生物の進化前の化石が進化後の時代で見つかる矛盾、この意味が分かる本【1288】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「生命の大進化 40億年史 中生代編:土屋健 著」を読ませていただきました。

前編に「古生代編」があります。少し前の記事【1276】がそれに該当です。

今回の期間は、恐竜の全盛期の時代が主となる時代です。

一番多くの人が興味を持つ時代ですね。

しかし、事前に「古生代編」を読んでいると、イメージよりもはるかに深く恐竜達の周りの自然環境も重要であることが分かります。

あのような大きな生物が次々と繁殖し多種にわたる、本にもすべての絵図が掲載しきれないほどの展開で繁栄したようです。

それには、生物がグーンと成長する環境があったということです。

陸の酸素濃度が周りの植物の成長によって増えたことがまずは、生物が陸に上がっていったきっかけになります。

過去の図鑑の恐竜と現在の図鑑の恐竜が随分違う理由

常に、こうした化石の件は、近年随分と研究が進んでいるようで、時には過去の説が覆されることもあるようです。

それは仕方がないことで、遥か昔の生物をその残存として埋もれた地層の中から発見され、その数や新しい種類が出てくることで、これまでの説が変わることもあるようです。

昔の昭和の絵図では、羽毛の生えた恐竜などは見たことが無かったかと思ったのですが、現在では、羽毛は確かな証拠として出土しているようで、しかも色もある程度出てきているようです。

そうすると、イメージ絵図も実際に近いものになっているみたいです。

私が知る情報では、「クビナガ竜」と呼ばれる恐竜の種類のあの首の角度も、後の研究で変わっているようでした。

それには、後の研究の中で新しい発見があり訂正されているようなのです。

進化がいかに複雑であるかを物語る、進化前の化石が進化後の時代で見つかる矛盾

「進化」もあれば逆の「退化」もあります。

不要な部分の機能がだんだんなくなっていくのです。

化石の発見は、「地層」でその年代を決めるということなので、発見された地層からその年代が決まるということ。

そうした時に、進化後の時代の地層からであったのに、進化前の体の構造であったことの矛盾が起こります。

これは、同じ時代に、進化前と進化後の2種が混在していたことによるものだそうで、とても頷けました。

これこそが真実らしいエピソードであると私は思います。

ただ単純に綺麗に順番に海から陸に上がっていったという進化のイメージでいた私ですが、そうではないようです。

海には海のままで残った生物、陸に上がっていった種もいれば、機能は海に適した機能も持ち備えて、陸と海を行き来していた生物。

見かけは陸にいる恐竜と似ているけれど、脚などの構造から、水の中で泳ぐ機能があった種など。

想像を超える複雑さがその進化の過程ではあったようです。

そこは、今までのイメージをぐんと覆すことでした。

あとがき

今は、2023年夏に差し掛かった初夏ですが、この秋には、「新生代編」が出版されるとのことです。

今から楽しみです。いよいよ私達に近い祖先が誕生してくるのかな。

以前の「古生代編」の時にも書いたと思いますが、こうして、長い長い生物の歴史を読むと、いかに、今が一瞬の瞬きのような短い時間に過ぎないことを俯瞰して見ることができます。

そうすると、毎日をしっかりと大切に過ごすことの意味をここから感じ取れます。

今回の「中生代」は「古生代」よりも随分と短いです。

恐竜やマンモスだけだが昔の生き物ではなかった、海の中の見たことのない変な形の生物こそ、最初の進化のスタート地点であったわけです。

陸より海の方が化石が残りやすいというのも少し驚きました。

それは、地層が形成されやすいのが海の底であるということだからのようです。

その時のショットがあるがままで保存されるようなイメージです。

そうすると「海」こそが本当は、長い歴史を紐解くヒントになり、まだまだ静かにそのまま気付かれずに眠っているのですね。

なんとロマンのあるストーリーなのかというのが、生物の歴史です。

今ある現在がどれだけ有難いのか、平和な環境で居られるのかなどを今一度大きく見るきっかけになりそうな本でした(^-^)。

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