まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
世界中に知れ渡る伝統ある「ハイブランド」様、いかに数々の研究や技術を高める努力の日々の繰り返しであるかを知り、大変刺激を受けております。
そのレベルはともかく、表面的な「模倣」や「コピー」ではなく、そういった「姿勢」についてもっと学ぶべきなのではないかと。
その「名声」や「ブランド価値」のみに甘んじていては企業存続にかかわると、いつ座を奪われるかも分からない熾烈な他の伝統あるライバルとの競争の最中(さなか)にあるのが「ハイブランド」様の実態なのです。
そのこだわりの徹底ぶり、とことんというほどまでの研究が当たり前であるというような姿勢こそ真似をするべきではないのでしょうか。
このたびは、見る者を「あっ」と言わせるほどの美しい仕立ての根底にあるものは、「良い物をお届けしたい」という「気持ち」なのだということを綴りたいと思いました。
一目見て、「あっ」と言わせるような美しさのある部分を目指す箇所:4連ステッチに込める思い
この4連ステッチの取っ手は、かなり初期のころから取り入れています。
一番最初の芯地も何も入れないペライチな袋物だったころからの発展として、まずは接着芯である薄芯を全面に貼り、中にもソフト厚芯などを入れて取っ手の貫禄や持ち心地を高めるものになっていきました。
そのステッチの綺麗さ1つとってみても、まずは幅が均等であることの美しさ、美しいためには適切な糸調子であるべきで、いくつかの細かな徹底した追求の末に技術が生まれると思います。
写真のようになったのはごく最近の事で、かつては、幅が不統一、縫い線も脱線してしまうこともありました。
縫う場面以前のアイロンがけの折り線付けの段階での徹底も綺麗な仕上げには大いに関連してきます。
そういった流れ作業ではあるけれども細かな作業の集まりが1つの技術となって結果美しくきらりと光る独自の特徴にまで行けるかと思います。
そして、4連である理由も、その幅では一番綺麗に映るのが4本であると感じたことからそうしています。
3本だと1本少ないので、作業が進むなど、そういった考えを横に置いてでも追求したい本数だったのが4本でした。
結局は、当方の都合だけでは考えなかったという点です。
徹底的とか、拘りとか口では言いますが、実際にどこまでの追求であるのかどうかは出来上がりがその答えを教えてくれるというとでも言いましょうか。
その辺りは、こちらの製造側以上に、お品を選ぶ購入者様側の目というのが鋭いもので、ちゃんと手間をかけてあるものかどうかは 結構見抜かれます。
とても厳しい目をお客様は持っていらっしゃるのです。
¥5,000以上のお品を販売しようとすると、すでにそういった点が物を言います。
¥3,000台は、格安の量産のお品でかわいいのが多くあるので、そこを超えていかねばなりません。
ステッチをするときに、心の中にその整然とした佇まいのステッチを見て、うっとりと眺め微笑むユーザー様の姿をイメージするのです。
あとがき
ということで、このたびは、技術を高める例として、長年お作りしてきました取っ手・支柱のステッチを例にとってみました。
とは言え、この4連もすべて線を引かずして等間隔にしていくわけなので、プロと呼ぶにはまだまだといったことを思う時があります。
偏って幅が均一でないこともしばしばあるのです。
難しい部分である箇所こそ技術の見せ所、そういう点を特に訓練と研究で磨いてゆくことに注視したいものです。
「やりにくいヶ所を綺麗にできる技術」を高める根底には、「良い物をお届けしたい」他者様へ与える「give」の気持ちが入っています(^-^)。