まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
2007年「ハンドメイドバッグ道」なるものへ足を踏み入れてからというもの、様々なデザインのバッグを製作してまいりました。
素敵な大花柄を画角に収めるよう上手に配置し、麻の素敵なトートバッグがオークションで¥10,000以上の高値を付ける「ヤフオク」様の出品者様の方が非常にうらやましく、未熟な腕前に肩を落としたものでした。
あれから15年、やっとここへ来て機能と装飾を追求し尽くし、そこそこバッグらしくなった「完成型」のような姿に製作できるようになたっと胸を張って言えるようになっています。
その機能と装飾を兼ねたパーツの1つ、「ポケット」はバッグの中では重要です。
これまで当たり前に機械的に製作してしまっていたその凝り固まった考え方を見直し、「本当に相応しいポケットの姿」を追求しました。
そして、今ここに行き着いた、かつての「フラップポケット」と「隠しポケット」の合体の形のポケットをご紹介したいと思います。
フラップポケットのメリットと隠しポケットのメリットを同時に活かした混合型のポケット「フラップ付き比翼ポケット」の誕生秘話
2007年スタート時点の初期の中の初期にもポケットは付けていまして、このような吊り下げ式ポケットでした↓。
トップを縫い代に挟み込む縫い付け方です。
一重仕立てでここまでの容器を作れる素晴らしさに当初は感動したもので、一重仕立てのサブバッグと一重仕立てのファスナーポーチに共通に設置しておりました。
ただ、デメリットとしまして、背面の柄の向きが反対になりますし、バッグ自体も接着芯を貼る二重仕立てへの変更に伴いポケットも二重仕立てへと飛躍。
次に二重仕立てで作る「貼り付けポケット」というポケットを数年利用↓。
作りが単純割には、必ず柄を合わせなければならない苦労を伴います。
柄合わせの勉強を兼ねて1年くらい取り入れてきましたが、ここからさらに発展↓。
歪み解消のために、コの字ラインは伸び止めテープが必要になり、意外と単純ではありませんでした。
そして、貼り付け型はどうも容積が狭く感じるのでした。
綺麗に出来上がらないものは見直すべきだという思いが高まりましたし、貼り付けポケットはピンと張り詰める物理的な動き、マチが無いのであまり多くは入れられません。
このポケットの機能は、安全性の面はダントツですが、ファスナーの開け閉めに煩わしさを感じ始めました。
そして、元々色が合わせにくい既製品のカラー展開が豊富ではなかったファスナーを廃止。
もう1種「両玉縁ポケット」と呼ばれる真ん中で割れたポケット、こちらもスーツのお仕立てからの引用で作ってみたことがありましたが、開いたまま閉じないおさまりの悪さがありました。
「片玉縁風」のもう1つの役割り、屋根のようなひさしのアシンメトリーさこそ内部を見えにくくする1役となることに気付いたのでした。
それからというもの、もっぱらこちらの「片玉縁風」モデルばかりを採用しています。
ただ、この比翼は、物を入れることで少し口が開くことがあり、ダメ押しのフラップをこの上に縫い付けることで、更なる安全性を追求した姿になりました↓。
こうして、ポケットの種類別のそれぞれの「メリット」をピックアップして出来上がったハイブリッド型のポケット「フラップ付きの比翼ポケット」が完成したのでした。
あとがき
「頑丈にし過ぎることはかえってストレスである」という使う時の「気持ち」をよく考えたバランスをとった最終的なジャッジが大きかったです。
確かに、ファスナーが付いていることで安心ではあるのですが、スムーズな取り出しができることも非常に大切。
製作する時に、自分勝手な押し付けになりがちなところを、出来るだけフラットに、ユーザーの身になって考えた時に1つの答えが見えてくることがあります(^-^)。