デニムステッチの乱れが起きやすい原因は、そもそも生地の織り密度の頑強さにあると解釈、デニムバッグを「瀟洒:しょうしゃ」に仕上げることは可能か【437】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、セルヴィッチデニム14オンスの生地でヘルメットバッグを作り始めました。

14オンスともなるとかなりの迫力です。

綿/100%は一般的には、アイロンで折り曲げたりしやすくて、融通が利く生地ではあるのですが、この、セルヴィッチデニムに関してはずっと未解決の悩みがあります。

それは、糸にまつわること全般が上手くいかないことです。

糸調子の取り方、糸のステッチの歪みなど解決したくてもなかなかその糸口がつかめないことも多いのです。

そもそもその原因をまずは研究し、対策を考えるのはその後にしたいと思います。

確かに、デニムのステッチのゆがみこそ「味わい」であるなどという謳い文句を拝見したこともあるので、どうしても仕方がないということなのかもしれません。

ただ、自身のこの度の製作は、デニムを「瀟洒:しょうしゃ」に表現するところにもポイントを置いているのです。

まずは自身がしっかりとデニムに近づき、その性質を知るところから始めていきたいと思います。

糸目があちこちゆがむ原因は、どうやらデニムの織密度の高さにあるようだ、支柱を作る場面でステッチの歪みを確かめる

まずは、長い支柱を作ります。

とっても長い支柱。ビッグなサイズのバッグであるがゆえに1.9mという超ロング。生地の反の縦向きに裁断です。
出来はあまり良くないです。こんな風に黄色いステッチがデニム上に浮きますのでステッチ間隔の均一さは課題。
左の方の幅がやや広すぎます。難しいです(^_^;)。ところで、もう1つ気になること、ステッチの向きの歪みです。
このタブパーツも今回の製作過程で作りました。ステッチがあちこち歪んでいる様子がうかがえます。

これでもまっすぐに縫っているつもりなのです。

結果が、こういった感じでゆがんだステッチが見られてしまうのです。

この原因を改めてまとめますと、「デニムの綾織りの向きも相まった密度の高さと頑強さの総合」ではないかと予想。

結果、糸を変な方へ生地の織り目の流れに沿って誘導してしまうのではないか、とそう考えてみました。

そうすると仕方がないとも言えるのですが、何か解決方法はあるのでしょうか。

一度こういったセルヴィッチデニムを専門に縫っている方にお聞きしたいと思いました。

例えば、ミシンが「職業用」ではなく、デニム専用のもっと重くて強固なミシンだとこれが起こらないのか、それとも起こってしまうことなのかを。

支柱を片方のパーツのみ縫い付け完了で今回の作業終了に。

縫い付けに関してはOKです。

あとがき

さて、タイトルの「瀟洒:しょうしゃ」を追求することが出来るのかという点ですが、まだまだ最後まで作って見ないと分からない裏地部分が後半にあります。

裏地には花柄を使いまして中綿キルトをかけていきます。

ただ、このたび途中までの進捗度の支柱のステッチは黄色。

別のいくつかのバージョンごとにステッチの色をオレンジ系にしたり、モカ系にしたりして変化を付けていきたいと計画しています。

ただ、そもそもなのですが、デニムだからステッチを浮かせる色の黄色系にするのかというところがあります。

毎日はいて色落ちがしていきブルージーンズになっていくような使い方をするわけではないバッグでは、現在のカラーにそのまま糸の色を合わせてしまっても良いことがあります。

そうしますとかなり雰囲気は「瀟洒:しょうしゃ」になるのでは。。

ただ、デニムの象徴的な存在のような糸カラーのイメージが消えますので、迫力がなくなってしまうののではないか。。

いろいろ考えるところなのですが、やはりデニムらしい黄色系の糸カラーで良いです。

というのも、この度の黄色の糸の選択の理由が裏地に関連していることもあるからです。

裏地の小花柄には、ブルーとイエローが入っているのです。

オレンジでもモカでもなくイエローの糸をこのたびの製作に選択した理由の答えです(^-^)。

ヘルメット専用のケースのような機能のデニム製のビッグトートバッグ、裏地に選んだのはバイカーっぽくない花柄が意外【435】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびから、新しい製作に入っていきます。

デニムで作るヘルメットバッグの連続製作期間となります。

ヘルメットというのは、思ったよりうんと容積を要するものです。

頭に対して縦も横も随分と厚みのある、まるで「炊飯器」の大きめみたいなサイズ感なのです。

お店にヘルメットが並んでいるのをずっと見ていると不思議な売り場に来ているような気がしてなりませんでした。

自身もかつてはバイカー(2004年-2018年:15年間)でしたが、アメリカンタイプの街乗りバイクなのでヘルメットが小さめでした。

「ジェットヘルメット」というやつです。

今回の企画は、「フルフェイス」や、「システムヘルメット」、「オフロードヘルメット」などヘルメットの中でも特に大きなタイプの容量も確保したものになります。

以前、インスタグラムで、オフロードバイクのヘルメットの写真をアップしている方に、サイズをお聞きしたこともあります。

その節はありがとうございました<m(__)m>。

そういった大きなヘルメットをお持ちのライダー様がヘルメットをもっと大切にできるよう、可愛がれるようなふんわりとしたクッション性のある安心なヘルメットバッグを目指します。

持ち運びというのは、シーンを考えてみた際に、何も家から乗っていくわけではないことを想定。

時には、ヘルメットを持って飛行機にさえ乗ることもあるのでは。。

と、持ち運びシーンもよく考えたお品ということになります。

デニムの裏地に花柄を選んだ意外、「瀟洒:しょうしゃ」なヘルメットバッグを企画

このたびは、裁断後の生地を準備する段階で時間切れ。

表地は、セルビッチデニムの14オンス程度のもの。

ジーンズでいうと、リーバイス501のデフォルトの状態のような硬さ、厚みのものです。

裏地は、うって変わってカーテン地。

元々肉厚ながら、針が通りやすく、生地幅が広いということで、大きな面積が横に2枚並べられるという理由での採用です。

<表地>セルヴィッチデニム(14オンス程度)、綿/100%、日本製。
<裏地>2級遮光プリントカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。
セルビッチデニムのアップ:とても頑丈なのがこの織り目で分かります。縦に筋多く見られることが特徴です。
2級遮光プリントカーテン地のアップ:2級遮光というのは、1級、3級に比べて、光を通す具合が中間であること。

2流品という意味ではございませんのであしからず。

ここへ、中綿キルトをかけていき、ふんわりしたクッション性のある裏地にします。

あとがき

ヘルメットバッグは、実は2018年にも作っています。

このたびの2021年バージョンは、生地がデニムというところに特化し、裏地にキルトをかけてヘルメットをふんわり守るというところがパワーアップした製作です。

心配事は、デニム生地と裏地のキルトが上手くミシンの針が通るのかという部分です。

デニムを共通の表地として、裏地を変えた3パターンでの3点連続シリーズ製作です。

このたびの花柄のバージョン、その他のバージョンも引き続きブログ記事に綴ってまいりますので、またお立ち寄りくださいませ(^-^)。

モノトーンジャガード生地の裏面で製作した白黒反転の花柄バニティバッグがまるで新しい生地を使用したかのように新鮮だったケース【433】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

連続して「バニティバッグ:卵焼き」を製作する期間を設けました。

細かい箇所の作りの徹底とか綺麗に出来上がる方法を研究しながらレベルアップをはかる目的からです。

このたびのバニティバッグの完成でこの連続製作期間が終了しまして、しばらくこのデザインはお休みです。

これまで研究した工夫や改善の総まとめとラストで新しく試みた対策なども併せてご紹介致します。

楕円パーツをひっくり返した後の返し口のとがりの解消はできたのか

スタートのすぐ近くの2-3mmの位置にもカットをいれるというもの。このたびは成功。

ただ、このカットのおかげなのかどうかが確かではありませんので、この縫い始めと縫い終わりの箇所の細かいカットは、今後も続行して注視してまいりたいと思います。

細いパーツの待ち針の使い方

針の先端側から先に時計回りに縫っていき、Uターン後に、待ち針を抜きながら折り返しを縫っていく。
表から見ると、裏地がはみ出しがちなことも更なる今後の課題。裏地の幅を狭くするのも案の1つ。

型紙は同じで縫い代を数ミリ減らすという方法が、融通が利き間違いにくいかもしれません。

ネックパーツが歪まぬように取り付ける対策

ネックパーツの縫い始めの位置を一番平和な底ラインから縫っていって、まっすぐの基礎を早いうちに作る。
手ごたえがありました。ゆがまずに真っすぐです。今後は、底ラインからスタートしていくことを徹底します。
裏地側のネックパーツは手まつり。表地パーツより一回り1cmずつサイズが大きいのでステッチが隠れます。

取っ手の付け根タブの縫い付け位置

サイドの真ん中から4cmの位置をタブの長い辺の真ん中と合致を注視。
まっすぐ取り付けてあることは「良質の証」となります。

生地不足による本体の「わ」の重なり部分を1.5cm型紙から削った結果

今回、生地不足によりハギが左右対称にならなかったので、1.5cm削り調整することでハギ目をど真ん中にしたということを、側面パーツ、蓋のマチパーツ共にしています。

重なる部分が1.5cm短くなったことのその出来上がりを見てみます。

重なり部分が一応確保。こちらは、上側です。次底面側見てみます↓。
下側こんな感じです。削った影響が出なくて本当に良かったです(^-^)。

ただ、やむを得ず削ったことなので、本来はもっとゆったりと重なります。

思いのほか美しかった、そもそも1点だけ作る場合にも応用したい、本来の表面を使うのか裏面をあえて使うのかの選択

「卵焼き」<サイズ>縦15cmx横22cmxマチ13cm。花柄が正位置。パーツごとに柄の向きのチェックを。
生地のゴツゴツ感もありますが、ネックパーツが気持ちよく真ん中に付きました。

今回の生地は、本来の表地の裏面を使用しました、表面というのがこちら↓。

ジャガードの面白い所は、全くの反転が裏面に出るということ。表地でそのまま作ると、どこかカジュアル。
こんな感じのバッグを2019年製作していたのでした。その残り生地が今回だったのです。

テイスト的には、今回の裏面の方が「瀟洒:しょうしゃ」です。

もし1点物を重視したい場合、1つの生地で1点だけ製作するにしても、表面なのか裏面なのかをフラットな目線で見ると良いです。

また、2点製作できる場合は、もう1点を裏面使いすることに目を向けてみるとまた違った雰囲気が生まれ、2種の別生地のようなテイストに作ることができます。

自身はそれほどまでに複数同じ物を作ることにためらいがあるのです。

あとがき

ここで、バニティバッグを連続して製作する期間が終了したわけですが、たくさんの学びがありました。

もし、1つのモデルに磨きをかけ、細部を徹底改良していきたい場合、「連続製作」は大変貴重な訓練の機会になります。

次回からは、モデルがうってかわって、「ヘルメットバッグ」を「セルヴィッチデニム生地」で作っていきます。

とても硬いジーンズのような生地で作るヘルメット入れです。

かつてバイク乗りでヘルメット収納にも工夫があった自身のアイデアと、市販で売られる量産品のサイズ感の足りなさをたっぷりとした容量で実現してまいります。

お楽しみにどうぞ(^-^)。

バニティバッグの横長パーツがどうしても足りない場合の方法、ハギ目をスタイリッシュに演出する両サイドステッチの重要性を説く【424】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「卵焼き:バニティバッグ」を連続製作しています。

同じバニティデザインを連続して作っていく中で、細部の研究をして美しく作り上げるための方法が見つかったらデザインを確定していくという「良質さの磨き」を行っているつもりです。

このたびのモノトーン素材をもって、この「卵焼き」の連続製作をいったん終了します。

その後はまた違うデザインへ移りますので、再び卵焼きを作るのはまた先になります。

研究の集大成のようなラストの製作を大切に致しました。

残り布使いの時に起こりがちな「わずかな不足」の事態、ハギ目を入れてスタイリッシュにデザインのように仕立てる方法

今回使用の生地は、次に続いていく4月からの2021年用の黒生地の存在をつなぐ架け橋のような物になればと思います。

表地:シルクコットンジャカード、綿/67%、絹/33%、イタリア製。裏地:生地名不明、混率不明、日本製。

黒ベースの無彩色な柄、これは2021年度4月から目指していくテイストです。

この組み合わせで「卵焼き:バニティバッグ」連続製作のラストとなります。

実は、この度の生地は、以前に一度バニティバッグを作っています。

2019年製の表面使いの方のバニティバッグ:この時はショルダーにもしていました。

表面は「綿」のような感じに映りカジュアル寄りだったのでした。

常々、意識的に生地を残す時に「横に長く残す」ということをしてきました。

しかし、それでもこのたびは不足の事態になっていました。

イタリア製生地が高価なので元々余分には購入しないからです。

そこで、はぎをいくつかのパーツに入れていきます。

まずは、表地の蓋のマチパーツ。これが2枚に分かれています。
こうして縫い代1.5cmでステッチを入れ、アイロンで割り、両サイドに2mm程度ステッチ。
ステッチはこちらの表側からかけています。
もっと俯瞰して見てみます。こんな風に1枚のパーツに出来上がりました。

真ん中にハギが行かない場合の調整カット、重なり部分の融通の範囲内で解決し、ハギ目をど真ん中へ

こんな感じで、裏地の側面パーツが2枚でも面積の違いがあります。この場合真ん中にハギ目を作りません。
とりあえず、まずは同じように真ん中でハギを作りました。左右は対象ではない状態です。
裏地のハギの中心とフルに裁断ができている表地の中心を合わせて待ち針します。
そうすると当然長さが同じではない裏地側が少ない側が生まれます。ここで表地のはみ出し1.5cm巾分をカット。
逆サイドは反対に、裏地が余ります。青い芯地の方が裏地、黒の芯地の方が表地。裏地の1.5cm余分をカット。

真ん中のハギ目は表地と裏地で同じ位置(ど真ん中)に配置となります。

生地を削ってしまったが、型紙に逆らっても良いのか。。

これは、このパーツが大丈夫な部分だからという考え方です。

重なる部分があるので、その重なりが狭くなるのが1.5cm分。

1.5cmなら影響ないという判断からです。

ハギ目が3つできる4パーツを1パーツに長く完成する方法

さて、これが最後ですが、一番複雑!?、はぎの作業です。

4パーツ。ここで、すでに、左右が均等になるように2枚ずつ長さをそろえた4枚が、出来上がりのデザインへ。
ハギ目を作って完成の4パーツ:一番下が4枚を1枚にしたハギが3箇所のパーツ。

実際、切り落とした部分が結構あって、縁の方ははぎがサイドに近く寄っています。

「わ」の重なりの場所にこのハギ同士が近寄ってくるのです。

そして、忘れてはならないのは、側面パーツを1.5cm削ったことをこの細いパーツである蓋のマチパーツでもやらねばなりません。

そうして、すべての別パーツの横の長さを均一にそろえました。

あとがき

一繋ぎになっていることが価値だとしますと、ハギがあることはレベルが落ちることになります。

ただ、ハギ目をデザインしてある切替のトートバッグなどをご覧になったことがあるかと思いますが、あのデザインは、製造側から見るとおそらく生地のコスパが良いです。

1点物を作るにあたっては、量産品とは違う、わざわざハギを最初から作るデザインは本来の一繋ぎの価値と比較するとやはり劣るかなと。

どうしても必要な場合のみに利用するならば、このたびに複数のハギ目が出た中途半端な長さばかりをつなげた面積の広げ方であっても、手段としてはありだと。

その場合はむやみにハギを作らないつもりの結果どうしてもできてしまったという背景、そしてそのハギ目をいかに馴染むようにスタイリッシュに仕上げることをしてあるかというところが誠実な製作の姿勢だと思うのでした。

「ごめんね一繋ぎではなくて。その代わりとてもかっこよく仕上げましたよ♪」と。

これが「対等な関係」「GIVE&TAKE」の関係を作ります(^-^)。

バニティーバッグのネックパーツの裏地の取り付けに手まつりを取り入れて実現、スクエアの歪みの解消と完全に隠されたミシンステッチ【422】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

連続製作をしてまいりましたバニティバッグ。

時間をかけながらネックパーツの取り付けについて研究しましたが、このたび、ひとまず「ある方法」で決着しました。

その記録をこの記事でご紹介したいと思います。

「ある方法」というのは、裏地の方側のネックパーツを「手まつり」することです。

これで随分融通が利くようになり、製作しやすくなったのが事実。

本当に困った際にはミシンよりも丈夫ではないイメージながらも「手まつり」を取り入れることで難を乗り切るという1つの手法として引き出しができました。

ネックパーツの裏地側を手まつりで取り付ける方法、「先にミシンで一回り小さい方の表地を先に縫い付け」が鉄則

この箇所というのは立体的な部分も混じってきていますのでまっすぐ取り付けるのがただでさえ困難。

そんな厳しい環境の中、今まで表からのミシンのステッチが裏パーツの周りを均一に取り囲むようになどと難しいやり方で進めていましたが、綺麗にできませんでした。

そして、いったんフラットに考え方を切り替えます。

そして、表地のパーツを先に縫い付けるという以前とは反対の方法で最終の手段として決めたのです。

まず表地側から先に縫い付け。位置はハギ合わせのど真ん中を見ながら。

これが何度やってもど真ん中に縫い付けられず、ずれるものですが、この度のやり方は、多少ずれても上手く出来上がる手法となります。

どうしてもぴたっと行かない場合にも対処したやり方となります。

裏地は、表地よりも1cm縦横サイズを大きくした型紙。ひと回り大きいと言ったようなイメージのサイズ感。

実寸は、表地パーツが10cm四方に対して、裏地パーツは11cm四方です。

1cm違うだけでも上下、左右で2cmの差なので結構差があるのです。

先程表地側からミシンで縫い付けた線が裏地側にボックス型に出ています。裏地パーツでこれを覆い隠します。

裏地が一回り大きいサイズの効果でこのステッチが綺麗に隠れることになります。

手まつり:最初にダミーのようにミシンステッチを入れているところが下準備です。
手まつりの完成:確かに少しずれましたが、今後はここから正確さを追求すればよい。土台はできました。

まだまだ素材や柄の素敵さに頼っている製作なのではないかと今後の課題をまとめました

「卵焼き」(バニティバッグ):<サイズ>縦15cmx横22cmxマチ13cm。
今後の課題:ゆがまずにいかにまっすぐにど真ん中に縫い付けることができるかをもっと深堀りしていきます。

イタリア製の風通ジャガード美しいです。

まだまだこの生地のレベルに見合った技術が追い付いておりません。

技術レベルも向上していない時期からいち早く高級な生地を取り入れてしまったものです。

ただ、その一歩が速かったことで得るものは大きかった。。

今後は、元の素材の美しさや高級感が「MAX」に高められるような「技術」を高めることが課題です。

あとがき

確かに、少しずれても融通が利く「手まつり」を取り入れたこのたびでしたが、それでも「ずれ」は製造者自身が知っている紛れもない事実なのです。

ここは今後は、胸を張って「ぴったりです」と誇れるよう解決していきたいところです。

100%の事をしたのだという自信と誇りは元の素材の価値も最大限に高まる瞬間なのです。

生地の高級さや素敵さだけに依存する製作への自身も含めた教訓です。

バニティバッグのスクエアネックパーツ、ゆがみのない縫い付け方ができるためにはどうすればよいのか【412】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バニティバッグの首みたいな背の部分、あのパーツの名前を「ネック」と呼んでいます。

このネックパーツについて、現在の作り方の中では、難所と呼ばれる部分があります。

そもそも難所となるような作りにするからであって、難所を作らないようにする周りの環境も大切。

ただ、バッグのサイズが決まっている以上はどうしても狭い部分ができてしまうのです。

このたびは、型にとらわれない考え方で、「そもそもそのサイズなのか」までもの見直しと共に、ネックパーツがまっすぐに縫い付けることができる工夫を2つ考えました。

ご紹介したいと思います。

ネックパーツの表地と裏地のサイズの違いの意味を考えたこれまでの縫い付け方

なぜ難所となるかの理由には、根本的に、裏地と表地が分かりにくい所で重なり合う場面だからです。

当然のことではありますが、ファスナーと口布が視界をはばむのです。

ほとんど向こう側が見えない状態での縫い付けがまず1つ難所となっている理由です。
まずは、ひとまわり狭い面積の裏地側から縫い付けています。
表側にボックス型のステッチが出ます。ここを覆い隠すように、ひと回り大きな表地ネックパーツを縫い付け。
目標は真ん中にボックスステッチが裏側に綺麗に出ること。
ここまで覆いかぶさると綺麗には縫えません。上の厚い所と被ってしまい、ある程度の限界サイズがあります。

ということで、型紙変更です。縦の長さを1.5cmカットしました。

向きを横向きにしてしまっていますが、実際、縦は左右の方向になります。上部を1.5cmカットの様子です。
そして、折ったり、測ったりで中心を把握しながら待ち針して縫い付けました。肝心の内側の様子は↓。
前よりましですが、ずれてました。これだけ注意して行ってもずれてしまうほど難しいのです。

①内側のみ手まつりをする方法

現在は、内側から先に縫い付けて外側を後にしていますが、順序を変えていきます。

外側パーツを小さい方のサイズにして先に縫い付けます。

内側に縫い線を出し、その後その線を隠すように一回り大きな裏地パーツを手まつりで縫い付けるという方法。

おそらく成功するのではないかと予想しています。

次回の「卵焼き」製作の時に、この方法を試してみたいと思います。

手まつりは弱々しいイメージがありますが、最低限の箇所のみということでここだけ取り入れるのは仕方がないのかもしれません。

②そもそもゆったりとしたスペースのサイズ感だけでバニティバッグを製作する

次の案は、根底からサイズを見直した案です。

思い切って大きなサイズのバニティバッグを作るということです。

面積が広がることに対するネックパーツのサイズをそれほど小さいサイズの時と変化がないバランスに決めること。

そうしますと、縫い付け面の周りのスペースが広がり、上述で妥協したようなネックパーツの限界も解消されると見ています。

ただ、このたびの目的「卵焼き」はランチボックスのようなコンパクト寄りなサイズです。

①の方法を先に取り入れ、②は今後の製作に発展型のモデルとして活かしたいと思います。

あとがき

ネックの箇所はなかなかの難関です。

ただ、このパーツはバニティ特有のパーツでして、そもそも必要なのです。

2つの役割があり、1つは蓋の蝶つがいのような機能。

もう1つは、下の見えたくない部分の重なりを「覆い隠す」というカバーのような役割です。

当然綺麗に仕上げるべき箇所となるのです。

二次元のミシンでの限界にも迫った箇所なのですが、不可能ではないということであれば、精いっぱいのことをしていこうと思っております。

楕円カーブのひっくり返し口がとがってしまう、自然な曲線続きで不自然さを解消する対策【410】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「creema」様で完成したハンドメイドバッグをご購入いただけます。

1つ1つの課題を地道に解決していき、商品のレベルをアップしていきたいと思って日々気になった点を研究しています。

このたびもその研究の1つとなります。

現在製作中の「卵焼き:バニティバッグ」の製作の途中にある場面、中表にした楕円面のひっくり返しでプレート状のパーツを作る場面です。

楕円の返し口には、出来るだけ負担のないような直線部分の範囲を選んでいるつもりです。

しかしながら、それでもその返し口の姿が分かってしまうような出来になってしまうのが現在です。

これをいかに自然な元のラインに忠実な形でで仕上がるかというところをが追求していく点になります。

ひっくり返し後の返し口の両サイドの「とがり」ができる理由は「引っ張りの圧力」だと見た上での内側から引っ張り直す対策

とりあえず、今回は、なぜそういうことが起こるのかということを考えて、解決策を案として考えてみるところまでです。

ひっくり返した後のとがり:仕付け糸が終わった周辺がとがっています。左右ともこのようにとがります。

このとがりは、ひっくり返した時にぎゅっと引っ張られて、ただでさえ、縫ってある部分と縫っていない部分の境目で不自然になりがちな箇所である所へ、強調するかのようにひっくり返しの引っ張りの圧力で尖ると見ています。

このとがりを自然に緩やかなカーブにするには。。

裏地の部分が表地より飛び出すことが多く、裏地を何らかの方法でひっこめるということが浮かんでいます。

ただ、アイロンで控えただけではどうも一時的なもののようで、あまり効果はないようです。

縫い糸が少し見えていますね。ひっくり返しの圧力がいかに強いものであるかということです。

あの縫い目が中に隠れるように戻してあげればよいのか。そのためには何をすればよいのか。

このような辺りがヒントのような気がします。

次回実験をしてみたいのは、仕付け糸の時にとがり部分からあえてスタート。

そして、玉止めをあえて作ります。

それを内側に隠してきゅきゅっと玉止めの力で、現在飛び出しているとがりを内側にひっこめるという案です。

あとがき

また、実験した結果を記事にてご報告したいと思います。

このとがりは意外と目立つものですので、上手くいくと効果がよく出ると期待しています。

楕円カーブは円の一部を利用していまして、美しいラインが売りなのです。

変な尖りは解消できることが最も望ましいことになります。

細かい箇所ですが、ぱっと見に非常に影響するような場所ではないかと思うのです。

「ハワイアン柄」コレクター様以外でもうっとりと惹き付けられる美しきトロピカル柄のマルチカラー生地に対する裏地選び【401】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近、「卵焼き」というネーミングの「バニティバッグ」を連続製作しております。

このたび新しい生地での製作に入りましたので、表地と裏地の組み合わせの場面をご紹介したいと思います。

非常に美しいマルチカラーの生地に出会います。

世界観が感じられ、その柄の場面に自身が立たされたような心地になるほどのうっとりする柄です。

マルチカラーの中から濃ピンクを抽出した裏地に決めた理由は、全体にグリーンに寄っているところの調整にある

表地は、以前に2度製作したことがある「ガーゼプリント」という名の生地です。

トロピカルなハワイアン風なマルチカラーの柄が非常に美しいものです。

ガサッととしているのでこれがかえって作りやすく、良い形に仕上がるということを2度の製作で感じてきています。

表地:ガーゼプリント、ポリエステル/100%、日本製。/裏地:カラーブロード、綿/100%、日本製。

↑こちらがこのたびの組み合わせ。

マルチカラーの表地の中から濃ピンクの部分をピックアップした裏地です。

ところで、過去のバッグではどのような裏地に決めたのかを振り返ります↓。

過去の製作品①:「巾着ショルダーバッグ」を製作しました。裏地には赤紫色を採用。

ベリー色のジャガード柄のデザインは、表地の葉っぱの筋にリンク。

過去の製作②:「クラッチバッグ」を製作しました。裏地はビビッドなグリーンをチョイス。

この時は、裏地に更にダイヤキルトをかけています。

マルチカラーはリンクするカラーの可能性が多数あり、複数製作の場合でも違った変化が付けられることがメリットです。

表地のアップ:色使いが豊富な手の込んだプリント柄。全体ではややグリーン系になっていることに気づきます。

もうすでに表地に十分登場しているグリーンや青味カラーを裏地には選ばず、少ない占有率のピンク系をチョイスするに至ったのです。

表地の中では比較的占める割合が少ないカラーは、かえって良き「差し色」になるのです。

このブロードのピンクはとてもかわいい色です。

ピンクの中でも特徴のあるはっきりした明るい色です。

表地に足りない赤味の色を増やしていったということになります。

あとがき

ハワイアン柄好みの方はこの生地をどう思われたかなと。。

素材がガーゼというところも通常のハワイアン柄の生地では滅多に拝見しませんのでこの度の生地は特徴があります。

実は、購入時に1.4m程いただきましたが、その1反の一番最後の部分だったのでした。

誰もがこの魅力に引き込まれあっという間に在庫がなくなった生地だったようです。

素敵な生地に出会った時はとりあえず保管しておくと良いこともあります。

バニティバッグの完成でここをチェック、「わ」の重なり部分の厚みの解消の効果【399】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少し前の【395】の記事では、バニティバッグの「わ」の重なり部分にハード薄芯を入れないゾーンを作り、重なり部分をすっきり仕上げ、ミシンの針がしっかりと通るようにある程度の厚みの生地にも対応できる対策をしました。

このたびは、その効果の検証をポイントに、「卵焼き:バニティ」の完成を見ます。

バニティバッグの背の部分の美しさが感じられるものになったのかのチェック

完成に至るまでの間の製作途中においては、とても効果を感じておりました。

ハード薄芯が端っこまでフルに入っている過去とは大きく違い、製作中の縫いやすさと「わ」が繋がれた時のすっきり感が生まれていました。

では、出来上りを見てみます。

重なり部分を全体的に見渡せる「ネックパーツ」縫い付け前です。重なり部分がぴったりとなじんでいます。

ちなみに、以前の失敗作はこちらです↓。

以前製作のぐちゃっとなった重なりの状態:縁までフルにハード薄芯を入れて作ったものです。でこぼこです。

雲泥の差というほどの効果です。

では、内側を見ます↓。

裏地側から見た重なりの部分の様子:すっきりしています。縦の縫い線が問題なくまっすぐに縫えています。
その後ネックパーツの取り付けも綺麗に。本体が綺麗に重なるとネックパーツも縫い付けやすくなります。
一番肝心な視線の行く箇所(上の方):幾重にか重なってはいますが、ペタンと収まっているのが分かります。
下の重なり部分:下も同じようにすっきりとなって収まることができました。
ちなみに以前のハード薄芯フル貼りとの比較:厚みが増し不格好な重なり部分です。生地が膨らんでいます。
横から見た厚みの解消の様子:少しもやぼったく膨らんだ感じがありません。効果が非常に出ています。
「卵焼き」(バニティバッグ):<サイズ>縦15cmx横22cmxマチ13cm。

合格です、綺麗にできました。

後ろ姿も安定感あるものになりました。

1か所工夫をしたことが、全体の出来栄えへの影響をもたらします。

ここで初めて、薔薇の柄の美しさにうっとりとなるのです。

きちんと整った美しい形を作ることで生地本来の美しさも底上げということです。

今後の課題、「ネックパーツ」の2つの大小の重なりの位置の把握

このたびの効果により、今後はこうした「わ」が重なるタイプの作りのバニティ型やボストン型にこの「ハード薄芯の両端の省略」手法を取り入れていくことにしました。

このメソッドは、「定番」となっていくと思います。

とても重要な発見ですごく喜んでおります。

今後広くこのことをお伝えしてまいりたいと思います。

ただ、良いことばかりではないのです、最後に1つ課題がありました。

それは、ネックパーツの枠が裏地側に良い位置でステッチが出ていないこと。

ひと回り大きく作っている表地パーツを縫い付けるボックスステッチが裏から見るとずれています。

これが今後の課題で、綺麗に配分よくステッチが出るように改良を目指します。

真ん中にそもそも縫い付けることができていないということです。

一応真ん中で折って位置は把握してやっているつもりですが、結果はずれているのです。

この写真では7mmのずれが起きていることが分かっています。

あとがき

1つ解決するとまた更なる課題が生まれる。。

「製作」というものは「終わりなき旅」なのかもしれません。

とはいえ、大きく見ると一定の基本的な基準のクリアがされれば販売し始める第一歩を早めに踏み出すことも大切です。

いち早くフィードバックが得られれば改善も早く、すべてが前倒しになるからです。

これは、ハンドメイドの製作にとどまることではありません。

この凄まじきスピードで時が経過していく現在では、「早めの対策」ということは1つのキーワードなのかもしれません。

早く気づけたことがあれば感謝も忘れないことです(^-^)。

バニティバッグの「わ」の重なりを出来るだけ薄くスタイリッシュに仕上げたい、ハード薄芯を部分的に貼った成果【395】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ボストンバッグやバニティバッグでよく出てくる仕様が「生地同士の重なり」です。

これは致し方がないことであり必要な仕様です。

とはいえ、厚みがあり過ぎるとむやみに凹凸感が出てしまい不格好。

スタイリッシュに仕上げるためにこのたび、バニティバッグの「わ」の重なり部分からハード薄芯を省略するという方法を試みました。

貼らないから弱くなったということでは意味がありませんので、強度もキープしつつ余分な厚みを失くすという調整が目的です。

この厚みと強度のバランスをクリアできれば、やや厚みがある生地でも製作できる可能性が見込め、材料選択の幅が広がるのです。

そういったポテンシャルを秘めたとても重要な試みだと思っております。

中肉程度の毛羽立った生地を使用してハード薄芯を部分的に貼り、スタイリッシュにすっきりと重なり部分を仕上げる

このたび表地に使用の生地は、とてもエキゾチックな色の薔薇柄です。

表地-スエードプリント、ポリエステル/100%、日本製/裏地-エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。

ちなみに以前製作したリュックがあります↓。

この生地を使った2019年製のリュック:書類程度のマチの無いA4縦サイズです。

ところで、この薔薇柄の生地、「スエード」と名前には入っていますが、あくまで呼び名としてのもので、実際は「スエード風」ということになります。

近くに寄るととても高級感があるのが分かります。

織り方の中では、「ピーチ」というものに似ていると思いました。

桃の皮のようなその様相からの名前です。

アップの写真をどうぞご覧になってください↓。

非常に目の詰まった生地で高級感があります。縫う時にトントンというような特有の音がします。

これまでは、全面的にハード薄芯を貼っていました。

そのまま作った結果、最後の本体の「わ」の重なり部分が極厚になって縫えないという事態になることが多々ありました。

今回は、最初からそれを想定して、その縫えない部分を薄く縫いやすく針が通るようにする仕様を「定番手法」として考案してまいります。

あくまでも丈夫な状態をキープできる範囲内で、ということは忘れないようにします。

側面パーツ:接着芯は全面に貼ったうえで、端から4cm分にハード薄芯を貼らないゾーンを作ります。

この4cmの意味は、2.5cm分が重なる部分、そして、縫い代の1.5cmを足したものです(2.5+1.5=4)。

蓋のマチパーツ(下):ハード薄芯を貼らないゾーンを上の側面パーツと同じ分量もうけました。

効果が出た出来上がりのスタイリッシュさ

では、表地と裏地を1枚のプレートにした状態にファスナーも縫い付けたところでその効果を見てみます。

本体の「わ」の重なりの効果:端ゾーンが全体的に平たい状態にキープできています。
蓋のマチパーツの「わ」の重なりの効果:とてもスリムになったと感じました。

完成時に再び遠目でも眺めながらチェックをしますが、効果が出ていると率直に感じています。

あとがき

このたびの重なり部分の厚みを解消する対策は、本革レザーの1枚革で行われる、「縁の方の革を漉く(すく)」ということからのヒントをいただきました。

布は漉くということはなくても、「厚みを失くす」という目的が本革レザーと同じだったのです(^-^)。