服地の薔薇とレオパードコンビがイタリア製らしさ、無彩色でも立体感が出る可能性が高まるフクレのバッグ【13】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

前回の【12】の記事に引き続き、ぷっくりと膨らんだ素敵な「フクレジャガード」生地を利用させていただいたコンパクトなショルダーバッグの製作になります。

2019年より新しい分野の「高級生地」に注目し、生地集めと並行しながらバッグ製作をしていきました。

この新しい分野の生地のテイストは、製造者ピクチャレスクの好みでもある凹凸感がある美しい生地、生地選びの時点ですでに心が躍るような感動を覚えました。

「フクレ」類の生地は、日本製とイタリア製ではイタリア製の方が見つけやすく、その多くが、「風通加工」というタイプの膨らませ方です。

日本製はあまり膨らみがダイナミックではない控え目なタイプが多く、織柄のジャガードの方が主流のようにお見受けします。

こうした分かりやすい膨らませ方というのは、イタリア製の特徴なのではないかと思います。

分かりやすい=ダイナミックなので、素材自体がすでに華やか、未熟な製作の段階では随分生地に依存していたと振り返ります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.04.02からおよそ5年半後の2025.01.13にブログの「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

このたびの薔薇とレオパードのコンビの生地もなかなかの高級素材で、生地単価が@¥5,980/mのもの。

【12】と同じことで、2019年当時の「生地頼み」の製作は、技術が未熟であったことでややもったいない使い方をしていたと見ています。

生地が高額であるから控え目に調達した35cm程のわずかな分量(幅は145cmくらいありました)という考え方は、一見分量のコスパが良いようですが、実はかえってもったいない調達の仕方なのです。

2025年の今振り返りますのは、その場の生地の価格のみで考えるのではなく、出来上がった製品のその先にも存在し続ける価値として見なければならないということ。

ここまでの美しい柄を大きく広げて使うことをしなかった当時の生地の調達の仕方こそ、その考え方や見方が未熟であったと言えるのです。

美しい生地こそ、大きく面積をとったバッグを作るべきだったのです。

薔薇とレオパードコンビのフクレジャガード生地、コンパクトなフラップバッグではまだ物足りなかった美しさの演出

ものすごくぷっくりと膨らんだ立体感のある素材で、柄だけでもうっとりと眺めてしまうほど。

【12】の時のデイジー柄とはまた違ったタイプのフローラルなフクレジャガード生地でした↓。

フラップバッグ(ショルダー付き):<サイズ>縦15cmx横30cmxマチ7cm。
表地(黒xグレー):フクレジャカード、ポリエステル/87%、ナイロン/13%。イタリア製。
裏地(チャコールグレー):アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製。【12】の時とこの度とで共通に使用。

表地がここまで美しいのですから、裏地もプレーンなタイプではバランスが悪い、そんな点ではぶつぶつ柄が美しい「アムンゼン」は良きレベルだったと思います。

フラップのみのセキュリティーの危うさを、第2の入り口のファスナーの口布でフォローしている構造です。
ショルダーのイメージ:「線コキ」で長さの調節機能が付いています。真っ黒コーデに一番映えるバッグです。

お出かけ用スタイルを考えてみました↓。

ロングタイトスカートの黒コーデに合わせてみました。バッグ自体がアクセントのような役割をしてくれます。

あとがき

生地の調達のその場は、0.35mのみでコストを抑えることに囚われていたのでした(0.35mx@¥5,980=¥2,093)。

しかし、長い目で見て、1m調達した一見高額な@¥5,980x1m=¥5,980という原価は、完成品では、その比率を大きく越えたもっと大きな価値に高まっていく可能性があったのです。

素材無しでは到底製作などできないのですから、優れた生地に大いに敬意を払い、最大限に美しさが出るような大きな物を作るべきだという考え方です。

【12】に引き続き、随分未熟な技術のまま背伸びをした高級生地で製作してしまいましたが、早く学びを得ることができた点は良かったと思います。

売り物にならなかったもったいなさを、その後の解釈によって挽回してゆけると良いのですが、残念ながらもう2025年ではこの同じ生地は見つけることができません。

たとえ技術が未熟であっても当時にしか出会えなかった貴重な生地だったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

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