ゆるゆるなとろみ生地に接着芯をまっすぐ貼る時のコツ、ストライプ柄を地の目の目印に使える織芯とアイロンを動かさない静止の意識【866】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在製作中のリュック「餅巾着」を新しい生地3種を表地・裏地・内蔵巾着袋の3配置に分配しながら製作し始めております。

この3種の生地の中では薄くてとろりとしたネイティブ柄の透け感ある生地を裏地に使います。

こうした崩れやすい生地は、接着芯貼りでは慎重にするべきポイントが含まれます。

せっかく意外性のある服地を選んだので、その選択の先にある活かし方も成功させたいと思います。

とろみ生地では、いかに地の目を崩さずに馴染むように接着芯を貼って行けるかということになるかと。

織物であるとろみ生地にこそ、ニット芯ではない織芯が有効だと考えます。

このたびは、その接着シーンをご紹介しながらポイントをまとめていきたいと思います。

とろみ生地のクセ、いかようにも形を変えられる変な融通、接着芯で正規のラインに固定したい

ネイティブ柄の生地です。黒の接着芯の上に置いてみまして、手でいったん整えました。

この時点では接着芯は粗裁ちで、周りを余分に残しておおざっぱに裁断。

マルチカラーが美しく、先染め。混率は、トリアセテート/55%、ポリエステル/55%。

とろみの生地ながら柄は左右対称な正配列な柄であると言えます。

ポイント①:接着芯はあえて伸びない織芯のストライプの織柄を活かす

こんな感じの織芯ですが、ストライプ状に柄が細かく入っています。地の目を合わせるには抜群のアイテムです。
縦向きの正しさをこの接着芯のストライプ柄で計り、案内していただきます。

ということで、これから芯地を調達していくというような場合に、こういった筋の入ったタイプの織芯は同じ織物生地と組み合わせ、地の目をそろえるのに有効だとお進めしたい種類です。

購入先は、「ヤフオク」出品の工場様のストック品のようなものでした。

お得に反ごといただけるのも「ヤフオク」様らしいです。

ポイント②:接着芯を貼る前に生地を手で整える

小さいパーツの場合は、クッキングシートを一番下に、生地の表面を下に、接着芯の糊部分を下にという3配置。

この時に指でよく整えます。柄の線が歪んでいないかなどを確認しながらです。

この表地は白ベースの面が本来の表ですが、あまりに白っぽいので、裏面の落ち着いた黒ベースを表面として使用することにここで決意。

接着芯を静かに置いていきます。

ポイント③:アイロンは決して動かさない、置くだけ

今一度、接着芯を置いた上からも、歪みをチェックして指でまっすぐに整えます。

そして、アイロン(中)程度で、決してこすらないように、5秒くらいずつ置くだけの当て方をします。

ポイント④:クッキングシートからはがす時に力を抜いて縁の芯地のみを触る

粗裁ちしてある接着芯のみの部分をまずはがして、できるだけ生地の部分に触れぬように。力を入れぬよう。
はがし終わりました。形がくずれずに確保できています。

パーツのサイズが大きい場合にも対応できるアイロン台めいっぱいのクッキングシート

これは本体のパーツ。本体は面積が大きいのでクッキングシートからはみ出します。
そこで、重ねる順番を変え、一番下には粗裁ちの接着芯を接着部分を上に、次に生地を表面を上にして置きます。
そして、一番上にクッキングシートを置きます。
クッキングシートの上から間接的にアイロンをかけます。ただ、このやり方は、熱が伝わりにくいのです。

そこで、その後は、こんな風に一律にクッキングシートをアイロン台以上のサイズに固定↓。

端っこに「表」の印を記入、常に「糊」の面をこの面に使うことを決めるとアイロン台カバーが汚れないです。

結局最初のやり方のシートの面積を広げたバージョンがその後もやり方を継続しています。

アイロン台カバーができるだけ汚れない方が良いですので、接着芯の糊がアイロン台カバーに付かない対策です。

さらに、アイロン自体も汚しにくいのは、写真の右上のように、端っこに「表」の記載をマジックでしておくこと。

この「表」というのは、もちろんクッキングシート自体の使う面という意味の「表」ですので。

接着し終わった状態がこちら。Lの字の角などががまっすぐで綺麗に貼れました。

つまり、この成果はマチの出来上がりのラインの整いに影響する可能性があるということになります。

特に本体パーツは重要なので、まっすぐに接着したいものです。

あとがき

以上、接着芯を貼る時のポイントをご紹介しました。

綿ブロードなどは、生地の織りが整って安定しているので比較的こういった歪みなどの悩みは少ないです。

それでも、いろんな生地を取り扱っていくことで製作のテイストの幅も広がります。

ポリエステル、レーヨン、キュプラなどのとろみがかった生地も、接着芯貼りはパーツが歪まないようなこうした接着時の工夫が必要です。

では、この製作を引き続き一緒に見守っていただければ光栄でございます(^-^)。

ラインがふんわりと感じる優しい黒ボアx赤タータンのキルトリュック、背中で感じるあったかさの中に入れ込んだ平和な気持ち【864】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

5日間の製作日数を要しましたリュックが1点完成しました。

表地の正ダイヤキルトのシート製作や内蔵巾着袋に地道な手間をじっくりと込めながらやっと完成に至りました。

ボア素材の特殊さを改めて実感したこのたびの製作、通常では難なく完成していくショルダーも横に伸びて広がり、附属品のサイズさえ大きくせざるを得ませんでした。

このたびの完成品をご覧いただきながら、この製作に込めた「気持ち」の面を綴りたいと思います。

背中があったかく感じるボア素材、ショルダー部分も同じような感触を得るためにあえて共布

いつもの4本ステッチは均等が難しく、ジグザグステッチにしました。こちらの方がボアには向いているのかなと。

ボア生地が横に広がり、面積の変化により、細かい幅の統一を要する等間隔が美しいストライプのステッチが有効ではないと判断。

問題の無い、難易度が高くない方のジグザグステッチで対応。

ジグザグステッチも固定でいうと、キルトのようなものなので、丈夫にする効果は大いにあります。

表地のダイヤキルトの形状と相性が良さそうです。

別布で行う方法もあったかと思いましたが、「あったかい感触」をこうしてショルダーの部分にも配置することで、肩や前身なども寒い季節に心地よく感じるのであればと思い切ってボアのままショルダーにしたのでした。

ジグザグステッチのミシンの様子:ボア生地は糸がはみ出しやすいのでやや手前で方向転換することです。
金属パーツ:やや無理がありましたが、線コキを通常21mm巾を40mmで代用。36mmが無かったです。
Dカンは、36mmというのがあったので、それで対応。ナスカンは36mmがなく、40mmで対応。

では、遠目でまずは見てみます。

<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。ころんとしてかわいいボア特有のラインが出ました。
入口を開けたときの様子です。赤のタータンチェックが黒によく映えます。
細かい部分ですが、入り口サイドの巾着ひもの先に表地ボアを取り付け。ボンボンみたい♪。
中はこんな構造。巾着袋を開けています。

ここに映る入口フラップに関しては、すでに現在では定着の改良版の広い面積の方です。

セキュリティー性の不足はじゅうじゅう承知ながらも、取っ手の間に最大限にあるフラップで覆い、最大限の隙間を埋める努力をした姿となります。

巾着袋内だけに収納でも良いですし、大切な物のみここへ入れ、その他は前後の隙間に入れることも可能。

この「内蔵巾着袋設置」の構造に関しては、今まで「何とか安全性を確保したい」ということがやっと実現できたものになったと思っております。

巾着タイプのバッグはどうしても隙間が出来てしまいます。

メインの入り口を絞るということが限界だったことをそこそこで諦め、内部で守るということへ発想を転じた変遷があります。

あとがき

ボア生地の難しさで工夫するべき点が多くありましたが、出来上がってみるととても素敵になるようです。

かわいいバッグを作りたい場合は、大変お勧めの素材だと思います。

このパイルボアは、希少な「日本製」であったことも特徴。

その季節の生地の出始めに一気に売れていくようですので、早めに目を付けると日本製が見つかることもあると思います。

大半は、ボア生地に関しては「中国製」の現在です。

この度のこの素材は、毛混ではなく、アクリル/100%なので真冬のみではなくキルトもかけてありますし、その周辺の季節も延長して、主に「秋・冬」としてお使いいただけると思います。

素材が横に伸び広がる性質をよく心得ながら、うまくボアの素材をバッグ製作に取り入れてみてくださいませ(^-^)。

縫い目が埋もれて見にくいボア生地の細かいパーツにかける二重ステッチ、2回戦に分け表面からと裏面からとで正確に重ねる方法の成功【863】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在製作中であります黒いボア素材の表地に正ダイヤキルトをかけ、裏地にはタータンチェックの内蔵巾着袋を設置のリュック。

いよいよ完成間近となった後半の最終局面に差し掛かりました。

ボア素材はこのたび初めて取り扱ったのですが、いやはや、他の生地との大きな違いをいろんな場面で実感しました。

そうして大変良き学びにもなりましたので、この製作も大変貴重な体験となりました。

このたびは、取っ手の付け根タブの8角形を含む細かいタブなどの細かいパーツを本体に縫い付ける時に、丈夫に二重ステッチをかける場面が多く登場します。

その時に、通常の生地とは違うボア素材の特徴が現れました。

それでも徹底した美しい二重ステッチを重ねるためにいつもと違う工夫をしましたのでご紹介したいと思います。

表面から二重ステッチをする時の2周目、黒地に黒糸の見にくさとボア地に1度目の糸が沈み込み視界を遮ることで、正確にステッチを重ねることが難しい状況があったのです。

連続で二重縫いが通用しなかった縫い糸が沈み込むボア素材へのステッチ、二度目の位置が分かりにくい悩みを裏面からのステッチで解決

二重ステッチの時は、表面から一度目ぐるり1周して、引き続き二度目を一度目に重ねて表面からなぞっていくやり方をしていました。

ところがこのたびのボア生地では、その二度目の位置がボアの中に一度目のステッチの跡が埋もれてよく分からないのです。

よく分からないままやった結果、裏側を見ると、とんでもなくずれていることが分かりました。

ここを解決しようとします。

まず、1周目は通常のように表側から見ながらステッチして、いったんそこで終わらせます。

その次に2周目をなんと、裏返しにしてステッチするという方法です。

裏面のハード薄芯に出ている1周目のステッチの糸目を見ながら、それをなぞっていくというやり方です。

二重ステッチの手順①:まず、一周目は表側からステッチします。
二重ステッチの手順②:二周目は、裏側のハード厚芯に出る見やすい1周目のステッチ通りになぞります。

そうすれば、二重ステッチが綺麗に重なることが確実に実現できます。

完成間近の様子:本体が完成しました。あとはリュックのショルダーを取り付けて完成です。

あとがき

細かいパーツは意外と重要で、目線が行くところです。

バッグの中ではアクセントの部分だと思っていますので、やはり綺麗に縫い付けたいもの。

このたびはボア生地なので、いつものやり方と変える場面もあり、素材によってやり方もそのように対応していくことが大きな学び。

次回は、いよいよ完成になりまして【864】の記事に投稿されます。

製作日数というのが全体で約5日。

生地の裁断、芯貼りで1日、巾着袋製作で1日、裏地製作で1日、ダイヤキルトがけで1日、表地製作で1日です。

なかなか手間のかかる製作ですが、こうした細かいところの徹底が「あっ!」と言わせる完成になればと追求しているところです(^-^)。

縫うとつぶれやすく変形しがちなボア生地、ハード薄芯を使い形をキープ、縫う位置を見失わずに成し遂げる小さなパーツの縫い付け【862】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ボア素材に正ダイヤキルトをかけ、裏地に内蔵巾着袋を設置したリュックを製作しています。

いよいよ最後の表地を使った製作場面、いわゆる「最終章」となります。

内側設置の巾着袋製作→裏地製作→表地製作という順番の主に3章のストーリーのような製作でやってきております。

このたびは、表地製作の段階に入ったところ。

特徴としましては、結構小さなパーツが多いことです。

この小さなパーツはとても裁断がしにくく、ボアがニットのせいもあって途中正確さが失われそうな時があります。

その際に「ハード薄芯」を貼りながらラインをはっきりとキープする工夫を実際の体験記録からご紹介したいと思います。

ハード薄芯の粗裁ちの後に、再度型紙に当てて裁断調整をすることで得られる正確なラインの確認

通常の接着芯貼りは、生地のみをまず型紙通りに裁断→接着芯を粗裁ち→余分をカットが多いです。

次にハード薄芯を粗裁ち→ボンドで接着→余分をカットという順番です。

しかし、このたび利用のボア生地の場合、明らかに最初の生地の裁断後にゆがみとかへこみが生じていて、このまま作ってしまうと、左右が違ったサイズとかデザインのように見えてしまい綺麗ではありません。

そこで、ハード薄芯の粗裁ちの段階で、今一度、型紙に当て直すということをしました。

ハード薄芯の粗裁ち後の状態:外にはみ出したハード薄芯の部分をとりあえずそのままにしておきます。
そして、型紙を今一度当てます。
この型紙に対してはみ出した「ハード薄芯」のみを見ながら、型紙に忠実に整えます。
そうするとこんな感じになります。生地の周りにわずかにハード薄芯が残った状態が型紙通りということ。

余分カットの時に黒い生地が削除されたりもしています。

同じパーツであっても、飛び出し方が違ったり、逆に生地部分をカットしたパーツもあります。

このハード薄芯のラインこそが型紙通りの裁断ということになるのです。

ボア生地は、基布がニットであることがほとんどです。

よって、クセがあってくるんとカールしたりして、生地のみの裁断の場合だと正確さが不十分です。

よって、以上のやり方で最終的に型紙通りに整えていくというわけです。

もう1つやり方があるとすれば、最初から表地自体を粗裁ちしておくというもの。

そこへ接着芯を粗裁ちのまま貼るというもので、そこで初めて型紙を当てるというものです。

そうすると型紙による裁断が1度のみで良いということになります。

しかしながら、その次のハード薄芯の時にボンドを貼りますので、そこでも結局粗裁ちをします。

最終的に型紙とずれていなければこのやり方はゆがみが少ないかもしれません。

ただ、型紙とずれていないかという調べをする場合に再び型紙に当てるので、結局この場合も同じことです。

効果が大きい方のやり方を採用するとと良いと思います。

あとがき

細かいパーツというのはこのたびのデザインの場合、特に表地に集中します。

細かいパーツが最終的に目や鼻や口みたいに見えるものになるので、注目を集める場所に自然となるようです(^_^;)。

それだからこそちゃんと左右が対称で美しく出来上がっているのか、歪みが無いなどの事が重要なのです。

黒バッグの中で赤のタータンチェックが素敵に広がるリュック、内蔵巾着袋に大切な物を守ってくれる安心感を感じる内部構造の価値【861】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「餅巾着:もちきんちゃく」という名前のリュックのデザインのみを集中的に製作しています。

このデザインを徹底的に製作し、「おしゃれ度」「優れた機能」を並行して高めていく研究も兼ねた製作となっています。

このたびは、裏地の完成場面のご紹介です。

まだまだリュック自体の完成に至らない途中ではありますが、内部全体としては、完成品に出来上がりましたのでいったんアップしてご紹介します。

ポケットも前後に2個設置しながら、真ん中に内蔵巾着袋も設置された、たくさんの入れ場所のある豊かな内部の構造を是非ご覧くださいませ。

ポケットx2個と袋とで3部屋が確保されたことで、自然に出来上がった隙間も更なるお部屋になった相乗効果

黒い部分は接着芯です。まだ裏地のみの状態。表地と合体する前の裏地の内部機能としてはこれで完成です。

内部に見えているのは、内蔵巾着袋を巾着ひもでしばった状態です。

整然と映るのが特徴で、いかにも整理整頓された内部という印象になります。

底周辺の部分。マチは、①巾着袋のマチの表地②その裏地③裏地本体のマチが重なって縫い付け。
実際は、この目線から中を見ることが多いです。裏地本体の両サイドのハギ目部分の柄が対称。

右の方のハギ目が少し段差ができてずれましたね(^_^;)。

ここで、空間にご注目いただきたいのですが、内部の①巾着袋②貼り付けポケット③隠しポケットの他にもお部屋が自然にできました。

④巾着袋の前後の隙間⑤巾着袋の左右の隙間⑥巾着袋の底の隙間、こんな風にいくつかの隙間が生まれましたのも、「内蔵巾着袋」あってのもの。

マチの左右の縫い代だけを縫い付けている構造がこうした新しい空間が生まれたことにもつながりました。

実際の使用の場面の想定をするにあたってお伝えできる新たな価値

少し、細かいご説明をさせていただきますと、写真では、随分内蔵巾着袋が控え目なサイズ感で感じられたかと思います。

しかし、これで裏地と全く同じサイズでやっています。

よって最大限でもこうして内側に沈むのだという特性が分かりました。

もっとめいっぱいにしたい場合は、縦の長さだけを余分に追加すると盛り上がった巾着袋になるのだと思います。

実際にユーザー側になった時を予測しながら使い方を考えてみますと、この巾着袋をまるで、「地下室」のような使い方ができるのではないかと。

地下には、大切な物を貯蔵しますので、その通りセキュリティー性を高めたいアイテムを入れ、その周りや隙間には、他の物を入れる容量があるのです。

場合によっては、巾着袋をペタンコにし、その上に積み重ねられるのです。

お弁当を入れる場所として巾着袋を使うアイデアもあります。

使い方次第で、この内部構造は可能性の広がりを見せてくれるのではないかと思います。

だからこそ融通が利いた接着芯のみにとどめておく柔らかさも正解だということになります。

あとがき

チェック柄は柄合わせの難易度が高いです。

全体に均一配置の小花柄、細かいストライプなどは結構やりやすいですが、先染チェックは何と言ってもクラシックで素敵です。

生地屋様にも先染めチェックの日本製は、定番品として豊富にあるようですので、コスパ良く裏地にご利用できるのではないかと思います。

次回からは、いよいよ完成に向かい、表地のパイルボアの部分を馴染む黒糸で縫っていきます。

是非完成までのその後の行く末を見守っていただければと思います(^-^)。

バッグのタータンチェックの裏地、柄合わせが必要な貼り付けポケットで「ほどほど」な柄合わせ、できれば隠しポケットの方が向いている【860】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在リュックを製作中でして、なかなか時間がかかるリュックでございます。

表地には3cmの正ダイヤキルト、裏地はタータンチェック、そして、内袋として裏地付きの巾着袋を内部に設置するという構造です。

このたびは、裏地のタータンチェックに特に何も考えずに企画してしまった貼り付けポケットを同じタータンチェックで重ねていく場面。

後になってからは、ポケット自体をこうした柄に重ねても特に影響がない、「隠しポケット」+「フラップ」のコンビへ仕様変更しました。

このたびは、貼り付けタイプでやったことの記録と、生地の分量が不足していることで「柄合わせ」が完璧にはできない場合に、「ほどほどに柄を違和感なく寄せる」という技術のようなものをご紹介したいと思います。

生地が余分にあったとしてももったいない生地の使い方になるので、内側なので影響がない場合には、それでもちゃんとした仕立てであると言えるようなバランスの仕様になるかもしれません。

タータンチェックの縦横は等しくないので縦横の向きを変えるとずれる、そのずれ方を視覚的に目立たなくする方法

今回の裏地であるタータンチェック、95cm巾という狭い面積のものでした。

通常50cmずつの調達を幅が少しだからと1mにしたところまでは想定、ただ、その後のこうした裏地も内蔵巾着袋も作るという仕様は購入当時は企画しておらず。

このたび、ポケットの袋布の本来の縦向きが余らなかったのは、裏地にも巾着袋にも同じタータンチェック生地を使用したためです。

よって、やむを得ず、ポケットの袋布を横向きで裁断しました。

タータンチェックの1マスは縦と横とで同じ柄でもなく、同じ寸法でもないのです。

当然どう重ねても柄同士が合わないことになります。

生地の余分が縦向きには足りず、ポケットの袋部分の「わ」のパーツが、横向きの裁断になりました。

生地が横取り裁断にならざるを得なかったことで、チェックの1マスが本来縦長の長方形なのに横長になったのでした。

当然本体の柄とポケットの表面の柄がぴったり重ならないですが、ずれているなりに近い位置であるというところがポイントです。

このフラップポケットのフラップパーツと袋パーツのみは柄が繋がるように合わせました。
内張りの柄とポケットのフラップの柄が横に少しずれていますが、パッと見た違和感をミニマムにしています。
フラップポケットのフラップを開けたポケット入口周辺。柄がだいたい合って繋がっているように映っています。
隠しポケットのみが付いている面。上のフラップポケットの面と反対側。比翼は柄が縦にそろうよ合わせました。
サイドのハギ目部分。左右対称に柄が分かれるような位置に型紙を置いて裁断していました成果がこれ。

以上が、ほどほどの柄合わせの例です。

見た目、視覚的な許容範囲、すっきり感の印象の範囲内でこうして、生地をコスパ良く使う工夫をしたのでした。

あとがき

このたびのやむを得なかった事情も含む貼り付けポケットは、裏地に設置のものだったから目立たないこと、そして、ほどほどに柄を近づけたことで目立たなくなったというちょっとした視覚的なまやかしのような工夫で完成に至りました。

これも、1つの経験ではあったのですが、上述のように、ポケットそもそものデザインを隠しポケットにすれば、柄合わせとは無縁。

そこに加わるフラップだけを柄合わせすればよいという「仕様変更」という手があったのでした。

フラップは細長いので面積が狭く、残布でぴったり合う部分を見つけることがそれほど困難ではないのです。

余計な回り道のようではありますが、「Q:良いポケットはどんなデザインのポケットですか?」の質問に対して、実体験からはっきりと述べることができ、しかもその理由もクリアにお伝えできるという「利益」を得たような気がします(^-^)。

リュックに内蔵の巾着袋の製作、巾着ひもホールに表れる3種類のステッチ①②③のそれぞれの大切な役割と意味【859】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、ダイヤキルトがかかったボア素材の黒色でリュックの製作を続行中です。

少し心配なのが、あったか素材なのに季節が流れ、完成が春に近くなっていく感じがしています(^_^;)。

季節に合わせようと計画的にする企画は、「真逆の季節」というのがアパレルのしきたりのようなもの。

あまりそれを考えていなかったところは反省しております。

このたびは、内側に設置の裏地付き巾着袋のひもホールのステッチが3本表れるそれぞれのステッチの役割や意味をお伝えしたいと思います。

3本は少し多いと思われるかもしれませんが、それぞれ必要なステッチだと感じて縫った結果3本になったということになりましてどれも必要で大切な1本ずつなのです。

巾着袋のホールにかける3種類のステッチのそれぞれの役割と意味

表地(チェック)と裏地(黒無地)を中表に縫い合わせ、縫い代1.5cmを半分の0.75mmずつで折った状態。

あくまでも「内蔵巾着袋」の表地と裏地です。

半分に折った0.75mm巾の真ん中位置にステッチをかけてヒラヒラの二つ折りを固定。

このステッチは表には見えない内部に隠れるステッチです。

ひも通しホールの入り口周辺。上の写真はホール内部の縫い代を真ん中でさらに内側に折ったところ。

この時点で結構綺麗に始末はできてきましたが、まだ縫い代がぐらぐら不安定です。

これを一番最後に表面から縫って固定するステッチを入れていくのです。

表地と裏地を縫い合わせた後ひっくり返しした直後の場面。表面の中に裏面を入れ込んだ様子がこの写真。

中表をひっくり返す「返し口」は、まだ縫い付けていない「マチ」の穴を利用しています。

ここから、アイロンで内側の黒生地を少し控えてきちんと整えてからステッチのスタートです↓。

<3本のステッチ>①一番上:裏地の固定、②真ん中:縫い代の固定、③一番下:トンネル構造の受け皿部分。

3本のステッチが映っています、上から順番がステッチをかける順番に等しくなります。

<3本のステッチの意味>

①一番上:裏地の固定

②真ん中:縫い代の固定

③一番下:トンネル構造の受け皿部分

ということになります。

③はほぼ必須。①もきちんとした作りのお品にはやってあります。

②は拝見したことがあまりないですが、これこそ必要だと思ったステッチになります。

こうして目指していくところというのが、「良質な商品」ということになります。

あとがき

巾着袋は口をぎゅっと絞る時に圧力がかかります。

「ひもホール内は内側でありながら外側みたいなものだ」とよくブログでお話させていただいております。

このたびは、ひもホール内の見えない部分の強化もあります。

使っている間に、ひもホール内から糸が出てきたなどということはインテリア雑貨などでよくあること。

このたびの内部の構造においては、そういったことは起きないのです(^-^)。

黒のパイルボア生地に馴染む黒糸でしっとりとかける3cm正ダイヤキルト、この手間が後に大きな価値となる地道な「今」の苦労【855】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

寒い季節には有難い「ボア」生地でリュックの製作をし始めました。

素材が「温かい」という機能を活かし、背中に温か味を感じるリュックになると想像しながら、しかもうっとりするような素敵さも表現できればと思っております。

モデルは、「餅巾着」という名前のリュック。

これは1日では到底完成できるようなものではなく日にちがかかります。

よってその段階ごとに見どころやポイントをご紹介しながら記事に綴ってまいりたいと思います。

このたびは、「表地へのキルトがけ」の過程であり、黒ボア生地に正ダイヤキルトを3cmでかけていく場面です。

やり方もご紹介しますので、当事業の「共有型のハンドメイドバッグ」の名の通り、共有していただき、「著作権フリー」のスタイルを大いにご利用いただければと思います。

3cm正ダイヤキルトの加工例、表地+接着芯+ソフト厚芯+ハード薄芯を同色ステッチで固定する構造の出来上がりの美しさ

では、まずは、キルトがけの準備段階からご覧いただくとしましょう。

4層構造のキルト地:①表地のボア②接着芯③ソフト厚芯④ハード薄芯の4シートがミルフィーユ状の構造です。

薄手の生地の場合は③ではなく比較的薄手の「中綿」がバランスが良くなると思います。

キルトの作図:丁寧に3cmダイヤキルトを作図。上部の端に直角2等辺三角形の底辺を引くことからのスタート。

最初の底辺の線は特に寸法の指定は無し、適度に縁に寄っていた方が固定されます。

そして、45度(バイヤス向き)に3cmずつ並行に横ずれしながら線を引いていくのです。

入り口フラップのキルトの下準備:ボンドは使わず、表地・接着芯・ソフト厚芯・ハード薄芯を待ち針。

細かいパーツなので、粗裁ちをして後でカットという方法が綺麗にできます。

入口フラップパーツのキルトの下準備:この待ち針はステッチの直前で外すので、このまま固定。

内陸部にも待ち針を打つことが「しわ」「ずれ」防止です。

入口フラップのキルト作図場面:スタート時点が肝心。キルトをできるだけ隅の方からかけてあげます。
待ち針する前に、ハード薄芯単独で作図のが正確にできるかもしれません。この時以降そうしています。
ミシンステッチの場面:端っこから順にミシンでステッチ。待ち針ステッチをかけた後で徐々に外します。

ずれ防止のために待ち針は「ステッチ前に外すことをしない」ということになります。

縫い代1.5cm内で最初と最後の端っこの返し縫いも1本ずつしています。

キルト完成(裏面):端っこはすべて玉結び・玉止めしてキルトがほつれないように留めています。

本体の方だけですが、ダイヤキルトを柄とみなして、2枚の本体パーツが作図の時点で出来上がりに対象に柄が出ることを想定してみました。

。。ということは、全く同じ向きで同じ位置に作図ということではないということになります。

ただ、これも「だいたい」のアバウトなことであり、縫い合わせた結果柄が繋がるところまではやっていません。

そのためには、ものすごく余分な生地が必要だからです。

そう考えますと、いずれ、この「ハギ合わせ」デザインを、ハギ目の柄に影響がない、「丸底タイプ」にモデルチェンジした方が良いのではないかと気づき始めます。

キルト完成(表面):非常に美しい3cm正ダイヤキルトの完成です。うっとりと眺めてしまうほど美しいです。

キルトの効果としては、1)丈夫にする(機能の面)・2)華やかにする(デザインの面) と2点が特に感じるところでした。

あとがき

時間や手間が多くかかりますが、「内陸部にも待ち針をきちんと打つ」というポイントをちゃんと実行すれば、困難や難関は特にありません。

出来上がりの驚くほどの美しさにおそらく感動されると思います。

この「キルト仕様」はその他の製作にも落とし込める部分がありまして、ハンドメイドバッグの「価値」を高める1つの仕様になると思います。

じっくりと丁寧に作られていないものは安いお値段しかつかないし、その手抜きがユーザー様に見抜かれるとこの時に思ったのです。

ロックテイストの赤のタータンチェックのリュックへの落とし込み方、合わせる裏地や別布を徹底的に黒で選び、冬の背中を温めたい【854】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「餅巾着:もちきんちゃく」という名前のリュックをいろんな生地で1点風に連続製作中です。

無理のないフォルムが非常に製作する側としても安心感があり、和むような世界観を感じるのがこのデザイン。

無理な動きをした張り詰めたデザインとは対極のタイプになります。

このたびは、この優しいデザインにテイストと季節感を入れ込みたいと思います。

人気の柄、「赤のタータンチェック」も取り入れて、ロックテイストの黒x赤チェックの世界を作ってみようと思います。

そして、ボア素材をメイン生地に、背負うと背中があったかく感じるリュックになるよう、素材の「機能」までも活かしたリュックが出来ればと思っております。

それぞれの素材を活かしたリュックの配置と作り、3種の生地のパーツを配分した裁断後の接着芯貼り後の姿

芯地を粗裁ちした段階:まだ余分をカットしておらず少しはみ出しています。左上がメインの表地。冬向けです。

左から時計回りに、テディボアという名前で、アクリル/100%、日本製。

そして右は、先染チェックという名前の生地で綿/100%m、日本製。

下は、黒色なのですが、薄手です。生地名は不明で、混率も不明<m(__)m>。

喪服なのどのようなしわが寄りにくく丈夫さのある生地でとても良質なのが分かります。原産国は不明ですがおそらく国産。

テディボア生地が表地、タータンチェックは、裏地と内側の巾着袋の外面、黒無地は巾着袋の内側です。

こうして、これらの生地の組み合わせで製作していきます。

ボア素材をリュックにすることの難しさをすでに裁断で感じております。

というのも、裁断した端から、生地の縁がくるんと丸くなってくるからです。

随分扱いにくい生地だと言えるのかな。。と思いつつも、このボア素材の素敵さが優先してしまいました。

この先の製作でどんな困難があろうとも、完成まで進めていく決意です。

あとがき

このように、ループの様相で凹凸感もある表地のボアなのですが、それでも、「ダイヤキルト」をかけていきたいと思っております。

黒に黒糸でかけるキルトなど目立たないとも言えるのですが、伸びる素材であることの懸念もあり、キルトを固定の役割も兼ねたいと思います。

そして、かわいく素敵な素材だからこそのキルト仕様というのが更に手間をかける価値が2倍以上になるような気がしてやってみたかったのです。

出来上がったふわもこのリュックを背負った時に、まるで暖房器具のような背中があったかいというアイテムになればと思っております(^-^)。

バニティーバッグの中に「日本」という文字を入れた製作、「豆絞り手ぬぐい」生地(反物からカット購入)の新しい解釈【852】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

年末から足を踏み入れておりました、「アーティスティック企画」のバニティーバッグ、このたび完成しました。

ここで、この企画の「バッグの中に隠した2文字の種明かし」の部分が明らかになります。

ただ、上手く出来上がらなかった部分があったのが残念ですが、そんな点のお話も交えながら、「豆絞り手ぬぐい」の新しい見方・解釈という一例としてまとめ締めくくりたいと思います。

日本の伝統の素材を使い、「日本」の文字を隠し込んだバニティーバッグが新しい印象で出来上がった

「日本」という名前の作品です。もはや「豆絞り手ぬぐい」のイメージは忘れているほどではないでしょうか。
中側はこんな感じ。赤と白のツートンカラーです。

さて、ここで、アートな部分の種明かしとなります。

まず、この製作したバッグのタイトルは、「日本」です。

実は、バッグの中に、日本という文字が隠れています。

この線コキ。「日」という字をしのばせているのです。
そして、この多重リボン、「本」の姿だったのです。「物文字」として表現していたのでした。

「人文字」があれば、「物文字」もあってもいい、本を物体で表したものになります。

その他の、「日本」の部分は、表地に使用の「豆絞り手ぬぐい」という紛れもないこの生地自体が日本に昔から使われてきたものであることです。

失敗してしまったヶ所の「しわ寄せ」の原因は、楕円底パーツと側面パーツの寸法のキルトによる縮みか!?

上述にもありますように、実は、今回出来としてはあまり良くありませんでした。

こんな風にしわが寄って重なり部分に問題があった出来になってしまった結果となりました。

この原因を予測するに、キルトをかけたことで底面、側面共に縮んだのだと思われます。

ただその縮率が、面積の大きな側面パーツでは大きく、側面パーツの寸法が小さかった差が出たのかなあなどと予想しました。

楕円底パーツの寸法が結果長いことで、楕円底パーツにタックが寄ってしまったのだと。。

この度の製作で思ったこと、この「卵焼き」デザインを今後廃止にする意向です。

綺麗に作ることに限界や条件があることをこのキルトがけ仕様をしてみたことで感じています。

年始に2022年に作っていくデザイン4種の内の1つでしたが、年始に早くも廃版になりそうです。

あとがき

いろいろバラエティー豊かに製作していけることに意外と限界があることを知るのは、「どの生地でも必ず成功する作り方」をコンセプトにしているからです。

こうした「組み立て式」は二次元のミシンでの限界があり、「ゆがみ」「ずれ」が起きるので美しく仕上がる確率が非常に低いということを学んでいます。

しかし、非常に良い経験であり、そういったことが分からずずっと作り続けていることより良いのかもしれません。

このデザインは、よくあるバニティーのサイズ感を逸脱し、縦に長いリュック型にしてみたりなど、サイズを大きくすることで一度トライしてみたいと思ってもみました。

しかし、それならば、トート型の楕円底を巾着ホールタブ付の巾着で絞るモデルと大差がないと思いまして、ファスナー付きであることのみが特性になるような気がします。

「丸底巾着リュック」の案は、この失敗を活かせるかもしれません。

ただ、キルトによる縮み率の違いで起こる寸法の差は解決していく課題には相変わらずなると思います。

「うまくできるわけがないから作らない」という未経験と「難しいけど挑戦した、その結果うまくできなかった」という経験有りとの価値の差をどこかでリベンジしたいと心に誓ったのでした。