出来上がりでは決して見ることができない場面を今!、貼り付けポケットに伸び止めテープを貼る様子【766】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在は、「餅巾着」というデザインを生地の種類を変えて製作中です。

シリーズとしては「メッシュシリーズ」が現在です。

今製作している中で裏地にポケットを付ける場面があります。

ここで、今回使用のナイロン/100%の生地との相性を考えた伸び止めテープの使い方の例をご紹介したいと思います。

伸び止めテープのバイヤスをストレートな部分に使ったその理由とは?

伸び止めテープというのは、その名の通り、伸びないように固定する働きが主にありまして、既存の説明などでは、洋服の襟ぐり、そでぐりなどのカーブの部分にバイヤスを使うなどの例が多く見られます。

今回は、もっと違った使い方をした一例となるかもしれません。

まっすぐなストレートなラインにバイヤスの方を貼るのです。

ストレートとバイヤスの質の違いは、その柔軟性。

やはりカーブなどの内輪と外輪があるかのような箇所では、伸び縮みに優れたバイヤスカットをしてあるテープが融通が利き、そのラインに沿ってくれるのです。

ストレートは、まっすぐの縦や横にびしっと硬く風合いを仕上げてくれる効果があります。

裏側なので少しだけしか映っていませんが、裏地に使う生地は結構薄手のナイロン/100%の柄物。
貼り付けポケットの場合、縫い付ける時に長方形の角が生地が伸びて歪みがち。
それを美しい直角に仕上げるために伸び止めテープを利用。
しかし、ストレートの方を選ぶと、あることが懸念されます。

その「あること」というのが、しわや気泡です。

そもそも、この接着芯をこのナイロン/100%の生地に貼る時にも、柔らかいニット芯を貼っています。

ここへ織芯を貼ってしまうと弾力性のあるナイロン/100%の生地がアイロンの熱によっていったんきゅーっと激しく縮み、その後熱の冷めによって再び戻ろうとするような動きからか、気泡と皺のオンパレードになってしまいます。

このことの経験から、伸び止めテープだって一部使いの接着芯と同じではないかと考えるわけです。

そこで、伸び縮みに対応しやすいバイヤスの方をチョイスというのが正解だったようです。

なので、このまっすぐな線に貼っている黒の伸び止めテープはバイヤスの方です。

市販では、ニットの伸び止めテープもあるようですが、伸び止めテープの通常のタイプで、バイヤスをチョイスという対応で大丈夫でした。

接着芯の風合いが、織芯とニット芯では違うように、びしっと硬めに仕上げたい場合は断然織芯の方が良いので、それと同じ考え方をすると、伸び止めテープのニットタイプもやわらかすぎてびしっと仕上がってくれないと思うと、織りタイプのバイヤスを使うという考え方も一理あるんです。

巾9mmのバイヤステープなのですが、このように、表にひっくり返した時の端っこに位置するように使ってみました。あと、これはネットやYOUTUBE情報で学ばせてもらいましたが、伸び止めテープはどこかしら縫い目で固定されているのが鉄則らしいので、縫う位置を想定した位置に上手く部分的に貼るということの考慮が重要なようです。縫い代いっぱいに貼る必要はなく、肝心な部分に狙って貼っていくのが無駄のない貼り方かと思います。

この写真のポケットの底の部分には、この写真の現在では縫い線がないですが、後に、ひっくり返した後に、本体に縫い付けられる時に、縫い線が走ります。

そういった想定をして伸び止めテープが最終的にミシンでちゃんとたたかれるよう見込むということが必要ですね。

はがれ防止や固定の意味があるのだと思います。

伸び止めテープをポケットに使った効果と出来栄え

特に、長方形の角の部分にご注目を。美しく直角が出ていますね。これは伸び止めテープの効果です。
裏側はこんな感じ。当て芯をしていますが、その縫い線のラインが裏から見てもすっきりと直角です。

伸び止めテープを貼らないと極端な話、長方形が平行四辺形にもなりかねません。

とても素晴らしいツールというか附属品ですね。

こういった裏の場所というのは、バッグが出来上がってしまうと見ることがありません。

是非この機会にこの貴重な様子をご覧くださいませ(^-^)。

逆に考えれば、なぜ、こんなに綺麗なポケットなのだろう。。。という完成品を見たときの答えが、実は今回の記事のような内幕があったということになります。

そんな感嘆のお声がお聞きできるよう、見えない部分のお仕立てにも今後力を入れていきたいと思っています。

この考え方は危険!、織物生地には織芯、ニット生地にはニット芯という使い分けが正しくない理由【111】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、つい先日私が起こした失敗談からの学びとして、とても大切なお話をさせていただきたいと思います。

それは、芯地の使い分けについてです。

織芯とニット芯をどのように生地に対応させていくかです。

まるで水膨れのよう、気泡が出来てしまった原因の正体

今回、ナイロンオックスというナイロン/100%の生地を扱ってブリーフケースを製作していました。

後に、<ビジネスシリーズ>というものでご披露させていただきます。

今回のこのナイロン/100%に対して、最初、接着芯を織芯でチョイスしていました。

とても単純な考え方です。

織物には織芯をニット地にはニット芯をという考え方でした。

ナイロン/100%のこのナイロンオックスの生地も織物だということで織芯を貼ったわけです。

そうしましたら、こんなことになりました↓。

接着芯によって縮んだ生地がもたらす気泡・・・せっかく縫いを綺麗に行っても最悪の面持ちに。。

あーあ、すべてが台無しに。。。

そうなんです。こんなことになってしまったのです。

ただ、この画像は非常に後に貴重な場面となります。

この原因は、ナイロンという糸の特性にあることが後から分かりました。

例えば、ナイロンが10%ほど混在している混合生地である場合、織物であれば、このようなことにならなかったと思います。

しかし、今回はナイロン/100%。

ナイロンという素材は、弾力性があると言われていまして、横にも縦にも手で引っ張ると伸びます。

ストッキングやタイツにナイロン/100%の素材が利用されていることからも理解しやすいかと思います。

とても伸びるというところが脚を自由に出し入れできて、そのまま動くことが可能になる素材なわけですので、いかにナイロンが伸びる弾力性のある素材であるかが分かります。

つまり、織物、ニットという枠組みではなくて、伸びる生地、弾力がある生地かそうでないかの判断をせねばならなかったのです。

ということはナイロンだけにはとどまりません。

例えばポリステル/100%の素材で、弾力性のある横に伸びる感じの生地出会ったことが過去にあります。

アムンゼンという生地でした。ミシンの針が刺さりやすいがさっとした隙間のある織り方でした。

これに接着芯の不織布タイプを貼ったことがあるのですが、ものすごくしわしわと生地が縮む様相が見られました。

気泡ではなくて、しわしわと縮むことも生地と接着芯の相性の悪さの結果です。

ということで、何も織物だから織芯をチョイスするのが正解ということではないわけです。

そう考えると、織物にもニットにもニット芯を貼るということにしていれば、今回のことが起こることはないと考えます。

なので、ニット芯を定番にしてそれを1本で使っていく考え方も安全策の1つ。

私は、いちいち織芯とニット芯を使い分けているから選択を誤るとこうなることがあるのです。

ただ、しかーしっ( `ー´)ノ。

織芯には、ニット芯に比べて、ハリやコシがうまく出るというメリットがあることも重要。

そうすると使い分けをしていく使い方をするという考え方がもっともなのです。

今回の教訓を今後へ活かす心得

ということで、今回のような恐ろしい体験をしましたので、いかに芯地が大切かということ、そして、当たり前にすんなりうまくいった過去も、生地と芯地がマッチしたことの結果であることが分かります。

芯地を貼る前に生地の縦横を引っ張ってテンションというか伸び縮みの具合をしっかり確かめるという作業が今後は入れていきたいと思います。

ここ最近調達してストックしてある生地の中にも、ものすごい弾力性のあるものもあります。

なので、織物、ニットというくくりは、あまり当てにしてはいけません。

生地の本当の姿といいますか、実際の伸び縮みこそが大切になってくるのです。

あとがき

この気泡のできる理由というのが織芯の融通の無さとナイロンの融通の良さのミスマッチで起こることだと分かりました。

一度できた気泡はアイロンでつぶしてもまたできてしまいます。

ということで、ナイロン/100%、もしくは、ナイロンの割合が高い素材は、たとえ織物であっても最初からニット芯を選択することが正解です。

「織物、ニット」という生地の区分けは「伸びる、伸びない」という単純な分類ではなく、「伸びる織物」や「弾力性のある織物」も区分けの中にちゃんと入れていかねばならないのです。