まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
現在、「レンタルジュエリー」の事業をさせていただいています。
そんな事業の内容や見直しの際に何かヒントになればと手にした本が今回読んだ本です。
「見栄の商品学:井原哲夫 著」です。
タイトルの「見栄」というところに何かジュエリーに通じるものを感じまして、手に取ってみたわけです。
ただ、その本の表紙のイラストのイメージよりははるかに難易度があるのが率直な感想です。
それくらい、マーケティングがいかに難しいものであるか、奥深い人間の心理を研究せねばならないものであるのかということです。
〇〇欲求といういろんな満たされない欲求が存在するからこそ商業が成り立つ
「お腹がすく→満腹になる」ということが単純な例として挙げられていますが、人間の欲求にはいろんな欲求があるということです。
その種類をいろいろご紹介していただけるのがまず良いです。
そして、欲求の満たされない部分が、「ギャップ」であるということ。
そのギャップを埋めるように働きかけることが商業そのものであるということになります。
ですから、満たされていない部分をうまく見つけていくことがヒントになりますね。
そして、物があふれて満たされてしまった将来の見通しなどについても書かれていました。
こうした部分は、この本が書かれてからかなり経過した現在では、それがより現実となってきていると思います。
なぜタイトルに「見栄」という言葉を使われたのか
ところで、もともと私が手にした理由は、このタイトルの「見栄」という言葉に自身の事業との関連を感じたからなのですが、本の中で、「見栄」という言葉はダイレクトに登場していないようでした。
それなのに、なぜ「見栄」という言葉でまとめられたのでしょうか。
キーとなる言葉に、文中でも登場の、「ネアカ産業」「ネクラ産業」というものがあります。
パーティーで恥ずかしくない装いをしたいから、綺麗なドレスをレンタルする、本物のジュエリーをレンタルするなどと解いていくと、私の事業にも通ずるところがあります。
ネアカとネクラは混在する事業もありますし、どちらかが色濃い場合もあるみたい。
自身の事業がどちらに当てはまるのか、両方備えたものなのかもしれないなどを考えてみるにも良い機会になる本です。
この「見栄」という言葉は、「ウェブレン」の「消費論」に登場します。
よくファッション史の中でも引用の多いウェブレンの理論は、消費における人間の最も根底にある気持ちを表したものではないかと。
見栄という言葉も、私がイメージしたこれまでよりももっと奥深いものであり、本の中に登場したいろんな欲求が言葉1つで「見栄」としてあらわすことができるということなのかもしれません。
あとがき
今回の本は、文章がやや難しいなあと感じました。
しかし、そもそもその事業は、どんな欲求を満たそうとしたものなのか。。。という視点から見ることができるようになるのも、この本からの良き学びです。
根本的な人間というもののタイプとか性質を研究することが実は一番まずはやっていなければならないことなのですね。
引き続き事業を継続していくにしても、気づいていなかったところへのアプローチなどを新たにしてく際にも参考になる良き本でした。