏地パーツを手まつりで縫い付けるという方法。

おそらく成功するのではないかと予想しています。

次回の「卵焼き」製作の時に、この方法を試してみたいと思います。

手まつりは弱々しいイメージがありますが、最低限の箇所のみということでここだけ取り入れるのは仕方がないのかもしれません。

②そもそもゆったりとしたスペースのサイズ感だけでバニティバッグを製作する

次の案は、根底からサイズを見直した案です。

思い切って大きなサイズのバニティバッグを作るということです。

面積が広がることに対するネックパーツのサイズをそれほど小さいサイズの時と変化がないバランスに決めること。

そうしますと、縫い付け面の周りのスペースが広がり、上述で妥協したようなネックパーツの限界も解消されると見ています。

ただ、このたびの目的「卵焼き」はランチボックスのようなコンパクト寄りなサイズです。

①の方法を先に取り入れ、②は今後の製作に発展型のモデルとして活かしたいと思います。

あとがき

ネックの箇所はなかなかの難関です。

ただ、このパーツはバニティ特有のパーツでして、そもそも必要なのです。

2つの役割があり、1つは蓋の蝶つがいのような機能。

もう1つは、下の見えたくない部分の重なりを「覆い隠す」というカバーのような役割です。

当然綺麗に仕上げるべき箇所となるのです。

二次元のミシンでの限界にも迫った箇所なのですが、不可能ではないということであれば、精いっぱいのことをしていこうと思っております。

楕円カーブのひっくり返し口がとがってしまう、自然な曲線続きで不自然さを解消する対策【410】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「creema」様で完成したハンドメイドバッグをご購入いただけます。

1つ1つの課題を地道に解決していき、商品のレベルをアップしていきたいと思って日々気になった点を研究しています。

このたびもその研究の1つとなります。

現在製作中の「卵焼き:バニティバッグ」の製作の途中にある場面、中表にした楕円面のひっくり返しでプレート状のパーツを作る場面です。

楕円の返し口には、出来るだけ負担のないような直線部分の範囲を選んでいるつもりです。

しかしながら、それでもその返し口の姿が分かってしまうような出来になってしまうのが現在です。

これをいかに自然な元のラインに忠実な形でで仕上がるかというところをが追求していく点になります。

ひっくり返し後の返し口の両サイドの「とがり」ができる理由は「引っ張りの圧力」だと見た上での内側から引っ張り直す対策

とりあえず、今回は、なぜそういうことが起こるのかということを考えて、解決策を案として考えてみるところまでです。

ひっくり返した後のとがり:仕付け糸が終わった周辺がとがっています。左右ともこのようにとがります。

このとがりは、ひっくり返した時にぎゅっと引っ張られて、ただでさえ、縫ってある部分と縫っていない部分の境目で不自然になりがちな箇所である所へ、強調するかのようにひっくり返しの引っ張りの圧力で尖ると見ています。

このとがりを自然に緩やかなカーブにするには。。

裏地の部分が表地より飛び出すことが多く、裏地を何らかの方法でひっこめるということが浮かんでいます。

ただ、アイロンで控えただけではどうも一時的なもののようで、あまり効果はないようです。

縫い糸が少し見えていますね。ひっくり返しの圧力がいかに強いものであるかということです。

あの縫い目が中に隠れるように戻してあげればよいのか。そのためには何をすればよいのか。

このような辺りがヒントのような気がします。

次回実験をしてみたいのは、仕付け糸の時にとがり部分からあえてスタート。

そして、玉止めをあえて作ります。

それを内側に隠してきゅきゅっと玉止めの力で、現在飛び出しているとがりを内側にひっこめるという案です。

あとがき

また、実験した結果を記事にてご報告したいと思います。

このとがりは意外と目立つものですので、上手くいくと効果がよく出ると期待しています。

楕円カーブは円の一部を利用していまして、美しいラインが売りなのです。

変な尖りは解消できることが最も望ましいことになります。

細かい箇所ですが、ぱっと見に非常に影響するような場所ではないかと思うのです。

「ハワイアン柄」コレクター様以外でもうっとりと惹き付けられる美しきトロピカル柄のマルチカラー生地に対する裏地選び【401】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近、「卵焼き」というネーミングの「バニティバッグ」を連続製作しております。

このたび新しい生地での製作に入りましたので、表地と裏地の組み合わせの場面をご紹介したいと思います。

非常に美しいマルチカラーの生地に出会います。

世界観が感じられ、その柄の場面に立たされたような心地になるほどのうっとりする柄です。

マルチカラーの中から濃ピンクを抽出した裏地に決めた理由は、全体にグリーンに寄っているところの調整にある

表地は、以前に2度製作したことがある「ガーゼプリント」という名の生地です。

トロピカルなハワイアン風なマルチカラーの柄が非常に美しいものです。

ガサッととしているのでこれがかえって作りやすく、良い形に仕上がるということを2度の製作で感じてきています。

表地:ガーゼプリント、ポリエステル/100%、日本製。/裏地:カラーブロード、綿/100%、日本製。

↑こちらがこのたびの組み合わせ。

マルチカラーの表地の中から濃ピンクの部分をピックアップした裏地です。

ところで、過去のバッグではどのような裏地に決めたのかを振り返ります↓。

過去の製作品①:「巾着ショルダーバッグ」を製作しました。裏地には赤紫色を採用。

ベリー色のジャガード柄のデザインは、表地の葉っぱの筋にリンク。

過去の製作②:「クラッチバッグ」を製作しました。裏地はビビッドなグリーンをチョイス。

この時は、裏地に更にダイヤキルトをかけています。

マルチカラーはリンクするカラーの可能性が多数あり、複数製作の場合でも違った変化が付けられることがメリットです。

表地のアップ:色使いが豊富な手の込んだプリント柄。全体ではややグリーン系になっていることに気づきます。

もうすでに表地に十分登場しているグリーンや青味カラーを裏地には選ばず、少ない占有率のピンク系をチョイスするに至ったのです。

表地の中では比較的占める割合が少ないカラーは、かえって良き「差し色」になるのです。

このブロードのピンクはとてもかわいい色です。

ピンクの中でも特徴のあるはっきりした明るい色です。

表地に足りない赤味の色を増やしていったということになります。

あとがき

ハワイアン柄好みの方はこの生地をどう思われたかなと。。

素材がガーゼというところも通常のハワイアン柄の生地では滅多に拝見しませんのでこの度の生地は特徴があります。

実は、購入時に1.4m程いただきましたが、その1反の一番最後の部分だったのでした。

誰もがこの魅力に引き込まれあっという間に在庫がなくなった生地だったようです。

素敵な生地に出会った時はとりあえず保管しておくと良いこともあります。

書き手:ピクチャレスク

バニティバッグの完成でここをチェック、「わ」の重なり部分の厚みの解消の効果【399】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少し前の【395】の記事では、バニティバッグの「わ」の重なり部分にハード薄芯を入れないゾーンを作り、重なり部分をすっきり仕上げ、ミシンの針がしっかりと通るようにある程度の厚みの生地にも対応できる対策をしました。

このたびは、その効果の検証をポイントに、「卵焼き:バニティ」の完成を見ます。

バニティバッグの背の部分の美しさが感じられるものになったのかのチェック

完成に至るまでの間の製作途中においては、とても効果を感じておりました。

ハード薄芯が端っこまでフルに入っている過去とは大きく違い、製作中の縫いやすさと「わ」が繋がれた時のすっきり感が生まれていました。

では、出来上りを見てみます。

重なり部分を全体的に見渡せる「ネックパーツ」縫い付け前です。重なり部分がぴったりとなじんでいます。

ちなみに、以前の失敗作はこちらです↓。

以前製作のぐちゃっとなった重なりの状態:縁までフルにハード薄芯を入れて作ったものです。でこぼこです。

雲泥の差というほどの効果です。

では、内側を見ます↓。

裏地側から見た重なりの部分の様子:すっきりしています。縦の縫い線が問題なくまっすぐに縫えています。
その後ネックパーツの取り付けも綺麗に。本体が綺麗に重なるとネックパーツも縫い付けやすくなります。
一番肝心な視線の行く箇所(上の方):幾重にか重なってはいますが、ペタンと収まっているのが分かります。
下の重なり部分:下も同じようにすっきりとなって収まることができました。
ちなみに以前のハード薄芯フル貼りとの比較:厚みが増し不格好な重なり部分です。生地が膨らんでいます。
横から見た厚みの解消の様子:少しもやぼったく膨らんだ感じがありません。効果が非常に出ています。
「卵焼き」(バニティバッグ):<サイズ>縦15cmx横22cmxマチ13cm。

合格です、綺麗にできました。

後ろ姿も安定感あるものになりました。

1か所工夫をしたことが、全体の出来栄えへの影響をもたらします。

ここで初めて、薔薇の柄の美しさにうっとりとなるのです。

きちんと整った美しい形を作ることで生地本来の美しさも底上げということです。

今後の課題、「ネックパーツ」の2つの大小の重なりの位置の把握

このたびの効果により、今後はこうした「わ」が重なるタイプの作りのバニティ型やボストン型にこの「ハード薄芯の両端の省略」手法を取り入れていくことにしました。

このメソッドは、「定番」となっていくと思います。

とても重要な発見ですごく喜んでおります。

今後広くこのことをお伝えしてまいりたいと思います。

ただ、良いことばかりではないのです、最後に1つ課題がありました。

それは、ネックパーツの枠が裏地側に良い位置でステッチが出ていないこと。

ひと回り大きく作っている表地パーツを縫い付けるボックスステッチが裏から見るとずれています。

これが今後の課題で、綺麗に配分よくステッチが出るように改良を目指します。

真ん中にそもそも縫い付けることができていないということです。

一応真ん中で折って位置は把握してやっているつもりですが、結果はずれているのです。

この写真では7mmのずれが起きていることが分かっています。

あとがき

1つ解決するとまた更なる課題が生まれる。。

「製作」というものは「終わりなき旅」なのかもしれません。

とはいえ、大きく見ると一定の基本的な基準のクリアがされれば販売し始める第一歩を早めに踏み出すことも大切です。

いち早くフィードバックが得られれば改善も早く、すべてが前倒しになるからです。

これは、ハンドメイドの製作にとどまることではありません。

この凄まじきスピードで時が経過していく現在では、「早めの対策」ということは1つのキーワードなのかもしれません。

早く気づけたことがあれば感謝も忘れないことです(^-^)。

バニティバッグの「わ」の重なりを出来るだけ薄くスタイリッシュに仕上げたい、ハード薄芯を部分的に貼った成果【395】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ボストンバッグやバニティバッグでよく出てくる仕様が「生地同士の重なり」です。

これは致し方がないことであり必要な仕様です。

とはいえ、厚みがあり過ぎるとむやみに凹凸感が出てしまい不格好。

スタイリッシュに仕上げるためにこのたび、バニティバッグの「わ」の重なり部分からハード薄芯を省略するという方法を試みました。

貼らないから弱くなったということでは意味がありませんので、強度もキープしつつ余分な厚みを失くすという調整が目的です。

この厚みと強度のバランスをクリアできれば、やや厚みがある生地でも製作できる可能性が見込め、材料選択の幅が広がるのです。

そういったポテンシャルを秘めたとても重要な試みだと思っております。

中肉程度の毛羽立った生地を使用してハード薄芯を部分的に貼り、スタイリッシュにすっきりと重なり部分を仕上げる

このたび表地に使用の生地は、とてもエキゾチックな色の薔薇柄です。

表地-スエードプリント、ポリエステル/100%、日本製/裏地-エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。

ちなみに以前製作したリュックがあります↓。

この生地を使った2019年製のリュック:書類程度のマチの無いA4縦サイズです。

ところで、この薔薇柄の生地、「スエード」と名前には入っていますが、あくまで呼び名としてのもので、実際は「スエード風」ということになります。

近くに寄るととても高級感があるのが分かります。

織り方の中では、「ピーチ」というものに似ていると思いました。

桃の皮のようなその様相からの名前です。

アップの写真をどうぞご覧になってください↓。

非常に目の詰まった生地で高級感があります。縫う時にトントンというような特有の音がします。

これまでは、全面的にハード薄芯を貼っていました。

そのまま作った結果、最後の本体の「わ」の重なり部分が極厚になって縫えないという事態になることが多々ありました。

今回は、最初からそれを想定して、その縫えない部分を薄く縫いやすく針が通るようにする仕様を「定番手法」として考案してまいります。

あくまでも丈夫な状態をキープできる範囲内で、ということは忘れないようにします。

側面パーツ:接着芯は全面に貼ったうえで、端から4cm分にハード薄芯を貼らないゾーンを作ります。

この4cmの意味は、2.5cm分が重なる部分、そして、縫い代の1.5cmを足したものです(2.5+1.5=4)。

蓋のマチパーツ(下):ハード薄芯を貼らないゾーンを上の側面パーツと同じ分量もうけました。

効果が出た出来上がりのスタイリッシュさ

では、表地と裏地を1枚のプレートにした状態にファスナーも縫い付けたところでその効果を見てみます。

本体の「わ」の重なりの効果:端ゾーンが全体的に平たい状態にキープできています。
蓋のマチパーツの「わ」の重なりの効果:とてもスリムになったと感じました。

完成時に再び遠目でも眺めながらチェックをしますが、効果が出ていると率直に感じています。

あとがき

このたびの重なり部分の厚みを解消する対策は、本革レザーの1枚革で行われる、「縁の方の革を漉く(すく)」ということからのヒントをいただきました。

布は漉くということはなくても、「厚みを失くす」という目的が本革レザーと同じだったのです(^-^)。

生地のストックそのままではなく一歩踏み出した計画を立てる、製作の門をくぐることで得られる仕掛品としての生地への理解【391】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少し前の【388】のブログ記事で綴らせていただきましたが、2020年度というくくりで、2021年3月末までで、これまで製作してきたハンドメイドバッグに使う生地のテイストの「マルチカラー」をいったん終えます。

4月からは、新しいテイスト「ブラック」で製作をしていこうと計画をし、新しい生地が集まっています。

現在の生地のストックには、2020年よりももっと前の2019年などのものも含まれます。

このたび行ったのは、今までの生地在庫に計画を立て、わずかな一歩を踏み出しておくということを致しました。

どうぞ、長い間眠ってしまって結局使わない生地などのもったいないケースの防止としてもこんな進め方をご覧くださいませ。

製作するデザインを決めて粗裁ちをしながら生地の消費を確認する作業

今までもそうなのですが、生地まるごとおおまかにこのデザインを作ると決めるだけではその後の心理的な変化などによって振出しに戻ることがよくありました。

そうして、なかなか出番のなかった生地が残っていたことも。。

主に明るかったり、淡いカラーが多いですが、ダークな色で面積が狭いタイプもわずかに含んでします。

一番多く残っていたカーテン地。一度エコバッグの「切餅:きりもち」に使用。

それでも、もともと2.4mあり、幅が150cmあることで面積の大きい生地でした。

ポケット付きの巾着ひものリュックを作りたいと思います。ハンドバッグにも持てるよう、取っ手も付けます。

ただし、一重仕立て。折りたたみをしてエコバッグ的な使い方をするリュックということですね。

結果、4点分裁断しました。

こちらは、2点分の「卵焼き:バニティ」バッグ用。この花柄は、表地として使うのは初。

この裏地には、その上にある白のカーテン地の薔薇柄を使います。

こちらは、上の裏地に使う薔薇柄の白のカーテン地を表地にも裏地にも使用した真っ白バッグを作ります。

「卵焼き」デザインです。真っ白って結構クセがあり際立ちます。それも面白いかも。

そして、更にです。次の写真にまいります↓。

このラメ生地のピンク、赤、グリーンをこの型紙でアップリケします。

このアップリケは、薔薇の花びらも、薔薇の葉っぱも兼ねたモチーフです。

そして、白いキャンバスの上に絵具で描くように薔薇のアップリケをするアイデアを盛り込みます。

こちらは渋めの色。右はリントンツィード(イギリスの老舗生地メーカー「リントン」社様)。

すでに1度製作済みの残り。

はぎれにするにはもったいないくらいなので、もう1点作りまして、裏地にフリースのグレー(左)をペアに。

これで、ブックケースの「田楽:でんがく」を作る予定を組みました。

型紙を当てて、すべての生地を粗裁ち完了です。エンジの薔薇柄の風呂敷(大判スカーフ)に包みました。
しばらくここへストック。近いうちに製作する出番待ちです。
こちらは、今回の生地の在庫を一掃してもそれでも少しだけ余った生地、本物のはぎれのストック場所です。

もうバッグは作れません。

とても小さなミニミニポーチなどを作るものとしてこちらもストックしていきます

はぎれは、ピンクのチェーン柄スカーフの風呂敷に包みます。
こうしていくつかの分野の分かれた風呂敷包みだらけになりました。

なんだ、風呂敷が結局増えただけじゃないか、と思われるかもしれません。

けれども、生地をそのままデフォルト状態でストックするのとはだいぶ違った感覚です。

今にも出番を待つような状態になりました。

あとがき

生地在庫のストックの仕方の一例として、間近に製作する準備をしておくというものでした。

この時点で製作の一歩を踏み出しているのです。

とは言え、準備し過ぎても後から気が変わることもあるかもしれませんので、生地のままいかようにもできる融通のあるまま残しておくというアイデアもあると思います。

ただ、粗裁ちしたり接着芯を貼ったりして一歩前へ進めた「仕掛品」みたいな状態は、もう一歩を踏み出していますので、その生地の製作の門をくぐった感覚がすごくあります。

言葉では言い表しにくいのですが、生地そのままを保管するよりも、生地に対して理解をし始めたという段階に少し進んだと言ったらよろしいでしょうか。。そのような感覚です(^-^)。

この「古典的な白背景に原色カラーのリボンプリント生地」が主役の表地で活きるのも、ビビッドな裏地の生地収集のパワーにある【388】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この2021年3月末くらいまでは、2020年度ととらえて、2020年度のテイストのハンドメイドバッグを作っていくということにしています。

テイストの大きなくくりとしてマルチカラーなどのカラーものの生地で製作するというものです。

今回、その3月末に向かって、生地の在庫をくまなくバッグに作っていこうとしています。

そんな中でなかなか行き場のない生地がありました。

そは、明るいカラーのグリーン地。

今回は、この生地を裏地に使った表地を探すということをしてみた結果見つかった、素敵な生地をご紹介したいと思います。

「日暮里」の「要藤商店」様からのネット販売で購入させていただきました、ありがとうございました<m(__)m>。

マルチカラーのリボン柄の生地の魅力をたっぷりと引き出すのも、組み合わせの無地カラーであることの証明

一目ぼれというものが生地にもあるものです。

普段目を留めない柄が目に飛び込んできまして、生地屋様の新着情報だったと思います。

それは、マルチカラーのリボン柄。

<表地:リボン柄>リボン柄コットン(予想:ビエラ織)、綿/100%、原産国不明。
<裏地:グリーン無地>生地名不明(予想:ジョーゼット織)、ポリエステル/71%、レーヨン/29%、日本製。

白地に原色カラーの特に凝ったわけでもないトラッドなリボン柄ですが、かえって、このトラッドさにとても惹かれました。

このたびのユニークな特徴としましては、先にグリーンの無地の生地があったこと。

その裏地に合うような表地を探したという逆の考え方でした。

そういった意味で「マルチカラー」は探しやすい分野なのでした。

リボン柄は結構人気が高いと思われます。

それほどデザインに凝ったリボン柄ではない、まるで包装紙にあるような配列の良い明るい原色がとても気に入りました。

そして、手持ちのグリーン色に見事にマッチ(と思っています)。

裏地のパーツごとに色違いにするマルチカラーのアイデア

2点目は、リボン柄を表地にこの裏地で、「おにぎり」デザインを作ります。

<裏地:5色使い>ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。口布に使用。
同じ生地のグリーン。こちらは多めに残っていましたので、バッグの本体に使用。
同じ生地の赤。残りが少なめ、一部のポケットのパーツに使います。
同じ生地のオレンジ。落ち着いた素敵なオレンジ。こちらは、上のピンクの相方のもう片方側の口布パーツに。
同じ生地の紺。高貴な感じの紺です。こちらも面積が多いので本体に使用。

この生地はとてもお気に入りで、その他、黄色と、紫色も使用してきましたが、完全消費。

そして、さらに、グレー(シルバー)と黒もありますが、こちらは、後の製作でブラック系で使用しますので、まだストックのままです。

裁断時に生地を残す時の極意、「横に長く」残す

今回、ラメツインクルサテンが少しずつ残っていたところからパーツをとれたのは、もともと生地を残す時に、「横に長く」残していたからです。

当てはまらない場合もあるかもしれませんが、大きくは、横に長く残すことで、後で使える機会が多くなると見ています。

縦に残すという考えもありますが、実際後で使う時に横幅が足りないことが多いです。

そうすると横に広がったまま残す意識は、生地の残し方の工夫の1つ。

粗裁ち場面

上が「巻き寿司」用。下が、「おにぎり」用。まだこの段階ではどちらがどちらなのか分かりにくいですね。

粗裁ちがとてもその良さを発揮するのは、生地がゆるかったり、織り目に隙間が多い時です。

生地もいろいろな生地がありますので、硬い生地の場合は、最初から型紙に当てて裁断することもあります。

反対に、薄手や綿以外のとろりとした生地などは、粗裁ちが断然向いています。

地の目をしっかり整えながら接着芯を貼り、安定した状態を型紙に当てて裁断するという手順が美しく仕上がります。

この2つのデザインを1点ずつリボン柄の生地で作っていきます。

あとがき

この裁断後、接着芯を貼って、しばらく保管します。

このたびのかリボンの生地の捉え方は比較的エレガント。

場合によっては、カジュアルにとらえることもできます。

例えば、紺色をマルチカラーのリボンの中から抽出して、薄手のデニム生地を裏地に貼るというアイデアもあります。

そうするとこの度のご紹介の裏地よりもカジュアルに感じると思います。

元ある生地に依存しない、その後は自分で組み立てていくことで有難く利用させていただいた材料で作る独自の製作物となるのです。

こうした、製造する者の「道」のようなものを今後もお伝えできればと思います。

「共有型のハンドメイドバッグ」という事業名は、「ハンドメイド文化」なるものが育つように一緒に混じりながら技術を高める活動です(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

年代物のチェストの「謎の引き出し」からの引用、バッグの底には本来取り付けるはずもないポケットの設置のアイデア【385】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

外出に持ち歩くバッグを製作する時には、必ず「セキュリティー性」を意識します。

その1つとして、ポケットが密閉したお部屋としてその役割を果たしてくれることが多いです。

ポケットは、取り出しやすい機能性ということで外側にも設置されることがあります。

内側に設置されるポケットはより大切なものを別に保管しておくことでセキュリティー性を高めます。

しかし、「スリ」などの悪い人物に遭遇する場合に、そういった人物は基本事項としてバッグの側面のポケットの位置をイメージの中に入れているのではないでしょうか。

このたびは、「こんなところにポケットがあるとは予想外」という究極な位置のアイデアが浮かび、バッグ製造をする方への共有として綴ってまいりたいと思います。

ポケットを底面に取り付けるアイデアは、年代物のチェストのミステリアスな「小さな引き出し」からの引用だった

インテリアがとても好きであり、「古い木製家具」に興味があります。

いくつか拝見していく中で、購入はしてないのですがとても素敵なチェストに遭遇したことがあります。

そのチェストはミニサイズのものだったのですが、目に映る通常の引き出しの他にもう1つ、背面から開ける「隠れた引出し」が設置されていました。

これを見た時に「あっ」と思わず感嘆!、「空巣対策のお部屋だ」と思いました。

小さなその引き出しは通帳や印鑑を入れるような狭い容量でした。

表からは到底想像することがなく、パッと見て分からなくなっていました。

それでもちゃんとした引出しになっていて、すごく「ミステリアス」であると感じたものです。

「こんなものがあったのだ」と、一般的な作りを大きくはみ出したその斬新さがとても印象に残っています。

この度のポケット設置のアイデアはこの時のチェストの作りからの引用です。

そして、バッグに引用したポケットのアイデアがこちら↓。

バッグの底のポケットの図案:泥棒対策用の木製チェストの隠れた引出しから着想。

当然、通常の側面にもポケットがあった方が、この隠れたポケットの効果があります。

あくまで、通常の作りに「+α」の機能であるところが、「ここにポケットがあるはずがない」という固定観念通りに気づかれないことが実現しやすいのです。

底面が独立したタイプのバッグに縫い付けやすいかとは思いますが、ハギになっているようなトートバッグも隠しポケットなら不可能ではないと思います。

こんな風にマチの幅が18cmほどはないと深いポケットにならないのでマチが大きいパーツという条件は比較的大きなサイズのものも入れられることになるポイントだと思います。

ポケットのタイプは、「貼り付け式」よりも、隠しポケットタイプの「内蔵式」の方が様々な底の状況に対応しやすそうです。

この効果というのは、底部分に大切な物が入っている状態に手を中に入れた時に、すぐに物が奪いにくい状況を作ります。

そして、入っている場所がバッグの持ち主が正確に把握できることもメリットで、見なくても、ピンポイントに手触りで中に大切な物が入っていることを自分で確認しやすいのです。

底面は1つしかないですからこそのピンポイント場所としてバッグの持ち主にアドバンテージがあるべきなのです。

あとがき

ポケットも多すぎるのもかえって混乱のもと。

このたびご紹介の底ポケットの案は、入り口から遠い場所でありながら、持ち主本人が把握しやすいという優れたポケットになる可能性を秘めます。

まだ、作っていませんが旅行時の不安の解消と安心感のために是非今後引用してみたいと思います。

「共有型のハンドメイドバッグ」事業は、こうしたアイデアも「著作権フリー」としてバッグを作る人との共有の活動です。

よろしければ、作ってみてください。

実際に使う場面での効果というフィードバックが得られると、このアイデアも活きていきます(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

「ブッチャー織」が相まってまるで油絵のよう、素敵なバニティーバッグにするための柄だけに頼らない良質さの追求【383】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグが1点完成に至りました、「卵焼き」というバニティ型です。

製作の裏地には、ヘリンボン柄ジャガードがストライプ状に入っています。

そのヘリンボン柄の美しさも向きをまっすぐに、ビシッと見せたいものです。

少し前の番号の【381】の記事では、蓋の取っ手の縫い付けに気を取られて、ヘリンボン柄が斜めに歪んでいたことから、地の目が曲がっていることに気づくことができました。

この柄でなければ気づくことが無かったかもしれないと思うと、本当に有難かったです。

そして、まっすぐになるようにやり直しをするところから再開し、完成に至ります。

どんな出来上りなのかをどうぞお楽しみに(^-^)。

ヘリンボンストライプ柄が歪んでいる向きを正しく修正、原因も解明

蓋のパーツのひっくり返しの過程がありました。

その時にこのように、裏地の柄のストライプが歪んでしまいました。

このように斜めに柄入ってしまった原因は、つまり中心がずれて歪んでいるということの証拠です。

取っ手がすでに取り付けられているので存在感が大きく、邪魔になって、待ち針が打ち辛かった結果引っ張りすぎたりしたからです。

ということで、このゆがみを今回直します。

縫い線をほつきました。もともとまっすぐな柄で裁断は合っています。
すでに取り付けてある取っ手をぺたんこに折りたたんでビニールひもで縛って固定します。

この結果中心同士の位置が分かりやすくなり、待ち針をする作業に取っ手が邪魔にならなくなりました。

そして無事に地縫いを再びやり直しました。
改善後のヘリンボンの柄の様子:真っすぐです。正確に楕円を縫い合わせることができた証拠です。

結局、先に取り付ける必要がどうしてもある取っ手の野暮ったさに気を取られ、ひっくり返しの待ち針の位置を間違えたということが原因でした。

楕円は気を付けねばなりません。

たとえ伸びないはすの織物においても、楕円型のパーツは横向きですので、伸び率が比較的高い横へ引っ張ると生地に融通が利いてしまい、この度のように歪んで縫い付けてしまえることがあるのです。

生地の地の目をしっかりと気にしながら、テンションが偏らないように正確な位置で表地と裏地を縫い合わせるために、「先に取り付けた取っ手を真ん中位置で固定する」という策でした。

「ブッチャー」という織り方の節の凹凸感が「油絵のような風景画」との相性を感じるバニティバッグの完成

完成したバッグ「卵焼き」:<サイズ>縦15cmx横22cmxマチ13cm。
背面の様子。ネックパーツ(スクエア)が真ん中に位置しませんでした。真ん中に付けることが今後の課題。

内側でも、ひと回り小さい裏地のネックパーツの周りに出る表からのステッチがかなりずれていました(^_^;)↓。

裏地のネックパーツの位置が大幅にずれています。表と裏が連動していることを忘れてはいけません。

ファスナーがシングル使いであったこともx。

ダブルが望ましいです。

ネックパーツのずれた位置、重なり部分の分厚い部分のでこぼこなど課題の残る出来になってしまいました。

大きな失敗を残したものではないのですが、結果はボツ品です(*_*)。

バニティデザインは実は難しいのです。

立体的だからこその難易度はありますが、目標はノウハウをお伝えできるほどの確実な作りをメソッドとして完成させることにあります。

あとがき

現在、細かい難所を突き詰めて、お品のレベルアップをしている最中です。

引き続き同じデザインで別生地で製作してまいります。

①素敵な生地をこのデザインに相応しく落とし込むこと、②生地の素敵さに平行するように追求された良質な作りであること、この2つを常に意識してまいりたいと思います(^-^)。

心躍るマルチカラーのバニティーバッグの製作の準備、ハード厚芯の程好い面積への見直し【381】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、バニティバッグ「卵焼き」デザインを新しい素材で製作スタート。

前回ゴブラン織で惜しくも厚みの部分にぶつかり、ボツになったお品から学んだ改善点が結構ありました。

前回作った時のハード厚芯のサイズは、底に入れるベルポーレンという底板と同じ面積にしていましたが、取っ手を縫い付けた箇所が端っこぎりぎりでハード厚芯の領域からはみ出してしまう懸念も出ていました。

前回のゴブラン織の生地で作った時のハード厚芯の面積:ハード厚芯の面積が不足しているのが分かります。

このたびは、このハード厚芯の面積を広げるところの改善からスタートしていきます。

バニティの蓋の部分のてっぺんが出来上がっていきます。

てっぺんに内蔵のハード厚芯の面積を広げた改善後の手ごたえは「安定と安心感」

ということで、今回は、ハード厚芯の面積を最大限に広げてみました。

この限度というのが、縫い代までは到達してはいけないということ。

もともと表地パーツより内側に控えた理由もハード厚芯を丸ごと貼ってひっくり返した時にカーブの美しいラインをそこねてしまうからでありました。

よって、縫い代をうまく避けた最大限までという広げ方です。

変更後のハード厚芯の面積:縫い代は1cmとるので、それに+α見た分の空け方です。
6角形の取っ手付け根タブを縫い付けます。面積を大きくしたハード厚芯にゆとりをもって縫い付けられました。
縫ってひっくり返して蓋部分の出来上がり。返し口は、今回仕付け糸をしてみました。

とここで、問題が。。

取っ手が付いていない方の裏地の柄に異変です(汗)。

底面:この柄の向きが本来のストライプ状に安定的に楕円の中に描かれています。
蓋面:こちらは、どうでしょう(^_^;)、ストライプが斜めになってゆがんでいます。

この原因は、取っ手が待ち針の時の邪魔になり、そもそも斜めに縫い付けてしまっているのではないだろうかと原因を分析。

縫い直しをするべく、一度ほつきました。

ということで、これをどうまっすぐに固定していくか、ということの工夫が次回のチャレンジ。

たまたまこのストライプジャガードだったからこそ分かったことです。

歪んでいることさえ気づかなかったら大変でした。

まっすぐになるように地の目をしっかり整えるというポイントです。

あとがき

なかなか蓋の裏側の構造などをご覧になる機会はないかもしれません。

本革レザーなども本革だけではなく芯地のようなものを補填してバッグを製造した様子を拝見したことがあります。

バッグを自主的に修理したりする際に見ることがあったからです。

完成品では決して見ることのないこうした内部の作りですが、実はこの見えない部分にこそ答えがあるのです。

製作途中のその時でしか見ることがない構造などを今後もお伝えし、出来上がった表から裏を予想できるきっかけになればと思います(^-^)。