まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ツイード素材は不動の人気の様子です。
秋冬なイメージがあるかもしれませんが、よく混率を見ると毛やアクリルが入っているものばかりでもなく、季節感のないオールシーズンOKな生地もあるようです。
ツイードの良い所は、柄のようで、無地のような程好い華やかさがある点。
さて、今回は、このツイードがマルチカラーになっているファンシーツイードで、「1泊旅行用の、大きすぎもせず小さすぎもしないバッグ」というご依頼を製作した記録です。
今回使用の表地と裏地
混率がポリエステル/35%、ビスコース/31%、アクリル/16%、綿/9%、ナイロン/9%とやや込み入っていますが、わずかな割合のナイロンなんかも、地のチャコールグレーの部分にちゃんと感じられ、いい感じの張りが出ているようです。
チャコールグレーと目には映りますが、実際の糸は黒なのかもしれないです。
地の素材のツヤなどから、薄めに映るので、ぱっと見たときに真っ黒でなく濃い目のグレー。
ワントーン黒より落ちているので、雰囲気がやわらかいです。この混率の中には毛は入っていないので、ツイードといっても季節感は感じません。
次は裏地です。
今まで私がよく使ってきた生地アムンゼンです。このチャコールグレー色は、まっ黒より優し気であることで組み合わせがしやすく、よく裏地に使ってきました。
もともと多く調達してあった反物です。
隠しポケットに盛り込んだ独自の工夫とは
まず、私ならではの作りの、隠しポケットの製作手順をご紹介します。
①ポケットの入り口になる、ボックス型の穴を作ります。
ラッピング布を中表に当てる点がポイントです。
そうして、ラッピング布を表側から先ほどのハサミカットの切り口をくるみこむように表側からくるっと裏側へひっくり返します。
その場面はこんな感じです↓。
そうして、アイロンできっちりと折り込んで余分すぎる端をカットして整え、ミシンステッチでボックス1周を固定した状態がこちら↓。
ここで記載してはいないのですが、この後に、切り込んだYの字によってできた三角の部分を裏から、ハード薄芯ごと固定するステッチをかけると固定の機能ができます。
この見えない部分の固定は、力がかかるファスナー部分にとって後々、長持ちの丈夫さの秘訣になるかと思います。
②ファスナーにポケットの袋を取り付けます。この段階でpicturesque流の工夫をしている箇所が出てきます。
この写真の左側の数センチの短めのパーツを私は、延長布と呼んでいます。
なぜ、この延長布をわざわざ1パーツとして作っているかです。
それは、ラッピング布=袋が1つで2つ兼ねられると思うわけですが、この上の写真のようにファスナーの隅っこが隠れることはありません。
ポケットをのぞき見た時に、入り口付近が視界にはいります。そして、手を入れたときの感触がファスナーの端のピラピラしたところに当たります。
場合によっては不快感を得てしまうかもしれませんし、見た目もすっきりとはしていませんでした。
ということで、持っていた某ハイブランドのナイロントートバッグの作りを見てみました。
すると、ポケットの入り口から中をのぞいても、ファスナーの裏側や端っこなどは見えませんでした。
これぞ、一流の始末だと思いました。
どうしたら、このブランドのように作れるのかを研究しまして(あくまでも参考で自分の中に落とし込んでいます)、結果このように延長布を使うということにしました。
ハギ目ができることが否めませんが、このハギ目を底に合わせていくこともできます。
私の場合は、底にハギ目を持って行かず、ポケット入り口の手前の目立たない深さに当てたことには理由があります。
③ファスナーと袋が一体化したこの状態を本体に取り付けます。
次は裏側でポケットの袋を縦横とも閉じる作業をして完成します。
これで完成となります。
では完成した隠しポケットを外から覗きます。
現在の私のやり方では、延長布は出来上がるとこのような位置にハギ目が来るのです。
上述のように、このハギ目をポケットの底部分にすることも理論的です。
型紙の調整によって延長布が「手前袋布」というような名前に変わるかもしれません(^_^;)。
ただ、気を付けねばならないのは、袋の2枚は全くの半分ずつの面積ではないということから、微妙に違う面積のそっくりな2つのパーツができてしまい、紛らわしく、どっちがどっちだか分かりにくいです。
間違えやすいとも言えまして、目につくような位置につなぎ目がかえってできてしまう失敗作になるかもしれません。
完成したバッグ閲覧会
では、完成した1泊トートバッグです。
裏面生地を使用したバッグが完成です。柄の出方が控え目でシックです。
無地のようで柄のようなツイード生地はとても魅力的ですね(^-^)。
あとがき
今回のバッグは、オーダーメイド品でした。
まだ残りの生地がございますので、次回は、本来の表地を表面として使用していこうと思っています。
文章のこの部分を後から更新しておりまして、その後の3年後くらいのずっと先の番号の、【1052】で、「インテリア収納袋:中」という巾着袋を製作したということで、この生地の使用を終えました。
よろしければ、【1052】の記事にもお立ち寄りどうぞ(^-^)。
このファンシーという生地は、もう二度と同じ生地を生地屋さんで目にすることがありませんでした。
生地は本当に幻とでもいうようなその場限りの反が多く、ピンと来た時に保管しておくことも決して意味のないことではないです。
1年ごとの上書きのような製造の仕方みたいで、その年には姿があったけれど翌年にはみられないという何とも儚い材料です。