なぜそんなにハリコシのある取っ手に出来上がったの?の答えがここに。。内部構造すべてが分かります【135】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを作り始めて10年以上が経過しています。

その中でいろいろなパーツの作りを改善してきたり、デザインを変更したりしていく中で、これが最強と思える状態に常にしていたいと思っています。

もし、これは改良した方が良いなあと思うと、早めに改良していくのがよいかと。

一方、当初からそれほど変更していない早い段階で腑に落ちて、ずっとこのやり方で来たのだというパーツもあり。

今回はどちらかというと、そのような長後者の方に当たるかもしれません。

そのパーツというのが取っ手です。

取っ手は結構大切で、バッグを支えると共に手でよく触る部分です。

丈夫で長持ちを望む部分となります。

ということで、今回は、丈夫でありながら、しかも持ち心地が良いという手の感触を工夫した取っ手の中側の構造をご紹介したいと思います。

取っ手には芯地を2種入れる、接着芯ともう1つの芯地「ソフト厚芯」こそがその感触を作る

通常、取っ手というパーツにも芯地を貼りますがまず1つは接着芯です。

接着芯は生地自体の風合いを生地に馴染みながら自然に出す効果を感じ、基本的にはすべてのパーツに貼っています。

逆に貼らないパーツが珍しく、ぱっと思い浮かぶのが、フリルかな。

フリルは裏返して見てみると、それも表面のようにぴらぴらなので、芯地は貼らないという考え方もありますが、どのみち裏側なのだから貼っても良いかもしれません。

ちょっとした小さなタブ、巾着ひもなどにも必ず貼ります。

逆にそういった小さなサイズのパーツこそ縁の下の力持ちですから、補強には必要なのです。

接着芯を貼るのと貼らないのとでは丈夫さが大きく変わります。

さて、今回の取っ手ですが、接着芯の他に、入れ込む芯地というのがもう1種ありまして、「ソフト厚芯」と呼んでいるフェルトみたいなふんわり芯です。

上のグレー色がソフト厚芯。不織布でフェルトっぽい感じのもの。
接着剤は付いていないのが逆に使い勝手がこの取っ手に向いています。
下の表地は、インディゴデニム、綿/100%、日本製という生地。接着芯はすでに貼ってあります。
よって取っ手は、2種芯地が付くということになります。
取っ手の作り方を簡単にご説明します。
①まず表地とソフト厚芯を別々にアイロンで真ん中に縦に折ります。
②そこに向かって両サイドからアイロンで折ります。
③①と②を合体してこのように折り線を合わせながらくるみこみます。
④クリップや洗濯ばさみで固定し、外しながらステッチ。

表地とソフト厚芯を別々にアイロンで線を付けるところはぴったりと重なり、美しいラインになる大鉄則。

特にステッチの方法などは、後で貼りますYOUTUE動画の中でそのじっくりお伝えしますね。

取っ手の完成:こんな風にグワングワンにハリコシが出ました。
ステッチが少し見にくいのが申し訳ないですね<m(__)m>。
こちらは、インテリア収納用のたためるタイプのバッグを作った時の接着芯のみ貼った取っ手です。
接着芯だけでもそこそこハリコシは出ますが、今回のソフト厚芯入りに比べると柔らかいですね。
たためるタイプのサブバッグ的なタイプの場合はこれでも通用します。
こちらはステッチがはっきり写っていますので、ステッチ巾などのご参考にこの写真がなればと思います。

ステッチを4本均等な巾に縫うことは訓練も多少必要です。

目の錯覚などで片方に寄りがちなのが常です。

印は付けていきませんので目で見た感覚によって位置を決めてステッチしています。

何かしらコツをつかみ、「職人の勘と技」みたいな感覚を得ていくのです。

ソフト厚芯を入れたことの意外な効果、心で感じる「持ち心地の良さ」であること

こうして感覚が揃った4本のステッチは間違いなくバッグのアクセントになっていき、バッグが美しくなるための重要ポイント箇所になることでしょう。

このように少々念入りに取っ手を作っていくのです。

ソフト厚芯の効果は、ソフト厚芯その物だけでは実は無いということがだんだん見えてきましたね。

ソフト厚芯+ステッチにより、ぷっくりとその空間がふくらみ、ふんわりとした持ち心地になることが最終的な行き着く効果であるということです。

ソフト厚芯をただただ入れ込むだけでは、役割は不十分。

さらに真ん中に2本のステッチを入れることが、このソフト厚芯とステッチの強力なタッグが効果を発揮するということになります。

あとがき

今回のような内部構造に関しては、完成したバッグでは到底分からないことでした。

バッグがボロボロになり、捨てる際に取っ手を切り裂いて研究する人がどれだけいるでしょうか。

そう考えると製作者である者ができることとして、自分が見ているものをそのままバッグのユーザー様にお伝えすることではないかと思います。

「隠す文化」から「見せる文化」へ時代が変わったと思います。

この意味は、つまり「ごまかしが利かない」ということです。

何なら、良い意味でのごまかしさえご披露してそのどうしてもそうするしかなかった理由をご説明するくらいの分かりやすい理解を得られるお品もある意味素敵なのです。

最後までミステリアスにその秘密を隠し続けられたことに何か意味があるのでしょうか。

それよりも理由がクリアなお品の方がなるべくしてそう形作られたのだと共有されるという考え方です。

その考え方は、もしかすると、作り手である自身のスタイルの投影なのかもしれません。

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