裏地はたまたま隠れる場所に設置される生地というだけ、表地とフラットな見方で時には「主役」にもなる【657】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

あれは2019年のこと。。

生地屋様のレジの列に並んでいました。

自身の手に持っているのは生地の反の最終、よく遭遇するのですが1反の最後は生地屋様の在庫の終わりであることも多いです。

その時に、後ろの方に「それ、何に使うの?」と聞かれました。

もしかして良いと思っていただいたのに反の最終だから欲しいと思われたのかもしれません。

そして、自身は答えます、「バッグの裏地です」と。

そして、「裏地なんて安くて悪い生地で良いのにそのような生地を使うのは違うのではないか」とのこと。

その生地の値段は、@¥1,000(税込)/m。

生地の中では安物ではないレベルのお値段なので確かに一理あります。

マルチストライプのコットン素材でしたが、先染めではないプリントでした。

その頃から裏地も表地もフラットに見ておりましたので、そのご意見には「しきたり」や「固定観念」を思わず感じてしまいましたがかなりご意見としてはいい加減ではなく、固いもののようでした。

「裏地は裏に隠れるもので、そこそこレベルで良い」というのは、確かに分かりますが、バッグの場合はっきりと目に見える部分であり、むしろ中に物を入れる時に直接触れる部分ですのでそういった意味においては表地よりも重要な部分です。

今でもこの「表地とフラットに見る」という見方は間違っていないと思うのですが、多くのバッグはそのレジで後ろに並んでおられた方と同じ考えだと思います。

「そういうものなのだ」というのがまず一番に思うことなのかもしれません。

そんな頃、専門家による遥か昔の昭和時代の本を古本で手に取り、今でも大切に保管することになる本に出会います

そこから、裏地の役割や機能を「専門書」の教えとして学びました。

このブログ記事の最後に、裏地に対しての考え方をご自身でも持ってみてくださいませ。

裏地は脇役でしかないのか、それとも主役になるのかを自分の意見だけではなく、専門書に書かれていることから答えを探してみた

少し前のブログ記事の【651】の「ベルトの起源」の内容の記事が「コラム」の中に書かれていた同じ本です。

「裏地と芯地:関西衣生活研究会 発行」、1983年製の教科書のような本。

専門学校とか大学などの服飾関係の科で使われたものではないかと想像します。

昔の本であっても裏地や芯地は姿や形が変わることが無く、とても典型的で本来の仕立てなどベーシックな部分が学べる貴重さというものを感じました

まとめますと、裏地は「縁の下の力持ち」的役割が主体となった「機能を主につかさどる存在」だと言えます。

よって、華やかにする必要が無かったりなどと思われるのかもしれません。

ただ、現在はこの本が発行されてからは40年の年月が流れ、手に取った自身はその後新しいタイプの考え方を持つようになったのだと言えます。

かつては裏地の大部分を占めていた「機能」、不足しているところが「おしゃれ度」の割合の少なさだったかと。

40年の間ではかなりの価値観が多種に分かれることになり、1つの同じ考え方一辺倒ではなくなってきたのです。

機能の部分は一番の基本としてこうした教科書に綴られていることを理解し、有難く受取り、あと私達が出来ることは、「美しい物に対して気持ちを満たす」価値を考えることになります。

そうすると、裏地にもおしゃれ度を入れていくということで裏地の存在も重視するのが自然に行き着いたことだと考えました。

あとがき

裏地があるおかげで、一重仕立てでは難しいバッグのデザインが上手く出来上がっていくことがよくあります。

実は、それほどまでに一重仕立ては難しい仕立てなのです。

今後製作していこうと予定を立てています黒ベースのバッグは、裏地の効果もあって黒なのに華やかさも入るテイストが作れると思っております。

ただ、レジ並んでいた方は、もしかして、「基本的な機能を重視せよ」ということを思っておられたかもしれません。

まさにこのたびのこの本の時代にハンドメイド活動真っ盛りの40歳くらいだったと予想されるからです。

その後、レジで並んだストライプ生地は、後ろに並ばれた方の助言も取り入れながら、1点のヘルメットバッグを表地に、残ったすべてを表地も裏地も両方ミニバッグに、そのストライプ生地で作ったのでした↓。

ヘルメットバッグ:裏地に選んでいた生地を表地使いに製作。
ミニバッグ:裏地に選んでいた生地を表地にも裏地にも共生地で製作。

本からの学びも得ながら、レジの後ろに並んでおられた方のご意見も違った形で受け入れました「表地にも裏地にも取り入れる」という形でこの生地の幕が下りたのでした(^-^)。

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