まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
現在製作中の「テリーヌ」という名前のブリーフケース。
この名前は、そのフォルムがあのゼラチンでゼリーみたいに固められたカラフルなおしゃれな食べ物テリーヌにそっくりだからそう名付けました。
このテリーヌ型を現在黒無地のナイロンオックスはっ水加工生地と赤のタータンチェックとのコンビで製作中です。
このたびは、口布にファスナーを取り付ける作業を主に行いました。
その中で、1つご紹介したいヶ所が「ファスナータブ」です。
その名の通りファスナーとのコンビで取り付ける機能なのですが、実は【319】の記事でもこの部分について複数の柄や色違いのイメージと共に綴らせていただいております。
ファスナーを取り付けるのは、実際の所裏面に当たる場所。
表でファスナー開閉時に使う表のタブと、裏側にファスナー設置の際のファスナーの先端に取り付け更に本体に縫い付けるタブとは別物です。
そこまでは【319】の記事と同じなのですが、このたびの記事【343】ならではの特徴としましては、表に付けるタブが「わ」になったところが新しい点です。
なぜ、一重から「わ」にしたのかなどの理由もございますので是非このたびの記事で「ファスナータブの機能」の役割なるものをご覧くださいませ。
2種類の「ファスナータブ」はただのデザインなのか、それとも。。
お作りしていますファスナーの取り付け方は、カチャッとはめ込んでいるかのような取り付け方です。
ファスナー自体に袋を縫い付けてひっくり返す古典的な手法は複雑過ぎますし、実際には丈夫ではありません。
単純な当てているだけのような方法は、一目見て取り付け方が分かるような方法です。
その代わり、ファスナー自体もむき出しで、昔ながらの縫い付け方のファスナーの始末では隠れていたファスナーサイドが目に映る場所となっていきます。
表に見えるファスナーのタブというのは、ファスナー自体に付くのではなく、ファスナーの先端周辺に開閉時のつまみタブとして設置するものになります。
このタブは、開閉する時には重要な機能です。
もしこれがないと、開閉時にバッグのどこか本体の一部をつかむことになり、それがバッグの変形やしわの原因になります。
変な癖がつくことの積み重ねでバッグが早く傷むことになってしまいます。
よってこのタブを指で持ちながらファスナーを開閉していただくと、丁寧な優しい使い方ができるのです。
もっとも両開きファスナーなのでタブなしでもそこそこスムーズには開閉できます。
両開きファスナーを使うということ自体も持続的なバッグになる大きなポイントです。
さて、今回この小さなタブではありますが、今まで作ってきた作り方にもう少し新しさを加えます。
このステッチが出ない方法としては、もっとファスナーを短くして、表側のつまみタブの下側に隠れるようにステッチを出すということも考えられます。
しかし、長さを短くせなばならないことで安定感が減りますし、いろんな作業が同じカ所に密集しすぎてしまい、別の意味で不安定になる部分が出てきます。
よって今のところステッチが見えるということで納得しています。
このファスナーつまみタブの向きは輪がファスナー側を向いていなければ機能としては良くないのでこの向きも大切です。
一重仕立ての時よりも力が加わった時に対応しやすいタブになったのが、「わ」のタイプ。
ナイロン/100%は地が薄いので「わ」にすることが十分可能。
「わ」は簡単には生地がヨレないので末永く良い状態のままのバッグをキープすることにつながり、全体としての経年の傷みのバランスがより平均的になると見ています。
あとがき
ファスナーというのは、開け閉めで負荷がかかる部分です。
バッグを持ち上げる時の「支柱・取っ手」に続いて力が加わる部分ではないでしょうか。
そうすると長持ちするには、頻繁に負荷がかかることで傷みやすいことをできる限り解消していく工夫が大切になります。
自身の製作のバッグも、ご購入者様はかなり実用的なアイテムとして考えておられることがほとんどです。
それを持って置いているだけでも価値がある「ハイブランド」様のバッグとは少し性質が異なるものかと。
見かけのかっこよさや美しさももちろんのこと、「機能」の面では大げさな話、ハイブランド様以上の部分がないといけないのではないかとさえ思っているのです。
「ここで購入すれば間違いない」とまで思っていただけるよう、ユーザー様の目線に立った追求をこれからも続けていきたいと思っております(^-^)。