バッグの取っ手やショルダーにご利用いただける、美しい4本ステッチの間隔の統一までのステップで目指すもの【805】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

HMB教室へようこそ♪。

よろしくお願いします。

このHMB教室は、YouTubeと当ブログ記事で並行してハンドメイドバッグ製作を少しずつ学んでいくものです。

目的は、「美しいバッグ」です。綺麗に作られた丁寧なお仕立てを目指す教室です。

実店舗で教室を開き月謝をいただくということが、どうしても時間に縛られ、下準備などに時間を割き、あまりいい感じで想像できなかったので、こうして、完全無料の動画と記事でお得に学んでいただければと思ってアップしています。

もし、共感いただくことができて、取り入れていただくことがあったなら、一緒にハンドメイドバッグ業界を、美しいお仕立ての商品を作る人がいっぱいの世界にしていこうではありませんか。

現在ハンドメイドバッグでお仕事されている方、未来にハンドメイドバッグを職業としていきたい方など仲間が増えると私も大変嬉しいです(^-^)。

4本ステッチの等間隔の難しさと、その修行中のステップで目指す4本ステッチのデザイン

今回、私もしょっちゅう縫っています4本ステッチですが、これは非常に難しいです。

一方で、等間隔に出来たときの美しさと言ったらありません。

こういったリュックのショルダーなどに決まって利用します。3本より4本の方が美しいです。
大変上手くできたと自分でも思う時の4本ステッチ:特に左が綺麗です。間が等間隔で美しく映ります。

このように綺麗にできることもあればなかなかうまくいかない時もあるというのが長年やっているのに難しい点ですね。

生地によってもやりやすさなど違います。

ちなみに、上手くいった時の上の写真はメッシュタイプの生地でアイロンで折ったりする時も非常にスムーズだったことからその影響か、ステッチも綺麗に整います。

で、ここは教室。訓練の段階でもあります。

急に綺麗にといっても難しいものなので、1ステップ段階を踏むことにしてみました。

シュミレーション図で解説:一番外枠の黒色は取っ手の生地の端っこ。その内側の赤色は、ぐるり1周最初に掛けるボックス型のステッチです。その後、真ん中に2本青い線をステッチで均等に入れていくのです。望ましいのは、この等間隔の状態です。最終的に目指すゴールはこの様相です。
まず、1本目のステッチを入れますが、この位置が結構重要です。線など引きませんので、目で見て間隔を得ていくのです。実はこの線すでに偏っているのが分かりますでしょうか。右の方過ぎるんです。

余りにも偏り過ぎている時は、ほどいてやり直しですが、ほどくのも一苦労で、跡が付くので、あまりこのようなパーツでやり直しは良くないです。

それで、このままで仕上げる方法というのがあります。

次のステッチの位置を工夫するのです。

こんな風です。真ん中を広くして両端を狭くするとデザインのようになりますので、事実上失敗であっても、見た目はおかしいことはありません。こういうデザインだと理解されます。これは、難易度が少し下がるかと思います。2本目の左側のステッチを右と同じ感覚にすることで、全体のバランスと安定感を得ます。これが、右だけに偏ったりすると下手だなと思われてしまうのです。

ということで、あまりに極端だと不格好ですが、少々であれば、こういった見た目のバランスや安定感を考えた配置に結果なれば、何もほどいてやり直しまでは時間がもったいないですし、生地を傷めます。

均等になる途中段階のステップとして、このことを是非思い出していただければと思います。

あとがき

4本ステッチは美しいですが、限度物です。

細いリボンひもに無理やり4本はかえってぐちゃぐちゃになるので、外枠の赤い線で十分だったりします。

また、3本仕立ては、かえって綺麗に見えにくいと思います。

なぜかというのが、粗いので、その分間隔の部分が目立ち、ちょっとのずれが分かりやすく目に映ってしまうのですね。

4本のように密だと、実は細かい単位では均一ではないのかもしれませんが、目には均等に映るという視覚的効果なのです。

人間のやることなので、そこがハンドメイドです。

機械のように完璧な均等にはなっていないはずです。

それでもハンドメイドの技術という点では美しく見えるようになったということは腕が上がったということで良いのではないかと思います(^-^)。

ハンドメイドバッグのレベルを上げるために。。。伝統あるブランド品を見習う研究と技術力アップ対策の例【732】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近よく一流ブランドと呼ばれる伝統あるブランドがいかに数々の研究や技術を高める努力の日々であるかについての本を読ませていただくことで大変刺激を受けております。

そのレベルには到底かなうものでもありませんが、その現在の輝かしい地位に甘んずることなく、ひそかに努力をされていることを知り大変驚きました。

甘んじていては企業存続にかかわるわけで、いつ座を奪われるかも分からない熾烈な他の伝統ある一流ブランドとの競争の最中(さなか)におられるわけでもっともなことのようですが。

私のようなプチ業者が習うことがあるとすれば、そのこだわりの徹底ぶりとか、とことんまでの研究が当たり前であるというような姿勢です。

結果あっと感嘆の声が出てしまうような素晴らしい作りのお品を完成させていきます。

今回は、当picturesqueの(ピクチャレスク)のハンドメイドバッグの技術を高めるべく、私が拘っている部分を1つご紹介したいと思います。

一目見て、あっと言わせるような美しさのある部分を目指す箇所:4連ステッチ

ハンドメイドバッグの取っ手や支柱に使う4連ステッチの技術:いかに等間隔に針目を美しく仕上げるかがポイント

この4連ステッチの取っ手は、かなり初期のころから取り入れています。

一番最初の芯地も何も入れないペライチな袋物だったころからの発展として、まずは接着芯である薄芯を全面に貼り、中にもソフト厚芯などを入れて取っ手の貫禄や持ち心地を高めるものになっていきました。

そのステッチの綺麗さ1つとってみても、まずは幅が均等であることの美しさ、美しいためには適切な糸調子であるべきでいくつかの細かな徹底した追求の末に技術が生まれるかと思います。

写真のようになったのはごく最近の事で、かつては、幅が不統一、縫い線も脱線してしまうこともありました。

脱線しがちな方というのが写真でいう右下の側です。

このタイプは「わ」で作りますので、わの重なった方が上下がきちんと重なっていないのに縫うと、反対側にステッチが行き届かず脱線したりするということになります。

脱線しないように縫うだけでなく、それ以前のアイロンがけの折り線付けの段階での徹底も関連してくるのです。

そういった流れ作業ではあるけれども細かな作業の集まりが1つの技術となって結果美しくきらりと光る独自の特徴にまで行けるかと思います。

そして、4連である理由も、その幅では一番綺麗に映るのが4本であることからそうしています。

徹底的とか、拘りとか口では言いますが、実際にどこまでの追求であるのかどうかは出来上がりがその答えを教えてくれるというとでも言いましょうか。

その辺りは、こちらの製造側以上に、お品を選ぶ購入者様側の目というのが鋭いもので、ちゃんと手間をかけてあるものかどうかは 結構見抜かれます。

とても厳しい目をお客様は持っていらっしゃるのです。

¥5,000以上のお品を販売しようとすると、すでにそういった点が物を言います。

¥3,000台は、格安の量産のお品でかわいいのが多くあるので、そこを超えていかねばなりません。

あとがき

ということで、今回は、技術を高める例として、長年お作りしてきました取っ手のステッチを例にとってみました。

とは言え、この4連もすべて線を引かずして等間隔にしていくわけなので、まだまだといったことを思う時もあります。

偏って幅が均一でないこともしばしば。。

今後ももっと徹底的するべき部分は残っているかと思います。

難しい部分だと言われている箇所こそ、技術の見せ所、そういう点を特に訓練と研究で美しく見せることをしていきたいと思っています。

なかなかやりにくい所を綺麗にやれる技術というのは、突出できるチャンスであるとも言えそうです。

たすき、取っ手、ショルダーなどいろいろ使える長い丈夫な4本ステッチテープの技【627】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、N style ENIGINEER様へお送りします分のエプロンをお作りしています。

ここに、別布でたすきの長~いのを作るということで進めています。

今回は、こういったたすき、バッグの取っ手、ショルダーなどに使える技術の1つ、美しい4本ステッチの作業場面のご紹介です。

どういった点が綺麗にできるコツなのかなどはたくさんお作りしてきてまとまってきていますが、その製作視点に立った内容は別の記事でご紹介させていただくことにして、今回はとにかくその作業場面という点のみご紹介とさせていただきます。

幅の広いベルトテープは4本ステッチが見栄えが良い件

細めのベルトテープというと、1cm代くらいまで、太目となると2cm辺りからかなと思います。

今回もスリムではあるものの、やはり太い部類に入ってくるかなと思うたすきのテープを丁寧に接着芯の織芯を貼り、丁寧に包みこんで美しくステッチをかけていきます。

その時に、ステッチの幅が適度に密であるのが美しい秘訣。

だいたいステッチ間が5mm以下が美しく仕上がるベースなのかなと考えました。

1つすでにできているのでここで。こんな感じで、幅が一定にそろい感覚が美しく統一感がある出来がやはり美しい4本ステッチの目指すところです。目の錯覚などで幅をそろえることが非常に難しいです。これも訓練で何本も何本もこういったものを多く作ることで、よく職人さんである、「経験と勘」が生まれます。線を引いたりするのは、ナンセンス。目で見て、線などひかずに作る部分です。ちなみにこの生地、チノクロスという名前の綿/100%、日本製。
少し、戻って、簡単に作業をご紹介。巾7.5cmの150cmロングの接着芯の布帛芯を貼っておきます。こだわりの織芯/ニット芯。風合いが美しなめらかに仕上がるのが不織布ではない布帛の芯地です。
生地をこのようにアイロンをかけます。

このアイロンこそが、綺麗にできるベースとなるものなので、特に真ん中の線は、一度だけでなく二度目のダメ押しアイロンもしています。

そして、縁の先端。ここが本体の中へ完全に隠れてしまう仕様でない場合は、きちんと縫い代始末するので、くるみ込みますので、このラインの美しさも出来上がりに対して物を言う点です。

まずは、ぐるり1周ボックス状にステッチ。これでサイドの2本がステッチされますのでは、あとの2本は、ちょうど等間隔が空く位置にステッチをしていきます。
そうして、完成。かなり綺麗にできました。おおっ!というような声が上がるほどの美しさを目指して縫う作業になります。

あとがき

私も職人的訓練の末、結構等間隔でできるようになってきましたが、目指すところはもっと完璧な美しいものなので、まだまだ発展途上にあります。

けれども、縫いだけでなく、今回ご紹介のようにその手前のアイロンもかなりいろんな工夫をこめて綺麗に仕上がるベースとなりますので、アイロンとミシン縫いのコンビと考えた方が良いかと思います。

一度、ハンドメイドバッグ教室、「HMB教室」で取っ手の綺麗な作り方としてご紹介してはいるのですが、その頃から、私も更なる学びがあり、もっと精度を上げていますので、その時の、「ちょっと綺麗」から、「極上」というほどの美しさになるためのコツだとかそんなものを今後はご紹介したいと思います。

既製品テープもたくさんあるのですが、「らしさ」はやはり布で一から仕立てたところにこそ表れるかと思います。

そして、何より、既製品は高価なので、生地が材料としてはエコノミーなんです。

あとは、その技術で付加価値を出していけば良いではないですか(^-^)。

なぜそんなにハリコシのある取っ手に出来上がったの?の答えがここに。。内部構造すべてが分かります【135】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを作り始めて10年以上が経過しています。

その中でいろいろなパーツの作りを改善してきたり、デザインを変更したりしていく中で、これが最強と思える状態に常にしていたいと思っています。

もし、これは改良した方が良いなあと思うと、早めに改良していくのがよいかと。

一方、当初からそれほど変更していない早い段階で腑に落ちて、ずっとこのやり方で来たのだというパーツもあり。

今回はどちらかというと、そのような長後者の方に当たるかもしれません。

そのパーツというのが取っ手です。

取っ手は結構大切で、バッグを支えると共に手でよく触る部分です。

丈夫で長持ちを望む部分となります。

ということで、今回は、丈夫でありながら、しかも持ち心地が良いという手の感触を工夫した取っ手の中側の構造をご紹介したいと思います。

取っ手には芯地を2種入れる、接着芯ともう1つの芯地「ソフト厚芯」こそがその感触を作る

通常、取っ手というパーツにも芯地を貼りますがまず1つは接着芯です。

接着芯は生地自体の風合いを生地に馴染みながら自然に出す効果を感じ、基本的にはすべてのパーツに貼っています。

逆に貼らないパーツが珍しく、ぱっと思い浮かぶのが、フリルかな。

フリルは裏返して見てみると、それも表面のようにぴらぴらなので、芯地は貼らないという考え方もありますが、どのみち裏側なのだから貼っても良いかもしれません。

ちょっとした小さなタブ、巾着ひもなどにも必ず貼ります。

逆にそういった小さなサイズのパーツこそ縁の下の力持ちですから、補強には必要なのです。

接着芯を貼るのと貼らないのとでは丈夫さが大きく変わります。

さて、今回の取っ手ですが、接着芯の他に、入れ込む芯地というのがもう1種ありまして、「ソフト厚芯」と呼んでいるフェルトみたいなふんわり芯です。

上のグレー色がソフト厚芯。不織布でフェルトっぽい感じのもの。
接着剤は付いていないのが逆に使い勝手がこの取っ手に向いています。
下の表地は、インディゴデニム、綿/100%、日本製という生地。接着芯はすでに貼ってあります。
よって取っ手は、2種芯地が付くということになります。
取っ手の作り方を簡単にご説明します。
①まず表地とソフト厚芯を別々にアイロンで真ん中に縦に折ります。
②そこに向かって両サイドからアイロンで折ります。
③①と②を合体してこのように折り線を合わせながらくるみこみます。
④クリップや洗濯ばさみで固定し、外しながらステッチ。

表地とソフト厚芯を別々にアイロンで線を付けるところはぴったりと重なり、美しいラインになる大鉄則。

特にステッチの方法などは、後で貼りますYOUTUE動画の中でそのじっくりお伝えしますね。

取っ手の完成:こんな風にグワングワンにハリコシが出ました。
ステッチが少し見にくいのが申し訳ないですね<m(__)m>。
こちらは、インテリア収納用のたためるタイプのバッグを作った時の接着芯のみ貼った取っ手です。
接着芯だけでもそこそこハリコシは出ますが、今回のソフト厚芯入りに比べると柔らかいですね。
たためるタイプのサブバッグ的なタイプの場合はこれでも通用します。
こちらはステッチがはっきり写っていますので、ステッチ巾などのご参考にこの写真がなればと思います。

ステッチを4本均等な巾に縫うことは訓練も多少必要です。

目の錯覚などで片方に寄りがちなのが常です。

印は付けていきませんので目で見た感覚によって位置を決めてステッチしています。

何かしらコツをつかみ、「職人の勘と技」みたいな感覚を得ていくのです。

ソフト厚芯を入れたことの意外な効果、心で感じる「持ち心地の良さ」であること

こうして感覚が揃った4本のステッチは間違いなくバッグのアクセントになっていき、バッグが美しくなるための重要ポイント箇所になることでしょう。

このように少々念入りに取っ手を作っていくのです。

ソフト厚芯の効果は、ソフト厚芯その物だけでは実は無いということがだんだん見えてきましたね。

ソフト厚芯+ステッチにより、ぷっくりとその空間がふくらみ、ふんわりとした持ち心地になることが最終的な行き着く効果であるということです。

ソフト厚芯をただただ入れ込むだけでは、役割は不十分。

さらに真ん中に2本のステッチを入れることが、このソフト厚芯とステッチの強力なタッグが効果を発揮するということになります。

あとがき

今回のような内部構造に関しては、完成したバッグでは到底分からないことでした。

バッグがボロボロになり、捨てる際に取っ手を切り裂いて研究する人がどれだけいるでしょうか。

そう考えると製作者である者ができることとして、自分が見ているものをそのままバッグのユーザー様にお伝えすることではないかと思います。

「隠す文化」から「見せる文化」へ時代が変わったと思います。

この意味は、つまり「ごまかしが利かない」ということです。

何なら、良い意味でのごまかしさえご披露してそのどうしてもそうするしかなかった理由をご説明するくらいの分かりやすい理解を得られるお品もある意味素敵なのです。

最後までミステリアスにその秘密を隠し続けられたことに何か意味があるのでしょうか。

それよりも理由がクリアなお品の方がなるべくしてそう形作られたのだと共有されるという考え方です。

その考え方は、もしかすると、作り手である自身のスタイルの投影なのかもしれません。