プラチナネックレスやブレスのチェーンタイプの刻印が決まってPT850である理由は強度を意識した強靭さの追求である【558】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

プラチナが宝飾品によく使われ出したのは金や銀よりも比較的後。

その理由として、「金や銀よりも融点が高く、溶けにくいので敬遠されていた」というような一説があります。

しかし、ダイヤモンドとの組み合わせに、とてもマッチした地金として選定され始め、ダイヤモンドには決まってプラチナを組み合わせるというような地位を確立。

ダイヤモンドの指輪、ペンダントなどの台には、確かにプラチナ台であることが多いと思いますが、そのような経緯があったのです。

さてこのたびは、そのプラチナと一口に言っても、ジュエリーアイテムの別によって、PT900とPT850の刻印に分かれている理由を自主研究致しました。

特に、学ばせていただくことの多かった、本、「彫金-手づくりジュエリー-の技法と知識:秋山勝義・飯野一朗 著」は、ずばりその理由が書かれています。

有難く知識をしっかりと受け、さらに私の中でよく咀嚼し、自身の体験やエピソードの事実を盛り込みながらアウトプットしてまいります。

チェーンタイプのネックレスとブレスにはPT850の刻印、リングやペンダントトップなどの動きが無い造形タイプにはPT900という分かれ方の理由

プラチナチェーンネックレスの刻印:ダルマ板にPT850の刻印が見つけられました。

まプラチナに関しては、生粋のプラチナだけでできている場合、プラチナ100%を「1000」という数字で刻印表示されています。

この生粋の材料でできたものが実際どのような状態かというと、柔らかすぎて、とても宝飾品として使うにはふさわしくないようです。

確かに、過去に、プラチナの指輪が変形しやすかったり、透かしの部分がすぐに折れたりしたのを見せてもらったりしたことがあります。

もともとプラチナ、金、銀というのは、どれも柔らかい素材なのです(ハサミで簡単に切れたりします)。

だからこそ、綺麗な装飾を形作ったりなどの融通が利くとも言えますが、その反面丈夫な素材とは言えないのです。

そんなことから、75%の純金を使って、残りの25%は、強度のある割金を加えた合金である18金(K18)とかシルバー925とか、PT900,PT850などというように、割金の力を借りて、全体を丈夫な硬いアイテムに作り上げるものだということです。

ただ、プラチナだけの100%ものジュエリーが全く存在しないわけでもありません。た

たまに、PT1000なという刻印もレアものとしてあります。

マニアにとってはとても貴重なお品としてそれも希少価値がある存在にはなるようです。

1点ペンダントトップでPT950という刻印のものがありました。

これもある意味レアです。

このペンダントトップがPT950でした。

ところで、PT900、PT850というこの差は、あまりイメージわきにくいかもしれませんが強度の上では随分大きな差のようです。

ということで、ますます、PT900、PT850の使い分けが気になっていたところでした。

そして、この使い分けの違いの理由を学びました。

PT850はPT900よりも当然硬いということになります。

純プラチナのPT1000とか、PT999などがとても柔らかいので、数字が低くなると硬くなっていきます。

PT850未満は、割金が入りすぎて、もはや天然の域を超えるということでしょうか、このPT850のラインがハイジュエリーの中では良質さの評価の基準だと見て良いでしょう。

ダルマ板がありますが、そこに刻印がPT850が打たれていることがほとんどです。

ダルマ板を使うアイテムというのがチェーン類。

ネックレス、ペンダントチェーン、ブレスです。

つまり、本にもそのことが書かれていまして、「チェーンというものは、引っ張ったりなどの圧力がとてもかかる場所であるので、柔らかいと破損に繋がるリスクが高く、硬さが求められるので、PT850がチェーンに選ばれる」ということでした。

なるほどですね。

実際にジュエリー類のアイテムを1つ1つ見たところ、ペンダントトップや、リングのような造形タイプに関しては、PT900というのがほとんどでした。

チェーンがいかに圧力がかかるようなアイテムなのだということが間接的に分かります。

また、「PT900」である理由として製造には装飾しやすいからなのではないか、かといってPT1000ではへこみや傷みが付きやすいからある一定の割金をバランスよく入れたPT900になっているのではないかと。

↑これは本には載っていなかったので私の予想でしかありません。

あとがき

プラチナはホワイトゴールドと近づけて比べるととても白いことが分かります。

K18をイエローゴールドだけでなくてホワイトゴールドにも展開していった理由というのも、「プラチナが少なくしか入手できない時代にその代用として作られたのがきっかけ」だとリフォーム屋さんが教えてくれました。

ゴールド色だけでなくシルバー色も愛用したいニーズの高まりだったのでしょうか。

今では大変人気の地金がK18WGです。

しかし、厳密にはプラチナとはやはり違います。

プラチナはとても白い、もっと暗いグレーがかった方がK18WGです。

その白さをより出していくためにK18WGには、決まってロジウムメッキという仕上げがされているものなのです。

ということで、この色の微妙な違いも、ペンダントとチェーンという近い位置にあるアイテム同士はせめて揃えたいと思ったきっかけになりました。

天然石の黄色とオレンジが色相環でいう類似色同士では決してないということの証明【587】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2010年代前半にパワーストーンが流行した時代がありました。

あの頃、新しい素敵なストーンが存在することをし、購入したり、珠の連をつなげて自作のネックレスやブレスを作ったりしていました。

あまりの流行でゴムに通したブレスを多くの人が手に付けていたのをよく見かけ、カジュアル過ぎる仕立て方に対してとても違和感を感じ、留め具を18金で設置したりし始めました。

そうして、様々な種類の天然石でひと通り製作した最後のものがこの度の製作です。

集大成みたいなもので、マルチストーンにしてロングネックレスを作るということをしました。

黄色の天然石とオレンジの天然石が全くの別物であることを出来上がった時の組み合わせの違和感が教えてくれた

セット組:全体的にイエロー・グリーン系のマルチストーンのまとめ。
〇ネックレス:K18YG留め具に天然石の8mm・10mm珠の一連。長さは95cmのロング丈。

黄色はレモンクォーツ、パープルは濃淡ありフローライトの中に混じるアメジスト、グリーンフローライト、グリーンアメジスト、メロン色のプレナイト。

〇ブレスレット:K18YG留め具のの一連。レモンクォーツ、グリーンアメジスト、フローライトの3種。

ブレスは、ネックレスよりもストーンの種類を減らしました。

〇リング:左-K18YG台に縦17mmのシトリン。12号。右-K18YG台のカナリートルマリン。13号。

せっかくの18金の留め具なので、リングはイエローゴールド台のものを2個合わせました。

ところが、シトリンの色が、黄色のシトリンのはずなのに写真ではどうしてもオレンジに映るのです。

右のカナリートルマリンは蛍光色に近い黄色なのでなおさらです。

ここで、色相環の類似色である黄色とオレンジは隣り合ってはいてもかけ離れた存在なのだということを気にし始めます。

色相環では黄色とオレンジは類似色ですが。。あくまで類似でしかなく、一緒に重ね付けに違和感がありました。

あとがき

マルチカラーの良さはお洋服に合わせる候補が複数見つかることで、1点持っていると合いやすくなることがメリットです。

このたびは、グリーン・イエロー系のマルチカラーだったのですが、こうしてミックスされていることによる融通性が生まれます。

ということで、集大成としてロングネックレスとブレスを作ったわけですが、その後の見直しでこうした連物は、当「本物志向のレンタルジュエリー」からは完全廃止。

その後は、レベルを上げ、宝石+地金の本格的なジュエリーばかりのラインナップへと変更していきました。

2023年で完全にそれが実現。

こうした連物はユーザー様からのフィードバックが良くなかったのです。

それでも一度はやってみて、とても良かったと思っています。

こうしてやってみての結果ですので、見直すことができたきっかけでした。

2010年代のパワーストーンブームにより、自作する技術を少しだけ得られ、それを活かした挑戦もできたことは大変良かったです。

そうした段階があったからこそ、内容を高めより受け入れられるためのレベルアップが工夫できることになりましたし、かえって方向性が1つにしっかり向きました。

今後とも「本物志向のレンタルジュエリー」、是非よろしくお願いします(^-^)。

どのジュエリーアイテムにも取り入れられている「マーキスカット」モチーフの素敵さを味わう回【554】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「マーキスカット」というカットがあります。

アーモンドのような葉っぱのようなとんがったモチーフです。

マーキスカット:アーモンドのような尖ったモチーフがスタイリッシュで魅力。

この「マーキスカット」のカットは宝石を切る時のデザイン名なのですが、由来はそもそもどこから来ているのでしょうか。

それは遡ることフランス革命以前になります。

王侯貴族の時代、ポンパドール夫人という今でいうカリスマ的存在でおしゃれアイコンの一人である女性がいました。

ポンパドール夫人は、男性の地位を表す、①公爵:こうしゃく、②侯爵:こうしゃく、③伯爵:はくしゃくの中の②の侯爵=マーキスの彼女、当時では位の高い愛人である「公妾:こうしょう」でありました。

陰に隠れた存在と言うよりも、スポットライトを浴びた存在だったと思います。

そのポンパドール様が身に付けていた、と同時に当時に多くの女性の間で流行した形だったのがこの形。

これがマーキスカットの由来とエピソードです。

このたびは、この「マーキスカット」がデザインに素敵に取り込まれているジュエリーのご紹介になります。

マーキスカットはジュエリーアイテムのどこにでも登場するオールマイティーなデザイン

まずは、マーキスカットのダブルリングから。

K18YG台のアメジストのマーキスカットのダブルリング。なかなか個性的です。

ダブルリングは、真珠とかお花モチーフの丸いタイプでは多く注目してきましたが、このデザインは珍しい1品です。

マーキスカットが地金でデザインされている例:1パーツ1.5cmの存在感です。
マーキスカットが2種のストーンのバイカラーネックレス。台はK18YG。サファイアとダイヤモンド。
レモンクォーツのペンダントトップ:くっきりと美しいマーキスカット型です。

このように見てみると平均的にどのジュエリーアイテムにも取り入れられているようです。

この形にいったんのめり込むとすごく気になる存在になるくらいの美しさです。

あとがき

このたび、めいっぱいマーキスカットのジュエリーアイテムをご紹介致しました。

マーキスカットは何と言ってもその形が特徴が強いので、ジュエリー同士の組み合わせの際には、「形」を意識して同じ形でそろえて素敵な組み合わせができる可能性が高いと思っております。

お花とかハートなどの丸く優しいラインにはない別の素敵さがある独特の魅力を持っているのが「マーキスカット」の存在感なのです(^-^)。

正面の10個のボタンが当時の流行をにおわせる、今後の新しい着方をしていくためのロングワンピースの飾りボタンの撤去【552】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ファッションというものが長い間、流行が基盤になって成り立つものであり続けてきました。

すべてではないですが、多くが余分な数の洋服を作り大量生産でした。

余分な数を作らねば成り立たない元々の事業モデルで活動し続けてきたのです。

実際そのたくさんの生産が、たくさんの購買とうまくマッチしていた時代は良かったのですが、ここ近年激しくそのバランスが崩れていきました。

たくさん作ってもたくさん購買してもらえなくなったということです。

たくさん生産する労働の裏の場面に過酷な状況下でリスクを背負う方達にスポットが当たり、サスティナビリティ(永久持続性)ということが重視されてきたことも相まって、製造の裏側の悪質さも浮き彫りになって批判され始めます。

そうして、近年、過剰在庫の洋服の対策に悩むようになり、今までのように過剰生産のままやってきた事業がいよいよ難しくなってきたわけです。

今後の新しい洋服は、本当の意味で、正当で優しい商品が求められます。

このたびは、一人一人の個人がお洋服の購入に対してきちんと責任を持ち、本当に自分が求める自分表現の1つである重要なお洋服の買い物が無駄のないよう、コスパの良い入手ができるための1つのご提案として「古着のリフォーム」をお伝えしたいと思います。

「昭和時代の流行を取り除く」という比較的簡単にできるワンピースの飾りボタンの取り外しリフォーム

新しく作られた商品よりも、古い素敵な商品に目を向けてみます。

こちらは、古き良きヴィンテージ物のワンピース。

かつてのオートクチュールブランド様らしい、きちんとしたお仕立ての「ハナエモリ」ブランドのワンピースです。

BOUTIQIE HANAE MORI」とネームに記載のあるワンピース:黒x白の水玉ロング。

生地がジョーゼットのようです。とても高級感があります。

このアイテムはもともとはそれほど流行を思いっきり出したようなデザインではないとは思いますが、少しはあります。

肩パットのボリューム感、メンズの軍服から受け継いだような胸のトラッドなボタンデザイン、センターにひだが入るスカート、ウエスト部分の三角の切り替えなど。

この中で今後活かすもの・取り除くものの別を判断。

もともとのデザインを活かすのも忘れずに、必要な部分のみということです。

私が凝ったリフォームができないこともあり、肩パットを取り外すことと、胸のボタンをすべて取り外すということをしました。

肩パットは、しっかり縫い付けるものではないので、すぐに外せます。リッパーという道具を使います。

はさみはよくないです。はさみの刃が早くダメになること、間違えてカットしてしまうリスクからです。

リッパーで優しく手縫いされた糸を外せばすぐに取れます。

一部の商品で、ミシンもかけてあるのもありますが、それも一部です。全体に縫い付けてあるものはないですので、簡単です。

ボタンを外す:お仕立てが非常によくて、ボタンの付け根部分もしっかりと糸を巻き付けてあります。
リッパーを動かすなどして無理のないように糸部分のみを削ぎ取ります。

前後にリッパーの刃を動かすとだんだん糸が切れてきます。

一気にやろうとするのは禁物、生地に負担ですし乱暴です。

こうして10個の正面ボタンをすべて外しました。
ボタンを取り外した時の糸くず。この糸くずのボリューム感でもお仕立ての良さがうかがえます。
after:こんな感じにすっきりとしました。ある意味クセがなくなったと言えます。

いろんな場面で使える言葉ですが、このafetrの状態をbeforeに対しては、「垢が抜けた」「粋になった」と言えるでしょう。

どうにでもアレンジしやすいお品になったとも考えられるのです。

残した効果があったボタン:外さなかった袖のボタンは結果アクセントになったようで〇。
左:before/右:after:着こなし幅が広がるのはやはり右側かと思っています。

最初から、流行のあまり入っていないものというのを選ぶのも今後長く着ていけることの1つとしてあるかと思います。

流行が多く入るとその分リフォーム箇所も増えて姿が大きく変わりますので、そのリフォーム技術が必要であることと手間がかかりすぎて時にコストが増大してしまうのです。

今回は、誰でもできそうなプチリフォーム例、お洋服を見る時に、ある部分を除外すれば着用しやすくなるなどをイメージされることをお勧めしたいと思います。

あとがき

おそらくこのワンピースはかなり古い物だと思います。

現在の30年前というのが1991年。

もっともっと前のものではないかと。。

ただ平成初期の1991年頃のお洋服であったとしても、現在の2021年では、30年ものの立派なヴィンテージになってきたのです。

見つけたビンテージ物の洋服の形がどの時代の物かを予測するのも楽しいですね。

そのような図鑑があったらとてもありがたいですけど。。

リフォームする箇所については、そのデザインが残っている方がかえって今後の新しい着方ができそうなら残す方向へ。

新しい着方を妨げるようなクセがあり過ぎるのならリフォームへ。

このような判断が現実的であり、的を得た相応しいリフォームをすることにつながると思っております(^-^)。

遊び心を持って段差重ね付け、コーデの成功を勝ち取る可能性たっぷりな茎と葉っぱ付きの細長フォルムのプチペンダントトップ【549】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ジュエリーの中でフラワーモチーフは非常に豊富です。

豊富であるのにどれを見てもそれぞれ違うように見えるのが楽しくて仕方がありません。

ストーンが真ん中と周りに5-6個配置された小花のモチーフがクラシックです。

ストーンの違いだけでもそれぞれの可愛さがあるので、コレクションしたくなります。

1粒ずつの花びらが、それぞれ地金で台が設置される作りですので小さくても手間がかけられているのです。

こうしてたくさんのマルチカラーのお花モチーフを見てきたところで、1点斬新な小さなフラワーペンダントトップに出会いました。

ストーンはダイヤモンドのみが使われてシンプル、そして茎と葉っぱもちゃんとある細長い一輪のお花デザインなのです。

このたびは、こちらのペンダントトップをご紹介しながら、どんな風にこの後付けていくのが素敵なのかの可能性を考えていきたいと思います。

茎や葉っぱもデザインされていることで縦長になっていることを重ね付けで活かす

ユニークなペンダントトップです。

とても小さいのですが、茎と葉がちゃんと形作られ、台がしっかり設置された作りです。

K18WG台にダイヤモンドのフラワーと茎と葉です。なかなか技(わざ)が細かい作り。全長2cm程です。

プチサイズなわりに、バチカンがちゃんとしてはいるのですがやや狭いのでチェーンがやはり華奢なものに限定されていきます。

もし、ボリュームが欲しい場合はバチカンに丸カンを通してアレンジします、

一度そのまま通るようなダルマ板の小さめの華奢なチェーンを通してみましたが平凡に感じました。

よって、1点だけでペンダントで付ける目的とすれば、チェーンにボリュームやデザイン性をある程度入れていくと良いと思ったのが1個付の場合の想像です。

一方、重ね付けも楽しいもので、茎と葉っぱ付きのペンダントなのですから、段差の重ね付けの下側で長めのチェーンを通すということです。

相方のショートの方はこちらと対照的に1粒物のトップが合いやすいと思います。

イラストでイメージしてみます。

下段の長い方にはこの度のトップを、上段の短い方にはこのモチーフ寄りボリュームが無い丸型の1粒を。

バランスを考えたこのような感じに上下で重ね付けの案です。

その他は、1本のチェーンに左右に並べる手もあります。

その他、ロングネックレスのあずきチェーンやラウンドチェーンの隙間部分をフックに、チャームとして付けるというアレンジがあります。

にぎやかにするためには、その他のパーツももっとたくさん必要になりますので、上下の重ね付けが一番アレンジしやすいです。

あとがき

上述でもお話致しましたお花という1つのモチーフでも、様々なお花があることがジュエリーの楽しさです。

すべてのジュエリーをお花だけでコレクションすることも可能だと思います。

小粒アイテムや小さいサイズはこうして遊び心を持って自分の裁量で組み合わせを考えていく楽しさがある一方難易度があるということです。

とは言え、特に決まりはないのです。

自由なのだということに喜び、そのアイテムそれぞれがちゃんと引き立つような結果に出来上がれば正解なのではないでしょうか。

フラワーモチーフはどのみち一癖あるモチーフですので、ハートや星などと共に悩む形だということをあらかじめ分かっていれば良いのです。

組み合わせの相手は喧嘩しないようそれに馴染む普遍的なフォルムであると良いコンビになるのです(^-^)。

プチペンダントの価値の高め方、重ね付けやチャーム使いのアレンジで複数で立体感を出す方法【548】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

とっても小さなアクアマリンのプチペンダントトップをご紹介したいと思います。

小さいのに、台がしっかりしているところがとても良いです。

ジュエリーの装い方のコスパの高め方の1つとして、着回しならぬ「付け回し」があります。

プチペンダント1点だけでは普遍的である所から発展し、目線を重視して、コーデの完成の状態でどう映るのかを考えていくところがポイントです。

プチサイズなりに良き出番があり、役割があるということになります。

まずはプチペンダントそのものの作りの良さを重視、そこからプチペンダントを主役にしながら他のネックレスと重ねる

スクエアであること、台が分厚いこと、バチカンも立派なアクアマリンのプチペンダントトップです。

この良き作りがあってこそ、プチペンダントとしてこちらが選ばれました。

貧弱なプチペンダントでは意味が無いのです。

小さいながらも「凛とした姿」を持ち備えた1点をまずは選びすぐります。

縦は1cm未満のアクアマリンのプチペンダントトップ。小さいながらバチカンや台(K18WG)が立派。

取り入れやすいアイデアは、重ね付けです。

では、重ね付けの例を3つ図解と写真の例を交えながらご紹介してまいります。

①ペンダント+ペンダント:アクアマリンをショート丈、長い方には同じスクエアモチーフの別デザインを配置。

これは比較的思い浮かぶペンダント同士の重ね付けの段差の方法です。

線が2段になることで外を颯爽と歩くその姿にチェーンがはずみ、立体感が演出できます。

とりあえず、基本的には四角いモチーフという共通要素を持ったデザイン同士合わせるというのがすっきりと粋(いき)になるかと思います。

ただ発展的には、面白く遊び心を持って、星やハートのモチーフをあえて重ねるという手もあります。

この時に注意したいのは、いかにも「手持ちの中からこれらを出し尽くした感」として見る人に解釈されないことです。

そうすると、かえって四角モチーフ同士の方が「豊富」なイメージなのです。

モチーフの形が違っても「類似」という共通点によって「豊富さ」も実現できます↓。

形は違ってもサイズのバランスとチェーンがお揃いで調整されています。

サイズに優劣の差が無いことが功を奏しました。

②ペンダント+チェーンネックレス:チェーンがやや引き立て役になってペンダントが目立ちます。

地金は同じでも違っても良いでしょう。

③チェーンネックレス+ペンダント:2つ目と反対の位置付け。

チェーンネックレスとペンダントの間を思い切って差を付けるとより立体感がはっきりします。

「空間も装いの1つなのだ」ということを大いに学べます。

反対に、チェーンネックレスとペンダントの差がほとんどない場合2本のチェーンが重なって線が太く映ります。

チェーンネックレスとペンダントの段差がわずかの場合。これも素敵です。ボールチェーンモチーフが共通。

実際に鏡に当てて見たり、客観的に友人に意見を聞くなど、これだけにとどまらず、自分なりの結果をつかむ実験をいろいろ体験して新しい発見をしてみて下さいませ。

以前おしゃれさんの写真を拝見した時に、段差がかなりある場合に遠目の立体感を強く感じました。

遠目から見た装いは、光に隠れほとんんど誰なのかさえ分からない時でも、ジュエリーの線は影として結構鮮明に映ることがあります。

それくらいネックレスの存在というのは見た目に強く影響するということなのです。

あとがき

少し余談なのですが、過去にこのような組み合わせをしたことがあります。

実はこのネックレスどれも別々であり、ネックレスx3点とペンダント1点の合計4点。段差のバランスが均等。

ここまでに重ね付けの数が増えると正面が華やかにできます。

チェーンネックレスの長さは、60cm+70cm+80cm。

10cmの違いは、ネックレスでは半分ですので、5cmが間隔の大きさです。

お洋服がシンプル過ぎたり、ややカジュアルに寄った服装でお出かけする場合に、ジュエリーの重ね付けの効果で「お出かけ用」の装いになるポテンシャルを感じていただけたでしょうか(^-^)。

地球上にある5,000種類以上の「鉱物」はそれぞれの成分の違いで10種に分類されるというマクロな見方【547】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

天然石が、宝石のペンダント、ブレスレット、リングになってしまうと、もはやその後はファッション的な装いの世界が重視されがちです。

けれども、その1つ1つのお品になる前の鉱物の姿では、ある区別が成分によって大きくグループに分かれていたのです。

このたびは、そのグループに分類する成分中心の鉱物の分類ということを、本「鉱物の博物学-地球をつくる鉱物たち-:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」から学びました。

到底すべてを把握することなど困難な多種の鉱物が大きく括られるということは地球を理解するうえでも重要なヒントになるかもしれないのです。

宝石がお好きであれば、その源の原材料である鉱物の中のその宝石の存在を俯瞰して見ることで、「なぜそのストーンに惹かれたのか」の謎さえも解明できるきっかけになるかもしれません。

鉱物の成分から見た分類の10種類を学ぶ

まず、【543】の時にお作りしました表を今一度見ます。

この表の中で、<成分>のところにご注目。ジェダイトとネフライトは同じなのです。

その一種の細かい部分が少し違うようなのですが、到底私がわかるものではありません。

天然石の源である「鉱物」には成分の違いにより分類があります。

5,000種を上回る鉱物が少ない数の分類で分けられることは、多数を俯瞰して見る上で非常にありがたいことだと思いました。

ほとんど有名なストーンしか記載させていただいておりませんが、〇〇鉱物という名前になっているのです。

下から2段目に、ジェダイト、ネフライトが共に属する「ケイ酸塩鉱物」という名前で、リストアップがあります。

それ以上の細かな分類がないので、やはりいずれも同じような成分であると言えます。

ちなみに、ダイヤモンドは一番上。

ダイヤモンドの場合は、主成分が単一の元素である鉱物。

「鉱物の博物学-地球をつくる鉱物たち-:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」 によりますと、「翡翠が属する、「珪酸塩鉱物」は、結晶構造の基本的要素として、ケイ素(Si)を中心とした正四面多体の各頂点に酸素(O)を配したSiO4四面体を持つことが特徴。」とあります。

成分を学校の化学の授業のように、記号で示していくのですね。

ところで、この有名なお話は伝説としてジュエリー界隈ではよくピックアップがあります。

「ある国で、王冠の天然石がルビーと思っていたら実はスピネルだった」というお話です。

同じ鉱物の分類に属していることがまずは類似の原因です。

そう考えると、ジェダイトとネフライトも簡単に違いが分かるものではないということです。

あとがき

どちらとも天然の良質な翡翠であるにもかかわらずその違いが分かりにくい「ジェダイト」と「ネフライト」の違いの区別を調べる中でこうした鉱物全体の成分の別という見方をするきっかけをいただきました。

宝石は「人の叡智」によってお店で並ぶ美しい姿になっている部分が大きく、それ以前の「鉱物」の姿というものにスポットがなかなか当たりにくいです。

そうはいっても、その美しさの本当の源は地球から顔を出したその天然の姿のおかげであることからのスタートであることは間違いないです。

その後、人間のアイデアが盛り込まれ、より美しく手を加えられるわけであり、神秘的な姿である最初の川上の段階も大切にしたいと思います。

ジュエリーを新しく手にした際には是非そのストーンのルーツや起源の様子をイメージしながらネットでググったり、図鑑でカラー写真を目で見て現物と見比べるなど少し調べものをされることをお勧めしたいと思います。

きっとお手持ちのジュエリーに対する向き合い方も変わってくると思います(^-^)。

モース硬度は硬さの度合いでありストーン自体の強靭性とは別物、硬くても割れることがあることを心する【546】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

こちらは【546】の記事ですが、少し前の【543】の記事で、翡翠(ジェイド)の硬玉(ジェダイト)と軟玉(ネフライト)の見分けが簡単ではないということを書きました。

そのことにも関連する今回の話題は「モース硬度」。

このモース硬度の違いでジェダイト(硬玉翡翠:こうぎょくひすい)なのかネフライト(軟玉翡翠:なんぎょくひすい)なのかを見分ける判断材料とするようです。

ジェダイトとネフライトのモース硬度を見てみると、その違いもそれほど大きなものではないことから、判別の難しさがあるのだと改めて感じます。

ジェダイトとネフライトの区別はこの度の記事ではポイントではございませんので、鉱物全般においてのモース硬度という見方で見てまいりたいと思います。

「鉱物の博物学:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」からの学びとなります。

ありがとうございます。

モース硬度は10段階、数が大きいダイヤモンドは最高レベル

この、2種のジェダイトとネフライトの違いの中で、下から2段目にモース硬度というのがあります。

記事の【543】の時の表です。

あえて数字は載せていないのですが、ジェダイトはネフライトよりやや値が大きいということなのです。

そして、このたびの表は、こちらをご覧いただきます。

1-10までのモース硬度:ほとんど中間を省略致しました。キズの付き具合の事ばかりがずらりと並びます。

ジェダイトとネフライトは、モース硬度は6-7の間。

その間のわずかな違いを見るということになりますので、この図からいかに狭い範囲内でその差を調べることになるかがうかがえます。

硬度と強靭性は同じではないという見方、翡翠はダイヤモンドに勝る強靭性を持つのだ

前述のように、モース硬度のダントツ1位はダイヤモンド。

しかし、「強靭さ」でいうと、ダイヤモンドよりも翡翠が勝るのです

「強さ」というざっくりとした見方であると、モース硬度も1つの材料であるということです。

モース硬度だけで全体の強さを測るというのもやや偏った見方なのです。

あとがき

モース硬度は、あくまで硬さであって、いろんな衝撃に耐えうる強靭性とは別物です。

そのものの硬さということになります。

強靭性でいうと、翡翠が1位になるようで、強い石は?などと聞かれると、翡翠が正解になるのかもしれません。

ダイヤモンドは硬さはあるけれど、ある割れやすい面に当たると、時折翡翠よりも簡単に砕かれるようですので、この硬度という言葉を慎重に使わねばなりません。

このたびの「モース硬度」、是非宝石ご購入の際の店員様との会話の中に盛り込んでみて下さいませ(^-^)。

古き良きヴィンテージ物の珊瑚のジュエリーを選ぶにあたって、まずは珊瑚とは何者なのかを知る【545】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年珊瑚は希少。

今後の新しいジュエリーに珊瑚が使われることすらなくなっていくと思っております。

もしかして伝説になるかもしれない珊瑚については、ヴィンテージ物ジュエリーの中では時々見つけることがあります。

そこで、珊瑚について、どんな「天然物」なのかということを今回はご紹介したいと思います。

あえて「天然物」と記し、「天然石」という呼び方をしなかった理由も併せて分かっていただけることになります。

珊瑚はストーンではないのです。

「動物」という意外、「植物」のようでもあり「鉱物」のようでもある特殊な珊瑚の存在

珊瑚は「刺胞動物(しほうどうぶつ)」の一種となっていまして、クラゲ、イソギンチャクなどが同じ部類の仲間です。

突起状のパーツが特徴です。

あの突起は人間でいう目や耳や味などの感触を得る大事なパーツなのです。

炭酸カルシウムを含む「霰石(あられいし)」というものでできた骨格を形成し、木の枝のようになって珊瑚になっていく。

この「霰石(あられいし)」というのは、「アラゴナイト」と呼ばれる「炭酸塩鉱物」というものの一種。

そうすると、珊瑚は鉱物のような性質も一部基盤に持っているということで、その上木の幹のように枝を広げた植物のようでもあるようなミックスされた特殊な「生き物」だと思えます。

天然石は通常鉱物にイコールなのですが、珊瑚はその点特殊なのです。

海の生物なので、鉱物とはもとは違う部類のはずなのですが、鉱物の性質も感じられるという不思議。

以前記事でご紹介したことがあったのですが、地球上には3つの物があるということ。

「動物」「植物」「鉱物」の3つです。

いかに「鉱物」の存在がたいそうなものであるのかということをお伝えしました。

このたびの珊瑚は、どれともとれるような、ミックスされたような感じがするものの、一応は、「刺胞動物」ということなので「動物」に分類さるのです。

けれども、宝石になっている事実があるわけでして、天然シェル(貝)、天然樹脂の琥珀や鼈甲などと同じように別格な存在であると言えます。

宝石になっていく珊瑚というのは、海の中ではこちらもさらに別格のようで、「貴重サンゴ」という呼ばれ方をしているようです。

深海に存在し、「造形珊瑚」と呼ばれる白い珊瑚とも違う種類とのこと。

珊瑚のどれもが宝石になれるわけではないところに、宝石の定義としての「希少さ」を思い浮かべることができるのです。

あとがき

あまり身近で見るものではないイメージが湧きにくい素材です。

海に潜るダイバー様達はおそらく海でゆらりとゆれる珊瑚を目にされたことがあるのでしょう。

とにかく、赤色もピンク色もどちらにしても希少価値はあるみたいです。

珊瑚を自然界の中での位置付けのような視点でこのたびは見てみました。

もうこの先珊瑚のジュエリーが簡単に手に届くものではないことが予想できます。

ヴィンテージ物の中からより良質な珊瑚を見つけていくその見方などを自身ももっと研究して良き差し色の赤い色の珊瑚などを取り入れてみたいと思います(^-^)。

手作りの淡水真珠のスクエア編み込みトップが素敵、同じ淡水真珠チェーンに通したペンダントから展開するあこやへの挑戦状【583】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年の淡水真珠はヴィンテージ物の淡水真珠と違い形が整ってきています。

技術の改良の成果だと見られます。

淡水真珠の連物をつなげてネックレスやブレスを作って収集していた2010年代前半のこと。

淡水真珠の親しみやすさにとても好感を持つようになっていきました。

確かにあこや真珠は真ん丸で形が整っていますが、あちらも人工的な手を加えた結果のラウンドフォルムなのです。

その技術の中身の労力やレベルに対する評価に依るところがあこやの価値を高めていることも大きいのではないかと思えます。

ということで、このたびは、自身もかつては「あこや」にこだわって多くのあこや真珠コーデを楽しんできたこともあるにもかかわらず、淡水真珠がここまで素敵になるのだというすごさをご紹介したいと思います。

きっかけは、ある天然石売り場でした。

店員さんが編み込んで作っておられたスクエアモチーフをペンダントトップへアレンジ

とてもうらやましいような技術の「編み込み」。

自身は1連に繋げることしか技術を持っていませんが、立体的に造形できる技術がある方は製作の幅も広がります。

天然石売り場で店員さんがスクエアの編み込みの淡水真珠モチーフを作っておられました↓。

〇ネックれレス:淡水真珠のトップは20mmx20mm。50cm。シルバークラスプ。バチカンはステンレス製。

隙間へステンレス製の丸カン(正式には、二重リングをカットして一重にしたもの)を通します。

ステンレス製のメリットは、シルバー925よりもうんと線径が細くても丈夫な点。

よって、狭いすき間にも無理なく入り込めるのです。

せっかく店員さんが作ったトップをこうしてアレンジできました。

淡水真珠は淡水真珠同士組み合わせていきました。

そして、ペンダント、編み込みブレス、リング(これだけはあこや)と組み合わせたセットが出来上がりました。

3点セット:ブレスも淡水の編み込みです。リングはシルバー925のあこや。イギリス製のセミオーダーメイド品。

希少価値があこやよりはるかに劣ると見られている淡水真珠ならではの贅沢な密集具合。

編み込みしてたくさん集まる「白の世界」は大変エレガントです。

〇ブレスレット:淡水パール6mm程度のラウンド型。巾20mm程。デイジーのシルバークラスプ。

ブレスレットもただ一連でつなげたよりもはるかに豪華です。

こちらも編み込みの技術によって素敵に作られた幅広ブレスです。

クラスプの素材がメッキのちゃんとしたものではなかった当初、1点の品物の細部にわたるレベルアップをするために、リフォーム屋様へ正式なシルバークラスプへ付け替えを依頼。

とても良い品物になりました。

〇リング:シルバー925台の3粒の4mm程度のあこや真珠が深めに埋め込まれたイギリスの老舗メーカ製。16号。

私は、このデザインを見て非常に感動致しました。

まるで大切な巣の中で卵を包み込むように守るようなイメージで大切に3個のあこやが埋め込まれているデザインに対してです。

突出していない分、破損やキズも付きにくくなっているのです。

あとがき

真珠は、自身も一番好きな天然石というほどのアイテムでした。

天然石という呼び方は正確ではなく、真珠はストーンではない海の生物の「貝」なので特別な存在です。

それでも数々の宝石と肩を並べてきた過去があったのですが、実際のレンタルジュエリー事業では全く手ごたえがありませんでした。

そうして、2023年をもって真珠を完全廃止と決めました。

あの希少で高価な「南洋真珠」も廃止です。

そうして、「宝石+地金」だけのレンタルジュエリーへと大きく変わりました。

これで良いと思っております。

すべてがユーザー様のフィードバックから感じ取ったことですので、間違いないと思います。

ただ、そうして多くの人が見放していく「真珠」に対して、反対に高まる希少価値がまた新たに生まれると思います。

高価だとか採取しにくいといった希少価値ではなく「ニッチ」な価値としてです。

ここから私がお伝えしていけることは、ただ1つの手持ちの真珠ジュエリーの装い方の新しい発見をこうして投稿でお伝えしていくことですね(^-^)。